W1実務

経審のCPD単位と技能レベル向上者数|W1評価点の確認手順

技術者名簿と技能者名簿を分け、CPD換算、技能レベル向上率、人数構成による加重の順に確認します。

本番エンジンで3ケース実測
編集:建設経営ラボ編集部(合同会社フューチャープロンプト) / 運営方針・出典

経審の「知識及び技術又は技能の向上に関する取組の状況」は、CPD単位だけで決まりません。技術者側のCPD評価と技能者側の能力評価を別々に0〜10点へ換算し、技術者数と技能者数の構成比で加重して、最終的なW1評価点を求めます。人数・対象期間・控除対象者を先に確定することが重要です。

W1評価点までの5ステップ

  1. 対象となる技術者を確定する審査基準日に許可を受けた建設業へ従事し、基準日前に6か月を超える恒常的な雇用関係があり、雇用期間を限定せず常時雇用される職員(常勤役員・個人事業主を含む)のうち、監理技術者・主任技術者となる資格を持つ者と1級・2級の技士補を抽出します。
  2. CPD単位を認定団体ごとに換算する取得単位をそのまま合計せず、告示のCPD認定団体別の数値で換算し、各技術者の換算後単位を集計します。
  3. 対象となる技能者を確定する審査基準日前3年間に施工へ従事し、基準日前に6か月を超える恒常的な雇用関係がある常時雇用者から、施工管理だけに従事した者を除きます。そのうえでレベル向上者と控除対象者を分けます。
  4. 技術者点と技能者点を別々に求める技術者1人当たりCPD単位は3単位刻み、技能レベル向上率は1.5%刻みで、それぞれ0〜10点へ換算します。
  5. 人数構成で加重して最終点を求める技術者点と技能者点の単純平均ではなく、技術者数・技能者数が全体に占める割合を掛け合わせます。

算式と区分は、国土交通省の経営事項審査の事務取扱いについて(令和8年7月1日施行・全文)、京都府の知識及び技術又は技能の向上に関する取組の状況、関東地方整備局の令和8年7月改正版手引き別添で直接確認できます。

技術者側:CPD単位の換算

CPD側は、審査基準日前1年間に各技術者が取得した単位を、認定団体ごとに告示別表第二十一の数値で割って30を掛け、小数点以下を切り捨てます。1人当たりの上限は30単位です。各人の換算後単位を合計し、技術者数で割って「技術者1人当たりのCPD取得単位数」を求めます。

同じ技術者が2団体以上から単位認定を受けていても、合算するのではなく、いずれか1団体で認定された単位を使います。団体名、取得日、元の単位、告示上の除数、換算後単位を1人1行で残すと再確認できます。

1人分の換算例:選んだCPD認定団体について告示別表第二十一の数値が20、証明された取得単位が12なら、12÷20×30=18単位です。計算途中に小数が出れば切り捨て、結果が30を超えれば30単位にします。団体ごとの数値は上記の国土交通省全文資料にある別表第二十一で、証明書の発行団体名と突き合わせてください。

技術者1人当たりCPD取得単位数の点数区分
1人当たり換算後単位技術者点
3未満0
3以上6未満1
6以上9未満2
9以上12未満3
12以上15未満4
15以上18未満5
18以上21未満6
21以上24未満7
24以上27未満8
27以上30未満9
3010

換算後CPD単位の合計が60、技術者数が4なら1人当たり15単位となり、技術者点は5点です。この値は本サイトの計算エンジンでも同じ結果になります。

技能者側:レベル向上率

技能者側は、審査基準日前3年間に認定能力評価の区分が、基準日の3年前の日以前に受けた最新評価より1以上上がった技能者数を、技能者数から控除対象者数を引いた人数で割ります。3年前の日以前にすでに最上位区分だった者が控除対象者です。能力評価を受けていない者は最も低い区分として扱い、分母が0人の場合の技能者点は0点です。

技能レベル向上者割合の点数区分
向上者割合技能者点
1.5%未満0
1.5%以上3%未満1
3%以上4.5%未満2
4.5%以上6%未満3
6%以上7.5%未満4
7.5%以上9%未満5
9%以上10.5%未満6
10.5%以上12%未満7
12%以上13.5%未満8
13.5%以上15%未満9
15%以上10

技能者20人のうち3人がレベル向上し、控除対象者が0人なら割合は15%で、技能者点は10点です。

技術者・技能者の人数で加重

最終評価は「技術者数÷(技術者数+技能者数)×技術者点」と「技能者数÷(技術者数+技能者数)×技能者点」を合計し、その値を最終区分へ当てはめます。同じ人が技術者と技能者の両方に該当する場合は、公式手引きに従って各名簿の対象者数を確認します。

このため、技術者点が高くても技能者が多く技能者点が低ければ最終点は下がり、逆も同様です。CPD単位だけ、またはレベル向上者数だけを見てW1評価点を決めることはできません。

3ケースのエンジン実測

公式算式を実装した本サイトの計算エンジンへ、構成の異なる3ケースを入力した結果です。

CPD・技能レベル向上の構成別W1評価点
ケースCPD側能力評価側W1評価点
技術者4人・換算後CPD合計60単位5点0点5点
技能者20人・レベル向上3人0点10点10点
技術者4人・CPD60単位、技能者6人・レベル向上1人5点10点8点

混在ケースは、技術者が全体の4割、技能者が6割です。技術者点5×0.4と技能者点10×0.6の合計は8となり、最終評価点も8点です。記事の数値は`examples.gen.json`へ保存した本番エンジン出力と機械照合しています。

申請前の証拠書類チェック

CPD・技能レベル向上の確認資料
確認対象確認する内容
技術職員名簿対象技術者、審査基準日、重複・退職者の扱い
CPD単位取得を証する書面認定団体、対象年、取得単位、換算後単位
技能者名簿・雇用資料3年間の施工従事、6か月超の恒常的雇用、常時雇用、施工管理だけに従事する者の除外
能力評価結果レベルが1以上向上した日と対象期間
控除対象者基準日の3年前の日以前に受けた最新評価が最上位だった者の該当根拠

この記事はCPD・能力評価によるW1評価点の確認が主題です。令和8年改正の「全ての工事で就業履歴を蓄積する措置」は別項目なので、CCUS就業履歴蓄積措置の加点で確認してください。自社の人数で計算する場合は経審P点シミュレーター内のCPD・能力評価計算を利用できます。

よくある質問

CPD単位だけで経審の評価点が決まりますか?
決まりません。技術者側のCPD評価と技能者側のレベル向上評価を別々に求め、技術者数と技能者数の構成比で加重して最終的なW1評価点を算出します。
CPD単位はそのまま合計できますか?
取得単位を無条件にそのまま合計するのではなく、告示のCPD認定団体別の数値に従って各技術者の単位を換算します。複数団体の単位を持つ場合の扱いも公式手引きで確認が必要です。
技能レベル向上者の割合はどう計算しますか?
審査基準日以前3年間にレベルが1以上向上した技能者数を、技能者数から控除対象者数を引いた人数で割ります。3年前にすでにレベル4だった者などは控除対象者として確認します。
CPD加点とCCUS就業履歴の加点は同じですか?
別項目です。CPD・能力評価は知識・技術・技能向上の取組を評価し、令和8年改正の就業履歴蓄積措置は対象工事で履歴を蓄積する措置の実施状況を評価します。

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