グループ経営事項審査(グループ経審)|対象要件と点数加算率15%・10%の仕組み
金融商品取引法適用会社を親会社とする企業集団が対象のグループ経審。X1・X2・Y・Z・Wの合算方法と、認定後の点数加算率を整理します。
国土交通省地方整備局等の公式手引きグループ経営事項審査(グループ経審)は、金融商品取引法の適用を受ける企業を親会社とする企業集団に属する建設業者が対象の、経営事項審査の特例措置です。国土交通大臣が認定した企業集団について、X1・X2・Y・Z・Wの各評点を企業集団単位で合算・算定し、代表建設業者にのみ経審点を付与します。
この記事では、令和7・8年度版の公式手引きから、対象要件・算定方法・点数加算率を整理します。この記事はP点シミュレーター本体が扱う通常の経審計算とは別の特例制度の解説であり、シミュレーターの試算はグループ経審には対応していません。
グループ経審とは
グループ経審は、金融商品取引法の規定により有価証券報告書を作成している企業を親会社とし、企業集団を構成する企業の役割が許可業種ごとに機能分担されていると認められる場合の、企業集団に属する建設業者を対象にした経営事項審査の特例です。「建設産業の再編の促進について」(平成13年2月国土交通省決定)を踏まえた施策の一つとして、平成13年7月から施行されています。
対象範囲は、金融商品取引法の適用を受ける企業及びその連結子会社です。企業集団としての機能分担が認められない場合や、金融商品取引法の適用を受けない企業のみで構成される集団は対象になりません。
対象要件と審査基準日
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象 | 金融商品取引法の規定により有価証券報告書を作成している企業を親会社とし、企業集団を構成する企業の役割が許可業種ごとに機能分担されていると認められる場合の、当該企業集団に属する建設業者 |
| 範囲 | 金融商品取引法の適用を受ける企業及びその連結子会社 |
| 審査基準日 | 原則として当該グループ経審を申請する日の直前の親会社の事業年度終了日(合併等に係る取扱いに準じ、買収や会社分割の期日も審査基準日とする) |
| 手続き | 国土交通大臣が企業集団及び企業集団としての数値等を認定し、その認定書をもって許可を受けた行政庁に対してグループ経審を申請する |
X1・X2・Y・Z・Wの算定方法
グループ経審では、企業集団に属する全企業の実績を合算・相殺消去したうえで、企業集団単位の評点を算定します。
| 項目 | 算定方法 |
|---|---|
| X1(完成工事高) | 企業集団に属する全企業の完成工事高を合算する。グループ構成企業間の取引は相殺消去する |
| X2(自己資本額・利払前税引前償却前利益の額) | 企業集団に属する全企業の自己資本額・利払前税引前償却前利益の額を合算する。グループ構成企業相互の投資は相殺消去する |
| Y(経営状況) | 企業集団に属する親会社の連結財務諸表により算定する |
| Z(技術力・年間平均元請完成工事高) | 企業集団に属する全企業の種類別の技術職員数を合算する。建設工事の種類別年間平均元請完成工事高も全企業分を合算して算出する |
| W(労働福祉の状況・営業年数等) | 加入・導入・締結・登録の有無を問う項目は、原則として企業集団に属する全企業が満たす場合にのみ認める。営業年数・監査の受審状況は原則として親会社の実績とし、公認会計士等数・研究開発費・建設機械の保有台数・若年の技術者等の育成確保状況は全企業分を合算する |
X1・X2・Zは企業集団の実績を合算する一方、Yは親会社の連結財務諸表のみで算定する点が異なります。Wは項目ごとに「全企業が満たす場合のみ認める」「親会社の実績のみ」「合算」の3パターンに分かれるため、個別項目ごとの確認が必要です。
点数加算率は認定後3年未満15%・3年以上5年未満10%
技術評価点数は、代表建設業者以外の構成子会社の申請を認めていないため、一律、代表建設業者に集約されます。
経審点は代表建設業者に集約される
グループ経審に基づく経営事項審査評点(経営事項評価点数のことではありません)は、建設業の種類ごとに、企業集団に属する一建設業者(代表建設業者)にのみ付与されます。代表建設業者以外のグループ構成企業に対しては、実績を0として経審点が付与されます。
企業集団の各工事種別において代表建設業者に限り、資格審査の申請を行えます。代表建設業者以外の構成子会社は申請を認められておらず、従前に有資格業者であったとしても、その資格は取り消されます。
確認した一次資料
- 国交省地方整備局等「建設工事 競争参加資格審査申請書作成の手引き-令和7・8年度版-」第7.2 グループ経営事項審査結果に基づく建設業者の資格審査(対象要件・算定方法・点数加算率)
点数加算率・対象要件は令和7・8年度版の記載に基づきます。令和9・10年度版が公表された場合は、記載内容が更新される可能性があるため、申請前に最新版の手引きで確認してください。この記事は制度の仕組みの一般的な解説であり、個別の企業集団認定の可否や申請可否を判断するものではありません。
まとめ
- グループ経審は、金融商品取引法適用会社を親会社とする企業集団に属する建設業者が対象の経営事項審査の特例で、平成13年7月から施行。
- X1・X2・Zは企業集団の全企業実績を合算する(うちX1・X2は構成企業間の取引・投資を相殺消去する)、Yは親会社の連結財務諸表のみで算定、Wは項目ごとに算定方法が異なる。
- 点数加算率は、大臣による企業集団の認定後3年未満が15%、3年以上5年未満が10%。
- 経審点は代表建設業者にのみ付与され、他の構成子会社は実績0として扱われる。構成子会社は単体での申請ができない。
企業集団単位の特例には、ほかに持株会社の子会社を対象にした持株会社経営事項審査(持株会社化経審)があります。経常建設共同企業体・協業組合等の加算調整は経常建設共同企業体(経常JV)の入札参加資格、協業組合・企業組合の経審上の扱いで解説しています。
P点の計算方法全体は経審P点の計算方法を参照してください。
評点表・算式の転記元は一次資料・出典一覧で確認できます。
よくある質問
- グループ経審とはどのような制度ですか?
- 金融商品取引法の規定により有価証券報告書を作成している企業を親会社とし、企業集団を構成する企業の役割が許可業種ごとに機能分担されている場合の、企業集団に属する建設業者を対象にした経営事項審査の特例です。平成13年7月から施行されています。
- グループ経審の評点はどのように算定しますか?
- X1(完成工事高)・X2(自己資本額等)・Z(技術力)は企業集団に属する全企業の実績を合算します。うちX1・X2は構成企業間の取引・投資を相殺消去します。Y(経営状況)は親会社の連結財務諸表により算定します。
- グループ経審の点数加算率はどのくらいですか?
- 大臣による企業集団の認定後3年未満は15%、3年以上5年未満は10%が総合点数に加算されます。新規にグループ化を試みることを合併に近い行為とみなした措置です。
- グループ経審の経審点は企業集団の全社に付与されますか?
- 付与されません。建設業の種類ごとに、企業集団に属する一建設業者(代表建設業者)にのみ経審点が付与され、他の構成企業は実績0として扱われます。構成子会社は単体で申請できません。
- グループ経審は誰が申請しますか?
- 国土交通大臣が企業集団及び企業集団としての数値等を認定し、その認定書をもって代表建設業者が許可を受けた行政庁に対してグループ経審を申請します。
公開日: 2026-09-14
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