大手企業連携型建設共同企業体の資格審査|資本金20億円超・従業員1,500人超の構成員要件
平成14年7月1日から認められた制度で、経常建設共同企業体(経常JV)とは逆に「大手企業」を対象とする共同企業体です。構成員要件・申請時の注意点・経常JVとの違いを公式手引きから整理します。
国土交通省地方整備局等の公式手引き大手企業連携型建設共同企業体は、大手企業同士の業務の多様な連携・協力関係を支援し、将来的な合併等への移行を促進する目的で、平成14年7月1日から認められている制度です。国土交通省地方整備局等の発注する工事に申請する場合、構成員全員が資本金または従業員数の規模要件を満たす必要があり、経常建設共同企業体(経常JV)とは規模の方向が逆になります。
この記事では、令和7・8年度版の公式手引きから、構成員要件・申請時の注意点・経常JVとの違いを整理します。
大手企業連携型建設共同企業体とは
大手企業連携型建設共同企業体は、大手企業同士の業務の多様な連携・協力関係を支援するとともに、将来的な合併等への移行を促進する目的で、平成14年7月1日から認められている制度です。国土交通省地方整備局等の発注する工事における競争参加資格の申請区分の一つです。
中小・中堅建設業者を対象とする経常建設共同企業体(経常JV)とは異なり、一定規模以上の大手企業だけが構成員になれる点が特徴です。
構成員要件(2つ)
大手企業連携型建設共同企業体の全ての構成員は、次の2つの要件をいずれも満たすことが要請されます。
| 要件 | 内容 |
|---|---|
| ①資本金・出資 | 資本金の額もしくは出資の総額が20億円を超える会社であること |
| ②従業員数 | 常時使用する従業員の数が1,500人を超える会社であること |
①②はいずれも「超える」ことが要件です。経常JVの構成員要件(資本金20億円以下または従業員1,500人以下のいずれか一方を満たせば足りる)とは、基準となる数値は同じ20億円・1,500人でも、規模の方向・組合せの条件がいずれも逆になります。
申請時の注意点(6項目)
上記の構成員要件に加えて、申請にあたっては次の点に注意が必要です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| (1) | 構成員のうちに、経営事項審査を受けていない者、欠格要件に該当する者を含むとき、または単体有資格業者として国土交通省発注工事の有資格登録がされていない者を含むときは、資格審査申請書を提出できない |
| (2) | 構成員の数は、原則として2または3社 |
| (3) | 単体有資格業者が一つの地方整備局に対して登録できる大手企業連携型建設共同企業体は、原則として一つのみ(同一地方整備局に対して、構成員の異なる2つの大手企業連携型建設共同企業体の構成員としては登録できない) |
| (4) | 申請が可能なのは、最初の資格認定後、概ね2年以内に合併またはこれに準ずる連携・協業関係を設ける措置を検討している者に限る |
| (5) | 経常建設共同企業体と異なり、経営事項評価(客観)点数及び技術評価(特別)点数の加算措置は講じられない |
| (6) | 上記(1)から(5)のほか、資格審査申請書上の注意事項(申請書及び作成の方法)に従う |
経常建設共同企業体(経常JV)との違い
大手企業連携型建設共同企業体と経常建設共同企業体は、いずれも共同企業体としての申請区分ですが、対象とする企業規模と点数加算の扱いが異なります。
| 項目 | 大手企業連携型建設共同企業体 | 経常建設共同企業体(経常JV) |
|---|---|---|
| 規模要件 | 資本金20億円超 かつ 従業員1,500人超 | 資本金20億円以下 または 従業員1,500人以下 |
| 制度開始 | 平成14年7月1日 | - |
| 点数加算措置 | 講じられない | 合併計画書提出時に限り、10%の加算調整あり(原則廃止) |
| 合併等への移行検討 | 最初の資格認定後、概ね2年以内に検討している者に限る | 要件として明記されていない |
経常JVの構成員要件・単体企業との同時登録・加算調整の詳細は経常建設共同企業体(経常JV)の入札参加資格で解説しています。
確認した一次資料
- 国交省地方整備局等「建設工事 競争参加資格審査申請書作成の手引き-令和7・8年度版-」第7.4 大手企業連携型建設共同企業体の資格審査(構成員要件・申請時の注意点)
まとめ
- 大手企業連携型建設共同企業体は、大手企業同士の連携・協力関係を支援し、将来的な合併等への移行を促進する目的で平成14年7月1日から認められている制度。
- 構成員要件は「①資本金または出資の総額20億円超」「②常時使用従業員1,500人超」の2つをいずれも満たすこと。経常JVとは規模の方向が逆。
- 構成員の数は原則2または3社、一地方整備局につき登録は原則1つのみ、最初の資格認定後概ね2年以内に合併等の連携・協業関係の検討が要件。
- 経常JVと異なり、経営事項評価点数・技術評価点数への加算措置はない。
- 構成員に欠格要件該当者・経審未受診者・単体有資格未登録者を含むと申請書を提出できない。
共同企業体全般の入札参加資格は入札参加資格ランクの目安計算で確認できます。協業組合・企業組合の扱いは協業組合・企業組合の経審上の扱い、企業集団単位の特例はグループ経営事項審査(グループ経審)で整理しています。P点の計算方法全体は経審P点の計算方法を参照してください。
評点表・算式の転記元は一次資料・出典一覧で確認できます。
よくある質問
- 大手企業連携型建設共同企業体とはどのような制度ですか?
- 大手企業同士の業務の多様な連携・協力関係を支援し、将来的な合併等への移行を促進する目的で、平成14年7月1日から認められている制度です。国土交通省地方整備局等の発注する工事における競争参加資格の申請区分の一つです。
- 構成員の要件は何ですか?
- 全ての構成員が、①資本金の額もしくは出資の総額が20億円を超える会社であること、②常時使用する従業員の数が1,500人を超える会社であること、の2つをいずれも満たす必要があります。
- 経常建設共同企業体(経常JV)とは規模要件が違いますか?
- はい。経常JVの規模要件は「資本金20億円以下または従業員1,500人以下のいずれか一方を満たせば足りる」ですが、大手企業連携型は「資本金20億円超かつ従業員1,500人超」で、基準となる数値は同じでも規模の方向・組合せの条件がいずれも逆になります。
- 構成員の数に制限はありますか?
- 原則として2または3社です。また、単体有資格業者が一つの地方整備局に対して登録できる大手企業連携型建設共同企業体は原則として一つのみで、構成員の異なる2つの企業体の構成員として同時に登録することはできません。
- 経常建設共同企業体のような点数加算はありますか?
- ありません。経常建設共同企業体と異なり、経営事項評価(客観)点数及び技術評価(特別)点数の加算措置は講じられません。
公開日: 2026-09-18
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