民事再生・会社更生・特定調停の経審|W2の−60点と審査基準日の特例
再生・更生手続を受けた建設業者が、W2の減点条件、審査基準日の選び方(処理の区分14)、確認書類を原文で確認します。
減点−60点・審査基準日6通り民事再生・会社更生の手続を受けた会社の経審は、2つの規定が重なります。ひとつはW2(建設業の営業継続の状況)の−60点の減点、もうひとつは決算日以外を審査基準日にできる「処理の区分14」です。名称が似ていても、減点の対象は再生・更生の2手続で、特定調停は審査基準日の特例にだけ出てきます。
W2の−60点は、開始決定から終結決定までの間に付く
W2の「民事再生法又は会社更生法の適用の有無」は、0点か−60点の2区分です。事務取扱いは、平成23年4月1日以降の申立てに係る再生手続開始の決定または更生手続開始の決定を受け、かつ、審査基準日以前に再生手続終結の決定または更生手続終結の決定を受けていない場合に減点すると定めています。
| 手続の状況(審査基準日時点) | 申請書の欄 | 点数 |
|---|---|---|
| 平成23年4月1日以降の申立てで、開始決定を受け、終結決定は未了 | 1 | −60 |
| 同じ手続で、審査基準日以前に終結決定を受けた | 2 | 0 |
| 申立てが平成23年3月31日以前 | 2 | 0 |
| 再生・更生の手続を受けていない | 2 | 0 |
審査基準日までに終結決定を受けていなければ減点は続き、計画の認可を受けただけでは解除されません。
通知の条件は「開始決定を受け、かつ、終結決定を受けていない」の2つだけで、認可の有無は条件に入っていません。そのため、再生計画・更生計画の認可後でも、審査基準日までに終結決定がなければ申請書の欄は「1」です。
減点の条件は国土交通省の経営事項審査の事務取扱いについて(令和8年7月1日施行・全文)の「建設業の営業継続の状況について」ロ、申請書の欄は関東地方整備局の令和8年7月改正版手引き別添の記載要領(「民事再生法又は会社更生法の適用の有無」の欄)に書かれています。
−60点はP点では約−85.5点に当たる
国土交通省の資料集では、W評点を「A×10×190÷200」、総合評定値を「P=0.25X1+0.15X2+0.20Y+0.25Z+0.15W」と示しています。Aはその他の審査項目(社会性等)の合計点で、W2の−60点はこのAに入ります。
| 段階 | 計算 | 結果 |
|---|---|---|
| W2の減点 | 項目の点数 | −60 |
| W評点への換算 | −60×10×190÷200 | −570 |
| P点への換算 | −570×0.15 | −85.5 |
他のW項目の点数は変わらないものとした、この1項目だけの影響です。実際のP点は端数処理を含めて通知書の値が優先されます。自社の数値はP点シミュレーターのW2の入力で試算できます。
換算式は国土交通省「企業評価制度 関連資料集(参考資料3)」の「その他の審査項目(社会性等)(W)の詳細」で確認できます。項目の導入時期は平成23年と記載されています。
処理の区分14は、審査基準日を6通りから選ぶ
申請書の「処理の区分」には、再生・更生・特定調停の申立てを行った会社向けのコード14があります。通常は事業年度の終了の日(決算日)が審査基準日ですが、このコードでは次のいずれかの日を審査基準日として申請できます。
| 手続 | 審査基準日にできる日 |
|---|---|
| 会社更生 | 更生手続開始決定日 |
| 会社更生 | 更生計画認可日 |
| 会社更生 | 開始決定日から計画認可日までの間に到来した決算日 |
| 民事再生 | 再生手続開始決定日 |
| 民事再生 | 開始決定日から再生計画認可日までの間に到来した決算日 |
| 特定調停 | 特定調停手続開始申立日から調停条項受諾日までの間に到来した決算日 |
民事再生には認可日そのものを挙げる記載が別表にありません。更生は開始決定日と認可日の両方、再生は開始決定日と、開始決定から認可までの間の決算日が並んでいます。どの日を選べるかは別表の文言どおりに読み、迷う場合は申請先の審査行政庁へ確認してください。
特定調停だけは、日付が「申立日から条項受諾日までの間の決算日」に限られます。また、W2の−60点の条文は再生・更生だけを対象としており、特定調停を受けたことを理由にした減点は、事務取扱いのW2の記述にはありません。
設立直後の会社など、ほかの事情で決算日以外を審査基準日にする処理の区分は設立後最初の決算前に受ける経審で整理しています。
確認書類は3つの日付が分かる写し
関東地方整備局のチェックシートでは、項番16に「再生手続又は更生手続開始決定日」「再生計画又は更生計画認可日」「再生手続又は更生手続終結決定日」を確認できる書類の写しを挙げています。手続を受けた会社は、決定書などの写しから該当する日付を自分で書き出して照合します。終結決定を受けていなければ、3つ目の日付はまだありません。
| 確認する日付 | 使い道 |
|---|---|
| 開始決定日 | W2の減点の起点。処理の区分14の審査基準日の候補 |
| 計画の認可日 | 処理の区分14の審査基準日の候補(更生)。減点の解除日ではない |
| 終結決定日 | 審査基準日以前ならW2は0点。営業年数の起算日にもなる |
1社分の確認順
- 申立ての日を確かめる平成23年4月1日以降の申立てかを、決定書類の日付で確認します。
- 3つの日付を書き出す開始決定日、計画の認可日、終結決定日を決定書の写しから拾います。
- 審査基準日を決める決算日にするか、処理の区分14の6通りのいずれかにするかを申請先へ確認して決めます。
- W2の欄を判定する審査基準日以前に終結決定を受けていなければ欄は「1」、−60点です。
- 営業年数を見直す開始決定と終結決定の両方を受けた会社は、営業年数が終結決定の時から数え直しになります。
営業年数のゼロリセットは経審の営業年数の数え方、W点全体の中のW2の位置づけはW点(社会性等)ガイドで確認できます。有効期間と次回申請の時期は経審の有効期間と逆算を参照してください。
この記事は公開されている通知・手引きの自己確認用の整理で、個別の手続や申請内容の法的な評価、申請の代行・支援は行いません。正式な評点は審査行政庁と登録経営状況分析機関の審査結果が優先します。
よくある質問
- 民事再生や会社更生を受けると経審でどれだけ減点されますか?
- W2の「民事再生法又は会社更生法の適用の有無」が−60点です。式どおりにP点へ換算すると約−85.5点に当たります。
- 再生計画が認可されれば減点は解除されますか?
- 条文の条件は、開始決定を受けて審査基準日以前に終結決定を受けていないことです。認可だけでは解除されず、終結決定が要ります。
- 特定調停を受けた場合もW2は−60点ですか?
- 事務取扱いのW2の記述は再生手続・更生手続だけです。特定調停は処理の区分14の審査基準日の特例に出てきます。
- 処理の区分14ではどの日を審査基準日にできますか?
- 更生は開始決定日・計画認可日・その間の決算日、再生は開始決定日・その間の決算日、特定調停は申立日から条項受諾日までの間の決算日です。
- 手続を受けたとき、どの書類を用意しますか?
- 開始決定日・計画の認可日・終結決定日を確認できる書類の写しです。関東地方整備局のチェックシートが示しています。
公開日: 2026-10-03
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本ツールは事業者ご自身が入力・利用する試算です(申請の代行・作成支援は行っていません)。個別のご相談は承っておりません。正式な評点は登録経営状況分析機関・審査行政庁の審査結果が優先します。数値は概算であり、実際の申請前に専門家へご確認ください。算定方法・出典・免責
