受審後の実務

区外に本店がある会社が東京の区の「区内扱い」を受ける条件を7区で比較(設置期間・実績・届出の期限)

東京の区の工事で、本店が区外の会社が支店・営業所を区内に置いて「区内事業者」「準区内業者」として扱われるための条件を、足立区・板橋区・北区・豊島区・大田区・江東区・江戸川区について、設置してからの期間、契約の実績、届出の期限と提出先を並べて整理します。

各区の公式ページ・認定基準・告示
編集:建設経営ラボ編集部(合同会社フューチャープロンプト) / 運営方針・出典

区外に本店がある会社は、区内に支店・営業所を置いても、届出や認定を受けないと区内の会社としては扱われません。必要な設置期間は、足立区が6か月以上、板橋区と豊島区が2年以上、北区と大田区が3年以上と、区ごとに違います。

この記事は、7区の入札参加資格の記事で2026年10月23日に確認した内容を、「区外の本店の会社が区内扱いを受ける条件」だけ取り出して並べたものです。区内扱いを受けると、区内の事業者だけを対象にした案件や、指名で区内の事業者を優先する案件に関われるようになります。

設置期間と実績の条件を並べた表

設置期間が条件に入っているのは、足立区・板橋区・北区・豊島区・大田区の5区です。実績の条件があるかどうかも区によって分かれます。

区内扱いを受ける条件(各区の公式資料から)
区区内での呼び方区内に置いてからの期間契約の実績・そのほか
足立区区内事業者6か月以上(2023年6月1日申請分から)区の実地調査で営業の実態を確認できること
板橋区支店事業者区内で事業を開始してから2年を経過営業所の代理人名義の契約を履行した実績があること。区の工事成績評定が49点以下の通知を受けていないこと
北区準区内業者支店等を置いてから3年以上申請時以前の1年間に、支店等の代理人名義の契約があり、履行を完了していること。専任の技術者が常駐していること
豊島区区内事業者(支店)設置2年以上過去2年の履行実績があること
大田区準区内業者支店等を設置して3年以上申請時以前に、支店等の代理人名義の契約があり、履行を完了していること。専任の技術者が常駐していること

設置期間の数え方は、足立区だけが月単位です。北区と大田区は、独立した事務所の形になっていること、責任者が常駐していること、常時連絡がとれる体制があることなども求めており、名前だけの支店では認められない仕組みです。

届出の期限と提出先

条件を満たしていても、届出がなければ区内扱いにはなりません。届け出る時期と提出先は区ごとに違います。

届出の時期と窓口(各区の公式ページから)
区届出の内容
板橋区承認後2週間以内に「板橋区内支店・営業所等届出書」を出す。継続申請のときも出し直す
豊島区毎月20日までに届いたものが翌月から有効(消印有効ではない)。届出書に、賃貸借契約書または登記簿の写し、代理人名義の工事請負契約書の写しなどを添える
大田区様式第1号の届出書を、大田区役所9階の経理管財課窓口へ持参または郵送する。認定期間は令和9年12月31日まで
北区支店・営業所の届出書に、不動産の登記簿の写しまたは賃貸借契約書の写し、建設業許可申請書の写しなどを添えて区長へ提出する
足立区届出書を出して認定を受ける。すでに認定を受けている事業者の更新には、設置期間と実地調査の要件はかからない

足立区では、認定期間が終わって1年を過ぎてから申請すると、新しい認定とみなされます。更新のつもりで出しても、設置期間と実地調査の要件を満たす必要が出るので、期限は切らさないようにします。

豊島区の届出は、毎月20日に届いていなければ翌月からの扱いになりません。消印の日付では受け付けられないので、郵送のときは日数に余裕をみます。

江東区と江戸川区の扱い

江東区と江戸川区は、設置期間を条件にする書き方ではありません。確認できた内容は次のとおりです。

江東区と江戸川区の扱い(各区の公式資料から)
区区外の本店の会社が区内に支店・営業所を置いたとき
江東区区内に支店・営業所を設けて営業する工事登録業者は、区内の支店・営業所としての入札参加資格が承認された日から15営業日以内に、区内事業所調書を提出する。提出先は江東区役所総務部経理課契約係。調書を出さないと、地域要件のある案件に区内業者として申し込めない
江戸川区区内に支店(営業所)だけがある事業者は「準区内」業者として扱われ、点数から出た等級より一つ下の等級に格付される。対象になるのは、格付審査の申請日の時点で、その業種の区の格付をすでに持っている事業者

江東区は、調書の内容について区が実態調査をすることがあり、事実と違うと区内業者の認定が取り消されて指名停止などの措置を受けることがある、と案内しています。江戸川区は、区内に本店がある事業者を中心に格付する仕組みで、支店型は一段低く扱われます。

支店を置く前に確かめる順番

区内扱いを狙って支店や営業所を置くなら、次の順に確かめると手戻りが少なくなります。

  1. 狙う区が、設置期間を条件にしているかを、上の表で確かめる。北区と大田区は3年以上なので、すぐには届かない。
  2. 契約の実績が条件の区(板橋区・北区・豊島区・大田区)では、支店名義ではなく代理人名義で契約を結んだ記録を残す。
  3. 届出書の提出先と期限を、区の最新の案内で確かめる。郵送の日数は期限に含まれる区がある。
  4. 認定の期間が決まっている区(大田区は令和9年12月31日まで)では、更新の時期をカレンダーに入れる。

この比較は、区外の本店が区内扱いを受ける条件に絞っています。申請の窓口、受付、等級の決まり方は、各区の記事で説明しています。5区の受付と経審のP点の使われ方は東京の区の入札参加資格を5区で比較で並べています。

確認した一次資料

この記事は、各区の公表資料を整理したものです。認定の要件や届出の期限は改正されることがあります。申請の可否は、各区の最新の案内と審査結果が優先されます。

まとめ

  1. 区外に本店がある会社は、区内に支店・営業所を置いても、届出や認定がなければ区内扱いにならない。
  2. 設置期間の条件は、足立区が6か月以上、板橋区・豊島区が2年以上、北区・大田区が3年以上。
  3. 板橋区・北区・豊島区・大田区は、代理人名義で契約を履行した実績も求める。
  4. 江東区は承認から15営業日以内に区内事業所調書を出す。江戸川区は支店型の準区内を、点数から出た等級より一つ下に格付する。

次に知りたいこと:東京の区の工事の入札方法を予定価格で比較、東京の区の入札参加資格を5区で比較、大田区の入札参加資格と経審、地域別の経審の活用一覧。

よくある質問

区外に本店がある会社は、区内に支店を置けば区内事業者になりますか?
なりません。足立区・板橋区・北区・豊島区・大田区などは、設置期間や契約の実績といった条件を満たしたうえで、届出や認定を受けることを求めています。
区内に支店を置いてから何年で区内扱いを受けられますか?
足立区は6か月以上、板橋区と豊島区は2年以上、北区と大田区は3年以上が条件です。江東区と江戸川区は、設置期間を条件にする形では案内していません。
代理人名義の契約の実績は、どの区で求められますか?
板橋区・北区・豊島区・大田区が、支店等の代理人名義で契約を結び、履行を完了した実績を求めています。足立区は営業の実態を区の実地調査で確認します。
豊島区の区内事業者の届出はいつまでに出せばよいですか?
毎月20日までに届いたものが、翌月から区内の事業者として扱われます。消印有効ではないので、郵送のときは日数に余裕をみます。
江東区の区内事業所調書はいつまでに出しますか?
電子調達サービスで区内の支店・営業所としての入札参加資格が承認された日から15営業日以内に、江東区役所総務部経理課契約係へ出します。

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