営業所技術者(旧・専任技術者)は経審の技術職員に数えられるか|主任技術者・監理技術者を兼ねる要件
営業所技術者は、経審の技術職員の定義から除かれているのか。現場の主任技術者・監理技術者を兼ねるときの条件は何か。建設業法第26条の5、国交省の運用マニュアル、経審の通知と手引きで、確認できたことと、原文では確認できなかったことを分けて整理します。
建設業法第7条・第26条の5・国交省の通知と手引き(令和8年版)令和6年12月13日の改正建設業法の施行で、許可の要件の呼び名が「専任技術者」から「営業所技術者」(特定建設業は「特定営業所技術者」)に変わりました。この記事は、①営業所技術者が経審の技術職員に数えられるか、②主任技術者・監理技術者を兼ねるときの条件、の2点を扱います。結論を先に書くと、技術職員の定義の文面に営業所技術者を除く文言は確認できませんでしたが、「営業所技術者は技術職員に数えてよい」と直接書いた国交省・整備局の原文も確認できていません(大阪府の手引きは、名簿に営業所技術者等の区分を設けています)。
経審の技術職員の定義
国交省の経営事項審査の事務取扱通知(令和8年改正反映版)は、技術職員を次のように定めています。
- 建設業法第7条第2号イ・ロ・ハ、または第15条第2号イ・ハに該当する者など、通知が列挙する資格・要件を持つ者。
- 審査基準日以前に6か月を超える恒常的な雇用関係があり、雇用期間を特に限定せず常時雇用されている者(法人の常勤の役員を含む)。
営業所技術者は、法第7条第2号が定める許可の要件です。通知の技術職員の定義が引く条文(第7条第2号イ・ロ・ハ)は、営業所技術者の資格要件と同じ条文です。この定義の文面に、営業所技術者を除く文言は見つかりませんでした。
数点は人の資格区分で決まります。1級監理受講者6点、1級技術者5点、監理技術者補佐4点などの式は、関東地方整備局の手引き別添P81にあります。1人が計上できる業種は2までです(同P48・P81)。
営業所技術者の計上を直接書いた原文は確認できなかった
- 「営業所技術者と重複して技術職員に計上してよい」という趣旨の記載は、国交省の通知、関東地方整備局の手引き別添では確認できませんでした。
- 「営業所技術者は技術職員に計上できない」という記載も確認できませんでした。
- 参考として、大阪府の令和8年の手引きの名簿記載要領には、技術職員名簿の資格欄に「営業所技術者等(建設業許可を持つ業種、営業所全て)」の区分があり、「営業所技術者等の要件以外の免状を保有する営業所技術者等は、その資格についても有資格区分コードを記入することができます」とあります。営業所技術者等が名簿に載る前提の記載ですが、府の資料であり、国交省の原文ではありません。
確認できなかった点を推測で補うことはしません。同じ人を許可の営業所技術者と経審の技術職員の両方に載せる場合は、申請先の手引き・窓口で確認してください。許可と経審で役割が異なる点は『技術職員数値とは』にもあります。
主任技術者・監理技術者を兼ねる条件
営業所技術者は、営業所に常勤して専らその職務に従事することが求められます(国交省 監理技術者制度運用マニュアル 二-二(5)①)。そのうえで、建設業法第26条の5は、次の要件を満たす工事に限り、営業所技術者が主任技術者を、特定営業所技術者が主任技術者または監理技術者を兼ねることを認めています。
- その営業所で契約を締結した工事であること(同条第1項第1号)。
- 請負代金が1億円未満(建築一式工事は2億円未満)であること(施行令第33条)。
- 営業所と現場の移動時間や連絡方法が省令の要件に適合すること、情報通信技術で確認できる措置があること(同条第1項第3号・第4号)。
- 兼ねる現場の数が1であること(施行令第34条)。
- 営業所技術者等が所属建設業者と直接的かつ恒常的な雇用関係にあること(運用マニュアル)。
特定営業所技術者が監理技術者を兼ねる場合は、監理技術者資格者証の交付を受け、監理技術者講習を受講していることが必要です(同条第3項)。専任特例を使う場合との併用や、運用マニュアルの1)〜3)の併用はできません。専任特例は『専任特例2号と監理技術者補佐』で整理しています。
兼ね方の区分表
| 区分 | 兼ねられる職務 | 追加の条件 |
|---|---|---|
| 営業所技術者 | 主任技術者 | 第26条の5第1項の要件、兼ねる現場は1 |
| 特定営業所技術者 | 主任技術者または監理技術者 | 上記に加え、監理技術者を兼ねるなら資格者証の交付と講習の受講 |
この表は法第26条の5の区分です。経審の点数の区分(6点・5点・4点など)とは別の整理です。
確認欄
- 名簿に載せる人が、審査基準日以前に6か月を超えて常時雇用されているか。
- 営業所技術者と技術職員の両方に載せる場合の扱いを、申請先の手引き・窓口で確認したか。
- 現場の技術者を兼ねるなら、契約を結んだ営業所・請負金額・現場数・雇用関係の要件を確認したか。
- 監理技術者を兼ねるなら、特定営業所技術者に資格者証と講習があるか。
- 1人2業種までの計上を超えていないか。
確認した一次資料
- 建設業法第7条第2号、第15条第2号、第26条の5(e-Gov法令検索)
- 建設業法施行令第33条(1億円・建築一式2億円)、第34条(現場数は1)
- 国土交通省「監理技術者制度運用マニュアル」(令和7年2月1日適用版)二-二(5)(営業所技術者等の常勤性と兼務の要件・併用の制限)
- 国土交通省 経営事項審査の事務取扱通知(令和8年改正反映版)技術職員の定義(P6〜7)
- 関東地方整備局「経営規模等評価申請・総合評定値請求の手引き」別添資料(令和8年7月改正版)1人2業種までの計上(P48・P81)、技術職員数値の式(P81)
- 大阪府 経営事項審査の手引き(令和8年)技術職員名簿の記載要領(営業所技術者等の資格欄)。府の資料であり、国交省の原文ではない
運用マニュアルの金額・要件は版によって異なります。兼務の判断は最新版を確認してください。
まとめ
- 経審の技術職員の定義は、第7条第2号イ・ロ・ハなどの資格者で、6か月超の常時雇用であること。営業所技術者を除く文言は確認できなかった。
- 営業所技術者を技術職員に数えてよいかを直接書いた国交省・整備局の原文は確認できていない。申請先に確認する。
- 現場の技術者を兼ねるには第26条の5の要件がある。兼ねる現場は1、請負金額は1億円未満(建築一式2億円未満)。
- 監理技術者を兼ねられるのは、資格者証と講習がある特定営業所技術者。
- 許可の営業所技術者としての要件と、経審の点数の区分は別に確認する。
この記事は制度の説明で、個別の申請内容の判断は行いません。正式な評点は審査結果が優先します。評点表・算式の転記元は一次資料・出典一覧で確認できます。
よくある質問
- 営業所技術者は経審の技術職員に数えられますか?
- 国交省の通知の技術職員の定義に、営業所技術者を除く文言は確認できませんでした。一方、営業所技術者を技術職員に数えてよいと直接書いた国交省・整備局の原文も確認できていません。申請先の手引き・窓口で確認してください。
- 専任技術者は営業所技術者に名前が変わったのですか?
- 令和6年12月13日の改正建設業法の施行で、法文上の呼称が「営業所技術者」(特定建設業は「特定営業所技術者」)になっています。
- 営業所技術者が現場の主任技術者を兼ねられる条件は?
- 建設業法第26条の5により、その営業所で契約した工事で、請負代金が1億円未満(建築一式工事は2億円未満)、兼ねる現場が1であることなどが要件です。
- 営業所技術者が監理技術者を兼ねることはできますか?
- 兼ねられるのは特定営業所技術者で、監理技術者資格者証の交付を受け、監理技術者講習を受講していることが必要です。専任特例との併用はできません。
- 技術職員は何業種まで計上できますか?
- 関東地方整備局の手引き別添では、1人の技術職員につき申請できる建設業の種類は2までとされています。
公開日: 2026-10-07
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本ツールは事業者ご自身が入力・利用する試算です(申請の代行・作成支援は行っていません)。個別のご相談は承っておりません。正式な評点は登録経営状況分析機関・審査行政庁の審査結果が優先します。数値は概算であり、実際の申請前に専門家へご確認ください。算定方法・出典・免責

