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入札の資本関係・人的関係|同一入札に参加できない2者の条件と業態調書(様式③-1)の記入対象

国土交通省地方整備局等の競争参加資格で、親子会社・兄弟会社・役員兼任の関係にある2者が同じ入札に参加できない条件と、業態調書(様式③-1)に書く相手先を、令和7・8年度版の公式手引きから整理します。東京都の申請での入力区分もあわせて確認します。

国土交通省地方整備局等・東京都の公式手引き
編集:建設経営ラボ編集部(合同会社フューチャープロンプト) / 運営方針・出典

国土交通省地方整備局等の発注工事では、一定の資本関係または人的関係のある複数の者が、同じ入札に参加することを認めていません。その確認のため、競争参加資格審査の申請者は全員が業態調書(様式③-1)を出します。

この記事は、令和7・8年度版の手引きに書かれた制限の条件、役員に数える人と数えない人、業態調書に記入する相手先の例、申請後に関係が変わったときの届出を順に整理します。個別の会社がどれに当たるかの最終判断は、発注機関の手引きと審査によります。

同一入札への参加制限とその根拠

根拠は、国土交通省の通知「工事の発注に当たっての建設業者の選定方法等について」(平成27年3月6日付け国地契第91号、最終改正は平成30年4月26日付け国地契第1号)です。港湾空港関係は平成27年3月17日付け国港総第493号(最終改正は平成30年6月25日付け国港総第100号)が同じ扱いを定めています。

手引きは、制限の対象を「資本関係」「人的関係」「その他」の3つに分けています。どれかに当たる2者は、同じ入札に参加できません。

同一入札に参加できない2者の関係(令和7・8年度版の手引き)
区分2者の関係
1. 資本関係①親会社等と子会社等の関係/②親会社等を同じくする子会社等同士の関係
2. 人的関係①一方の会社等の役員が他方の会社等の役員を現に兼ねている/②一方の会社等の役員が他方の会社等の管財人を現に兼ねている/③一方の会社等の管財人が他方の会社等の管財人を現に兼ねている
3. その他上記と同視しうる資本関係又は人的関係があると認められる場合(例:組合とその構成員)

資本関係:親会社等と子会社等

「親会社等」「子会社等」は、会社法第2条第4号の2と第3号の2の定義をそのまま使います。子会社等には、会社が総株主の議決権の過半数を持つ株式会社など、その会社が経営を支配している法人が含まれます。

親会社等は建設業者に限りません。持株会社や個人株主も、業態調書の記載の対象になります。同じ親会社等を持つ兄弟会社同士も、同じ入札には参加できません。

親会社等と子会社等があわせて過半数を持つ例:手引きのケースⅡでは、A社がB社の議決権の過半数を持ち、親会社等のA社と子会社等のB社があわせてC社の議決権の過半数を持っています。この場合、C社もA社の子会社等として扱われ、A社の業態調書の子会社等欄にはB社とC社を書きます。

民事再生手続中の会社等や更生会社も、有効な支配従属関係が存在しないと認められる場合を除いて、記載の対象です。

人的関係:役員・管財人の兼任

人的関係は、同じ人が2つの会社等で役員(または管財人)を兼ねている場合です。申請者での役職と兼任先での役職の両方が、次の表の「役員」に当たるときだけが制限の対象です。

人的関係で「役員」に数える人・数えない人
区分内容
数える株式会社の取締役(下の除外を除く)、指名委員会等設置会社の執行役、持分会社(合名・合資・合同会社)の業務を執行する社員、組合の理事、これらに準ずる業務執行者、民事再生法・会社更生法で選任された管財人
取締役から除く監査等委員会設置会社の監査等委員である取締役、指名委員会等設置会社の取締役、社外取締役、定款の定めで業務を執行しないこととされている取締役
数えない監査役、執行役員
記載だけは求められる取締役:上の「取締役から除く」4種は、平成31年4月1日以後に入札手続を始める工事では役員に当たりません。ただし、兼務する会社等が同じ入札に参加した場合を当分の間モニタリングするため、業態調書には記載の対象とされています。

指名委員会等設置会社の「執行役」と、一般に使われる「執行役員」は別のものです。手引きも、両者を取り違えないよう注意を促しています。役員兼任の制限は、一方の会社等が再生手続中の会社等または更生会社である場合は除かれます。

組合・JVの扱い

組合(共同企業体を含む)と、その構成員の会社等は、同じ入札に参加できません。組合の構成員は、資本関係や人的関係の有無に関わらず、業態調書の「親会社等・所属する組合」欄に組合を必ず記入します。

JVは、代表者かどうかに関わらず、構成員同士が資本関係・人的関係の各基準に当たる場合も同じ入札に参加できません。JVの資格審査そのものは経常建設共同企業体(経常JV)の入札参加資格で扱っています。

業態調書(様式③-1)に記入する相手先

業態調書(様式③-1)は、関係の有無に関わらずすべての申請者が作成します。該当が無いときは「該当の有無について」の「無」に印を付け、ほかの項目は空欄にします。

主な記入事項は、親会社等(商号名称・本店住所等)、子会社等(建設業許可番号・商号名称)、役員の兼任(役職・氏名・兼任先の商号名称等)、所属する組合の4つです。手引きのケースⅠ〜Ⅲでは、申請者の立場ごとに書く欄が変わります。

手引きの記入例(ケースⅢ:A社がB社の議決権の過半数、B社がC社の議決権の過半数を持つ)
申請者親会社等・所属する組合欄子会社等欄
A社-B社、C社
B社A社C社
C社A社、B社-

兄弟会社(ケースⅣ)では、a社・b社はどちらも親会社等の欄に共通の親(A社または個人のx氏)を書き、子会社等の欄は空けます。役員兼任では、A社とB社がそれぞれ役員欄にx氏、兼任先の欄に相手の会社を書きます。

虚偽記載の扱い:手引きは、申請書類に虚偽の記載をしたり重要な事実を書かなかったりした場合、競争参加資格の認定が受けられず、認定後に分かれば取り消されることがあるとしています。

申請後に関係が変わったとき

認定を受けた後に、親会社等や子会社等が新たにできた、新たに組合へ加入したなど資本人的関係が変わった場合は、変更届とあわせて業態調書(様式③-1)の提出が必要です。本店代表者の変更でも、資本人的関係が変わるなら業態調書を添えます。

変更等の届出は電子メール・郵送・持参で出し、インターネット方式では行えません。提出先は、道路・河川・官庁営繕・公園関係なら本店所在地を受け持つ地方整備局の総務部契約課、港湾空港関係なら同じく総務部経理調達課(郵送またはメール)です。

東京都の申請での「関係する会社等」

令和7・8年度の東京都の建設工事等の資格審査でも、同じ考え方で「関係する会社等」を入力します。対象は東京都の建設工事等の承認を受けた者で、物品買入れ等だけの承認を受けている者は対象外です。

東京都の「関係会社区分」(令和7・8年度の手引き)
区分内容
1ア 申請者の親会社等
2ア 申請者の子会社等
3イ 子会社等同士
4ウ(1) 役員の兼任
5ウ(2) 管財人の兼任

複数の区分に当たるときは、1から順に1つだけを入力します。区分1・2では、会社等が自己の計算で持つ議決権の割合も入力します。東京都の手引きは、申告漏れを虚偽申請とみなし、入札の無効や指名停止等の措置を行う場合があるとしています。

同じ令和7・8年度の東京都の申請で新しく加わった「東京都社会的責任調達指針」のチェックリストは、東京都社会的責任調達指針のチェックリストで整理しています。

確認した一次資料

まとめ

  1. 親会社等と子会社等、親会社等が同じ子会社等同士、役員や管財人を兼ねる会社等の2者は、国土交通省地方整備局等の同一入札に参加できない。
  2. 親会社等には持株会社や個人株主も含まれ、業態調書の記載の対象になる。
  3. 人的関係は、両社での役職がともに「役員」に当たるときだけが対象。監査役・執行役員は数えない。
  4. 業態調書(様式③-1)は全申請者が出し、関係が無ければ「無」に印を付ける。
  5. 認定後に資本人的関係が変わったら、変更届に業態調書を添えて電子メール・郵送・持参で出す。

入札参加資格の申請先と提出先はインターネット一元受付の参加24機関と申請書の提出先、申請書を出せない条件は入札参加資格の欠格要件で整理しています。

評点表・算式の転記元は一次資料・出典一覧で確認できます。

よくある質問

資本関係・人的関係のある2者はなぜ同じ入札に参加できないのですか?
国土交通省の通知「工事の発注に当たっての建設業者の選定方法等について」(平成27年3月6日付け国地契第91号、最終改正平成30年4月26日付け国地契第1号)により、一定の資本関係又は人的関係のある複数の者の同一入札への参加は認めないこととされているためです。
親会社が建設業者でない持株会社や個人でも業態調書に書きますか?
書きます。令和7・8年度版の手引きは、親会社等は建設業者に限らず持株会社等(個人株主も含む)も記載の対象になるとしています。同じ親会社等を持つ子会社等同士も、同一入札には参加できません。
監査役や執行役員の兼任も人的関係に当たりますか?
当たりません。手引きは監査役・執行役員は役員に該当しないため記入しないとしています。申請者での役職と兼任先での役職の両方が、取締役・執行役・業務を執行する社員・組合の理事・管財人などの役員に当たる場合だけが制限の対象です。
社外取締役の兼任は業態調書に書きますか?
書きます。社外取締役など4種の取締役は平成31年4月1日以後に入札手続を始める工事では役員に当たりませんが、兼務する会社等が同じ入札に参加した場合を当分の間モニタリングするため、業態調書の記載の対象とされています。
資本関係も人的関係も無い場合、業態調書は出さなくてよいですか?
出します。業態調書(様式③-1)はすべての申請者が作成し、該当が無い場合は「該当の有無について」の「無」の欄に印を付けて、ほかの項目は空欄にします。
認定後に親会社や子会社ができた場合はどうしますか?
変更届とあわせて業態調書(様式③-1)の提出が必要です。地方整備局等への変更等の届出は電子メール・郵送・持参で行い、インターネット方式では行えません。どの関係に当たるかの最終判断は発注機関の手引きと審査によります。

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