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建設業許可を新しく取るための要件|建設業法第7条・第8条の5つを確認する順に整理

建設業の許可を初めて受けるときに満たす基準を、建設業法第7条(許可の基準)と第8条(許可をしない場合)から整理します。経営体制、社会保険、営業所技術者、誠実性、財産的基礎、欠格要件を、確認する順に並べます。

建設業法・e-Gov法令検索
編集:建設経営ラボ編集部(合同会社フューチャープロンプト) / 運営方針・出典

建設業の許可は、国土交通大臣または都道府県知事が、申請者が決められた基準に合うと認めたときにだけ出します。基準は建設業法第7条に4つ、許可をしない場合は同法第8条に定められています。この記事は、条文をどの順に自社に当てはめるかの見取り図です。各要件の細かい数字や証明書類は、要件ごとの記事に回します。

確認する順番(要約):①経営業務の管理(第7条第1号)と社会保険 → ②営業所技術者(第2号) → ③誠実性(第3号) → ④財産的基礎(第4号) → ⑤欠格要件(第8条)。

基準の全体像と確認の順番

法第7条は、許可を受けようとする者が次の4点に合うと認めるときでなければ、許可をしてはならないと定めています。第8条は、これとは別に、欠格要件のどれかに当たる場合や申請書類にうその記載がある場合に許可をしないと定めています。

許可の基準と、確認する順番
順要件根拠見る単位
1経営業務の管理を適正に行える体制、社会保険への加入法第7条第1号、施行規則第7条会社全体
2営業所技術者を専任で置くこと法第7条第2号営業所ごと
3請負契約で不正・不誠実な行為をするおそれが明らかでないこと法第7条第3号法人・役員等・政令で定める使用人
4請負契約を履行するに足りる財産的基礎・金銭的信用法第7条第4号会社全体
5欠格要件に当たらないこと法第8条本人・役員等・政令で定める使用人

人を確保しなければならない1と2を先に、書類で確かめられる4を後に、本人の経歴に関わる5を最後に見ると、申請を進められない原因を早く見つけられます。順番は、この記事の整理です。条文が順番を定めているわけではありません。

建設業の許可は、一般建設業と特定建設業、大臣許可と知事許可で、追加の基準や申請先が変わります。この記事は、新規で許可を受ける場合に共通する法第7条・第8条の見取り図です。区分の違いは『一般建設業と特定建設業の分かれ目』で確認してください。

①経営業務の管理と社会保険

法第7条第1号は、建設業に係る経営業務の管理を適正に行うに足りる能力を有するものとして、国土交通省令で定める基準に合う者であることを求めています。その省令の基準は、建設業法施行規則第7条です。

施行規則第7条第1号は、次のいずれかに当たることを求めています。

  • 常勤役員等のうち1人が、同条が定める経験などの要件のいずれかに当たること
  • 上の要件に当たる常勤役員等が1人いて、さらに財務管理・労務管理・業務運営の業務経験を持つ者を、その常勤役員等を直接に補佐する者として置くこと
  • 国土交通大臣が、上の2つと同等以上の経営体制を有すると認定したこと

同条第2号は、健康保険・厚生年金保険・雇用保険の適用事業所に当たる全ての営業所について、各法の届書を提出していることを求めています。経営体制の要件に合っていても、社会保険の届出が済んでいなければこの基準に合いません。

常勤役員等の経験を何年・どの立場で数えるか、その証明資料は、『常勤役員等の経営業務の経験の数え方』で詳しく説明しています。

②営業所ごとの営業所技術者

法第7条第2号は、営業所ごとに、営業所技術者を専任の者として置くことを求めています。営業所技術者は、建設工事の請負契約の締結と履行の業務に関する技術上の管理をつかさどる者です。次のいずれかに当たる必要があります。

  1. 高校卒業後5年以上、または大学・高等専門学校卒業後3年以上、許可を受けようとする建設業に係る建設工事の実務経験があり、在学中に国土交通省令で定める学科を修めた者
  2. 許可を受けようとする建設業に係る建設工事について、10年以上の実務経験がある者
  3. 国土交通大臣が、上の2つと同等以上の知識と技術・技能を有すると認定した者

資格を持つ人の扱いなど、「専任」の細かい運用は申請先の手引きで確かめてください。経営業務の管理を担う人と営業所技術者を兼ねられるかなどは、申請先の窓口の案内で確かめてください。営業所技術者と、経審の技術職員との関係は『営業所技術者と技術職員の違い』にあります。

③誠実性

法第7条第3号は、法人の場合は法人またはその役員等・政令で定める使用人が、個人の場合はその者または政令で定める使用人が、請負契約に関して不正または不誠実な行為をするおそれが明らかな者でないことを求めています。

条文は「おそれが明らかな者でないこと」という書き方です。申請者が誠実だと証明する書類を求める形ではなく、不誠実と明らかな者を除く形になっています。実際の確認の方法は、申請先の手引きに従います。

④財産的基礎

法第7条第4号は、請負契約(政令で定める軽微な建設工事に係るものを除く)を履行するに足りる財産的基礎または金銭的信用を有しないことが明らかな者でないことを求めています。数字の基準は、一般建設業と特定建設業で違います。

自己資本の額や資金調達の能力をどの書類で示すかは、『建設業許可の財産的基礎』にまとめています。経審の自己資本額とは別の確認である点も、そちらで説明しています。

⑤欠格要件

法第8条は、許可を受けようとする者が次のようなものに当たるときは、許可をしてはならないと定めています(条文の第1号から第14号を、分類して示します)。

法第8条の主な欠格要件
分類条文の内容(要旨)
破産・許可の取消し破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者。許可を取り消されてから5年を経過しない者(取消し処分の通知後に廃業を届け出た場合を含む)
処分中営業の停止を命じられ、その期間が経過しない者。営業を禁止され、その期間が経過しない者
刑罰拘禁刑以上の刑を受け、執行を終えてまたは受けなくなってから5年を経過しない者。建設業法や労働関係法令などの違反、暴力関係の罪による罰金刑を受け、5年を経過しない者
暴力団暴力団員、または暴力団員でなくなってから5年を経過しない者。暴力団員等が事業活動を支配する者
心身・行為能力心身の故障により建設業を適正に営むことができない者として国土交通省令で定める者。営業に関し成年者と同一の行為能力を有しない未成年者で、条文(第11号)の要件に当たる者
役員等の該当法人の役員等、または政令で定める使用人のうちに、上記のうち一部(破産、許可の取消し、処分中、刑罰、暴力団、心身の故障)に当たる者がいる法人
申請書類申請書や添付書類の重要な事項にうその記載がある、または重要な事実の記載が欠けているとき

最後の2行が見落とされやすい点です。申請する本人だけでなく、役員等や政令で定める使用人が欠格要件に当たると、法人としても許可を受けられません。役員を新しく迎えるときは、その人が欠格要件に当たらないかを先に確かめます。個別の事情が欠格要件に当たるかどうかは、申請先の窓口で確認してください。

次に知りたいこと

確認した一次資料

まとめ

  1. 許可の基準は法第7条の4点(経営業務の管理、営業所技術者、誠実性、財産的基礎)で、別に第8条の欠格要件がある。
  2. 経営業務の管理の基準は施行規則第7条にあり、社会保険の届出も求められる。
  3. 営業所技術者は営業所ごとに専任で置く。実務経験10年などの3つの経路が条文にある。
  4. 欠格要件は申請者本人だけでなく、役員等と政令で定める使用人にも及ぶ。

この記事は条文の整理で、個別の会社が許可を受けられるかどうかを判断するものではなく、個別の申請には対応しません。最終的には、申請先(国土交通省の地方整備局または都道府県)の手引きと窓口の案内に従ってください。評点表・算式の転記元は一次資料・出典一覧で確認できます。

よくある質問

建設業許可を新しく取るための基準は、いくつありますか?
建設業法第7条に、経営業務の管理、営業所技術者の専任配置、誠実性、財産的基礎の4つの基準があります。これとは別に、第8条の欠格要件に当たらないことが必要です。
営業所技術者は、会社に1人いれば足りますか?
足りません。第7条第2号は、営業所ごとに営業所技術者を専任の者として置くことを求めています。
役員が欠格要件に当たると、会社は許可を受けられませんか?
第8条は、法人の役員等または政令で定める使用人のうちに、破産や許可の取消しから5年を経過しない者、刑罰を受けて5年を経過しない者などがいる法人にも、許可をしないと定めています。
社会保険に入っていないと許可は受けられませんか?
施行規則第7条第2号は、健康保険・厚生年金保険・雇用保険の適用事業所に当たる全ての営業所について、各法の届書を提出していることを求めています。

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