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東京都社会的責任調達指針のチェックリスト|義務的事項・推奨的事項の43項目と資格審査への影響

令和7・8年度の東京都建設工事等競争入札参加資格審査で、申請時の入力が必要になった「東京都社会的責任調達指針に関するチェックリスト」の項目構成、義務的事項と推奨的事項の扱い、資格審査と入札参加への影響、適用開始の時期を、東京都の公式手引から整理します。

東京都の公式手引(令和7・8年度)
編集:建設経営ラボ編集部(合同会社フューチャープロンプト) / 運営方針・出典

令和7・8年度の東京都の建設工事等の資格審査では、前の資格年度(令和5・6年度)からの変更点として、「東京都社会的責任調達指針」の遵守に向けた取組状況を確認するチェックリストの作成が加わりました。

この記事は、令和7・8年度の手引(随時申請用)に載っている入力画面の説明と下書き用紙から、項目の数と分野、義務的事項と推奨的事項の違い、資格審査・入札参加への影響を順に整理します。各項目でどの取組を選ぶかは、指針本文と解説版を読んだうえで申請者自身が判断するもので、この記事は取組の中身の助言をしません。

東京都社会的責任調達指針とチェックリストの位置づけ

手引によると、東京都は令和6年7月に「東京都社会的責任調達指針」を策定しました。経済合理性だけでなく持続可能性にも配慮した調達を通じて、環境・人権・労働・経済の各分野での望ましい慣行を企業の調達にも広げることを、都の社会的責任と位置づけた指針です。

指針は、受注者等とそのサプライチェーンを担う事業者に求めることを「持続可能性確保に向けた視点」として定めています。この視点は、受注と遂行にあたって遵守しなければならない「義務的事項」と、取り組むことが求められる「推奨的事項」の2種類でできています。

指針は実効性を確保する方法も定めており、その一つがこのチェックリストです。東京都競争入札参加資格審査の申請時に、指針の遵守に向けた取組状況をチェックリストで開示・説明する仕組みです。指針本文と解説版は、手引が案内する東京都のページ(zaimu.metro.tokyo.lg.jp/keiyaku/sr)に掲載されています。

資格審査と入札参加への影響

手引は、チェックリストの内容は資格審査に影響しないとしています。一方で、入力しないと資格登録ができないため、入力そのものは省けない項目です。

チェックリストが影響する範囲(令和7・8年度の手引)
場面手引の記載
資格審査チェックリストの内容は資格審査に影響しない
資格登録入力しないと資格登録ができない
義務的事項「取り組んでいない。」を選ぶと、調達指針が適用される案件に参加できなくなる
推奨的事項どの選択肢を選んでも都の入札への参加に影響はない(ただし全項目の回答が必要)

調達指針が適用される案件について、手引の入力画面の説明は「令和7年4月以降に公表される財務局契約第一課、第二課の案件から適用を開始する予定」と書いています。同じ手引の下書き用紙では、同じ案件から「適用を開始しています」という書き方です。どの案件に指針が適用されるかは、個々の案件の公表内容で確かめる必要があります。

経審の点数とは別の仕組みです:このチェックリストは東京都の入札参加資格審査の申請項目で、経営事項審査(経審)のP点とは関係がなく、手引は内容が東京都の資格審査にも影響しないとしています。同じ令和7・8年度の変更点では、女性活躍推進法などに基づく認定の状況が経審不要業種の客観点数の審査項目に加わっていますが、これはチェックリストとは別の項目です。

5分野・43項目の構成

手引の下書き用紙には、全般・環境・人権・労働・経済の5分野で1.1から5.8までの43項目が並んでいます。1つの項目に義務と推奨の両方の欄があるものが12項目あり、回答欄の数では義務が27、推奨が28です(下書き用紙の「義務」「推奨」の表示を数えた数)。

分野ごとの項目数と回答欄の内訳(下書き用紙の表示を数えたもの)
分野項目番号項目数義務の欄推奨の欄
(1)全般1.1〜1.4431
(2)環境2.1〜2.1212312
(3)人権3.1〜3.7744
(4)労働4.1〜4.1212107
(5)経済5.1〜5.8874
合計-432728

項目の名前と、どの欄があるかは次のとおりです。「義務・推奨」は、同じ項目の中に義務の欄と推奨の欄が1つずつあることを表します。

チェックリストの43項目(令和7・8年度の手引の下書き用紙)
分野義務の欄だけ義務・推奨の両方推奨の欄だけ
全般1.1 法令遵守/1.3 通報者に対する報復行為の禁止/1.4 工事・物品等における適正な履行-1.2 持続可能性確保に向けた受注者等の責任
環境-2.9 汚染防止、化学物質管理及び廃棄物処理/2.10 資源保全に配慮した原材料の採取/2.11 生物多様性の保全2.1 排出する温室効果ガスの削減/2.2 低炭素・脱炭素エネルギーの利用/2.3 その他の方法による温室効果ガスの排出量削減/2.4 バリューチェーン全体を通した温室効果ガスの排出量削減に寄与する原材料等の利用/2.5 省エネルギーの推進/2.6 持続可能な資源利用の推進/2.7 容器包装等の削減及び再生材料や植物由来材料の利用/2.8 プラスチック製品の使用抑制と環境への流出の削減/2.12 持続可能な水の利用
人権3.1 国際的人権基準の遵守・尊重/3.2 差別・ハラスメントの禁止/3.3 先住民及び地域住民等の権利侵害の禁止3.5 障害者の権利尊重3.4 女性の権利尊重/3.6 子供の権利尊重/3.7 社会的少数者(マイノリティ)の権利尊重
労働4.1 国際的労働基準の遵守・尊重/4.3 強制労働の禁止/4.4 児童労働の禁止/4.5 雇用及び職業における差別の禁止/4.10 職場における暴力とハラスメントの防止4.2 結社の自由及び団体交渉権/4.6 職場の安全・衛生/4.7 賃金・報酬/4.8 長時間労働の禁止/4.9 外国人・移住労働者4.11 職場における人材育成・研修の提供/4.12 就労に困難を抱える者の雇用の促進
経済5.1 腐敗の防止/5.3 紛争や犯罪への関与のない原材料の使用/5.4 知的財産権の保護/5.7 情報の記録と開示5.2 公正な取引慣行/5.5 責任あるマーケティング/5.6 情報の適切な管理5.8 地域経済の活性化

下書き用紙の各項目には「指針本文 7ページ」のように、対応する指針本文のページが添えられています。取組の内容を読み比べるときは、このページ番号から指針本文と解説版の該当箇所をたどれます。

選択肢と「取り組んでいない。」の扱い

各項目では、取組として想定される例が選択肢として並び、当てはまるものを複数選べます。手引は、選択肢はあくまで例示で、当てはまるものが無ければ「その他の取組を行っている。」に印を付けて、「その他の取組内容」欄に自由に書くよう案内しています。

欄の種類ごとの選択肢の終わり方(下書き用紙)
欄取組の例のあとに並ぶ選択肢選んだときの扱い
義務「その他の取組を行っている。」「取り組んでいない。」(項目によって「事業の性質上該当しない。」もある)「取り組んでいない。」を選ぶと、調達指針が適用される案件に参加できなくなる
推奨「その他の取組を行っている。」「今後、取組を始める予定。」「取り組む予定はない。」(項目によって「事業の性質上該当しない。」もある)どれを選んでも都の入札への参加に影響はない

「事業の性質上該当しない。」は、義務の欄では2.10(違法に採取・栽培された資源の使用防止)、2.11(絶滅危惧種の動植物に由来する原材料の使用防止)、3.3、5.3、5.4、5.5の欄に、推奨の欄では2.7、2.10、2.11、5.5の欄にあります。

4.9の欄には「外国人・移住労働者を雇用していない。」という選択肢があります。

推奨の欄も飛ばせません:推奨的事項はどれを選んでも入札参加に影響しませんが、推奨的事項を含めて全ての項目に回答しないと、入力画面を先に進めません。

入力の手順と判定ボタン

チェックリストは東京都電子調達システムの資格審査申請の入力画面で入力します。手引は、入力中に一定時間がたつとタイムアウトで入力内容が保存されないおそれがあるとして、あらかじめ下書き用紙に書いたものを用意し、左側メニューの「一時保存」ボタンで適宜保存するよう案内しています。

令和7・8年度の東京都物品買入れ等競争入札参加資格を申請した人は、「物品資格審査申請のチェックリスト引用」項目に物品資格の受付番号を入れて、物品側で入力したチェックリストを引用できます。電子証明書の登録情報等で本人確認を行うため、登録状況によっては使えない場合があるとされています。

全項目を入力したら「調達指針遵守状況判定」ボタンを押します。入力エラーが無い場合は、次のどちらかが表示されます。

調達指針遵守状況判定の表示(令和7・8年度の手引)
表示意味
全ての義務的事項に取り組んでいる。調達指針が適用される案件に参加できる
義務的事項について、取り組めていないものがある。調達指針が適用される案件には参加できない

エラーが出たときは、項目ごとのエラーメッセージに従って直します。最後に「進む」ボタンを押すと、チェックリストの入力は完了です。

申請後に取組が変わったとき

資格を申請した後に取組を始めるなどして、申請時から状況が変わった場合は、資格付与後に電子調達システムでチェックリストの内容の変更申請ができます。手引の変更申請の項目一覧にも「社会的責任調達指針に関するチェックリスト」が入っています。

チェックリストについての問合せ先として、手引は財務局経理部総務課契約調整担当を挙げています。資格審査の申請方法・審査項目・格付方法の問合せ先とは別の窓口です。

東京都の申請で同じく入力する「関係する会社等」(親会社等・子会社等・役員の兼任など)は入札の資本関係・人的関係で、東京都の等級と発注標準金額(別表7)は有資格者名簿の見方で整理しています。

確認した一次資料

まとめ

  1. 令和7・8年度の東京都の建設工事等の資格審査で、「東京都社会的責任調達指針」のチェックリストの入力が加わった。
  2. チェックリストの内容は資格審査に影響しないが、入力しないと資格登録ができない。
  3. 全般・環境・人権・労働・経済の5分野43項目で、回答欄は義務27・推奨28。推奨も全て回答が必要。
  4. 義務的事項で「取り組んでいない。」を選ぶと、調達指針が適用される案件に参加できない。適用は令和7年4月以降に公表される財務局契約第一課・第二課の案件から。
  5. 申請後に取組が変わったら、資格付与後に電子調達システムで変更申請ができる。

この記事は手引の記載を整理したもので、各項目の取組の判断や、案件ごとの適用の有無は、指針本文・解説版と東京都の案内が優先します。

評点表・算式の転記元は一次資料・出典一覧で確認できます。

よくある質問

東京都社会的責任調達指針のチェックリストは資格審査の点数に影響しますか?
影響しません。令和7・8年度の東京都の手引は、チェックリストの内容は資格審査に影響しないとしています。ただし、入力しないと資格登録ができないため、申請時の入力は省けません。
義務的事項で「取り組んでいない。」を選ぶとどうなりますか?
調達指針が適用される案件に参加できなくなります。調達指針遵守状況判定では「義務的事項について、取り組めていないものがある。」と表示され、調達指針が適用される案件には参加できないとされています。
推奨的事項は回答しなくてもよいですか?
回答は必要です。推奨的事項はどの選択肢を選んでも都の入札への参加に影響はありませんが、推奨的事項を含めて全ての項目に回答しないと入力画面を先に進めないと手引は案内しています。
調達指針はいつから、どの案件に適用されますか?
手引は、令和7年4月以降に公表される財務局契約第一課・第二課の案件から適用を開始するとしています。個々の案件に指針が適用されるかは、その案件の公表内容で確認する必要があります。
チェックリストは何項目ありますか?
手引の下書き用紙には、全般・環境・人権・労働・経済の5分野で1.1から5.8までの43項目があります。義務と推奨の両方の欄を持つ項目が12あり、回答欄の数では義務27・推奨28です。
申請した後に取組を始めた場合、チェックリストを直せますか?
直せます。資格申請後に取組を始めるなどして申請時から状況が変わった場合は、資格付与後に東京都電子調達システムを通じてチェックリストの内容の変更申請ができると手引は案内しています。

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