受審後の実務

横浜市の工事の入札参加資格と経審の結果の使い方|市内・準市内の判定と格付7工種・施工実績5年

横浜市の工事の入札参加資格(令和7・8年度の随時申請)で、経審の結果通知書がどの条件に使われるか、市内・準市内・市外の判定、格付する7工種と主観点の式、通知書の有効性の条件、施工実績の期間を、市の申請ガイドから整理します。

横浜市 令和7・8年度の随時申請と格付
編集:建設経営ラボ編集部(合同会社フューチャープロンプト) / 運営方針・出典

横浜市の工事の入札参加資格は、経審を受けていて、申請日に有効かつ最新の結果通知書があることが条件です。格付する7つの工種では、経審の総合評定値(P点)が客観点として格付点数に入ります。

この記事は、横浜市総務局契約部が出している「入札参加資格審査申請について(令和7・8年度随時 申請ガイド)」の本文を原文で確認し、経審に関わる部分を整理します。令和7・8年度の随時申請の内容で、令和9・10年度の定期申請の要項ではありません。

資格区分と有効期間

横浜市の入札参加資格は、次の3つの区分に分かれています。経審が関わるのは、このうち「工事」です。

横浜市の資格区分(申請ガイド 3-2)
資格区分内容
工事工事と、物品の製造を除く製造
物品・委託等物品の購入・修繕・製造・借入れ、印刷、委託、不用品買受、電力供給など
設計・測量等設計、測量、地質調査、不動産鑑定など

資格の有効期間は、資格審査結果通知書に書かれた日から令和9年3月31日まで(最大2年間)です。「工事」で登録できるのは4工種までで、登録後は有効期間中に工種を変えることは原則できません。

市内・準市内・市外の判定

横浜市は、所在地を市内・準市内・市外の3つに分けて判定します。「工事」の判定は次のとおりです。

所在地区分(工事の場合。申請ガイド 3-5)
区分条件
市内登記簿上の本店所在地が横浜市内にあり、かつ、経営事項審査の申請に際しての主たる営業所が市内にあること
準市内建設業の許可を持つ営業所が横浜市内にあり、その営業所の法人開設届出書を横浜市に提出していること
市外上記以外

工事の市内は、本店の所在地に加えて、経審を申請したときの主たる営業所も市内にあることが条件です。物品・委託等と設計・測量等の市内は、本店が市内にあること(個人事業者は主たる営業の拠点が市内にあること)だけで、経審の項目はありません。

経審に関する資格要件

「工事」に登録するには、次のアからウをすべて満たす必要があります(申請ガイド 3-7の(7))。

  • 登録したい工種の細目に対応する建設業の許可を持っていること(船舶を除く)。
  • 経審を受け、有効な経営規模等評価結果と総合評定値を通知されていること(船舶を除く)。
  • 登録したい工種の細目に対応する工事の施工実績があること。
経審の結果通知書は、「入札参加資格審査の申請日において有効かつ最新のもの」に限られます。古い通知書のまま申請することはできません。

経審の項目には、もう1つ条件があります。結果通知書の「完成工事高」欄に、登録したい工種の完成工事高が計上されていることです(上水道を除く)。許可を持っていても、その業種で完成工事高がなければ、その工種は登録できません。

市は、経審が建設業法第27条の23で定められた審査であり、審査を行うのは許可行政庁であることも書いています。審査の内容についての問い合わせは、許可を受けている許可行政庁へするよう案内しています。通知書の有効期間の数え方は経審の有効期間と逆算、通知書の読み方は経審の結果通知書の見方で説明しています。

格付する7工種と点数の式

横浜市は、登録業者数と発注件数が多い工種に格付を設定し、入札参加資格や指名の基準として使っています。「工事」で格付する工種は、次の7つです。

格付する工種(申請ガイド 3-9)
資格区分格付する工種・種目
工事土木、舗装、造園、建築、電気、管、上水道
物品・委託等建物管理、公園緑地等管理
設計・測量等なし

工事の格付点数は、客観点と主観点の合計です。客観点は経審の総合評定値、主観点(Ms)は次の式で求めます。

  • Ms=C×(R−65)+α
  • C:過去4年間の工種別の年間平均請負実績金額をもとに算出する数値。
  • R:過去4年間の工種別の平均工事成績。
  • α:次の1〜6の合計点。
αの内訳(申請ガイド 3-9)
項目点数
過去2年間の工種別の工事成績が85点以上の工事1件につき10点
過去2年間の工種別の工事成績が65点未満の工事1件につきマイナス10点
建設業労働災害防止協会への加入5点
障害者の雇用状況5点
男女共同参画に関する一般事業主行動計画の策定と届出5点
贈賄・独占禁止法違反・談合などを理由とする指名停止1か月につきマイナス5点(下限はマイナス120点)

CとRと、αの工事成績の2項目は、資格審査結果通知日の前々月末日を起算にします。Cの具体的な算出方法と、格付の等級ごとの点数の境目は、この記事では確認できていません。

P点と入札ランクの一般的な関係はP点と入札ランクの関係で説明しています。入札ランク目安ツールは目安であり、横浜市の格付を決めるものではありません。

施工実績の期間と証明書類

施工実績は、登録したい工種ごとに確認されます。期間の数え方は、申請日(申請内容を入力して送信した日)を含む月が基準です。

施工実績の種類と期間(申請ガイド 3-10)
種類期間目的
工事最高請負実績過去10年以内に完成したもの工種ごとに最高額の請負実績を確認する
細目実績過去5年以内に完成したもの登録したい細目の実績を確認する。実績がなければその細目は登録できない

工事最高請負実績は、入札ごとの審査の対象にもなります。市は、元請の最高請負実績が発注する工事費の6割以上、または下請の最高請負実績が工事費の8割以上であれば、要件を満たすと書いています。工事費が1億円(税込み)なら、元請は6,000万円以上、下請は8,000万円以上です。落札候補者通知書の送付日時点で登録されている額で判断されるので、より高い実績ができたときは変更届が必要です。

実績を証明する書類は、申請者以外が作った書類(契約書、施工証明書、コリンズの写しなど)に限られます。請書や請求書の写しなど、申請者自身が作った文書は、原則として証明にならないと書かれています。工事がコリンズに登録されているときは、その写しを出します。完成工事高の積み上げの考え方は完成工事高の積み上げで整理しています。

令和8年度の名簿登載予定

随時申請の名簿への登録は、毎月1日と16日ごとに行われます。申請が審査の対象になるには、登載予定日の約1か月前にある到着期限までに、入力・送信と提出書類のアップロードの両方が済んでいる必要があります。

令和8年度の受付事務予定表から抜粋(申請ガイド 2)
送信データ・提出書類の到着期限名簿登載予定日
令和8年10月15日令和8年11月16日
令和8年10月30日令和8年12月1日
令和8年11月13日令和8年12月16日

表の10月15日と10月30日の到着期限のあいだには、「令和9・10年度定期申請受付期間のため中断」と書かれています。令和7・8年度の名簿への随時申請は、令和9年1月1日登載分で受付を終了すると書かれています。

この記事で確認できなかった点

  • 格付の等級と、等級ごとの点数の境目。
  • 主観点のCの具体的な算出方法。
  • 令和9・10年度の定期申請の受付期間、必要書類、審査基準日。
  • 入札ごとの参加条件(個別の工事の発注情報)。

確認した一次資料

この記事は、横浜市の公式の申請ガイドを整理したものです。申請の可否や個別の判断は、市の最新の案内と審査結果が優先されます。

まとめ

  1. 「工事」の登録には、登録したい工種の許可と、申請日に有効かつ最新の経審の結果通知書が要る。完成工事高が計上されていない工種は登録できない。
  2. 所在地は市内・準市内・市外に分かれ、準市内は市内に許可のある営業所があり、法人開設届出書を出していることが条件。
  3. 工事の格付は土木・舗装・造園・建築・電気・管・上水道の7工種で、客観点(経審の総合評定値)と主観点の合計で決まる。
  4. 施工実績は、細目実績が過去5年以内、工事最高請負実績が過去10年以内。証明は契約書・施工証明書・コリンズの写しなど、申請者以外が作った書類で行う。

よくある質問

横浜市の工事の入札参加資格に、経審は必要ですか?
必要です。登録したい工種に対応する建設業の許可と、申請日において有効かつ最新の経営規模等評価結果・総合評定値の通知が要ります。結果通知書の完成工事高欄に、その工種の完成工事高が計上されていることも条件です(上水道を除く)。
横浜市の準市内とは、どんな業者ですか?
工事では、建設業の許可を持つ営業所が横浜市内にあり、その営業所の法人開設届出書を横浜市に提出している業者です。登記簿上の本店と、経審を申請したときの主たる営業所の両方が市内にある業者は市内、それ以外は市外になります。
横浜市で格付する工事の工種は何ですか?
土木、舗装、造園、建築、電気、管、上水道の7工種です。格付点数は、経審の総合評定値による客観点と、工事成績や社会貢献などによる主観点の合計で計算します。
横浜市の施工実績は、何年前までのものが対象ですか?
申請日を含む月を基準に、細目実績は過去5年以内、工事最高請負実績は過去10年以内に完成したものです。証明は契約書、施工証明書、コリンズの写しなど、申請者以外が作った書類で行います。
横浜市の令和7・8年度の資格は、いつまで有効ですか?
資格審査結果通知書に記載された日から令和9年3月31日までで、最大2年間です。随時申請の受付は、令和9年1月1日登載分で終了すると申請ガイドに書かれています。

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