受審後の実務

江戸川区の工事の等級格付と経審(令和7・8年度の基準点・加点減点・適用期間)

東京都江戸川区の建設工事で、経営事項審査の総合評定値(P点)が等級格付にどう使われるかを、区の令和7・8年度の格付改正の公表資料から整理します。業種ごとの基準点、P点以外の加点・減点、適用期間、準区内業者の扱いを扱います。

江戸川区「令和7・8年度 指名参加登録業者の等級格付を改正しました」
編集:建設経営ラボ編集部(合同会社フューチャープロンプト) / 運営方針・出典

江戸川区は、区内に本店がある事業者を中心に、経審の総合評定値(P点)に工事成績などの加点・減点を合わせて、工事の等級(A〜E)を格付しています。等級Aには、特定建設業の許可と、土木・建築・電気では経審800点以上が必要です。

この記事は、2025年(令和7年)9月30日付の区の公表資料を原文で確認し、格付の対象、P点の使い方、点数の表、適用期間をまとめます。等級格付は契約事務上の必要から行うもので、企業の優劣を示すものではないと、区は資料の冒頭で述べています。

格付の対象となる業種と事業者

格付の対象は、東京電子自治体共同運営に登録している事業者のうち、次のどちらかに当たる事業者です。

  • 江戸川区内に本店があり、格付の対象業種を申請業種として登録している。
  • 江戸川区内に支店(営業所)があり、対象業種を申請業種として登録していて、格付審査の申請日の時点で区による当該業種の格付を持っている。

後者の支店型の事業者は「準区内」業者として扱われ、点数から出た等級より一つ下の等級に格付されます。対象業種は次の7つです。

格付する業種と等級(区の運用資料から)
業種等級
土木工事(道路舗装・橋梁・河川・水道施設・下水道施設・一般土木をまとめて格付)A・B・C・D・Eの5等級
建築工事A・B・C・D・Eの5等級
電気工事A・B・C・Dの4等級
給排水衛生工事・空調工事・塗装工事・造園工事A・B・Cの3等級

原則として1業者につき1業種の格付が付きます。ただし、土木工事と建築工事の両方に登録がある業者は両業種に、給排水衛生工事と空調工事の両方に登録がある業者は両業種に、格付を付けられます。

経審のP点の使い方

格付の審査要素の最初に挙がっているのが、経営事項審査の総合評定値(P点)です。格付審査の申請日の時点で有効なものを使います。区の資料は、基礎数値表の中でP点の中身を、経営規模、経営状況、技術力、その他(社会性等)の4つとして示しています。

  • 土木工事は、土木一式、舗装、とび・土工・コンクリート、水道施設のうち最も高いP点を使う。
  • 空調工事は、管または機械器具設置のうち高い方のP点を使う。
  • 経審は、審査基準日を決算日として受けるので、格付に使われるP点は、いつの決算で受けたものかによって変わる。受審の流れは経審の審査基準日で確認できる。

自社の各業種のP点は、経審の結果通知書で確かめます。見方は経審の結果通知書の見方にまとめています。

P点以外の加点・減点

区は、P点のほかに次の項目を、基礎数値表で加点または減点します。工事成績、入札参加実績、地域貢献、措置は、令和5・6年度の成績・実績が対象です。

令和7・8年度の格付基礎数値表(P点以外)
項目点数
工事成績(評定点合計が基礎数値)70点以上は(基礎数値−69)×20点。60〜69点は0点。60点未満は(基礎数値−60)×20点(マイナス)
入札参加実績参加実績あり5点、落札実績あり10点
建設業許可区分特定30点、一般0点
障害者雇用率法定雇用率を達成している場合10点。雇用義務はないが雇用している場合も10点
育児休業制度法定を上回る制度を導入している場合10点
地域貢献実績あり(複数年)10点、実績あり(単年)5点、なし0点
措置(指名停止・出入り禁止)通算1〜3か月でマイナス30点、4〜6か月でマイナス60点、7〜12か月でマイナス90点、13か月以上でマイナス100点

工事成績の例が資料に載っています。基礎数値が82点なら(82−69)×20で+260点、58点なら(58−60)×20でマイナス40点です。工事成績は1点の差が20点になるので、P点と比べても小さくない差になります。

区内業者の地域貢献は、社員や役員個人ではなく、会社としての実績に限られます。清掃活動、防災訓練、防犯・防火パトロール、地域まつりなどが例として挙げられています。

特定建設業の許可があるだけで30点が加わります。等級Aは、許可区分が「特定」であることが前提です。

業種ごとの基準点

各等級の基準点は、別表の基準点表で決まっています。等級Aは、基準点に加えて、特定建設業の許可と経審の最低点が必要です。

令和7・8年度の各等級の基準点(区の別表から)
業種ABCDE
土木850点以上750点以上650点以上550点以上549点以下
建築850点以上750点以上600点以上500点以上499点以下
電気850点以上700点以上500点以上499点以下なし
給排水・空調750点以上600点以上599点以下なしなし
塗装・造園750点以上550点以上549点以下なしなし

等級Aの付記は、土木・建築・電気が「建設業許可『特定』、経審800点以上」、給排水・空調・塗装・造園が「建設業許可『特定』、経審700点以上」です。経審の点数が足りても、許可が一般建設業なら、等級Aにはなりません。

この表の点数は、P点と上の加点・減点を合わせて照らす基準点です。P点だけで等級が決まるわけではありません。自社の点数の目安は入札ランク目安ツールで見られますが、江戸川区の格付を決めるものではありません。

適用期間と格付が変わる場合

令和7・8年度の格付の適用期間は、2025年(令和7年)10月1日から2027年(令和9年)9月30日までです。適用開始日より前に発注票を公表した案件には、令和5・6年度の格付が適用されます。

  • 格付審査の期間のあとに新規登録した事業者は、随時申請で最下位の等級の格付を受けられる。
  • 格付を持っていた事業者が、共同運営の登録の有効期限切れで新規登録し直す場合は、申請により前の登録時の格付を引き継げる。
  • 等級Aの事業者が許可を「特定」から「一般」に変えると、その時点で等級Bになる。
  • 区内に本店があった事業者が準区内業者になった場合は、一つ下の等級になる。
  • 民事再生法の認可を受けた場合は、新規登録業者として格付される。
  • 区外へ転出したときや、経営不振と区長が認めたときは、格付が取り消される。

格付の結果に関する問い合わせは、令和7年10月6日午後3時まで窓口で受けるとされていました。電話では受け付けず、本人確認のため直接窓口へ行く案内でした。東京電子自治体共同運営サービスでの受付の仕組みは、同じ共同運営を使う練馬区や西東京市の記事で確認できます。

確認した一次資料

この記事は、江戸川区の公表資料を整理したものです。格付の対象や点数は、区の最新の案内と審査結果が優先されます。

まとめ

  1. 江戸川区の工事の等級格付は、経審のP点に、工事成績・入札参加実績・許可区分などの加点・減点を合わせて決める。
  2. 等級Aは、特定建設業の許可と、土木・建築・電気は経審800点以上(給排水・空調・塗装・造園は700点以上)が必要。
  3. 工事成績は1点の差が20点になる。70点以上は(基礎数値−69)×20点、60点未満はマイナスになる。
  4. 適用期間は令和7年10月1日から令和9年9月30日まで。区内に支店だけの準区内業者は、一つ下の等級になる。

次に知りたいこと:東京都の入札参加資格と経審、練馬区、P点と入札ランクの関係。

よくある質問

江戸川区の工事の等級格付に経営事項審査の点数は使われますか?
使われます。格付審査の申請日の時点で有効な総合評定値(P点)が審査要素の最初に挙がっており、工事成績や許可区分などの加点・減点と合わせて等級を決めます。
江戸川区の土木工事で等級Aになる基準点は何点ですか?
令和7・8年度の基準点表では850点以上で、建設業許可は特定、経審は800点以上が必要です。建築・電気も同じです。
江戸川区の工事成績は格付にどう反映されますか?
評定点合計が70点以上なら(基礎数値−69)×20点を加点、60〜69点は0点、60点未満は(基礎数値−60)×20点でマイナスになります。
江戸川区の令和7・8年度の格付はいつからいつまで適用されますか?
令和7年10月1日から令和9年9月30日までです。適用開始日より前に発注票を公表した案件には、令和5・6年度の格付が適用されます。
江戸川区内に支店だけある事業者の格付はどうなりますか?
準区内業者として扱われ、点数から出た等級より一つ下の等級に格付されます。区による当該業種の格付をすでに持っていることが対象の条件です。

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