ガイド

経常建設共同企業体(経常JV)の入札参加資格|構成員条件と加算調整10%の要件

構成員の組合せ条件、単体企業との同時登録禁止、原則廃止された加算調整が例外的に認められる要件を整理します。

国土交通省地方整備局等の公式手引き
編集:建設経営ラボ編集部(合同会社フューチャープロンプト) / 運営方針・出典

経常建設共同企業体(経常JV)として国土交通省地方整備局等の建設工事競争参加資格審査に申請するには、構成員の組合せに関する3つの条件をすべて満たす必要があります。単体企業との同時登録は禁止されており、かつて存在した経営事項評価点数・技術評価点数への10%加算調整も現在は原則廃止です。

この記事では、令和7・8年度版の公式手引きから、構成員条件・同時登録禁止・加算調整の現在の扱いを整理します。

経常建設共同企業体(経常JV)とは

経常JVは、優良な中小・中堅建設業者が継続的な協業関係を確保し、経営力・施工力を強化する目的で結成される企業体です。結成目的がこれに合致する企業体だけが、国土交通省地方整備局等の建設工事競争参加資格審査へ申請できます。

特定の工事1件だけを目的に一時的に結成される特定建設共同企業体(特定JV)とは異なり、経常JVは継続的な協業関係を前提とした企業体です。

構成員の組合せ条件(3つ)

構成員の組合せは、次の3条件をすべて満たしていることが必要です。

経常JVの構成員条件
条件内容
①規模資本金の額もしくは出資の総額が20億円以下の会社、または常時使用する従業員の数が1,500人以下の会社もしくは個人
②等級等級のある希望工種区分(道路・河川・官庁営繕・公園関係の6工種、及び港湾空港関係5工種)に登録を申請する場合は、同一の等級または直近の等級に認定された有資格業者、またはこれと同等と認められる者
③欠格要件欠格要件に該当しない者

①は「資本金20億円以下」または「常時使用従業員1,500人以下」のどちらか一方を満たせば足ります。②の等級条件は、等級のある工種区分に限られ、等級のない工種区分では適用されません。③の欠格要件は、会計法・予算決算及び会計令に基づく別の審査項目で確認します。

単体企業との同時登録はできない

平成19・20年度の定期受付より、一つの発注機関における同一工事種別内での単体企業と、当該企業を構成員とする経常JVとの同時登録ができなくなりました。

注意:経常JVとして登録を希望する工事種別では、その構成員が単体企業としての認定を受けていることが前提条件です。したがって、経常JVとして登録する場合は、(1)の条件を満たしたうえで、単体企業としての認定を取り下げる旨を明らかにして申請します。定期受付等で単体企業の申請が無い場合は、単体企業と経常JVを同時に申請し、経常JVの申請書の余白部分に認定取り下げの旨を記載する扱いです。

単体企業として既に認定を受けた後に経常JVを申請する場合は、該当する工事種別について認定を取り下げる旨の届出をあわせて提出します。

加算調整は原則廃止、例外は合併計画書提出時のみ

経常JVにはかつて、経営事項評価点数及び技術評価点数に対する10%の加算調整がありました。平成19・20年度の定期受付より、この加算調整は一部の場合を除き廃止されています。

現在も加算調整が行われるのは、次の場合に限られます。

唯一の例外:合併計画を明らかにした書面(次期の定期の競争参加資格の認定日までに合併契約を締結する旨が記載されたもの)を提出した場合に限り、有資格業者として認定を受けた日から令和7・8年度の競争参加資格の有効期限までの間、10%の加算措置が行われます。

次期の定期の競争参加資格の認定日までに合併契約を締結していない場合は、次期以降の競争参加資格の認定において加算調整は行われません。

加算調整が続かないケース

加算調整の適用を受けていても、構成員の組合せが変わると調整が引き継がれないケースがあります。

ケース加算調整の扱い
構成員が次期認定より前に解散し、組合せを変更して新たな経常JVを申請10%プラスの加算調整は行われない
2社構成の経常JVのうち、1社が倒産した場合等やむを得ないと認められる事情で解散上記の例外として扱われ、加算調整が続く

合併計画書を提出して加算調整を受けている場合でも、構成員の異動を伴う組合せ変更があれば調整の継続を当然視できません。次期申請の前に、解散・組合せ変更の有無を確認します。

確認した一次資料

加算調整の有効期限は令和7・8年度版の記載に基づきます。令和9・10年度版が公表された場合は、有効期限の年度表記が更新される可能性があるため、申請前に最新版の手引きで確認してください。

まとめ

  • 経常JVは、継続的な協業関係の強化を目的に結成される企業体で、結成目的が合致する企業体だけが申請できる。
  • 構成員条件は「①資本金20億円以下または常時使用従業員1,500人以下」「②等級のある工種区分では同一・直近等級の有資格業者」「③欠格要件非該当」の3つすべて。
  • 単体企業と、当該企業を構成員とする経常JVの同時登録は同一工事種別内でできない。
  • 経営事項評価点数・技術評価点数への10%加算調整は原則廃止。合併計画を明らかにした書面提出時のみ、令和7・8年度の有効期限まで例外的に適用される。
  • 加算調整の適用中に構成員が解散し組合せを変更すると、新たな経常JVでは加算調整が行われない(倒産等やむを得ない事情による解散は除く)。

協業組合・企業組合の経審上の扱い(10%加算調整と経常JV・特定JVの構成員になれない制約)は協業組合・企業組合の経審上の扱いで解説しています。経審の再審査・競争参加資格の再認定の手続と、共同企業体等調書の様式対応は経審の再審査と競争参加資格の再認定の違いで整理しています。

国土交通省の希望工種区分と建設業許可の対応、等級のある6区分の内容は国交省入札の希望工種区分22種で確認できます。P点の計算方法全体は経審P点の計算方法を参照してください。

評点表・算式の転記元は一次資料・出典一覧で確認できます。

よくある質問

経常建設共同企業体(経常JV)とはどのような企業体ですか?
優良な中小・中堅建設業者が継続的な協業関係を確保し、経営力・施工力を強化する目的で結成される企業体です。国土交通省地方整備局等の建設工事競争参加資格審査で、結成目的がこれに合致する企業体のみ申請できます。
経常JVの構成員になるにはどんな条件が必要ですか?
資本金20億円以下または常時使用従業員1,500人以下の会社・個人であること、等級のある工種区分では同一または直近の等級に認定された有資格業者であること、欠格要件に該当しないことの3条件をすべて満たす必要があります。
経常JVの資本金・従業員数の条件はどちらか一方を満たせばよいですか?
はい。資本金20億円以下「または」常時使用従業員1,500人以下という条件で、どちらか一方を満たせば足ります。あわせて工種区分での等級条件、欠格要件に該当しないことも必要です。
単体企業として登録しながら、同じ工事種別で経常JVにも登録できますか?
できません。同一発注機関の同一工事種別内で、単体企業と当該企業を構成員とする経常JVの同時登録は平成19・20年度の定期受付から禁止されています。経常JVとして登録するには単体企業の認定を取り下げます。
経常JVには経営事項評価点数・技術評価点数の加算調整がありますか?
平成19・20年度の定期受付から10%の加算調整は原則廃止されています。合併計画を明らかにした書面を提出した場合に限り、有資格業者として認定を受けた日から令和7・8年度の有効期限まで10%の加算措置が行われます。
加算調整を受けた経常JVが構成員を変えると加算は続きますか?
続きません。加算調整の適用を受けた経常JVの構成員が次期認定より前に解散し、組合せを変えて新たな経常JVを申請した場合、10%の加算調整は行われません。2社構成で1社が倒産等やむを得ず解散した場合は除きます。

P点から国交省・関東地方整備局の等級目安を確認(無料・登録不要):入札参加資格ランクの目安計算を使う

本ツールは事業者ご自身が入力・利用する試算です(申請の代行・作成支援は行っていません)。個別のご相談は承っておりません。正式な評点は登録経営状況分析機関・審査行政庁の審査結果が優先します。数値は概算であり、実際の申請前に専門家へご確認ください。算定方法・出典・免責