受審後の実務

支店・営業所がある会社の一元受付|申請の単位・営業所の入力・委任状の書類(令和9・10年度)

国土交通省のインターネット一元受付で、支店や営業所を持つ会社が「誰の名前で、何を入力し、代理申請では何を送るか」を、手引きの記載に沿って整理します。

国土交通省の申請書作成の手引き(建設工事)
編集:建設経営ラボ編集部(合同会社フューチャープロンプト) / 運営方針・出典

複数の営業所を持つ会社では、「支店ごとに申請するのか」「本社が一括でするのか」「支店の担当者が窓口になれるのか」で迷いがちです。令和9・10年度の手引きを読むと、申請書は建設業許可の番号を持つ会社を1つの単位として作り、支店・営業所はその中の「営業所」画面に並べて入力する形です。代理申請を使う場合は、委任状の書類に決まった項目があります。この記事は、その記載だけをまとめたものです。

申請全体の順番は一元受付の申請手順、社内で書類を集める分担は申請の社内分担にあります。

申請の単位は建設業許可番号の会社

パスワード発行では、建設業許可番号(総合評定値通知書の大臣・知事コード2桁と許可コード6桁)と、直近の総合評定値通知書の審査基準日を入力します。申請の入り口が許可番号である点から、支店ごとに別の申請を立てるのではなく、許可番号を持つ会社が1つの申請者になる作りと読み取れます。

申請書の「本社(店)住所」には、建設業許可上の「主たる営業所」の住所を入力するよう、手引きは案内しています。

本社(店)の欄に入れるのは、建設業許可上の「主たる営業所」です。登記上の本店とは別の場所を主たる営業所にしている会社は、許可の記載に合わせます。

支店・営業所は「営業所」画面に入力する

営業所の画面は「すべての申請者」が入力する対象です。手引きの入力要領は次のとおりです。

「営業所」画面の入力要領(手引き)
項目手引きの記載
本店の行名称・郵便・住所・電話・FAXは申請書画面で登録済みです。「許可業種」と「営業区域」だけ入力します。
名称経営事項審査を受けた建設業許可業種を持つ、すべての本店または支店営業所の名称を入力します。支店は商号を省きます(例:「丸の内支店」)。名称は重複させません。
住所すべての支店営業所の住所を入力します。
許可業種その営業所に対応する、経営事項審査を受けた許可業種にチェックします。「本店」には申請者が持つ、経営事項審査を受けたすべての許可業種にチェックします。経審を受けていない許可業種にはチェックしません。
営業区域その営業所が営業する区域の都道府県にチェックします。複数にまたがる場合は該当するすべてです。
作成の基準表は申請日現在で作成します。

入力の手間は、入力補助で減らせます。手引きの対応表では、営業所の名称・郵便番号・住所・電話・建設業許可は、「経営事項審査情報から取得」でも「前回インターネット申請データから取得」でも補助されます。FAXと営業区域は「前回インターネット申請データから取得」でだけ補助されます。許可換えで建設業許可番号が変わった場合は「経営事項審査情報から取得」を選ぶよう手引きは案内しています。前回申請のあとに変更届を出した場合、変更内容は補助データに反映されないため、取得後に内容を確かめます。

申請後の営業所の変更は、一元受付では受け付けません。営業所の新設・閉鎖や名称・住所の変更は、各機関が定める方法で「変更届」を出す扱いです(営業所の新設・名称や住所の変更では建設業許可工事種別を証明するもの、閉鎖では添付書類なし。国土交通省の例)。支店長の氏名の変更は変更届の対象に入っていません。

本人申請:登録するのは担当者

パスワード発行の画面では、「代理申請有無」で本人申請を選びます。入力するのは、許可番号・審査基準日のほか、担当者のメールアドレス、担当者氏名・カナ・所属・電話番号です。通知書の宛先についても、手引きは「通常、発行手続き完了後1週間以内に総合評定値通知書の住所・担当者あてにパスワードを送付します」と案内しています。

手引きには、本人申請の担当者を本社の社員に限る、といった記載は見つかりませんでした。ただし、パスワードは通知書の住所に届くため、その住所(主たる営業所)で受け取れる体制にしておく必要があります。メールは登録したアドレスで受信できることを前提に進みます。

代理申請:委任状に必要な9項目

代理申請では、パスワード発行のあとに、代理人がログインして「業者追加」を行います。委任状の送信は令和8年11月2日(月)〜12月28日(月)の期間内です(本人申請のパスワード申込みと同じ期限)。

  1. 業者追加の画面で、委任された会社の許可番号、直近の総合評定値通知書の審査基準日、委任状(PDF)を入力します。
  2. 委任状の様式は、システムのメニュー「委任状様式」からダウンロードします。印刷して記入し、委任者(会社)の代表者印を押します。記入は黒色ボールペンです。
  3. スキャナー等でPDFにします。白黒・300dpi・最大5MB以内が設定の例です。
  4. 業者追加を済ませたら、委任状の審査を待ち、「業者一覧」で委任状のステータスが「受理」になれば業者登録は完了です。

委任状には、次の9項目の記載が必要で、記載がないと不受理になります。

委任状の記載項目(手引き)
番号項目
1行政書士登録番号
2代理人の住所
3代理人の氏名
4権限委任年月日(本申請を委任された年月日)
5委任者の建設業許可番号(総合評定値通知書に記載のもの。例:国土交通大臣許可なら 00-990001 の形)
6委任者の住所(総合評定値通知書に記載のもの)
7委任者の商号または名称
8委任者の氏名(代表者氏名)
9委任者の印鑑(代表者印)

文言として「~~を代理人と定め、令和9・10年度定期競争参加資格審査インターネット一元受付への申請を行う権限を委任します。」が記載されていない場合も不受理です。

手引きの代理申請は、行政書士登録番号を記載する形です。パスワード発行の代理申請の入力欄にも行政書士の登録番号・氏名・所属・電話番号があります。行政書士ではない支店の社員を「代理人」として委任状を作る方法は、手引きに記載がありません。会社の側で手続きを進める場合は、前の節の本人申請(会社の担当者として登録)の形になります。

委任状が受理されなかったときのステータスごとの対処は、申請状況の見方とエラー対処にあります。なお、本サイトは本人が自社の概算を確かめるためのもので、申請の代行や個別の相談は行っていません。

手引きに書かれていないこと

  • 「受任者」(支店長などに契約の権限を委ねる)という語は、今回確認した手引きに見当たりませんでした。入札や契約の権限を支店に委任する書類は、一元受付の手引きではなく、各発注機関の様式や案内に定められている場合があります。申請先の機関の案内で確かめてください。
  • 支店ごとに別の申請を認めるか、支店だけの許可番号をどう扱うかの記載は、今回確認した範囲にはありません。

この記事は手引きの記載を整理したものです。実際の取扱いは、国土交通省の手引きと各機関の案内が優先します。

申請者と申請の単位が決まったら、準備チェックで、申請書データの準備がどこまで済んでいるかを、済み・まだ・分からないで記録できます。

確認した一次資料

まとめ

  1. 申請の入り口は建設業許可番号で、会社が1つの申請者。支店・営業所は「営業所」画面に並べて入力する。
  2. 営業所の画面には、経営事項審査を受けた許可業種を持つすべての本店・支店営業所を、申請日現在で入力する。
  3. 本人申請は担当者を登録する。パスワードは総合評定値通知書の住所に届く。
  4. 代理申請の委任状は9項目(行政書士登録番号など)と所定の文言が必要。期限は12月28日。
  5. 「受任者」の語や、支店ごとの別申請は手引きに記載がなく、申請先の機関の案内で確かめる。

よくある質問

支店ごとに別々に申請するのですか?
手引きの記載では、パスワード発行の入り口が建設業許可番号で、支店・営業所は申請書の「営業所」画面に並べて入力します。支店ごとに別の申請を立てる記載は、今回確認した範囲にはありません。
営業所の画面には、どの支店・営業所を入力しますか?
経営事項審査を受けた建設業許可業種を持つ、すべての本店または支店営業所です。申請日現在で作成します。支店の名称は商号を省き、重複させません。本店は許可業種と営業区域だけ入力します。
代理申請の委任状には何を書きますか?
行政書士登録番号、代理人の住所・氏名、権限委任年月日、委任者の許可番号・住所・商号・代表者氏名、代表者印の9項目と所定の委任の文言が必要で、欠けると不受理です。送信の期限は令和8年12月28日です。
支店の社員を代理人として委任状を作れますか?
手引きの代理申請の入力欄と委任状の項目は、行政書士登録番号を記載する形で、行政書士ではない社員を代理人とする方法は手引きに記載がありません。会社の側で進める場合は本人申請で担当者を登録します。
支店長に契約の権限を委ねる「受任者」の届出は、一元受付でしますか?
「受任者」の語は、今回確認した手引きに見当たりませんでした。入札や契約の権限を支店に委任する書類は、各発注機関の様式や案内に定められている場合があるため、申請先の機関の案内で確かめます。

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