ガイド

国交省入札の希望工種区分22種|建設業許可との対応表

経審を受けても、持っている許可の種類によって申請できる工種区分は変わります。国土交通省の公式手引きにもとづく対応関係を整理しました。

国土交通省の公式手引き
編集:建設経営ラボ編集部(合同会社フューチャープロンプト) / 運営方針・出典

国土交通省地方整備局等の競争参加資格を申請するとき、建設業許可の29業種とは別に「希望工種区分」を選びます。この2つは名前も数も異なる別の体系で、どの許可を持っているかによって申請できる工種区分が決まります。この記事は、その対応関係を国土交通省の公式手引きから整理します。

P点と等級(ランク)の関係そのものは『経審のP点と入札参加資格ランクの関係』で解説しています。

希望工種区分は許可業種とは別の体系

建設業許可は建設業法別表第一の29業種で区分され、経審もその29業種ごとに受審します。一方、国土交通省地方整備局等(「道路・河川・官庁営繕・公園関係」)が発注工事の内容に応じて定めているのは22の工事種別で、こちらを申請書では「希望工種区分」と呼びます。

29業種と22区分は一対一で対応しません。たとえば「一般土木工事」という希望工種区分は、土木一式工事の許可を軸にしつつ、とび・土工・コンクリート工事や水道施設工事など複数の許可業種と結び付いています。令和9・10年度の一元受付で完成工事高を入力する方法は一元受付の完工高入力と細区分工種で整理しています。

申請できる条件は「許可」と「経審」の両方

希望工種区分ごとに、対応する建設業許可が公式手引きの表で決められています。手引きは「下表の右欄の建設工事(許可)の種類のうち1種類以上の許可を受けており、かつ、経営事項審査を受けていなければ、それに対応する左欄の希望工種区分は申請できません」と定めています。

申請できる希望工種区分は、対応する許可を1種類以上持っていることと、その建設業について経営事項審査を受けていることの両方を満たす区分に限られます。許可だけ、経審だけでは足りません。

出典: 国交省地方整備局等「建設工事 競争参加資格審査申請書作成の手引き-令和7・8年度版-」表-4。自社のP点は経審P点シミュレーターで試算できます。

22の希望工種区分と対応する建設業許可

地方整備局(「道路・河川・官庁営繕・公園関係」)および国土技術政策総合研究所(横須賀庁舎を除く)の対応表は次のとおりです。○印の付いた許可の意味は次章で説明します。

希望工種区分(22区分)と対応する建設業許可の種類
No希望工種区分対応する建設業許可の種類
1一般土木工事土木一式工事/○とび・土工・コンクリート工事/○石工事/○タイル・れんが・ブロック工事/○水道施設工事/○解体工事
2アスファルト舗装工事舗装工事
3鋼橋上部工事鋼構造物工事/○とび・土工・コンクリート工事/○解体工事
4造園工事造園工事
5建築工事建築一式工事/○大工工事/○左官工事/○とび・土工・コンクリート工事/○石工事/○タイル・れんが・ブロック工事/○鋼構造物工事/○防水工事/○内装仕上工事/○建具工事/○清掃施設工事/○解体工事
6木造建築工事建築一式工事/○大工工事/○左官工事/○とび・土工・コンクリート工事/○屋根工事/○タイル・れんが・ブロック工事/○内装仕上工事/○建具工事/○解体工事
7電気設備工事電気工事
8暖冷房衛生設備工事管工事/○熱絶縁工事/○水道施設工事/○消防施設工事
9セメント・コンクリート舗装工事舗装工事
10プレストレスト・コンクリート工事土木一式工事/○とび・土工・コンクリート工事/○解体工事
11法面処理工事土木一式工事/○とび・土工・コンクリート工事/○防水工事
12塗装工事塗装工事
13維持修繕工事土木一式工事/○とび・土工・コンクリート工事/○石工事/○電気工事/○タイル・れんが・ブロック工事/○舗装工事/○塗装工事/○防水工事/○機械器具設置工事/○解体工事
14河川しゅんせつ工事しゅんせつ工事
15グラウト工事土木一式工事/○とび・土工・コンクリート工事/○解体工事
16杭打工事とび・土工・コンクリート工事/○解体工事
17さく井工事さく井工事
18プレハブ建築工事建築一式工事
19機械設備工事機械器具設置工事/○鋼構造物工事
20通信設備工事電気通信工事/○鋼構造物工事
21受変電設備工事電気工事
22橋梁補修工事土木一式工事/○とび・土工・コンクリート工事/○石工事/○電気工事/○タイル・れんが・ブロック工事/○鋼構造物工事/○鉄筋工事/○舗装工事/○塗装工事/○防水工事/○機械器具設置工事/○電気通信工事/○解体工事

出典: 国交省地方整備局等「建設工事 競争参加資格審査申請書作成の手引き-令和7・8年度版-」表-4。同手引きには、許可の種類から希望工種区分を逆引きする対応表(表-4-2)も掲載されています。

22区分の工事内容の例

同じ手引きには、22の希望工種区分それぞれが具体的にどのような工事を指すかを示す「工事内容の例」も掲載されています。地方整備局(道路・河川・官庁営繕・公園関係)、大臣官房官庁営繕部及び国土技術政策総合研究所(横須賀庁舎を除く)に共通する内容です。

22の希望工種区分と工事内容の例
No希望工種区分工事内容の例
1一般土木工事土木一式工事及び土木に関する工事で他の工事種別に属する工事以外のもの(橋梁補修工事における橋梁付属物、修繕・補修工事除く)
2アスファルト舗装工事瀝青アスファルト材を用いて行う道路等の舗装工事(上下層路盤工事を含む)
3鋼橋上部工事鋼材を用いて製作する橋桁等製作架設工事(鋼桁の工事塗装を含む)(橋梁補修工事における橋梁付属物、修繕・補修工事除く)
4造園工事植栽工事、公園等の造園工事、緑地及び植栽管理
5建築工事建築一式工事及び建築に関する工事で他の工事種別に属する工事以外のもの(サッシュ、解体、建物防水、鉄骨等工事を含む)
6木造建築工事耐火建築以外の建築工事
7電気設備工事道路・河川・公園等の照明設備、配電設備、共同溝付帯設備及び電気応用施設等の工事及び建築物の電灯・コンセント、動力、受変電、自家発電、電気時計、拡声、表示、火災報知、電話、情報、避雷、テレビ共同受信等の電気設備工事(外灯等の構内設備を含む)
8暖冷房衛生設備工事消防施設工事、空気調和設備工事、衛生設備工事及び水道施設工事
9セメント・コンクリート舗装工事セメント・コンクリートを用いて行う道路等の舗装工事(上下層路盤工事を含む)
10プレストレスト・コンクリート工事プレストレスト・コンクリートによる橋梁等工事及び橋桁等製作架設工事(橋梁補修工事における橋梁付属物、修繕・補修工事除く)
11法面処理工事アンカー工及びその他法面保護工事(種子吹付及びモルタル吹付を含む)
12塗装工事建物塗装、橋梁塗装、水門扉塗装、区画線、その他一般塗装工事
13維持修繕工事路面補修作業、除草、除雪、水面清掃、ガードレール・標識等の新設・補修、護岸水制補修、堤防天端補修、高欄補修、路面・側溝・道路付属物・トンネルの清掃作業及び電気通信設備等の補修(橋梁補修工事における橋梁付属物、修繕・補修工事除く)
14河川しゅんせつ工事河川(河川区域)の水底の掘削工事
15グラウト工事岩盤、土中、コンクリート等にモルタル、セメントペースト等を注入する工事(地質調査を除く)
16杭打工事鋼杭、鋼矢板、コンクリート杭等の既製杭による杭打工事及び場所打ちコンクリート杭(ベノト工法等)施工工事
17さく井工事取水を目的とした井戸の掘削及びボーリング等の工事
18プレハブ建築工事プレハブ材を用いて施工する建築工事
19機械設備工事水門設備、ポンプ設備、換気設備、ダム施工機械設備、昇降機設備、消・融雪設備及びその他機械設備の工事で電気設備工事、暖冷房衛生設備工事、通信設備工事及び受変電設備工事に属する工事以外のもの
20通信設備工事監視制御・情報通信設備、防災・情報表示設備、有線通信線路(情報管路等を含む)及び通信用鉄塔・反射板等の工事
21受変電設備工事受変電設備、発電設備及びその他電源設備の工事
22橋梁補修工事橋梁工(上下部含む)の改築(全面架替は除く)・改良、床版の取替・全面打替、桁の補強、支承・落橋防止装置等耐震化に係わる付属物工、修繕・補修、保全に係る工事

※国土交通省直轄の橋梁補修工事は従来、工事内容に応じて「維持修繕工事」「一般土木工事」「鋼橋上部工事」「プレストレスト・コンクリート工事」のいずれかの工種で発注されていましたが、令和3年度以降は「橋梁補修工事」から発注されているため注意が必要です。

出典: 国交省地方整備局等「建設工事 競争参加資格審査申請書作成の手引き-令和7・8年度版-」表-3付属《工事内容の例》。

○印の許可で申請したときの受注範囲

対応表の○印は、その許可でも資格の認定は受けられるが、受注できる工事の範囲が限られることを示しています。公式手引きは、一般土木工事を希望する方が石工事の許可で申請した場合を例示しています。

注意:この場合「一般土木工事」の資格認定は受けられますが、実際の受注の対象となるのは、一般土木工事のうち石工事のみを単体で発注する場合に限られます。大臣官房官庁営繕部でも同じ扱いです。

つまり、その工種区分の本体(表の先頭に置かれた許可)を持たずに○印の許可だけで申請すると、認定は取れても受注機会は狭くなります。どの許可を追加取得するかを検討するときは、この違いを踏まえて判断する必要があります。

大臣官房官庁営繕部は10区分のみ

同じ手引きでも、大臣官房官庁営繕部の対応表に載っている希望工種区分は10区分だけです。地方整備局の22区分から絞り込まれています。

  • 一般土木工事(No.1)、造園工事(No.4)、建築工事(No.5)
  • 電気設備工事(No.7)、暖冷房衛生設備工事(No.8)、塗装工事(No.12)
  • 杭打工事(No.16)、機械設備工事(No.19)、通信設備工事(No.20)、受変電設備工事(No.21)

大臣官房官庁営繕部が発注する工事は、特別なものを除き、中央官衙地区(東京都千代田区霞が関等)において同部が直接発注する営繕工事を指します。区分番号は地方整備局の表と共通ですが、大臣官房官庁営繕部では工事種別が地方整備局と異なるため、表に載っていない番号の区分は同部への登録を希望できません。

等級区分があるのは22区分のうち6区分

有資格業者の順位付けは、経営事項評価点数と技術評価点数を合算した総合点数で行われます。手引きは、22の工事種別のうち一般土木・建築等の6工事種別について、最大で4つ(A・B・C・D)の等級区分を設定しているとしています。

等級区分の有無と数は地方整備局によって異なる場合があります。関東地方整備局の具体的な等級区分別総合点数と、技術評価点数が0点のときの取扱いは、『経審のP点と入札参加資格ランクの関係』で解説しています。

一般土木・塗装など10の工種では、申請書の業態調書に「希望する工事の内容」のコードも書きます。コードの一覧は『国交省入札の「希望する工事の内容」コード一覧』にあります。

P点から等級の下限の目安を確認したい場合は入札参加資格ランクの目安計算を使ってください。

確認した一次資料

まとめ

  • 建設業許可の29業種と、地方整備局の希望工種区分22区分は別の体系で、一対一では対応しない。
  • 希望工種区分を申請するには、対応する許可を1種類以上持ち、かつ経営事項審査を受けている必要がある。
  • 対応表の○印の許可だけで申請すると、認定は受けられるが受注対象はその許可の工事を単体で発注する場合に限られる。
  • 大臣官房官庁営繕部の対応表に載る希望工種区分は10区分のみで、区分番号は地方整備局の表と共通。
  • 等級区分(A〜D、最大4段階)が設定されているのは22区分のうち6工事種別で、区分の有無・数は地方整備局により異なる場合がある。

令和9・10年度の資格審査に向けた手続きの受付期間は令和9・10年度資格準備チェック、業種そのものの区分の考え方は経審29業種の区分の考え方で確認できます。

評点表・算式の転記元は一次資料・出典一覧で確認できます。

希望工種区分と工事内容のコードを記入した申請書の提出先はインターネット一元受付の参加24機関と申請書の提出先で確認できます。

よくある質問

建設業許可の29業種と希望工種区分は同じものですか?
別の体系です。許可は建設業法別表第一の29業種、希望工種区分は地方整備局が発注工事の内容に応じて定めた22の工事種別で、一対一では対応しません。
許可さえあれば希望工種区分を申請できますか?
できません。対応する許可を1種類以上受けていることに加えて、その建設業について経営事項審査を受けていることが公式手引きで求められています。
対応表の○印は何を意味しますか?
その許可でも資格の認定は受けられますが、受注の対象はその許可に係る工事を単体で発注する場合に限られるという意味です。手引きは一般土木工事を石工事の許可で申請した例を示しています。
大臣官房官庁営繕部でも22区分すべてを申請できますか?
いいえ。大臣官房官庁営繕部の対応表に載っている希望工種区分は10区分のみです。区分番号は地方整備局の表と共通ですが、表にない番号の区分は同部への登録を希望できません。
希望工種区分ごとに等級(ランク)は付きますか?
全区分には付きません。22の工事種別のうち一般土木・建築等の6工事種別に最大4つ(A〜D)の等級区分が設定され、区分の有無や数は地方整備局により異なる場合があります。

P点から国交省・関東地方整備局の等級目安を確認(無料・登録不要):入札参加資格ランクの目安計算を使う

事業者ご自身が入力する概算の試算です。申請の代行・作成支援や個別相談は行っていません。正式な評点は登録経営状況分析機関・審査行政庁の審査結果が優先します。算定方法・出典・免責