受審後の実務

港区の入札参加資格|区内事業者の認定要件・総合評価の対象金額

東京都港区の工事の入札を、区の公式ページから整理します。予定価格200万円超の工事の入札方法と、区内事業者の3区分、重複して受注できる件数がわかります。特別簡易型総合評価方式の対象金額と、地域貢献の加点も確認できます。

港区の競争入札
編集:建設経営ラボ編集部(合同会社フューチャープロンプト) / 運営方針・出典

港区の工事は、予定価格が200万円を超えると、案件ごとに参加資格を決めて募集する制限付一般競争入札で行います。区内事業者は3区分に分かれ、区内営業所等事業者は重複して受注できる工事が3件までです。特別簡易型総合評価方式は、原則として建築工事で予定価格9,000万円以上、それ以外の工事で4,500万円以上から使われます。

2026年10月23日に確認した内容です。港区「港区の入札・契約制度について」のページの更新日は2025年4月25日でした。最新の案内は港区「港区の入札・契約制度について」でご確認ください。

工事の入札方法

港区の入札・契約制度のページでは、工事は制限付一般競争入札の対象として載っています。東京電子自治体共同運営サービスで案件を公表し、入札に参加したい事業者を募集します。案件ごとに決める参加資格の要件を満たせば、入札に参加できます。

港区の入札方法(区の入札・契約制度のページ)
契約の種類入札方法
工事予定価格200万円超は制限付一般競争入札
設計・測量など予定価格100万円超は制限付一般競争入札
物品の購入・業務委託など指名競争入札、または制限付一般競争入札

指名競争入札は、同じページでは物品の購入や業務委託の項目に載っています。工事では、次に説明する区内事業者の区分ごとに、重複して受注できる件数が決まっています。

区内事業者の3区分と認定要件

港区は、区内の中小事業者を優先するために「港区における競争入札参加者の選定に係る区内事業者の認定基準」を定めています。競争入札に参加する資格がある事業者のうち、次の3区分のいずれかに当てはまる事業者が区内事業者です。

区内事業者の区分
区分内容
区内本店事業者区内に登記簿上の本店(個人は住所地)を置き、営業している。区内事業者調書の提出は不要
区内営業所等(本店級)事業者登記簿上の本店は区外だが、事実上の本店を区内に置く、または区内に契約の権限を持つ人と支店等を置き、本店級の要件を満たして認定された
区内営業所等事業者同じく本店は区外で、区内の支店等が基本の要件を満たして認定された

営業所等の認定には、区内事業者調書の提出が必要です。本店級の認定を申請すると、区が実地調査を行います。

区内営業所等事業者の認定要件(基本の6項目)
項目内容
建物支店等の建物を法人または代表者が所有している。賃借なら、法人または代表者の名義で契約している
外観建物の外部や入口ドアに看板を出し、独立した事務所の形になっている。住宅と併用なら調査の上で総合的に判断する
人員営業活動ができる人を配置している。配置するのは期間の定めのない労働契約の正社員で、兼務は認められない
責任者営業所責任者を常駐させる。法定の専任の技術者が必要な業種なら、その技術者も常駐させる
連絡体制常時連絡が取れる。転送電話が常態であったり、取り次ぐだけの人員だったりする場合は認められない
設備事務を行える什器、備品、複写機、通信機器などが置かれている

本店級の認定では、上の6項目に加えて、工事・設計・測量などの契約では7人以上の正社員を支店等に常駐させる必要があります。内訳は、営業所責任者1人、事務員1人、営業担当者1人、現場を任せられる責任者4人です。個人用の机や椅子などが、配置人員以上にあることも求められます。

事業協同組合などの組合は、区内営業所等事業者の認定は申請できますが、本店級の認定は申請できません。

重複して受注できる件数

区内事業者の認定は、工事と設計・測量で、同時に受注できる件数に違いが出ます。

重複受注可能数(工事請負案件、設計・測量)
区分重複して受注できる件数
区内本店事業者制限なし
区内営業所等(本店級)事業者制限なし
区内営業所等事業者3件まで

制限付一般競争入札には、区内事業者に限って参加できる案件があります。区内本店、本店級、営業所等のどの区分でも、その案件には参加を申し込めます。

特別簡易型総合評価方式の対象と加点

港区の工事の総合評価は「特別簡易型」です。価格評価点、技術評価点、地域貢献等評価点を合計した評価値が最も高い事業者が落札者の候補になります。対象契約は、令和7年4月1日以降に公表する工事から変わりました。

特別簡易型総合評価方式の対象工事
対象工事令和7年4月1日以降変更前
建築工事原則、予定価格9,000万円以上原則、8,000万円以上
建築工事以外原則、予定価格4,500万円以上原則、4,000万円以上

令和5年4月1日以降に契約する工事の地域貢献等評価点は、次の4項目です。複数の制度の認定を受けていても、1項目の点数は表のとおりです。

地域貢献等評価点の項目
評価項目評価対象評価点
ワーク・ライフ・バランス推進港区ワーク・ライフ・バランス推進企業認定、えるぼし認定、プラチナえるぼし認定、トライくるみん認定、くるみん認定、プラチナくるみん認定のいずれか2点
障害者雇用法定雇用率以上1点
環境配慮ISO14001、エコアクション21など、またはMINATO再エネ100電力利用事業者認定1点
災害協定活動区との災害協定を締結している3点

価格評価点と技術評価点の配点、技術評価点に使う工事成績や技術者の評価は、この記事では確認していません。技術者の実績の登録はコリンズとはで説明しています。

最低制限価格と低入札価格調査

港区は、ダンピング受注を防ぐために、工事で最低制限価格を設けています。設定範囲は、令和2年4月1日以後に契約する案件から、予定価格の10分の9.2から10分の7.5までです。変更前は、10分の9から10分の7まででした。

低入札価格調査制度は、特別簡易型総合評価方式で行う工事が対象です。調査基準価格は、予定価格の92%から75%までの範囲で、材料費、労務費、諸経費の割合などを考えて決めます。

低入札価格調査の失格基準
基準内容
価格による失格基準失格基準を下回る価格で入札すると失格。基準の金額は非公表
工事成績による失格基準公表日の属する年度とその前5年度内に完了した港区発注工事のうち、いずれかの工事成績評定が60点未満だと失格

区は、あわせて工事の最低賃金水準額を、東京都の公共工事設計労務単価に0.92をかけた額としています。令和2年4月1日以後に契約する案件から適用されます。

この記事で確認していない点

  • 電子調達サービスの定期受付の日程と、資格の有効期限。
  • 経審の点数が格付に使われる方法。
  • 価格評価点と技術評価点の配点。

確認した一次資料

申請の可否や個別の判断は、港区の最新の案内と審査結果が優先されます。

まとめ

  1. 工事は予定価格200万円超で制限付一般競争入札。区内事業者は本店、本店級、営業所等の3区分で、営業所等は重複して受注できる工事が3件まで。
  2. 特別簡易型総合評価方式は、原則として建築工事で9,000万円以上、それ以外で4,500万円以上が対象。地域貢献の加点は、災害協定3点、ワーク・ライフ・バランス推進2点などの4項目。
  3. 最低制限価格の設定範囲は予定価格の10分の9.2から10分の7.5まで。低入札価格調査では、過去5年度内に60点未満の工事成績があると失格。

他の区との違いは、区内業者の認定を比べた記事と文京区の入札参加資格で見られます。東京都の資格は東京都の入札参加資格、自治体を並べて探すときは自治体別の入札参加資格と経審の一覧をご覧ください。

よくある質問

港区の工事は、いくらから制限付一般競争入札になりますか?
予定価格が200万円を超える工事は、制限付一般競争入札の対象です。東京電子自治体共同運営サービスで案件を公表し、案件ごとに決める参加資格の要件を満たせば入札に参加できます。設計・測量などは100万円超が対象です。
港区の区内事業者には、どんな区分がありますか?
区内本店事業者、区内営業所等(本店級)事業者、区内営業所等事業者の3区分です。区内営業所等と本店級は、認定のために区内事業者調書の提出が必要で、本店級は区が実地調査を行います。
港区で、重複して受注できる工事の件数に上限はありますか?
工事請負案件と設計・測量では、区内本店事業者と区内営業所等(本店級)事業者は制限がありません。区内営業所等事業者は3件までです。
港区の特別簡易型総合評価方式は、どんな工事が対象ですか?
令和7年4月1日以降に公表する工事から、原則として建築工事は予定価格9,000万円以上、建築工事以外は4,500万円以上が対象です。変更前は、それぞれ8,000万円以上と4,000万円以上でした。
港区の低入札価格調査では、どんな場合に失格になりますか?
調査基準価格を下回る入札で、失格基準を下回る価格の場合は失格です。また、公表日の属する年度とその前5年度内に完了した港区発注工事のうち、いずれかの工事成績評定が60点未満の事業者も失格です。

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