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経審の完成工事高は2年平均と3年平均どっちが有利?実測で比較する

増収局面と減収局面で答えが逆になります。申請前の試算が必須です。

国土交通省の告示・地方整備局の手引き
編集:建設経営ラボ編集部(合同会社フューチャープロンプト) / 運営方針・出典

経審のX1(完成工事高)とZ2(元請完成工事高)は、直前2年の平均か直前3年の平均かを選んで申請できます。さらに自己資本額(X21)も基準決算の値か直前2期の平均かを選べます。

この選択の組み合わせでP点が変わるため、どちらが有利かは申請前に必ず試算すべき論点です。この記事では、仕組みと実測例を解説します。

選べる仕組みと制約

完成工事高の平均のとり方には重要な制約があります。業種ごとに2年平均と3年平均を使い分けることはできず、全業種で同一の方法に統一しなければなりません(関東地方整備局の手引きより)。

選べるのは次の2軸です。

  • 完成工事高(X1)・元請完成工事高(Z2):直前2年平均 または 直前3年平均
  • 自己資本額(X21):基準決算の額 または 直前2期の平均

組み合わせは2×2の4パターンあり、それぞれP点が変わりえます。X1・Z2の詳しい範囲はX1(完成工事高)とはZ2(元請完成工事高)とは、複数業種を受審する場合の扱いはP点が業種ごとに異なる理由で解説しています。

増収なら2年平均・減収なら3年平均が基本

考え方はシンプルです。直近の完成工事高が伸びている(増収局面)なら、古い年度を含めない2年平均の方が平均値が高くなります。逆に直近が落ち込んでいる(減収局面)なら、良かった年度を含められる3年平均の方が平均値の下支えになります。

この仕組みは「激変緩和措置」と呼ばれます。単年の業績変動で評点が急落しないよう、平均のとり方に選択肢が設けられているためです。自己資本額の「基準決算か2期平均か」も同じ発想です。

実測:増収局面の4パターン比較

完成工事高が直前期4億円・前々期2億円・前々々期1億円と伸びている増収局面のモデルで、4パターンを本サイトの計算エンジンで実測しました。

完成工事高と自己資本額の選択によるP点の比較
パターンX1評点X2評点総合評定値P
2年平均 × 基準決算842点647点720点
2年平均 × 2期平均842点640点719点
3年平均 × 基準決算808点647点710点
3年平均 × 2期平均808点640点709点

条件: 完成工事高[4億/2億/1億]・元請[3億/1.5億/8千万]・自己資本 基準決算5,000万円/前期3,000万円・平均利益1,000万円・Y評点700点・技術職員6名。本サイトの計算エンジンで実測。

この例では「2年平均×基準決算」が720点で最有利、「3年平均×2期平均」だと709点となり、選び方だけで11点の差が生じました。減収局面では逆に3年平均が有利になるため、自社の数字で必ず両方を試算してください。

経審P点シミュレーターの「激変緩和比較」タブでは、3期分の完成工事高等を入力すると4パターンを自動で並べて比較できます。X1・X2以外を含めたP点全体の計算方法は経審P点の計算方法で解説しています。

自社の決算推移から選ぶ手順

直前3期分の完成工事高(工事種類別・元請含む)を並べ、直近が増えているか減っているかを確認します。増加傾向なら2年平均、減少傾向なら3年平均を軸に、両方を試算して比較するのが基本の手順です。1期だけの増減で判断すると、翌期以降の推移次第で見立てが崩れるため、必ず3期分の推移で判断します。

2年平均を選ぶ場合は、直前2年の各審査対象事業年度ごとの完成工事高(元請完成工事高も同様)を「完成工事高計算表」(元請は「元請完成工事高計算表」)に記載し、その合計を2で除した数値を申請書へ記入します。3年平均を選ぶ場合も同じ考え方で、対象が3年分になります。

事業年度を変更して対象月数が不足する場合は、直前2年の各事業年度に含まれる月数の合計が24か月、直前3年では36か月に満たないときに、完成工事高を按分して年間平均完成工事高の基礎を計算します。

直前2年では「Aの完成工事高の合計+Bの完成工事高×(24か月-Aに含まれる月数)÷Bに含まれる月数」、直前3年では24か月を36か月へ置き換えます。Aは当期事業年度開始日の直前2年または3年の間に開始する各事業年度、BはAのうち最初の事業年度の直前の事業年度です。

これは短い事業年度だけをそのまま平均に入れないための取扱いです。該当するときは、決算期変更後の各事業年度の月数と完成工事高をそろえ、提出先の案内に沿って計算表を作成します。

按分の式と対象範囲は、国土交通省の経営事項審査の事務取扱いについての「事業年度を変更したため…」の取扱いで確認できます。

完成工事高計算表に記載する金額は、決算書類にもとづく年度ごとの実績値です。

工事経歴書は個別工事を請負代金の額が大きい順に、元請・下請を含む合計のおおむね7割を超えるところまで記載する書類です。そのため、記載件数の合計と完成工事高計算表の金額が一致するとは限りません。ただし同じ事業年度の実績であることに変わりはないため、工事の記載範囲と計算表の年度区分にずれがないか、選択前に確認しておきます。

選択の制約・計算表の記載方法は関東地方整備局の令和8年7月改正版手引き別添で確認できます。

まとめ

  • 完成工事高は2年平均/3年平均を選べるが、全業種で同一の方法に統一が必要。
  • 自己資本額も基準決算/2期平均を選べ、組み合わせは4パターン。
  • 増収局面は2年平均、減収局面は3年平均が有利になるのが基本形。
  • 実測例では選び方だけでP点に11点差。申請前にシミュレーターの激変緩和比較タブで4パターンを確認する。
  • 完成工事高そのものがP点にどれだけ効くかはP点の早見表で確認できる。
  • 平均方式を決めた後の改善候補は経審の点数を上げる方法で確認できる。
  • 算出したP点が入札参加資格の等級にどう影響するかは入札参加資格ランクの目安計算で確認できる(無料・登録不要)。

評点表・算式の転記元は一次資料・出典一覧で確認できます。

よくある質問

完成工事高は2年平均と3年平均のどちらが有利ですか?
直近の完成工事高が伸びている増収局面では2年平均、落ち込んでいる減収局面では3年平均が有利になるのが基本的な考え方です。ただし業種ごとに使い分けることはできず、全業種で同一の方法に統一する必要があります。
自己資本額にも選べる方式がありますか?
あります。基準決算時点の額か、直前2期の平均額かを選べます。完成工事高の2年/3年平均とあわせて2×2の4パターンが組み合わせられます。
実際どのくらい差が出ますか?
本サイトの増収局面の実測例では、最有利のパターンと最不利のパターンでP点に11点の差が出ました。自社の数字で試算しないと有利な組み合わせは分からないため、経審P点シミュレーターの激変緩和比較タブでの事前確認をおすすめします。

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本ツールは事業者ご自身が入力・利用する試算です(申請の代行・作成支援は行っていません)。個別のご相談は承っておりません。正式な評点は登録経営状況分析機関・審査行政庁の審査結果が優先します。数値は概算であり、実際の申請前に専門家へご確認ください。算定方法・出典・免責