受審後の実務

荒川区の入札参加資格|区内業者の認定(営業拠点1年以上)・総合評価の配点(価格点90)・区内業者限定の条件

東京都荒川区の工事の入札を、区の公式ページと要綱から整理します。区内業者として認定される要件と、区内業者に限定される案件の条件がわかります。予定価格2,500万円以上が対象の総合評価方式の配点も確認できます。

荒川区の競争入札
編集:建設経営ラボ編集部(合同会社フューチャープロンプト) / 運営方針・出典

荒川区の工事は、区内に営業拠点がある事業者が優先して指名されます。区内業者として扱われるには、入札参加資格とは別に、区の実態調査を経た認定が必要です。総合評価方式は、予定価格2,500万円以上の工事から選ばれます。

2026年10月23日に確認した内容です。荒川区競争入札等参加者選定要綱は、令和8年4月1日施行の改正を反映した例規集の本文を確認しました。最新の案内は荒川区「入札・契約」でご確認ください。

区内業者の種類と認定要件

荒川区は、競争入札参加有資格者のうち、区内に営業拠点を置く事業者を「区内本店業者」と「区内支店業者」に分けています。どちらも、区の実態調査を経て、区から認定された者です。この2種類を合わせて「区内業者」と呼び、それ以外の資格者は「区外業者」です。

区内業者の2種類(選定要綱第2条、認定基準第2条)
種類要件
区内本店業者本店の所在地を荒川区内に登録している。その本店を主たる営業拠点として、入札参加有資格者になっている
区内支店業者区内に支店または営業所があり、代表者から委任を受けた者を、資格審査サービスに登録している。その拠点を従たる営業拠点として、入札参加有資格者になっている

認定を受けるには、認定基準の次の要件をすべて満たす必要があります。専任技術者の要件は、建設工事などの事業者だけに適用されます。

区内業者の認定要件(認定基準第3条)
項目内容
建物所有権または賃借権を事業者が持っている
事務所の形建物の外部か入口ドアに看板を出し、独立した事務所の形がある。他社との同居で、簡易な間仕切りだけの形は該当しない
人の配置営業活動ができる人員と、常駐する責任者がいる。頻繁な不在、他の事務所との兼務、取り次ぐだけの連絡員、電話の転送は該当しない
専任技術者登録した業種の専任技術者が常駐している(建設工事などのみ)
設備電子入札に必要な機器のほか、事務に使う什器・備品・複写機・通信機器が揃っている。電子証明書を持ち、電子入札サービスに接続できる
公共料金電気・電話・インターネットの料金を事業者が支払っている
代表者印資格審査サービスに登録した代表者(支店は委任を受けた者)の印を常備している
営業拠点の期間区内に営業拠点を持ってから1年以上たっている

認定の申請では、調査申請書と営業実態の調査票に加えて、建物の登記事項証明書または賃貸借契約書、公共料金の請求書や領収書、営業開始を確認できる書類などを出します。支店は支店に係る法人住民税(均等割)の納付を示す書類、建設工事などの事業者は建設業の許可申請書・営業所一覧表・専任技術者証明書の写しも必要です。

区は、書類を受け取った後、事前の連絡なしに実態調査をすることができます。結果は代表者あてに通知され、不認定のときは理由が通知書に書かれます。他の区の条件は、区内事業者の認定条件を7区で比べた記事で見られます。

指名の優先順位と指名業者数

工事の指名競争入札では、区は発注工事に最も合う業種に登録のある者から、金額に応じた等級の者を指名します。区内業者については、原則として、該当する等級の者をすべて指名します。

優先して選べる者と適用順(選定要綱第6条第2項)
順対象
1区内本店業者
2区内支店業者
3前回の関連工事を施工した者(成績が良好でない者を除く)
4同種の工事を専業とする者
5区の過去5年間の工事成績評定が優秀な者
6他の官公庁や民間の過去5年間の施工成績が優秀な者
7障害者雇用率を達成するなど、障害者を多数雇用している者
8区と「あらかわエコ協定」を結んでいる者

指名業者数は、原則として5社以上です。契約の内容や登録の状況によっては、指名競争入札で3社以上、見積競争で2社以上とすることがあります。入札等参加停止の措置を受けている者や、経営状況が著しく不健全な者は、指名されません。実績の面では、過去7年間の官公庁発注工事の1件当たりの最高額が発注金額の2分の1(区内業者は4分の1)に達しないことなども、指名しない理由として要綱に書かれています。

発注標準金額に対応する等級は、工事の種類ごとに別表で決まっています。たとえば建築工事では、次のとおりです。

建築工事の発注標準金額と等級格付(選定要綱別表第1)
発注標準金額区内本店業者区内支店業者区外業者
8,000万円以上A1、A2、BA1、A2A1、A2
5,000万円以上8,000万円未満A2、B、CBB
3,500万円以上5,000万円未満B、C、DCC
500万円以上3,500万円未満C、D、EDD
500万円未満D、E、なしEE

区内業者限定の条件と特定JVの基準

荒川区は、一般競争入札の参加要件を満たす区内業者が5社以上あるときは、その契約を区内業者限定の案件にできます。区のホームページでは、区内事業者のみを対象とする案件と、区内・区外事業者を対象とする案件が別のページで公表されています。

大規模な工事は、特定建設共同企業体(JV)に発注します。起工額の基準は、建築工事が5億円以上、設備工事が1億8,000万円以上、土木工事が3億円以上です。構成員が2社以上のときは区内業者によるJV、3社以上のときは1社以上の区内業者が加わるのが原則です。

総合評価方式の対象と配点

荒川区は、価格に加えて施工能力と地域貢献を見る「施工能力審査型総合評価方式」を試行しています。対象は、予定価格2,500万円以上の工事から選ばれます。具体的な対象は、工事を担当する課と契約担当者が協議して決めます。

評価値の内訳(施工能力審査型総合評価方式の試行に関する要綱第6条)
区分項目配点
価格点90×(1−入札価格÷予定価格)算式で決まる
施工能力評価点(満点18点)工事成績評価点最大13点
配置予定技術者の資格点最大3点
配置予定技術者の実績点最大2点
企業の地域貢献評価点(満点7点)地域精通度(区内本店業者は2点、区内支店業者は1点)最大2点
環境配慮(ISO14001またはエコアクション21を取得し、登録している)1点
障がい者の雇用実績1点
災害協定(区と協定がある、または協定がある団体の構成員)3点

予定価格の範囲内で入札した者のうち、評価値が最も高い者が落札者になり、同点ならくじで決めます。工事成績評価点の元になる工事成績点のうち、最も直近のものが60点未満の者は、入札に参加できません。

工事成績評価点は、区が発注した工事の直近3件の工事成績点の平均で決まります。平均が60点以上62点未満なら1点、78点以上80点未満なら11点、80点以上なら13点です。3件に満たないときは、足りない1件につき60点として計算します。対象は、基準日の5年3か月前の日から数えて5年の間に完了した工事です。

配置予定技術者の資格点は、1級技術者が3点、2級技術者が2点、その他の技術者が1点です。実績点は、同種工事で監理技術者として関わると2点、主任技術者なら1.5点、担当技術者なら1点です。類似工事では、それぞれ1.5点、1点、0.5点です。実績点は、工事実績情報サービス(コリンズ)に登録されたデータから算定します。コリンズの登録の仕組みは、コリンズの解説記事で説明しています。

低入札価格調査の調査基準価格

荒川区の低入札価格調査要綱は、予定価格の10分の9.2から10分の7.5までの範囲で、調査基準価格を定めるとしています。開札の結果、この価格を下回る入札があったときは、落札者の決定を保留します。入札した理由や積算の内訳書、手持ち工事の状況などを聴いて、契約を適正に履行できるかを調べます。

この記事で確認していない点

  • 電子調達サービスの定期受付の日程と、資格の有効期限。
  • 等級格付のうち、道路舗装・一般土木・設備工事の別表。
  • 総合評価方式の個別の案件の具体的な対象と、同種工事の指定。

確認した一次資料

申請の可否や個別の判断は、荒川区の最新の案内と審査結果が優先されます。

まとめ

  1. 区内業者は、区内本店業者と区内支店業者の2種類。認定には、区内に営業拠点を持ってから1年以上たっていることなど、認定基準の要件をすべて満たす必要がある。
  2. 指名は区内本店業者、区内支店業者の順に優先でき、指名業者数は原則5社以上。参加要件を満たす区内業者が5社以上あれば、区内業者限定の案件にできる。
  3. 総合評価方式は予定価格2,500万円以上から選ばれる。価格点は90×(1−入札価格÷予定価格)、施工能力評価点は満点18点、地域貢献評価点は満点7点。

他の区との違いは、入札方法を予定価格で比べた記事と文京区の入札参加資格で見られます。東京都の資格は東京都の入札参加資格、自治体を並べて探すときは自治体別の入札参加資格と経審の一覧をご覧ください。

よくある質問

荒川区で区内業者として扱われるには、どうすればよいですか?
入札参加資格を取ったうえで、区内業者の認定を受けます。建物の所有権か賃借権、看板、常駐の責任者、公共料金の支払いなどの認定要件をすべて満たし、区内に営業拠点を持ってから1年以上たっている必要があります。区は事前連絡なしに実態調査をすることがあります。
荒川区の区内本店業者と区内支店業者の違いは何ですか?
本店の所在地を区内に登録しているのが区内本店業者、区内に支店や営業所があり、代表者から委任を受けた者を登録しているのが区内支店業者です。指名では区内本店業者、区内支店業者の順に優先して選べます。
荒川区の入札が区内業者限定になるのは、どんなときですか?
一般競争入札の参加要件を満たす区内業者が5社以上あるときに、契約担当者がその契約を区内業者限定の案件にできます。区のホームページでは、区内事業者のみを対象とする案件が別のページで公表されています。
荒川区の総合評価方式は、どんな工事が対象で、配点はどうなっていますか?
予定価格2,500万円以上の工事から選ばれます。価格点は90×(1−入札価格÷予定価格)、施工能力評価点は満点18点(工事成績13点・技術者の資格3点・技術者の実績2点)、地域貢献評価点は満点7点です。直近の工事成績点が60点未満だと参加できません。
荒川区の特定建設共同企業体(JV)に発注する工事は、いくらからですか?
起工額が、建築工事で5億円以上、設備工事で1億8,000万円以上、土木工事で3億円以上の工事です。構成員が2社以上のときは区内業者によるJV、3社以上のときは1社以上の区内業者が加わるのが原則です。

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