受審後の実務

インターネット一元受付を使えない申請の8類型|経常JV・合併新設・グループ経審ほか

令和9・10年度の定期受付で、インターネット方式では申請できない場合と、その理由を国土交通省の手引きから整理します。

国土交通省の申請書作成の手引き(建設工事)
編集:建設経営ラボ編集部(合同会社フューチャープロンプト) / 運営方針・出典

インターネット一元受付は、国土交通省を含む23機関(建設工事の定期受付)の入札参加資格を1つの申請データでまとめて申請できる仕組みです。ただし、すべての会社が使えるわけではありません。経営事項審査(経審)の受け方や会社の成り立ちによっては、インターネット方式を利用できず、各機関へ直接問い合わせることになります。

この記事は、国土交通省が公表した「建設工事 競争参加資格審査申請書作成の手引き」(インターネット編・令和9・10年度版)から、インターネット方式の対象外になる場合を整理します。

インターネット方式の前提と、使えない2つの条件

手引きによると、インターネット方式の対象は、定期受付の建設工事だけです。随時受付ではインターネット方式を実施しません。

そのうえで、次のどちらかに当たる場合は、インターネット方式を利用できません。

インターネット方式を利用できない2つの条件
条件内容
1建設業法第3条の許可、または同法第27条の23の経営事項審査を受けていない
2経営事項審査の審査基準日が令和7年6月16日以降のものでない

条件2の考え方は対象となる審査基準日の条件、まだ対象の経審結果がない場合は逆算スケジュールで説明しています。

インターネット方式で対応していない申請8類型

許可と経審の条件を満たしていても、次の8類型のいずれかに当たる場合はインターネット方式を利用できません。手引きは、詳しくは各申請希望機関に問い合わせるよう求めています。

インターネット方式で対応していない申請(手引きの記載順)
番号該当する場合関連ガイド
1経常建設共同企業体(大手企業連携型建設共同企業体を含む)に係る申請経常JV・大手企業連携型JV
2事業協同組合で特例計算を希望する場合―
3協業組合・企業組合で、一定の組合員に関する書類を提出する場合協業組合・企業組合
4合併等により新たに設立された会社等が、新たに申請する場合(再認定を受け済みの場合は除く)合併等の加算措置
5会社更生法・民事再生法に基づく更生・再生手続開始決定を受け、競争参加資格の再認定を受けていない場合再生・更生
6グループ経営事項審査・持株会社化経営事項審査を受けている場合グループ経審・持株会社化経審
7国土交通省地方整備局などの希望工事種別「維持修繕工事」のうち、道路清掃作業などのみを希望し、手引き記載の建設業法工事種別の経審を1種類も受けていない場合―
8同じく「維持修繕工事」で、経営事項審査に反映されていない道路清掃作業などの完成工事高を含めて申請する場合―
許可と経審の条件を満たしていても、8類型のどれかに当たるとインターネット方式は使えません。自社が当てはまるかを、申請の準備に入る前に確かめておきます。

6のグループ経審・持株会社化経審は、経審の側で特例を受けている会社です。5の更生・再生は、手続開始決定のあと再認定を受けていない会社を指します。

7と8は、希望工事種別が「維持修繕工事」の場合の例外です。7で必要になる建設業法工事種別は、手引きでは土木一式、とび・土工・コンクリート、防水、舗装、石、機械器具設置、電気、タイル・れんが・ブロック、塗装、解体のうち1種類以上とされています。

協業組合・企業組合で追加の書類が要る場合

3の対象は、協業組合・企業組合のうち、次のAまたはBに当たる場合です。提出する書類の様式は任意で、手引きに記載事項が示されています。

協業組合等の追加提出書類
区分該当する条件書類に記載する事項
A設立から令和8年10月1日の前日までが24か月以上で、令和6年10月1日以降に新たに組合員の加入があった新たに加入した組合員の加入年月日・商号または名称・代表者名・住所および電話番号
B設立から令和8年10月1日の前日までが24か月未満各組合員の商号または名称・代表者名・住所および電話番号

合併等で新設された会社の範囲

4の「合併等により新たに設立された会社等」には、手引きが次の5つを挙げています。

  1. 合併で新設された会社、または合併で一方が存続した場合の存続会社
  2. 親会社が建設業の一部を独立させるために設立し、営業を譲り受けた子会社(親会社の当該営業部門の活動が廃止または休止された場合)
  3. 新たに設立され、他の会社の建設業の全部または一部を譲り受けた会社(譲渡した会社の当該営業部門の活動が廃止または休止された場合)
  4. 既存の建設業者が、他の建設業者から建設業の全部または一部を譲り受けた場合の、譲り受けた建設業者(譲渡した建設業者の当該営業部門の活動が廃止または休止された場合)
  5. 建設業の全部または一部を承継させるために会社分割を行った会社の、営業を承継した会社(分割した会社の当該営業部門の活動が廃止または休止された場合)

ただし、合併等の後にすでに競争参加資格の再認定を受けている場合は、インターネット方式の対象外には当たりません。

対象外だったときの動き方

手引きは、対象外に当たる場合は各申請希望機関への問い合わせを求めています。機関ごとの問い合わせ先は手引きに一覧があり、参加機関ごとの提出先はインターネット一元受付の参加機関と提出先にまとめています。

国土交通省直轄機関では、文書郵送・電子メール・持参の方式は原則として受け付けられていません。ただし、インターネット方式で対応していない申請は例外です。その場合の受付期間は対象となる審査基準日の条件で確認できます。

なお、経常JVとして登録を希望する場合は、構成員が単体企業として認定を受けている必要があります。単体企業の定期受付での申請はインターネット方式で行うため、構成員ごとの申請手順は国交省の入札参加資格申請の手順が参考になります。

この記事は本人が手続きの全体像を把握するための整理です。自社が対象外に当たるかどうかの判断と、実際の手続きは、各機関の公表資料と窓口の案内が優先します。

確認した一次資料

まとめ

  1. インターネット方式の対象は、定期受付の建設工事だけで、随時受付では実施しない。
  2. 許可と経審を受けていない場合、審査基準日が令和7年6月16日以降でない場合は、利用できない。
  3. 経常JV、事業協同組合の特例計算、協業組合等の書類提出、合併等による新設、更生・再生、グループ経審・持株会社化経審、維持修繕工事(2類型)の計8類型は、インターネット方式を使えない。
  4. 協業組合・企業組合は、設立からの期間と組合員の加入状況により、A・Bの追加書類が必要になる。
  5. 対象外に当たる場合は、各申請希望機関へ問い合わせる。

よくある質問

インターネット一元受付は、すべての建設業者が使えますか?
使えません。国土交通省の手引きによると、許可と経営事項審査を受けていない場合、審査基準日が令和7年6月16日以降でない場合、および8類型の申請はインターネット方式を利用できません。
随時受付でもインターネット方式で申請できますか?
できません。手引きは、インターネット方式の対象は定期受付における建設工事のみで、随時受付ではインターネット方式を実施しないと案内しています。
経常JVの入札参加資格は、インターネット方式で申請できますか?
経常建設共同企業体(大手企業連携型建設共同企業体を含む)に係る申請は、インターネット方式では対応していません。詳しくは各申請希望機関への問い合わせが必要です。
合併や会社分割をした会社は、インターネット方式で申請できますか?
合併等により新たに設立された会社等が新たに申請する場合は、インターネット方式で対応していません。ただし、合併等の後にすでに競争参加資格の再認定を受けている場合は除かれます。
グループ経審や持株会社化経審を受けている場合は、どう申請しますか?
グループ経営事項審査・持株会社化経営事項審査を受けている場合は、インターネット方式を利用できません。手引きは、詳しくは各申請希望機関に問い合わせるよう案内しています。
協業組合や企業組合は、追加の書類が必要ですか?
一定の場合に必要です。設立から令和8年10月1日の前日まで24か月以上で、令和6年10月1日以降に組合員の加入があれば加入組合員の書類、24か月未満なら各組合員の書類を、任意様式で提出します。

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