受審後の実務

東京都の建設工事の入札参加資格と経審の結果の使い方|申請条件・審査基準日・随時申請の受付(令和7・8年度)

東京都の建設工事等の入札参加資格で、経審の結果が申請の条件と格付の基礎にどう使われるか、使える経審の審査基準日、令和7・8年度の随時申請の受付期間、格付の点数が手引に載っていない理由を、都の令和7・8年度の手引から整理します。

東京都 建設工事等競争入札参加資格(令和7・8年度・随時申請用)
編集:建設経営ラボ編集部(合同会社フューチャープロンプト) / 運営方針・出典

東京都は、経審の結果を「客観的審査事項」として使い、これに最高完成工事経歴などの主観的審査事項を合わせて、業種ごとに格付を決めます。申請には、申請日時点で有効な経審の総合評定値(P点)が要ります。令和7・8年度の随時申請は、2027年2月19日まで受け付けています。

この記事は、東京都財務局などが出している「令和7・8年度 東京都建設工事等競争入札参加資格審査申請の手引(随時申請用)」(2026年3月30日第1版)の記載をもとに、経審に関わる部分だけを整理します。格付の点数の区切りは、手引ではなく別の公示に載っています。この記事では、その点数を書かず、載っている場所を示します。

格付で経審が使われる場所

手引の「資格の審査基準」には、客観的審査事項(経営規模、経営状況等)と主観的審査事項(最高完成工事(業務)経歴)を基礎として、業種ごとに格付を決める、と書かれています。経審については、「入札参加資格審査において『客観的審査事項』として用いられる」と説明されています。

格付の基礎になる2つの事項(手引の「資格の審査基準」から)
区分内容経審との関係
客観的審査事項経営規模、経営状況等経審の結果を使う
主観的審査事項最高完成工事(業務)経歴申請時に都へ入力する。経審の項目ではない

契約保証金の免除額も、最高完成工事経歴の金額と「客観等級・主観等級」で決まると手引に書かれています。等級の区切りは、格付と同じく都の公報に載っています。

P点と入札ランクの一般的な関係はP点と入札ランクの関係で説明しています。入札ランク目安ツールは目安であり、東京都の格付を決めるものではありません。

申請の条件になる経審

手引の注意書きでは、経審は「申請日時点で有効であり、通知を受けている(総合評定値P点を有している)こと」が条件です。次の点も同じ節に書かれています。

  • 都と契約する営業所(本店または支店)が、申請する業種に必要な建設業許可の条件を満たしていること。本店が満たしていても、都と契約する営業所が満たしていなければ、その業種は申請できない
  • 会社の合併、分割、譲渡で新しく会社を設立した場合は、合併時などの経審の結果が必要
  • 経審を受けたあとに建設業許可の許可換えがあった場合は、システムでの処理が必要になるため、ヘルプデスクへ連絡する
  • 本店やほかの営業所が都内になくても、申請できる

業種ごとに、必要な建設業許可と、総合評定値が必要な経審の業種が決まっています。手引の別表2では、たとえば「02 橋りょう工事」は土木の許可と土木の経審、「01 道路舗装工事」は舗装の許可と、土木または舗装の経審が条件です。複数の経審の業種が並ぶ業種では、そのうち1つを持っていれば足ります。

経審の通知が手元になければ、東京都の資格申請には進めません。経審の申請から通知までの流れは、経審の有効期間と逆算で説明しています。

使える経審の審査基準日

手引の入力説明では、申請に使う経審は「有効期間内(1年7カ月)かつ審査基準日が直近のもの」です。経審の結果通知書が複数あるときは、審査基準日が直近のものが使われます。

  • 経審が必要な業種を申請する人は、画面の上部に経審の審査基準日が表示されるので、直近の経審のものか確かめる
  • 通知日から経審のデータが更新されるまで、1〜2週間かかることがある。古い審査基準日が表示されたときは、後日に出直す
  • 経審のデータは月曜日と木曜日の夜間に更新される
  • 入力から送信までの間にデータが更新されると、エラーになり、入力を全てやり直す。新しい経審が近く出る見込みのときは、審査基準日が新しくなってから入力する

経審が不要な業種(設計、測量、地質調査などの委託業種)だけを申請する場合は、審査基準日の表示がなく、直近の決算日が審査基準日になります。

随時申請の受付と資格の有効期間

令和7・8年度の随時申請(手引の「申請期間」「資格の有効期間」から)
項目内容
受付期間2026年4月1日から2027年2月19日まで。土曜日はシステム休止日
データ送信できる時間午前8時から午後9時まで(土曜日と保守の休止期間を除く)
毎月の締切毎月20日(20日が土曜日の場合は19日)までに申請が完了すれば、翌月1日から資格が適用される。21日から月末までに完了した場合は、翌々月の1日から適用される
資格の有効期間資格適用日から2027年3月31日まで(随時申請の場合)
資格の適用範囲東京都(警視庁、東京消防庁、各出先機関を含む)が発注する工事の請負、設計・測量・地質調査の委託、総トン数20トン以上の船舶の製造・修繕。政策連携団体と、23区などの市区町村は対象外

この手引は随時申請用です。申請が完了した時点で、資格適用日が決まります。経審の結果が出るのを待って申請する場合は、毎月20日の締切から逆算して経審の通知を受け取る時期を決めます。経審が不要な業種だけを申請する場合は、受付結果が出るまでデータ送信から約1週間かかります。

格付の点数が手引にない理由

手引は、格付の決定方法の詳細を「令和8年3月30日付け東京都公報(特定調達第3267号)」の「競争入札参加者の資格に関する公示」に載せている、と案内しています。手引自体には、総合評定値に何点を足して何点以上がどの等級、という表がありません。

  • 公報は、東京都の電子調達システムで見られる
  • 東京都庁第一本庁舎3階の都民情報ルームで、購入または閲覧できる
  • 契約保証金の免除額と、虚偽申請を疑われたときに提示する書類の詳細も、同じ公報に載っている

手引に載っているのは、工事の発注標準金額と等級の対応(別表7)です。たとえば土木工事は、発注標準金額が3億5千万円以上なら等級A、1千万円未満なら等級Eです。この対応表は、入札参加資格者名簿の見方で、名簿の等級の読み方と合わせて説明しています。この記事では、重複を避けるため表を再掲しません。

自社の経審の点数から、東京都のどの等級になるかを手元で計算できるわけではありません。公報の公示を確かめるまでは、名簿に公表された他社の格付や、発注標準金額を目安に、狙う工事の規模を考えることになります。

経審がない業種と無格付の扱い

  • 設計・測量・地質調査などの経審不要業種は、経審の代わりに直近の決算日を審査基準日にして申請する
  • 最高完成工事(業務)経歴がない業種は、等級順位が与えられず「無格付」になる
  • 無格付でも参加できるのは、1件の予定価格が500万円未満の工事の請負、または1件の予定価格が30万円未満の設計・測量・地質調査の委託、船舶の製造等の請負だけ

経審の点数が高くても、最高完成工事経歴を入力していない業種は無格付になります。経歴の入力漏れに注意するよう、手引の受付の流れにも書かれています。

この記事で確認できなかった点

  • 格付の点数の区切りと、客観等級・主観等級の計算方法。東京都公報(特定調達第3267号)に載っており、今回は公報の本文を確認できませんでした。
  • 令和9・10年度の定期申請の受付時期。今回確認したのは令和7・8年度の随時申請用の手引だけです。
  • 随時申請と定期申請の資格の扱いの違い。手引の範囲で確認できたのは、随時申請の資格が2027年3月31日までであることです。

他の都道府県の経審の使い方は、入札参加資格と経審の地域別ガイド一覧にまとめています。東京都が発注する工事で、社会的責任調達指針のチェックリストの入力が必要になる点は、東京都社会的責任調達指針のチェックリストで説明しています。

確認した一次資料

この記事は、東京都の令和7・8年度の随時申請用の手引を整理したものです。申請の可否や個別の判断は、東京都電子調達システムの最新の案内と審査結果が優先されます。

まとめ

  1. 東京都は、経審の結果を客観的審査事項として使い、最高完成工事経歴と合わせて業種ごとの格付を決める。
  2. 申請には、申請日時点で有効な経審の総合評定値が要る。使う経審は、1年7カ月の有効期間内で、審査基準日が直近のもの。
  3. 令和7・8年度の随時申請は2027年2月19日まで。毎月20日までに完了すれば、翌月1日から資格が適用される。
  4. 格付の点数の区切りは手引になく、東京都公報の公示で確かめる。最高完成工事経歴がない業種は無格付になる。

よくある質問

東京都の入札参加資格で、経審はどう使われますか?
経審の結果は客観的審査事項として使われ、最高完成工事経歴などの主観的審査事項と合わせて、業種ごとの格付が決まります。
東京都の資格申請で、使える経審はどれですか?
有効期間内(1年7カ月)で、審査基準日が直近のものです。申請日時点で有効で、総合評定値の通知を受けている必要があります。
東京都の令和7・8年度の随時申請は、いつまでですか?
2027年2月19日までです。毎月20日までに申請が完了すれば、翌月1日から資格が適用されます。
東京都の格付の点数の区切りは、どこで確認できますか?
手引ではなく、令和8年3月30日付の東京都公報(特定調達第3267号)の公示に載っています。電子調達システムと都民情報ルームで見られます。
東京都で最高完成工事経歴がない業種は、どうなりますか?
無格付になります。参加できるのは、1件の予定価格が500万円未満の工事の請負など、限られた入札だけです。

P点から国交省・関東地方整備局の等級目安を確認(無料・登録不要):入札参加資格ランクの目安計算を使う

他の都道府県・政令指定都市のガイドを探す(地域別ガイド一覧)

専門書で詳しく確認したい場合

広告

下記書籍の紹介による報酬の有無は、記事の内容に影響しません。制度の背景や申請実務を書籍でまとめて確認したい方向けです。

本ツールは事業者ご自身が入力・利用する試算です(申請の代行・作成支援は行っていません)。個別のご相談は承っておりません。正式な評点は登録経営状況分析機関・審査行政庁の審査結果が優先します。数値は概算であり、実際の申請前に専門家へご確認ください。算定方法・出典・免責