受審後の実務

東京23区の入札参加資格を比較|区内業者の営業拠点の年数・総合評価の対象金額・入札方法の金額の境目

東京23区のうち16区について、区内業者に認定される営業拠点の設置年数、総合評価方式の対象になる予定価格、一般競争入札と指名競争入札の金額の境目を、各区の要綱・基準・公式ページの原文で確かめて並べました。

16区の数値を公式の要綱・基準の原文と照合(2026年10月24日)
編集:建設経営ラボ編集部(合同会社フューチャープロンプト) / 運営方針・出典

区外に本店がある会社が区内業者として扱われるまでの年数は、区によって1年から3年まで開きます。総合評価方式の対象になる予定価格も2,000万円から9,000万円まで、一般競争入札に切り替わる金額も200万円超から1億5,000万円までと、同じ東京23区でも区ごとに違います。このページは、その3つの数字を区をまたいで並べ、自社の営業所の年数と狙う工事の金額から、先に確かめる区を絞るための比較表です。

区内業者になるまでの営業拠点の設置年数

区外に本店がある会社が、区内の支店・営業所で区内業者(または準区内業者)として扱われるために必要な年数です。年数のほかに、営業の実態や履行実績を求める区があります。

区内の営業拠点に求められる設置年数(区外に本店がある会社の場合)
区設置からの年数年数のほかに求められること
中野区(準区内業者)1年以上営業所の設置後、1年以上経過していること
荒川区1年以上区内に営業拠点を有してから1年以上経過していること(認定基準の他の要件もすべて必要)
墨田区本店は1年、支店・営業所は3年営業所に契約締結の権限を持つ人を置くことなど
目黒区(支店事業者)2年以上申請時以前の1年を通して、区内の支店等で営業活動を行っていること
板橋区(支店事業者)2年(区内での事業開始日から)起点は設置日ではなく、区内での事業開始日を示す書類の日付
豊島区2年以上過去2年間に、区内の代理人名義で工事請負契約(官公庁・民間)を結び、履行を完了した実績
北区(準区内業者)3年以上申請時以前1年間に、支店等の代理人名義で結んだ契約の履行を完了していること
大田区(準区内業者)3年以上専任技術者の常駐など。申請時以前に、支店等の代理人名義の契約の履行を完了していること

同じ「支店を区内に置く」でも、1年で足りる区と、3年たつまで認定されない区があります。年数の起点も、設置日(目黒区・北区・大田区)か、事業開始日を示す書類の日付(板橋区)かで区ごとに違います。

総合評価方式の対象になる予定価格

価格だけでなく施工能力や地域貢献も見て落札者を決める総合評価方式に、どの金額から選ばれるかです。どの区も「原則」で、実際にどの工事を対象にするかは区が個別に決めます。

総合評価方式の対象になる予定価格の下限(小さい順)
予定価格の下限区
2,000万円以上品川区(契約担当者と主管課長の協議で決定)
2,500万円以上千代田区・文京区・台東区・目黒区・荒川区(目黒区は建設共同企業体の発注工事を除く)
3,000万円以上新宿区(品質確保の工夫の余地が大きいなどで必要と認めるもの)
3,500万円以上中央区(建設共同企業体の発注工事を除く)
4,000万円以上墨田区(建築・電気・空調・給排水衛生の4工種のみ)
建築9,000万円以上、それ以外4,500万円以上港区(令和7年4月1日以降に公表する案件。建築は従前8,000万円以上)・中野区(令和8年度は、この金額以上を総合評価方式の一般競争入札で発注)

2,500万円の工事は、品川区・千代田区・文京区・台東区・目黒区・荒川区では総合評価方式の対象になりえますが、新宿区・中央区・墨田区・港区・中野区では対象に入りません。総合評価方式では、直近の工事成績が60点未満だと参加できない区があるなど、価格以外の要件が加わります。対象の区を狙うなら、工事成績評定の点数も見ておきます。

入札方法が変わる予定価格の境目

一般競争入札(参加条件を満たせば誰でも参加できる方式)と、指名競争入札(区が業者を指名する方式)が切り替わる金額です。区内業者の優先は、主に指名競争入札の側で働きます。

一般競争入札に切り替わる予定価格と、指名競争入札の下限(工事)
区一般競争入札の対象指名競争入札の対象
板橋区200万円を超える工事は条件付き一般競争入札が基本一般競争に付さない案件のうち200万円を超える工事は、希望制(公募型)指名競争入札
北区9,000万円以上200万円超9,000万円未満は希望制指名競争入札
豊島区1,000万円以上は条件付一般競争入札250万円以上1,000万円未満は希望型指名競争入札、130万円以上250万円未満は指名競争入札
練馬区原則1,000万円以上は制限付き一般競争入札原則1,000万円未満は希望制指名競争入札
文京区1億円以上は制限付き一般競争入札建築・土木は1,000万円超1億円未満、設備その他は500万円超1億円未満が希望型指名競争入札
墨田区1億5,000万円以上(設備工事は1億円以上)500万円以上(一般競争の対象を除く)が希望型指名競争入札
台東区1億円以上は制限付一般競争入札に付すことができる指名競争入札の金額の境目は、台東区のガイドで整理しています
中野区建築9,000万円以上、それ以外4,500万円以上(総合評価方式の一般競争入札)それ未満は希望制指名競争入札

1,500万円の建築工事は、練馬区・豊島区・北区では扱いが分かれます。練馬区と豊島区では一般競争入札、北区では希望制指名競争入札です。一般競争は参加条件を満たせば手を挙げられ、指名競争は区の指名を待つため、同じ工事でも営業の仕方が変わります。

自社の条件から確かめる区を絞る

  1. 区内の営業所を置いて1〜2年の会社。中野区・荒川区は1年以上が要件です。墨田区は本店なら1年ですが、支店・営業所は3年です。目黒区・板橋区・豊島区は2年、北区・大田区は3年たつまで認定を受けられません。
  2. 2,500万円前後の工事を狙う会社。総合評価方式の対象になる区は品川・千代田・文京・台東・目黒・荒川です。新宿(3,000万円)、中央(3,500万円)、墨田(4,000万円)、港・中野(4,500万円以上)は、その金額より小さい工事は対象外です。
  3. 1,000万円前後の工事を狙う会社。練馬・豊島は一般競争入札、文京は建築・土木が指名競争(希望型)、北は希望制指名競争です。
  4. 1億円規模の工事を狙う会社。文京・台東は1億円以上、墨田は1億5,000万円以上(設備工事は1億円以上)が一般競争入札の対象です。北は9,000万円以上、練馬・豊島は1,000万円以上から一般競争入札になります。

この表は金額と年数の目安を並べたものです。実際の参加可否は、区ごとの等級、経審の総合評定値P、工事の種類などで決まります。区内業者の認定要件の全体は東京の区の「区内扱い」を7区で比較、練馬・世田谷・杉並・葛飾・江戸川の5区の等級や受付は東京の区の入札参加資格を5区で比較で確かめられます。

この表に載せていない区のガイド

次の区は、上の3つの数字を同じ形で並べる材料が、このページでは確認できていません。区ごとのガイドに、受付や等級の整理があります。

  • 世田谷区(随時申請、等級と順位、優先業種区分)
  • 杉並区(総合評定値Pが客観点数になる仕組み、有効期限)
  • 葛飾区・江戸川区(総合評定値Pの使われ方)
  • 江東区(随時申請、区内事業所調書、格付順位の確認)
  • 渋谷区(申請の窓口、資格が有効になる日、区内事業者認定)
  • 足立区(公募型指名競争入札の指名数、小規模工事の登録)

東京都が発注する工事の資格は、区とは別の手続きです。東京都の入札参加資格と経審の使われ方を参照してください。

確認した一次資料

次の各区の資料の原文で、表の数字を2026年10月24日に確かめました。年数の表は認定基準、総合評価の表は実施要綱または公式ページ、入札方法の表は発注基準・実施要綱・公式ページです。金額は改正されるため、申請の前に最新版を見てください。

この比較表は、公式資料の金額と年数を並べた目安です。受付や要件、申請の可否は、各区の最新の案内と審査結果が優先されます。故意または重大な過失がある場合を除き、掲載内容による損害について当サイトは責任を負いません。

まとめ

  1. 区内業者になるための営業拠点の設置年数は、中野・荒川の1年から、北・大田の3年まで開く。墨田区は本店1年、支店・営業所3年。
  2. 総合評価方式の対象は、品川の2,000万円以上から、港・中野の建築9,000万円以上まで。2,500万円前後の工事は、区によって対象になるかが分かれる。
  3. 一般競争入札に切り替わる金額は、板橋の200万円超から墨田の1億5,000万円まで。1,000万円前後では練馬・豊島が一般競争、文京・北が指名競争になる。

次に知りたいこと:東京の区の「区内扱い」を7区で比較、東京の区の入札参加資格を5区で比較、東京都の入札参加資格と経審、地域別の経審の活用一覧。

4区の総合評価の配点(価格点・工事成績評価点・区内業者点)を並べて見たいときは、自治体の総合評価の配点を4区で比較をご覧ください。

よくある質問

区外に本店がある会社は、区内に支店を置いて何年で区内業者として扱われますか?
区によって異なります。中野区(準区内業者)と荒川区は1年以上、目黒区・板橋区・豊島区は2年、北区と大田区(準区内業者)は3年以上です。墨田区は本店なら1年、支店・営業所なら3年です。
総合評価方式の対象になる予定価格は、区によって違いますか?
違います。原則として、品川区は2,000万円以上、千代田区・文京区・台東区・目黒区・荒川区は2,500万円以上、新宿区は3,000万円以上、中央区は3,500万円以上、墨田区は4,000万円以上(4工種)です。港区と中野区は建築9,000万円以上、それ以外4,500万円以上です。
1,000万円前後の工事は、一般競争入札と指名競争入札のどちらですか?
区によって異なります。練馬区と豊島区は1,000万円以上が一般競争入札です。文京区は建築・土木で1,000万円を超え1億円未満が希望型指名競争入札、北区は200万円超9,000万円未満が希望制指名競争入札です。
この比較表に載っていない区は、どこで確かめますか?
世田谷区、杉並区、葛飾区、江戸川区、江東区、渋谷区、足立区は、この表に載せていません。各区のガイドと、区の最新の公式案内で確かめてください。

P点から国交省・関東地方整備局の等級目安を確認(無料・登録不要):入札参加資格ランクの目安計算を使う

他の都道府県・政令指定都市のガイドを探す(地域別ガイド一覧)

事業者ご自身が入力する概算の試算です。申請の代行・作成支援や個別相談は行っていません。正式な評点は登録経営状況分析機関・審査行政庁の審査結果が優先します。算定方法・出典・免責