受審後の実務

入札参加資格申請の社内の担当分け|総務・経理・技術・営業が用意するもの(令和9・10年度)

インターネット一元受付の入力項目と添付書類を、社内のどの部署が持っている情報かで仕分けます。

国土交通省の申請書作成の手引き(建設工事)
編集:建設経営ラボ編集部(合同会社フューチャープロンプト) / 運営方針・出典

申請書データの入力は、1人で全部を調べると途中で止まります。手引きの入力項目は、総務の登記情報、経理の納税証明書と完成工事高、技術部門の技術職員数、営業の希望工事種別という具合に、社内の別々の部署が持つ情報に分かれます。

この記事は、国土交通省が公表した「建設工事 競争参加資格審査申請書作成の手引き」(インターネット編・令和9・10年度版)に出てくる入力項目と添付書類を、担当部署の候補ごとに並べ直したものです。部署の分け方は本サイトの整理であり、手引きが定めたものではありません。小さな会社では1人が複数を兼ねて構いません。

担当分けの一覧

入力項目・書類と担当部署の候補(本サイトの整理)
担当の候補用意するもの手引きの該当箇所
申請の窓口パスワード発行の担当者情報、申請書データの送信・確定パスワード発行、申請書データの送信
経理納税証明書(その2とその3)、建設業法工事種別ごとの年間平均完成工事高納税証明書の取扱い、完工高画面
総務本店・営業所の情報、親会社・子会社・役員兼任(業態調書)申請書画面、営業所画面、業態調書
技術部門在籍する有資格技術職員の人数(業態調書の技術職員欄)業態調書1
営業申請する機関と部局、希望工事種別機関個別(完工高・希望工事)画面

どの項目も、令和9・10年度の定期受付の期限(パスワード発行は令和8年12月28日17時、納税証明書の送信・申請書データの確定は令和9年1月15日17時)に間に合わせる必要があります。日程と手順の全体は申請の手順で説明しています。

申請の窓口になる担当者

最初の作業は、パスワード発行です。本人申請では、次の項目の入力が必要です。このうち担当者の項目は、システムからの連絡や確認メールの宛先になります。

  • ユーザーID(半角英数字で6〜20文字)
  • 建設業許可番号(総合評定値通知書の大臣・知事コード2桁と許可コード6桁)
  • 審査基準日(直近の総合評定値通知書のもの)
  • 担当者のメールアドレス、担当者氏名とフリガナ、担当者所属、担当者の電話番号

許可番号と審査基準日は、経営事項審査の結果通知書(総合評定値通知書)を見ないと入力できません。通知書の保管場所を、先に社内で確認しておきます。

パスワード発行時に入れたメールアドレスには確認メールが届きます。退職や異動で受け取れなくなる個人のアドレスではなく、申請期間中に確実に見る担当者のアドレスにすることを、本サイトとしてはお勧めします。

申請に使う総合評定値通知書は、審査基準日が令和7年6月16日以降のもののうち最新のものです。届いたばかりの通知書のデータがシステムに反映されるまで約2週間かかることがあり、その間は送信するとエラーになります。経営事項審査を受けた会社の窓口と、申請の窓口が別の人のときは、通知書が届いた日を共有しておきます。

経理:納税証明書と完成工事高

納税証明書

納税証明書は、受付期間中にシステムで送信する添付書類です。送信しないと、送信した申請書データは受理されません。様式は2種類を組み合わせます。

  • 納税証明書その2:令和9・10年度から提出が必須です。国税通則法施行規則別紙第9号書式その2を1枚(写し)提出します。法人は法人税、個人は申告所得税及び復興特別所得税の所得金額の証明です。
  • 納税証明書その3:未納税額がないことの証明です。法人は別紙第9号書式その3の3(法人税と消費税及び地方消費税)が、手引きで「できるかぎり提出」とされる「◎」の様式です。個人は別紙第9号書式その3の2が「◎」です。

新設法人などで別紙第9号書式その2が取得できない場合は、申出書と、提出義務がないことを示す書類(新設法人は登記事項証明書など)を提出します。この場合は、手引きが「ヘルプデスクまでお問い合わせください」と案内しています。

手引きは、納税証明書は国税電子申告・納税システム(e-Tax)からオンラインで交付請求できると案内しています。また、その3には「未納の税額はありません」という証明内容が記載されているか確認するよう求めています。県民税や法人事業税の証明とは異なるため、取り違えないよう注意が必要です。取得するのは税務署の書類なので、経理が窓口になる会社が多いと考えられます。様式ごとの違いは納税証明書その2・その3の違いで詳しく説明しています。

建設業法工事種別ごとの年間平均完成工事高

完工高の画面では、建設業法の工事種別ごとの年間平均完成工事高を入力します。送信のときに、システムが持つ経営事項審査データの数字と照合され、過不足があるとエラー画面になります。入力する数字の元は総合評定値通知書です。

手引きによると、通知書上の完成工事高が0円でも、経営事項審査を受けた工事種別であれば、対応する機関の希望工事種別へ申請できます。反対に、希望工事種別に対応する工事種別の経営事項審査を1つも受けていないと、その希望工事種別へは申請できません。

各機関の画面で出る希望工事種別の合計は、端数処理の関係で通知書の合計と合わないことがあります。手引きは、建設業法工事種別ごとの合計が通知書と一致していれば、総合計が違っていても問題ないと案内しています。

総務:本店・営業所・資本関係・役員

申請書画面と営業所画面は、経営事項審査のデータから自動で補助される項目が多くあります。手引きの入力補助の一覧では、経営事項審査から取得する項目は次のとおりです。

入力補助の対象項目(手引きの入力補助対象一覧から)
画面経営事項審査から補助される項目補助されない項目
申請書許可番号、本店郵便番号、法人番号、本店住所、商号又は名称、代表者氏名、本店電話番号、営業年数―
営業所名称、郵便番号、住所、電話、建設業許可FAX、営業区域

補助された内容は、そのまま確定せず、現在の登記や営業所の状況と食い違っていないか総務が見直します。通知書の審査基準日から時間がたっていると、本店の移転や営業所の閉鎖が反映されていないことがあるためです。

前回のインターネット申請データから取得を選ぶと、営業所のFAX・営業区域のほか、業態調書2(部局と希望順位)、業態調書6(親会社・子会社・役員の兼任)、業態調書7(国土交通省退職者の再就職)が補助されます。前回の入力者が退職している場合は、前回の控えが残っているかを先に確認します。

業態調書6と7:会社の関係を知っている人が書く

業態調書6では、親会社の許可番号・商号・本店住所・電話番号、子会社の許可番号と商号、役員の兼任(申請者での役職、氏名、兼任先の商号と役職など)を入力します。業態調書7は、国土交通省を退職した人の再就職状況(氏名、役職、就任年月日、退職年月日、退職時の官職)です。資本関係や役員の兼任を把握している総務か経営者が書くのが確実なため、この2つは総務の担当としました。

国土交通省の地方整備局(道路・河川・官庁営繕・公園関係)などを希望する場合は、業態調書1・2・6・7の入力が必須だと手引きは案内しています。どの機関で何が必要かは、次の営業の節で決まります。

技術部門:技術職員の人数

業態調書1では、申請時点で在籍している有資格技術職員の人数を、資格の種類(検定種目)ごとに入力します。手引きの入力要領は、次の点に注意するよう求めています。

  • 人数は、雇用期間を限定せず常時雇用されている職員の人数。
  • 工事とコンサルの両方を営む会社は、専ら測量・コンサルタント等に従事する人を除いて数える。
  • 1人が複数の資格を持つ場合は、それぞれの資格に重ねて数えてよい。ただし、技術士以外で1級と2級の同じ資格を持つ人は、上位の級だけに数える。
  • 「合計」は区分ごとの単純合計、「実人数」は合計以下になる。
  • 監理技術者資格者証と監理技術者講習修了証の所持者数は、経営事項審査の技術職員名簿の交付番号から集計し、「実人数」には含めない。

手引きは、申請内容に虚偽があると認定が受けられず、認定後に判明すると競争参加資格が取り消されることがあると明記しています。人事の名簿と経営事項審査の技術職員名簿を見比べて数え、技術部門が確認する形にすると、数え漏れを防げます。

機関によっては、専門技術職員の登録証などの写しの提出を、申請内容に疑義が生じたときに求めるとしています(例:林野庁)。資格証は、申請後も取り出せる場所に保管しておきます。

営業:希望する機関と希望工事種別

どの機関に申請するか、どの工事種別を希望するかは、受注したい工事を知る営業が決める項目です。ここが決まると、他の担当が入力する画面と必要な業態調書が決まります。

  • 各機関の希望工事種別の登録は、各機関の「完工高・希望工事」画面で、該当する部局等にチェックが付いているかどうかで判断されます。希望する機関の画面で部局等を選ばないと、その機関の認定は受けられません。
  • 入力が必要な業態調書は、機関ごとに異なります。たとえば国土交通省の港湾空港関係は業態調書3・6・7が必要です。
  • 機関によっては、通常の入力とは別に、前回受付番号や追加の様式を求めます。たとえば農林水産省の地方農政局は前回受付番号と営業所番号を、林野庁は林野庁の入力項目のとおり追加の様式を案内しています。

参加する24機関の一覧はインターネット一元受付とはで整理しています。一元受付で申請できない類型は対象外の8類型で確認してください。

希望する機関が決まったら、準備チェックの申請書データの項目で、担当ごとの進み具合を記録できます。

申請後に変更が出たとき

申請書データの修正は、受付期間内(令和9年1月15日17時まで)なら取り消して何度でもやり直せます。期限を過ぎてからの変更は、変更届で届け出ます。変更届はインターネットの一元受付では扱われず、機関ごとの方法で提出します。

手引きが国土交通省の例として挙げる変更届の添付書類は、変更事項によって異なります。たとえば本店住所や商号、代表者の変更には登記事項証明書(履歴事項全部証明書)、営業所の新設や許可工事種別の変更には、営業所の建設業許可工事種別を証明するもの(建設業許可の変更届出書の写し等)です。営業所の閉鎖は添付書類なしです。変更届が必要な事由や書類は機関ごとに異なると手引きは注意しているため、申請した機関それぞれの案内を確認します。総務が登記や許可の変更を行うときに、入札参加資格の変更届が必要になるかを併せて確かめる習慣を付けておくと、届出漏れを防げます。

確認した一次資料

この記事は、手引きの内容を部署ごとに並べ直したもので、担当の分け方は本サイトの整理です。申請の可否や個別の判断は、各機関の最新の案内と審査結果が優先されます。

まとめ

  1. パスワード発行には、総合評定値通知書の許可番号と審査基準日、担当者の連絡先が要る。窓口の担当者を最初に決める。
  2. 経理は納税証明書(その2は令和9・10年度から必須)と、通知書と一致する年間平均完成工事高を用意する。
  3. 総務は、経審から補助された本店・営業所の情報を現状と照合し、業態調書6・7(資本関係・役員兼任・退職者の再就職)を書く。
  4. 技術部門は、業態調書1の有資格技術職員の人数を数える。虚偽があると認定の取り消しがありうる。
  5. 営業は、申請する機関・部局と希望工事種別を決める。入力が必要な業態調書はこれで決まる。

よくある質問

入札参加資格の申請は、社内の誰が何を用意すればよいですか?
手引きの入力項目は、窓口の担当者(パスワード発行・送信・確定)、経理(納税証明書・完成工事高)、総務(本店・営業所・親会社・役員兼任)、技術部門(有資格技術職員の人数)、営業(申請する機関と希望工事種別)が持つ情報に分かれます。この分け方は本サイトの整理で、手引きが定めたものではありません。
パスワード発行では何を入力しますか?
ユーザーID、建設業許可番号(総合評定値通知書の大臣・知事コード2桁と許可コード6桁)、審査基準日、担当者のメールアドレス・氏名・フリガナ・所属・電話番号です。許可番号と審査基準日は総合評定値通知書を見ないと入力できません。
納税証明書は何を提出しますか?
納税証明書その2(令和9・10年度から必須)を1枚と、その3の様式のいずれか1枚を、受付期間中にシステムで送信します。送信しないと申請書データは受理されません。新設法人などでその2が取得できない場合は、申出書と提出義務がないことを示す書類が要り、手引きはヘルプデスクへの問い合わせを案内しています。
完成工事高は通知書と違う数字を入れてもよいですか?
入れられません。建設業法工事種別ごとの年間平均完成工事高は、送信時に経営事項審査のデータと照合され、過不足があるとエラーになります。希望工事種別の合計が通知書の合計と合わなくても、工事種別ごとの合計が一致していれば問題ないと手引きは案内しています。
技術職員の人数はどう数えますか?
申請時点で常時雇用している有資格技術職員を、資格の種類ごとに数えます。1人が複数の資格を持つ場合は重ねて数えられますが、技術士以外で同じ資格の1級と2級を持つ人は上位の級だけに数えます。虚偽があると認定の取り消しがありうると手引きは明記しています。
申請後に本店の住所が変わったら、どうしますか?
受付期間後の変更は、変更届で届け出ます。変更届は一元受付では扱われず、機関ごとの方法で提出します。国土交通省の例では、本店住所や商号の変更に登記事項証明書(履歴事項全部証明書)を添付します。届出が必要な事由は機関ごとに異なります。

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