受審後の実務

墨田区の入札参加資格|区内業者の要件(本店1年・支店3年)・総合評価の配点・簡易工事の受注参加登録

東京都墨田区の工事の入札を、要綱と基準から整理します。区内業者として扱われる条件、令和7年6月に変わった総合評価方式の配点、入札方法ごとの対象金額、130万円以下の簡易工事の登録がわかります。

墨田区の競争入札
編集:建設経営ラボ編集部(合同会社フューチャープロンプト) / 運営方針・出典

墨田区の工事の入札は、電子調達サービスで墨田区に登録された事業者が参加します。区内業者として扱われるには、区内の営業所が本店なら設置から1年、支店・営業所なら3年たっていることが必要です。予定価格4,000万円以上の建築・電気・空調・給排水衛生工事は、総合評価方式の対象になります。

2026年10月23日に確認した内容です。墨田区の「工事業者の皆様へ」のページの更新日は2026年5月29日、「墨田区内業者等登録申請書について」のページの更新日は2023年12月27日です。最新の案内は墨田区「要綱・要領等」でご確認ください。

区内業者の要件と登録の流れ

墨田区は「墨田区建設工事等競争入札に係る区内業者取扱基準」で、区内業者として扱う事業者の要件を決めています。対象は、区内の営業所を墨田区との契約を履行する営業所として入札参加資格を申請し、資格を得ている事業者です。区内業者として登録するための申請書の提出は任意です。

区内業者の要件(取扱基準第2条)
項目本店(個人は主たる営業所)支店・営業所
入札参加資格の業種の営業を続けている期間1年以上3年以上
契約締結の権限を持つ者営業所に置く

営業所の実態も確認されます。建物の所有権または賃借権などの使用権があること、名称を書いた看板などを出し、他の事業者と事務室を兼用していないこと、常勤の責任者がいること、光熱水費などを事業者自身が支払っていること、必要な備品を置いていることが要件です。

申請には、区内業者登録申請書、営業所の建物の登記事項証明書または賃貸借契約書の写し、外観・執務風景・備品の写真、履歴事項全部証明書の写しなどを出します。区の職員が訪問して調べることがあり、調査に協力しない場合は区内業者になれません。

登録の可否を決める日(取扱基準第5条)
設置からの年数本店等の場合支店・営業所の場合
5年以上申請から3か月以内申請から6か月以内
3年以上5年未満申請から6か月以内申請から1年以内
1年以上3年未満申請から1年以内設置から3年たった日から1年以内
1年未満設置から1年たった日から1年以内設置から3年たった日から1年以内

東京の区ごとの区内扱いの条件の違いは東京の区の区内事業者の認定条件を7区で比べた記事で並べています。

総合評価方式の対象と配点

「墨田区建設工事総合評価競争入札実施要綱」は、価格に加えて施工能力なども見て落札者を決める方式を定めています。対象は原則として予定価格4,000万円以上の工事で、建築工事、電気工事、空調工事、給排水衛生工事として発注するものです。令和7年5月の改正で、令和7年6月1日以後に公告する入札から、対象が建築工事だけから4業種に広がりました。

総合点の内訳(要綱第7条〜第16条)
区分項目配点
価格点90×(1−入札価格÷予定価格)。計算結果が30を超えるときは30点最大30点
施工能力等評価点工事成績評価点最大17点
施工実績点最大5点
設置技術者資格点最大3点
設置技術者実績点最大3点
営業拠点所在地点2点
災害協定点2点
地域団体加入点1点

総合点は、価格点と施工能力等評価点の合計です。予定価格の範囲内で申し込んだ者のうち、総合点が最も高い者が落札者になり、同点ならくじで決めます。価格点は、入札価格が「逓減基準価格」を下回ると、下回った分だけ減る仕組みです。逓減基準価格は、予定価格の99%から3分の2までの範囲で定められます。

これまでに受注した工事で検査が不合格になったことがある事業者と、直近に検査に合格した工事の工事成績点が60点未満の事業者は、総合評価の入札に参加できません。

工事成績評価点と技術者の点数

工事成績評価点は、墨田区が発注した完成工事のうち、直近に検査に合格した3件(2件しかなければ2件、1件ならその1件)の工事成績点の平均で決まります。契約金額が130万円以下の工事は数えません。対象の工事がない場合は、60点として扱います。

工事成績点の平均と工事成績評価点(要綱の別表2の一部)
工事成績点の平均評価点
50点未満0点
60点以上62.5点未満3点
65点以上66点未満5点
70点以上71点未満10点
75点以上77.5点未満15点
80点以上17点

施工実績点は、その入札の予定価格以上の請負代金で完成させた工事があれば5点、完成工事が2件以上なら4点、1件なら3点、なければ0点です。設置する主任技術者または監理技術者の点数は、次のとおりです。

設置技術者の資格点と実績点(要綱第12条・第13条)
項目区分点数
資格点(3点満点)1級技術者3点
1級技士補2.5点
2級技術者2点
その他の技術者1点
実績点(3点満点)同種工事に監理技術者として従事3点
同種工事に監理技術者を補佐する者として従事2.5点
同種工事に主任技術者として従事2点

同種工事は、次の2つを満たす工事です。許可業種がその入札の工事と同じであること、そして、その入札の予定価格以上の請負金額でコリンズに竣工登録されていることです。竣工登録の方法はコリンズとは何かで説明しています。1級技術者や1級技士補の点数は、経審の技術職員の点数とも関わるため、土木・建築の施工管理技士と技術職員の点数もご覧ください。

営業拠点所在地点は、工事の施行場所と同じ市区町村内に本店または主たる営業所を持つ場合に2点です。災害協定点は、区と災害時の協力の協定を結んでいる(締結団体の構成員を含む)と2点、地域団体加入点は、区内の町会または自治会に加入していると1点です。

制限付一般競争入札と希望型指名競争入札

入札方法と対象の予定価格
方法対象の工事請負契約根拠
制限付き一般競争入札予定価格1億5,000万円以上(設備工事は1億円以上)制限付き一般競争入札実施要綱第2条
希望型指名競争入札予定価格500万円以上(制限付き一般競争入札の対象を除く)希望型指名競争入札実施要領第3条

どちらも、電子調達サービスで墨田区に競争入札の参加資格を持つ者として登録されていることが参加の条件です。指名停止中でないこと、地方自治法施行令第167条の4第2項に当たらないことも必要で、公告ごとの条件も付きます。

希望型指名競争入札は、区が公表した案件に参加を希望する事業者が、電子調達サービスで申請し、希望票兼予定監理技術者等調書を出す方式です。条件を満たした申請者は、他の者に優先して指名されます。経審と入札参加資格の関係は経審と入札参加資格の違いで説明しています。

このほか、設備工事の低入札価格調査の対象が予定価格2,000万円以上に、共同企業体の対象が設計金額2億円以上に引き上げられています。共同企業体の考え方はJVの入札参加資格と事務で説明しています。

簡易工事受注参加登録

墨田区には、契約金額が130万円以下の軽易な修繕工事などを希望する事業者の登録があります。墨田区に本店のある法人、または住所のある個人が対象です。

  • 登録できない場合:東京電子自治体共同運営の入札参加資格審査に申請する事業者と、納税証明書の対象となる税(法人税・消費税・法人事業税など)に未納がある事業者。
  • 受付:新規は随時。継続は登録有効期間内の1月から3月末までです。
  • 有効期間:区が書類を受理した日から、翌年の3月31日までです。
  • 提出書類:簡易工事受注参加申請書と、発行から3か月以内の履歴事項全部証明書(個人は商号登記事項証明書または身分証明書)、納税証明書です。

提出先は、墨田区総務部契約課契約係(工事担当)で、郵送または持参します。契約に使う印鑑は、申請書に押した印鑑に限られます。

入札参加資格を申請する事業者は、簡易工事の登録ができません。130万円を超える工事を受けたいときは、電子調達サービスでの入札参加資格の申請が必要です。

この記事で確認していない点

  • 電子調達サービスの定期受付の日程と、有効期限の数え方。
  • 経審の点数が墨田区の格付に使われる方法。
  • 工事請負業者指名基準の指名業者数と、指名業者選定委員会の付議の基準。

確認した一次資料

申請の可否や個別の判断は、墨田区の最新の案内と審査結果が優先されます。

まとめ

  1. 区内業者として扱われるには、営業所の設置から本店は1年、支店・営業所は3年が必要。看板や常勤の責任者などの実態も確認される。
  2. 総合評価方式は予定価格4,000万円以上の建築・電気・空調・給排水衛生工事が対象。価格点は最大30点で、工事成績評価点は最大17点。
  3. 制限付一般競争入札は1億5,000万円以上(設備工事は1億円以上)、希望型指名競争入札は500万円以上。130万円以下の簡易工事は別の登録がある。

都内の自治体は東京都の入札参加資格や東京の区の入札方法を予定価格で比較した記事で説明しています。自治体を並べて探すときは自治体別の入札参加資格と経審の一覧をご覧ください。

よくある質問

墨田区で区内業者として扱われるには、何年必要ですか?
区内の営業所が本店(個人は主たる営業所)なら設置から1年、支店・営業所なら3年が必要です。営業所に契約締結の権限を持つ者を置き、入札参加資格を得ていることも要件です。
墨田区の総合評価方式は、どんな工事が対象ですか?
原則として予定価格4,000万円以上の建築工事、電気工事、空調工事、給排水衛生工事です。令和7年6月1日以後に公告する入札から、対象が建築工事以外にも広がりました。
墨田区の総合評価方式で、価格点は何点満点ですか?
価格点は90×(1-入札価格÷予定価格)で計算し、30を超えるときは30点です。入札価格が逓減基準価格を下回ると、下回った分だけ価格点が減ります。
墨田区の制限付一般競争入札と希望型指名競争入札は、いくらから対象ですか?
制限付き一般競争入札は予定価格1億5,000万円以上(設備工事は1億円以上)、希望型指名競争入札は予定価格500万円以上の工事請負契約が対象です。
墨田区の簡易工事受注参加登録は、どんな事業者が使えますか?
墨田区に本店のある法人か住所のある個人で、契約金額130万円以下の軽易な修繕工事などを希望する事業者です。東京電子自治体共同運営の入札参加資格審査に申請する事業者は登録できません。

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