経審の有効期間は1年7ヶ月|決算日から逆算するスケジュール
「うっかり失効」を防ぐには、決算日から逆算した準備が必要です。
建設業法施行規則経審の結果は一度取得すれば永久に使えるものではありません。公共工事を直接請け負う会社は、審査基準日から1年7か月の「工事を請け負うことができる期間」が切れないよう、毎年受審する必要があります。起算日は結果通知書の受領日ではなく、原則として直前の決算日である審査基準日です。
有効期間1年7ヶ月の根拠
この条文を契約日側から読むと、公共工事の請負契約を締結する時点で、所定期間内の事業年度終了日を審査基準日とする経審が必要です。国土交通省も、審査基準日から1年7月間の「工事を請け負うことができる期間」が切れないよう毎年受審する必要があると案内しています。
法令上の基準は公共工事の請負契約です。入札参加資格の申請・更新時にどの結果通知書を求めるかは発注者ごとに定められるため、経審の有効期間だけでなく、参加予定の発注者の受付要領も確認してください。
起算日は通知日ではなく審査基準日
有効期間を数える起点は、結果通知書を受け取った日や申請日ではありません。通常の単独決算では、申請日の直前の事業年度終了日が審査基準日になります。結果通知に時間がかかった場合でも、受領日から1年7か月へ延びるわけではありません。
結果通知が遅いほど、通知を受け取った後に残る期間は短くなります。通知書を受け取ってから19か月ではなく、審査基準日から数えます。
合併、会社分割、事業譲渡、決算期変更などでは通常と異なる審査基準日や申請方法が適用されることがあります。該当する場合は一般的な早見表だけで判断せず、許可行政庁へ事前に確認します。
なぜ1年ちょうどではないのか
会社の決算は通常1年ごとですが、決算確定後には建設業様式の財務諸表と決算変更届を作成し、経営状況分析、経営規模等評価の審査を受ける時間が必要です。1年7か月という期間には、次の決算を基準とする結果が出るまでの手続期間が含まれます。
ただし、7か月をすべて準備に使えると考えるのは危険です。補正、繁忙期、証明書の不足、発注者の入札参加資格受付日などによって必要な余裕は変わります。法定の決算変更届期限である4か月後まで待つのではなく、決算確定後に並行して準備するのが安全です。
決算日からの逆算スケジュール
| 時点 | やること |
|---|---|
| 決算日 | 審査基準日が確定 |
| 決算後4か月以内 | 決算変更届の提出(建設業法第11条第2項) |
| 決算変更届提出後 | 経営状況分析の申請→経営規模等評価・総合評定値の申請 |
| 次回決算後 | 新しい決算を審査基準日とする経審を申請 |
| 前回の審査基準日から1年7か月が経過する前 | 新しい経審結果を使える状態にし、契約可能期間をつなぐ |
たとえば毎年3月31日決算の会社は、翌年3月31日を審査基準日とする新しい経審を毎年申請します。前回結果の期間が残っているうちに、新しい結果通知書を受け取れるよう、4月以降の決算確定・届出・分析・審査を組みます。
申請から結果通知書の発行までにかかる日数は、整備局ごとの公表値を『経審の結果通知書が届くまでの期間』で確認できます。
空白期間を防ぐ確認方法
社内の管理表には「結果通知書の受領日」だけでなく、少なくとも次の日付を別々に記録します。
- 前回と今回の審査基準日
- 決算変更届を未提出にした場合の影響を確認し、提出期限と実際の提出日を記録する
- 経営状況分析の申請日・通知日
- 経営規模等評価の申請日・結果通知日
- 参加予定の発注者ごとの資格審査受付期間
- 公共工事の契約予定日
前回の総合評定値通知書で審査基準日を確認し、その1年7か月後だけを管理するのではなく、新結果の申請・補正・通知に必要な社内締切を前倒しで設定します。発注者が最新通知書への差替えを求める時期もあわせて確認してください。
令和8年熊本地震の被災地域の延長(令和9年1月27日まで)
対象者は「特定被災地域内に主たる営業所を有する者」です。特定被災地域は、令和8年熊本地震に際して災害救助法が適用された市町村の区域と定められています。
国土交通省の報道発表によると、延長の措置は令和8年7月28日以後に満了する許可等が対象です。同じ告示で建設業許可も同じ満了日まで延長されています。
報道発表は、令和8年7月28日以後に履行期限が来る変更の届出などの義務を地震のために履行できなかったと認められた場合、令和8年11月27日までに履行すれば行政上・刑事上の責任を問われないとしています。指定された対象者以外でも、令和8年熊本地震の被害者は申出により延長が認められる場合があるとも記載されています。
入札参加資格の審査でこの延長をどう扱うかは、告示・報道発表には書かれていません。参加予定の発注者の受付要領で確認してください。この節は2026年9月26日時点の確認で、延長期限の令和9年1月27日を過ぎた後に見直します。
確認した一次資料
- 国土交通省 報道発表資料(令和8年8月7日)令和8年熊本地震における被害者の有する許可等の有効期間の延長について延長の対象期間・届出義務の履行期限
- 国土交通省告示第1037号(報道発表の別添1)経営事項審査の対象者・延長後の満了日・特定被災地域の定義
- 国土交通省「申請に使用する経営事項審査」毎年受審と1年7月間の説明
- e-Gov法令検索「建設業法施行規則」第18条の2
- 国土交通省 関東地方整備局「経営事項審査について」最新の申請手引き
まとめ
- 経審の有効期間は実質1年7ヶ月(19か月)=建設業法施行規則第18条の2が根拠。
- 起算日は結果通知書の受領日ではなく、原則として直前決算日である審査基準日。
- 1年でなく19か月なのは、次回決算後の届出・分析・審査期間を含むため。
- 決算日を起点に、決算変更届(4か月以内)→分析→審査の順で逆算する。
- 前回期間が切れる前に新しい結果を使える状態にし、契約可能期間をつなぐ。
- 令和8年熊本地震の特定被災地域に主たる営業所がある事業者は、令和8年7月28日以後に満了する経審について、告示で満了日が令和9年1月27日まで延長されている。
決算変更届の期限は決算変更届の期限計算ツールで自動計算できます。経審全体の流れは経審の流れと費用を参照してください。改正・提出期限の全体像は経審・建設業の改正・期限カレンダーでまとめて確認できます。
有効期間から逆算したスケジュールで次回の経審結果が出たら、まず経審結果通知書の見方に沿って申請控えと照合し、入札参加資格ランクの目安計算で等級区分の目安も確認できます。
国の機関等が参加する一元受付に手元の結果が使えるかは『令和9・10年度の審査基準日の条件』で確認できます。まだ対象になる結果が無く、これから経審を受ける場合の締切からの逆算は『令和9・10年度の一元受付に今から間に合うか』を参照してください。
審査基準日から見て、どの項目が直前2年・審査対象年・審査基準日以前1年などの期間を使うかは経審の評価対象期間の早見表にまとめています。
評点表・算式の転記元は一次資料・出典一覧で確認できます。
よくある質問
- 経審の有効期間はどのくらいですか?
- 建設業法施行規則第18条の2により、発注者と請負契約を締結する日の1年7か月前の日の直後の事業年度終了日以降に経審を受けていなければなりません。実務上「審査基準日から1年7ヶ月(19か月)が有効期間」と理解されています。
- なぜ1年(12か月)ではなく1年7か月なのですか?
- 決算日から実際に公共工事の契約を結べるようになるまでに、決算変更届の提出(決算後4か月以内)・経営状況分析・経営規模等評価の審査という準備期間が必要なためです。単純に1年ごとの更新にすると、審査中に空白期間ができてしまいます。
- 決算日からいつまでに次の経審を受け直せばよいですか?
- 有効期間19か月から逆算すると、前回の審査基準日(決算日)から19か月以内に次の審査基準日を迎える必要があります。決算変更届の提出期限(決算後4か月以内)とあわせて、決算日を起点にスケジュールを組むのが実務上の基本です。
公開日: 2026-07-13 / 最終更新日: 2026-10-01
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事業者ご自身が入力する概算の試算です。申請の代行・作成支援や個別相談は行っていません。正式な評点は登録経営状況分析機関・審査行政庁の審査結果が優先します。算定方法・出典・免責

