自治体の総合評価の配点を4区で比較|価格点・工事成績・区内業者点(新宿・台東・墨田・品川)
東京の新宿区・台東区・墨田区・品川区の総合評価方式について、価格点の式、工事成績評価点の最大点、区内業者に付く点数を各区の要綱の原文で確かめて並べました。経審の点数が配点のどこに効くのかもわかります。
総合評価方式の配点比較総合評価方式は、入札価格だけでなく施工能力の点数も足して落札者を決める方式です。この4区の配点項目には、経営事項審査の総合評定値(P点)そのものは入っていません。効いてくるのは、直近の工事成績、配置する技術者、区内の営業拠点などです。
2026年10月24日に、4区の要綱と公式ページで確認した内容です。要綱は改正されることがあるため、実際の入札では、公告に付く最新の要綱と評価基準を必ずご確認ください。
4区の配点を並べる
いずれも東京都内の区で、対象は原則として予定価格が一定額以上の工事のうち、区が必要と認めるものです。点数は、要綱に書かれた最大点です。
| 項目 | 新宿区 | 台東区 | 墨田区 | 品川区 |
|---|---|---|---|---|
| 対象の目安(予定価格) | 3,000万円以上 | 2,500万円以上 | 4,000万円以上(建築・電気・空調・給排水衛生) | 2,000万円以上 |
| 価格点 | 90×(1−入札価格÷予定価格) | 最大90点(同じ式) | 同じ式で、30点を超えるときは30点 | 100×(1−入札価格÷予定価格) |
| 工事成績評価点 | 16点 | 15点 | 17点 | 13点 |
| 配置予定技術者(資格・実績) | 7点 | 5点(資格3・実績2) | 6点(資格3・実績3) | 5点(資格3・実績2) |
| 営業拠点の所在地(区内業者点) | 3点 | 2点 | 2点 | 地域貢献等評価点(6点)に含まれる |
| 災害協定 | 1点 | 2点 | 2点 | 個別の項目なし |
| 障害者雇用 | 1点 | 1点 | 個別の項目なし | 個別の項目なし |
| その他の項目 | 品質・環境配慮1点、ワーク・ライフ・バランス認定1点 | なし | 施工実績5点、地域団体加入1点 | なし |
| 施工能力の点数の合計 | 30点 | 20点+地域貢献5点 | 33点(項目の合計) | 24点 |
品川区の要綱の配点表には、地域貢献等評価点(6点)が1つの項目として載っています。災害協定や区内業者の点数を個別に取り出した値は、このページでは示していません。
価格点の式と、値下げ1%あたりの点数
新宿区・台東区・墨田区は係数が90、品川区は100です。入札価格を予定価格の1%安くすると、価格点は新宿・台東・墨田で0.9点、品川で1.0点上がります。
この換算で見ると、新宿区の区内業者点3点は、価格を約3.3%下げた分(3÷0.9)に当たります。台東区の工事成績評価点15点は、約16.7%(15÷0.9)です。実際の入札では、価格の下限を定める仕組みなどもあるため、そこまで下げられるとは限りません。
墨田区だけは、価格点に30点の上限があります。価格を下げても30点を超えて加点されません。墨田区は入札価格が「逓減基準価格」を下回ると、価格点が下がる仕組みも持っています。
配点が大きいのは工事成績評価点
4区とも、施工能力の項目の中で最も配点が大きいのは工事成績評価点です(13〜17点)。直近3件の工事成績点の平均などから点数が決まります。
- 新宿区:直近3件の工事成績点の相加平均点の区分点(0〜16点)。
- 台東区:発注工事の公表日が属する年度とその前3年度に完了した、台東区発注工事の直近3件が対象です。
- 品川区:基準日の3年3か月前から数えて3年の間に完了した工事の直近3件です。3件に足りないときは、足りない1件につき60点として計算します。
- 墨田区:工事成績点の平均の区分に応じた点数です。最高の区分(80点以上)で17点です。
台東区と品川区は、原則としてその区が発注した工事だけを対象としています。他の発注者の工事成績が使えるかは、区の要綱で確かめてください。
区内業者に付く点数
営業拠点が区内にあることを点数にする区が多く、新宿区は区内業者点として3点、台東区と墨田区は営業拠点の所在地点として2点です。台東区は、区内に本店があれば2点、支店・営業所なら1点です。
区内業者として認められる条件は、区ごとに違います。たとえば墨田区は、区内の営業所が本店なら設置から1年、支店・営業所なら3年が必要です。区外の会社が区内に支店を置いたときの年数は、東京23区の入札参加資格の比較で16区を並べています。
経審の点数はどこに効くか
4区の総合評価の配点表に、経営事項審査の総合評定値(P点)の項目はありません。経審の点数が関わるのは、配点の外側にある次の場面です。
- 参加条件:品川区の制限付き一般競争入札は、経審のP点などの要件を参加資格に付けると要綱に書かれています。総合評価の配点とは別の段階です。
- 配置予定技術者:技術者の資格点・実績点は、配置する技術者が持つ資格と実績で決まります。経審の点数そのものではありません。
総合評価の点数に直接入るのは、直近の工事成績、配置する技術者、区内の営業拠点などです。経審の結果の読み方は経営状況分析結果通知書の見方で、国の工事の仕組みは総合評価落札方式の仕組みで説明しています。
この記事で確認していない点
- 工事成績評価点の区分ごとの具体的な点数表(各区の要綱の別表)。
- 配置予定技術者の資格点・実績点の細かい採点基準。
- この4区以外の区・市の配点。他の区は各区のガイドで確かめてください。
- 個別の工事で使う評価基準。工事ごとの公告に付く資料が優先されます。
確認した一次資料
- 新宿区「総合評価方式/工事成績評定について」対象工事、評価項目と配点、価格点の式(2026-10-24確認)
- 台東区施工能力審査型総合評価方式の試行に関する要綱評価値の構成、価格点、施工能力評価点、地域貢献点(2026-10-24確認)
- 墨田区建設工事総合評価競争入札実施要綱価格点の上限、施工能力等評価点の各項目、工事成績評価点(2026-10-24確認)
- 品川区施工能力等審査型総合評価方式実施要綱価格点、施工能力評価点24点の内訳、工事成績評価点(2026-10-24確認)
この比較表は、公式資料の配点を並べた目安です。入札参加の可否や点数は、各区の最新の案内と審査結果が優先されます。故意または重大な過失がある場合を除き、掲載内容による損害について当サイトは責任を負いません。
まとめ
- 価格点の係数は新宿・台東・墨田が90、品川が100。価格を1%下げると0.9〜1.0点上がり、墨田区だけ価格点に30点の上限がある。
- 施工能力の項目で最も大きいのは工事成績評価点で、13〜17点。区内業者点は新宿3点、台東・墨田2点。
- 4区の配点表に経審のP点の項目はない。経審は入札参加資格の格付や参加条件で関わる。
次に知りたいこと:東京23区の入札参加資格を比較、総合評価落札方式の仕組み、経営状況分析結果通知書の見方
よくある質問
- 自治体の総合評価方式で、経審のP点は配点に入りますか?
- 新宿区・台東区・墨田区・品川区の要綱の配点表には、経審の総合評定値(P点)の項目はありません。配点の中心は価格点、工事成績評価点、配置予定技術者の点数、区内業者などの地域貢献点です。品川区の制限付き一般競争入札では、P点などが参加資格の要件になります。
- 価格を1%安くすると、価格点は何点上がりますか?
- 新宿区・台東区・墨田区は価格点の係数が90なので0.9点、品川区は係数が100なので1.0点です。墨田区は価格点に30点の上限があります。
- 施工能力の項目で、いちばん配点が大きいのはどれですか?
- 4区とも工事成績評価点です。新宿区16点、台東区15点、墨田区17点、品川区13点です。
- 区内に営業拠点があると、何点付きますか?
- 新宿区は区内業者点として3点、台東区と墨田区は営業拠点の所在地点として2点です。品川区は地域貢献等評価点(6点)の中に含まれます。
公開日: 2026-10-24
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