地方整備局「港湾空港関係」の資格審査|5工種・港湾土木の範囲(50%基準)・特別点数と等級
国土交通省地方整備局の「港湾空港関係」で競争参加資格を受けるときの5つの希望工種区分、港湾土木工事に数える範囲と50%基準、特別点数の基準日、作業船の単位総数、等級区分を、令和7・8年度版の公式手引きから整理します。
国土交通省地方整備局等の公式手引き地方整備局の競争参加資格には、道路・河川・官庁営繕・公園関係とは別に「港湾空港関係」の審査があります。対象は空港等土木・港湾土木・港湾等しゅんせつ・空港等舗装・港湾等鋼構造物の5工種で、点数の呼び名や使う書類が一部変わります。
この記事は、令和7・8年度版の手引きの「港湾空港関係の資格審査」と様式①-3・様式③-4の記載要領から、制度の骨組みを順に確認します。実際の格付けは各地方整備局の審査結果によります。
港湾空港関係の資格審査の流れ
港湾空港関係の工事の資格審査は、「契約業者取扱要領」と「数値の算定及び等級の格付け要領」(どちらも昭和55年12月1日港管第3722号)に定められています。手引きは、審査を次の3段階で説明しています。
- 欠格要件に該当しないことを調べる。
- 希望する工事区分ごとに、客観的事項の数値(客観点数)と特別事項の数値(特別点数)を算出する。
- 2つを合算した総合点数で、格付け(等級区分がある工事種別に限る)と順位付けを行う。
欠格要件の中身は入札参加資格の欠格要件で整理しています。名簿は5工種について港湾空港関係で作り、それ以外の工種は道路・河川・官庁営繕・公園関係と共通の名簿を使います。
5つの希望工種区分と建設業許可の対応
令和7・8年度の工事種別は、令和5・6年度からの改正はないとされています。5工種と建設業許可の種類の対応は次のとおりです。
| コード | 希望工種区分 | 建設業許可の種類 | 工事内容の例 |
|---|---|---|---|
| 01 | 空港等土木工事 | 土木一式工事 | 港湾空港関係の土木一式工事のうち、港湾土木工事に属さない工事 |
| 02 | 港湾土木工事 | 土木一式工事 | 外郭施設・係留施設・海岸の施設等の築造、改良等 |
| 03 | 港湾等しゅんせつ工事 | しゅんせつ工事 | 港湾等における浚渫工事と付随する工事 |
| 04 | 空港等舗装工事 | 舗装工事 | 港湾空港関係の舗装工事 |
| 05 | 港湾等鋼構造物工事 | 鋼構造物工事 | 港湾・空港で鋼材の加工・組立てにより工作物を築造する工事 |
土木一式工事の許可は、空港等土木工事と港湾土木工事の2つに分けて申請する必要があります。様式①-3で1つの部局に申請できる工種は、この5種類です。道路・河川・官庁営繕・公園関係の22工種は国交省入札の希望工種区分22種で扱っています。
港湾土木工事の範囲と50%基準
港湾土木工事は、港湾の施設である外郭施設(防波堤・防砂堤・防潮堤・導流堤・水門・こう門・護岸・堤防・突堤・胸壁)と係留施設(岸壁・桟橋・係船浮標・浮き桟橋・係船杭・物揚場・船揚場)などの建設に係る土木工事です。作業船を使うなど、海上施工や海中施工が主となる施設も含みます。
| 注 | 内容 |
|---|---|
| 1 | 港湾の施設には、港湾法第2条の港湾施設と社会通念上の港湾における施設をいい、港湾区域外のマリーナや発電所等の専用港湾の施設を含む |
| 2 | 空港・漁港・海岸の施設などで、海域及び海岸に建設される同種の施設も含む。河口部の海域・海岸に建設される河川の導流堤・水門・堤防等も含む |
| 3 | これらの建設に関連するケーソン・ブロック等のプレキャスト部材製作工事、地盤改良工事等も全て含む |
| 4 | 完成工事高は請負工事単位で計上し、請負工事に占める港湾土木工事の割合が50%以上のものに限る。1つの請負工事の完成工事高を分割・重複計上できない |
| 5 | 共同企業体工事の実績は、出資率で按分して計上する |
50%以上かどうかは請負工事1件ごとに見て、当てはまる工事は分割せずに港湾土木工事へ入れます。様式①-3の完成工事高欄では、総合評定値通知書の土木一式のうち港湾土木に当たる工事を港湾土木工事へ、残りを空港等土木工事へ記入します。金額は消費税を含みません。
JV工事の出資率での按分は、経審の工事経歴書の考え方と同じ向きです。詳しくはJV(共同企業体)工事の工事経歴書・完成工事高への計上を参照してください。
総合点数=客観点数+特別点数と基準日
港湾空港関係の総合点数は、客観点数と特別点数の合計です。客観点数の算出式は、道路・河川・官庁営繕・公園関係の経営事項評価点数と同じです。呼び名の違いは有資格者名簿の見方でも整理しています。
| 材料 | 基準日・期間 |
|---|---|
| 港湾工事用保有作業船舶の能力 | 定期の資格審査を行う直前の12月1日 |
| 工事成績等 | 定期の資格審査を行う直前の10月1日の前日までの4年間 |
様式③-4には作業船のほかに専門技術者状況の欄もあり、こちらの記載事項の基準日は定期の資格審査を行う直前の10月1日です。専門技術者状況には、一般社団法人日本海上起重技術協会の「登録海上起重基幹技能者」と「海上起重作業管理技士」の登録者数を、重複させずに書きます。
業態調書(様式③-4)の作業船の単位総数
様式③-4は、港湾空港関係の5工種を希望する申請者だけが出す業態調書です。作業船は9区分(浚渫船・揚土船・起重機船〈15t吊以上〉・杭打船・ケーソン製作用作業台船・地盤改良船・砕岩船・その他特殊船・環境性能の高い作業船)ごとに、自社保有・共有・借上に分けて単位総数を書きます。
| 保有形態 | 係数 | 主な条件 |
|---|---|---|
| 自社保有船舶 | 1.5(長期用船契約等で他社へ貸し出す船舶は0.75) | 親会社が50%以上の株式を持つ子会社の船舶も含められる(親子で重複計上は不可) |
| 共有船舶 | 1.5×持分比率 | 新造・改良・機能追加の経費を複数の者で負担している船舶 |
| 借上船舶 | 0.5(条件を満たせば0.75) | 用船契約期間が資格有効期間(令和7年4月1日〜令和9年3月31日)を通じて使える船舶 |
能力は、浚渫船なら浚渫能力、揚土船なら揚土能力、起重機船なら吊り荷重、杭打船なら主機関馬力、ケーソン製作用作業台船なら揚荷能力です。地盤改良船・砕岩船・その他特殊船・環境性能の高い作業船は隻数で数えます。
等級区分と港湾等しゅんせつ工事の浚渫船団力
等級は、空港等土木・港湾土木・港湾等しゅんせつ・空港等舗装の4工種がA・B・Cの3区分、港湾等鋼構造物工事がA・Bの2区分です。順位付けは、客観点数と特別点数を合算した総合点数の多い順に行われます。
港湾等しゅんせつ工事の等級は、浚渫船団力=浚渫能力の単位総数×1.0+揚土能力の単位総数×0.5も考慮して決まります。この記事では等級ごとの点数の境目は扱っていません。
提出先・通知書・変更届
港湾空港関係の申請書類の提出先は、申請者の本店所在地を受け持つ地方整備局の総務部経理調達課です。道路・河川・官庁営繕・公園関係の窓口(総務部契約課)とは課が分かれています。
両方に申請した場合、同じ地方整備局から通知書が2通届きます。22工種は資格認定通知書、港湾空港関係の5工種は資格決定通知書です。随時受付の資格認定日は、港湾空港関係では定期受付の認定日より後日とされています。
営業所の新設の変更届で港湾空港関係の5工種を希望する場合は、その営業所が営業する区域のコードも記載します。申請の区分ごとの手続は競争参加資格の随時受付もあわせて確認してください。
確認した一次資料
- 国交省地方整備局等「建設工事 競争参加資格審査申請書作成の手引き-令和7・8年度版-」第2の5「港湾空港関係」の資格審査(工事種別・表-5・港湾土木の範囲・総合点数・特別点数・格付け)、様式①-3の記載方法、様式③-4(港湾工事用作業船保有状況・専門技術者状況・単位総数の算定方法・浚渫船団力)、資格認定の通知と変更届
まとめ
- 港湾空港関係の5工種は、空港等土木・港湾土木・港湾等しゅんせつ・空港等舗装・港湾等鋼構造物。土木一式の許可は空港等土木と港湾土木に分けて申請する。
- 港湾土木工事の完成工事高は請負工事単位で、港湾土木の割合が50%以上の工事に限って計上し、分割・重複計上はできない。
- 総合点数は客観点数+特別点数。特別点数は、作業船が直前の12月1日、工事成績等が直前の10月1日の前日までの4年間を基準に算定する。
- 作業船の単位総数は能力×係数(自社保有1.5・共有1.5×持分比率・借上0.5または0.75)で算定する。
- 等級は4工種がA〜C、港湾等鋼構造物工事がA・B。港湾等しゅんせつ工事は浚渫船団力も考慮される。
道路・河川・官庁営繕・公園関係を含む申請の全体像は経審と入札参加資格の違い、道路・河川・官庁営繕・公園関係の工種で狙える等級の目安は入札参加資格ランクの目安計算で確認できます。
評点表・算式の転記元は一次資料・出典一覧で確認できます。
よくある質問
- 港湾空港関係の希望工種区分はいくつありますか?
- 空港等土木工事、港湾土木工事、港湾等しゅんせつ工事、空港等舗装工事、港湾等鋼構造物工事の5つです。令和7・8年度版の手引きは、令和5・6年度からの改正はないとしています。それ以外の工種は道路・河川・官庁営繕・公園関係と共通の名簿を使います。
- 土木一式工事の許可はどの工種に当たりますか?
- 空港等土木工事と港湾土木工事の2つに分けて申請します。様式①-3では、総合評定値通知書の土木一式のうち港湾土木に当たる工事の完成工事高を港湾土木工事へ、残りを空港等土木工事へ記入します。
- 港湾土木工事の50%基準とは何ですか?
- 完成工事高を請負工事単位で見て、請負工事に占める港湾土木工事の割合が50%以上のものに限り港湾土木工事として計上するという基準です。1つの請負工事の完成工事高を分割したり重複して計上したりはできません。
- 特別点数はいつ時点の何で決まりますか?
- 定期の資格審査を行う直前の12月1日の港湾工事用保有作業船舶の能力と、直前の10月1日の前日までの4年間の工事成績等にもとづいて算定されます。様式③-4の専門技術者状況は直前の10月1日が基準日です。
- 港湾空港関係の等級は何区分ですか?
- 空港等土木工事・港湾土木工事・港湾等しゅんせつ工事・空港等舗装工事の4工種はA・B・Cの3区分、港湾等鋼構造物工事はA・Bの2区分です。港湾等しゅんせつ工事の等級は、浚渫能力と揚土能力の単位総数から求める浚渫船団力も考慮して決まります。
公開日: 2026-09-28
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