経審の審査基準日とは|決算日との関係と項目ごとの基準時点
審査基準日の決め方(通常は直前の事業年度の終了の日)と、完成工事高・自己資本・技術職員・退職金制度等の加点項目が、それぞれどの時点・どの期間で判定されるかを手引きの記載要領から整理します。
関東地方整備局の手引き(別添)経営事項審査(経審)の記事や手引きには「審査基準日」という言葉が繰り返し出てきます。審査基準日は、経審で何をいつの時点の数字で見るかを決める基準の日で、通常は申請しようとする日の直前の事業年度の終了の日(決算日)です。
この記事では、関東地方整備局の「経営事項審査の手引き」別添資料の記載要領から、審査基準日の決め方、決算日以外の日を審査基準日にできる場合、項目ごとの判定時点(その日の時点・直前1年・直前3年など)を整理します。
審査基準日の決め方
経営規模等評価申請書の項番04「審査基準日」の記載要領は、次のように定めています。
3月決算の会社が令和8年6月に申請するなら、審査基準日は令和8年3月31日です。決算書を作った事業年度の最終日が、そのまま審査基準日になります。申請日や結果通知日ではなく、決算日で決まる点が混同しやすいところです。
結果の有効期間の数え方は経審の有効期間と逆算で整理しています。
決算日以外を審査基準日にできる場合(別表(2))
記載要領は、別表(2)の分類のいずれかに該当する場合は、直前の事業年度の終了の日以外の日を審査基準日として定められる、としています。別表(2)のコードのうち、審査基準日の取り方に関わるものは次のとおりです。
| コード | 場面 |
|---|---|
| 10 | 会社の合併があり、合併後最初の事業年度の終了の日を審査基準日として申請するとき |
| 11 | 会社の合併があり、合併期日又は合併登記の日を審査基準日として申請するとき |
| 12 | 建設業に係る事業の譲渡があり、譲渡後最初の事業年度の終了の日を審査基準日として申請するとき |
| 13 | 事業の譲渡があり、譲受人である法人の設立登記日又は新たな経営実態が備わったと認められる日を審査基準日として申請するとき |
| 14 | 会社更生・民事再生・特定調停の手続の申立てがあり、開始決定日・計画認可日などを審査基準日として申請するとき |
| 18 | 会社分割があり、分割後最初の事業年度の終了の日を審査基準日として申請するとき |
| 19 | 会社分割があり、分割期日又は分割登記の日を審査基準日として申請するとき |
| 20 | 事業を承継しない会社の設立後最初の事業年度の終了の日より前の日に申請するとき |
コード15〜17・21・22は、企業集団や外国の子会社として国土交通大臣の認定を受けて申請する場合の区分です。どのコードを選ぶかは、実際の合併・分割・設立の日付と申請先の手引きで確認が必要です。
場面ごとの詳しい扱いは、合併・事業承継の経審、民事再生・会社更生・特定調停の経審、設立後最初の決算前に受ける経審に分けています。
財務・完成工事高の基準時点
数字で評価される項目は、審査基準日の決算を中心に、さかのぼる期間が決まっています。記載要領の該当箇所は次のとおりです。
| 項目 | 基準となる時点・期間(手引きの記載) |
|---|---|
| 自己資本額 | 審査基準日の決算(基準決算)の自己資本の額、または基準決算と前回申請時の審査基準日の決算の自己資本の額の平均 |
| 完成工事高・元請完成工事高 | 審査基準日の直前2年又は直前3年の各事業年度 |
| 利益額(利払前税引前償却前利益) | 審査基準日を含む決算期とその前期(決算期変更で12か月に満たないときは24か月になるよう按分) |
自己資本額は「基準決算」の数字を使うため、記載要領は審査基準日の決算の額で見るとしているため、審査基準日の後の増資や利益の積み上げは、その申請の自己資本額には入らないと読めます。2年平均と3年平均のどちらを選ぶかは完成工事高の2年平均・3年平均の選び方で比較できます。
決算期を変更して審査基準日を含む決算期間が12か月に満たない場合、完成工事高は前期(3年平均なら前々期)と審査基準日を含む決算期を合わせて24か月(3年平均は36か月)になるよう按分します。計算過程は申請書の余白に書くと手引きに記載されています。
加点項目の基準時点(その日・1年・3年)
社会性等(W点)や技術力(Z点)に関わる項目は、財務とは別に、審査基準日の「その日の状況」または「直前1年・3年のうち」の実績で判定します。手引き別添の記載要領をまとめると次のとおりです。
| 判定時点 | 項目 |
|---|---|
| 審査基準日において | 建設業退職金共済制度の加入、退職一時金制度・企業年金制度の導入、法定外労働災害補償制度の加入 |
| 審査基準日において | 満35歳未満の技術職員の割合(15%以上かどうか)、新規に技術職員となった若年者の割合(1%以上かどうか) |
| 審査基準日において | えるぼし認定、くるみん認定、ユースエール認定の状況 |
| 審査基準日以前1年のうち | 技術者が取得したCPD単位(1人当たり30単位が上限) |
| 審査基準日以前1年のうち | 発注者から直接請け負った工事での就業履歴の蓄積措置の実施状況 |
| 審査基準日以前3年のうち | 建設技能者の能力評価の区分が、3年前より1以上上がった技能者の数(技能レベル向上者数) |
「審査基準日において」の項目は、その日に制度へ加入している、認定を受けている、という状態で判定されます。記載要領の文言からは、審査基準日より後に加入や認定を受けても、その申請では対象にならないと読めます。
各項目の中身は、退職金制度、法定外労災、若年技術職員、えるぼし・くるみん・ユースエール、CPD単位・技能レベル向上者数、就業履歴の蓄積措置の各記事で確認できます。
次の経審に向けて見るときの注意
- 自社の次の審査基準日(次の決算日)を決算書で確認する。
- 「その日において」の項目(退職金制度・認定など)を、その日までに満たす。
- 「直前1年・3年」の項目(CPD単位・就業履歴・技能レベル向上)は、期間の始まりから実績を残す。
本サイトの経審P点シミュレーターは、完成工事高・自己資本・技術職員数などの入力値からP点を試算します。審査基準日の時点でそろう見込みの数字を入れると、次の経審に向けた目安になります。
確認した一次資料
- 関東地方整備局「経営事項審査の手引き」別添資料(令和8年7月改正版)項番04「審査基準日」の記載要領、別表(2)、自己資本額・完成工事高・利益額の記載、W点・Z点の各項目の記載要領
本記事は手引きの記載要領の一般的な整理です。審査基準日の取り方や必要書類は申請先の審査行政庁の手引きで確認してください。正式な評点は審査結果が優先されます。
まとめ
- 審査基準日は、申請しようとする日の直前の事業年度の終了の日(決算日)。
- 合併・事業譲渡・会社分割・設立後最初の決算前などは、別表(2)のコードに応じて決算日以外を審査基準日にできる。
- 自己資本は審査基準日の決算、完成工事高は直前2年又は3年の各事業年度で見る。
- 退職金制度・技術職員の年齢構成・認定などはその日の状態、CPD単位・就業履歴は直前1年、技能レベル向上は直前3年で判定される。
自社の数値でどう変わるかは経審P点シミュレーターで試算できます。評点表・算式の転記元は一次資料・出典一覧で確認できます。
よくある質問
- 経審の審査基準日とは何ですか?
- 関東地方整備局の手引き別添の記載要領では、審査の申請をしようとする日の直前の事業年度の終了の日です。3月決算の会社が令和8年6月に申請するなら、審査基準日は令和8年3月31日になります。
- 審査基準日は申請日や結果通知日とは違いますか?
- 違います。審査基準日は決算日で決まり、申請日や結果通知日では決まりません。決算日以外の日を審査基準日にできるのは、合併・事業譲渡・会社分割などで別表(2)の分類に該当する場合です。
- 審査基準日の後に退職金制度へ加入したら、その回の経審で加点されますか?
- されないと読めます。建設業退職金共済制度の加入や退職一時金制度の導入などは、記載要領が「審査基準日において」の状態で判定すると定めているためです。審査基準日より後の加入は、次の決算を審査基準日とする経審から判定対象になります。
- 完成工事高や自己資本は、審査基準日からどこまでさかのぼって見ますか?
- 完成工事高・元請完成工事高は審査基準日の直前2年又は直前3年の各事業年度です。自己資本額は審査基準日の決算の額、または前回申請時の審査基準日の決算との平均の額を記入します。
- CPD単位や就業履歴の蓄積措置は、いつの実績が対象ですか?
- CPD単位は審査基準日以前1年のうちに取得した単位数で、1人当たり30単位が上限です。就業履歴の蓄積措置は、審査基準日以前1年のうちに発注者から直接請け負った工事での実施状況で判定します。技能レベル向上者数は審査基準日以前3年が対象です。
公開日: 2026-10-06
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本ツールは事業者ご自身が入力・利用する試算です(申請の代行・作成支援は行っていません)。個別のご相談は承っておりません。正式な評点は登録経営状況分析機関・審査行政庁の審査結果が優先します。数値は概算であり、実際の申請前に専門家へご確認ください。算定方法・出典・免責

