経審のX1(完成工事高)とZ2(元請完成工事高)は、直前2年の平均か直前3年の平均かを選んで申請できます。さらに自己資本額(X21)も基準決算の値か直前2期の平均かを選べます。この選択の組み合わせでP点が変わるため、どちらが有利かは申請前に必ず試算すべき論点です。この記事では、仕組みと実測例を解説します。
選べる仕組みと制約
完成工事高の平均のとり方には重要な制約があります。業種ごとに2年平均と3年平均を使い分けることはできず、全業種で同一の方法に統一しなければなりません(関東地方整備局の手引きより)。
選べるのは次の2軸です。
- 完成工事高(X1)・元請完成工事高(Z2):直前2年平均 または 直前3年平均
- 自己資本額(X21):基準決算の額 または 直前2期の平均
組み合わせは2×2の4パターンあり、それぞれP点が変わりえます。
増収なら2年平均・減収なら3年平均が基本
考え方はシンプルです。直近の完成工事高が伸びている(増収局面)なら、古い年度を含めない2年平均の方が平均値が高くなります。逆に直近が落ち込んでいる(減収局面)なら、良かった年度を含められる3年平均の方が平均値の下支えになります。
実測:増収局面の4パターン比較
完成工事高が直前期4億円・前々期2億円・前々々期1億円と伸びている増収局面のモデルで、4パターンを本サイトの計算エンジンで実測しました。
| パターン | X1評点 | X2評点 | 総合評定値P |
|---|---|---|---|
| 2年平均 × 基準決算 | 842点 | 647点 | 720点 |
| 2年平均 × 2期平均 | 842点 | 640点 | 719点 |
| 3年平均 × 基準決算 | 808点 | 647点 | 710点 |
| 3年平均 × 2期平均 | 808点 | 640点 | 709点 |
条件: 完成工事高[4億/2億/1億]・元請[3億/1.5億/8千万]・自己資本 基準決算5,000万円/前期3,000万円・平均利益1,000万円・Y評点700点・技術職員6名。本サイトの計算エンジンで実測。
この例では「2年平均×基準決算」が720点で最有利、「3年平均×2期平均」だと709点となり、選び方だけで11点の差が生じました。減収局面では逆に3年平均が有利になるため、自社の数字で必ず両方を試算してください。
経審P点シミュレーターの「激変緩和比較」タブでは、3期分の完成工事高等を入力すると4パターンを自動で並べて比較できます。
まとめ
- 完成工事高は2年平均/3年平均を選べるが、全業種で同一の方法に統一が必要。
- 自己資本額も基準決算/2期平均を選べ、組み合わせは4パターン。
- 増収局面は2年平均、減収局面は3年平均が有利になるのが基本形。
- 実測例では選び方だけでP点に11点差。申請前にシミュレーターの激変緩和比較タブで4パターンを確認する。