受審後の実務

川崎市の工事の入札参加資格と経審の結果の使い方|市内・準市内の区分と格付の点数(令和7・8年度、令和9・10年度)

川崎市の工事の入札参加資格で、経審の結果通知書の扱い、市内業者・準市内業者の違い、総合点(経審点+発注者別評価点)による格付、令和9年度から変わる発注標準金額を、市の資料から整理します。

川崎市 令和9・10年度 工事の競争入札参加資格
編集:建設経営ラボ編集部(合同会社フューチャープロンプト) / 運営方針・出典

川崎市の格付は、経審の点数に、発注者別評価点を足した総合点で決まります。発注者別評価点は、市内業者と準市内業者として登録した会社だけが対象です。経審の結果通知書は、継続申請の期間が終わると差し替えられません。

この記事は、令和9・10年度の申請書等作成要領と、令和7・8年度の格付一覧、令和8年5月の等級区分の見直しを原文で確認し、経審に関わる部分を整理します。確認できなかった点は、最後の節にまとめています。

市内業者・準市内業者・市外業者の区分

川崎市は、本店と支店の所在地で3つに分けています。市の方針は、市内の中小事業者への優先発注です。

地域の区分(申請書等作成要領から)
区分定義発注者別評価点
市内業者本店が川崎市内にあり、市内の事務所の実態調査に関する誓約書と同意書を出せる事業者対象
準市内業者支店が川崎市内にあり、同じ誓約書と同意書を出せる事業者。支店は「事務所」であること対象
市外業者上記以外の事業者対象外
本店は、登記簿上の本店であるうえ、工事では建設業許可の主たる営業所か、管理部門を持つ事務所があることが条件です。「軽微」を除く工事の業種で、この条件を満たす必要があります。

市内業者・準市内業者として登録すると、市が必要と認めたときに、市内の事務所の実態を調査されることがあります。誓約書と同意書の提出が必要で、市外業者は出さなくてよいとされています。

主観評価項目の登録も、市内業者または準市内業者が対象です。市内に本社も事業所・営業所もない会社は、登録申請ができません。

経審の結果通知書の扱い

工事の業種を希望するときは、「軽微」を除き、有効期間内の経営規模等評価結果通知書(総合評定値通知書)の提出が必須です。

通知書に関する市の定め(申請書等作成要領から)
項目市の定め
有効とみなす期間通知書右上の審査基準日から1年7か月。電子申請の期間を含む通知書を出す
通知書の差し替え継続申請の期間が終わった後の2026年10月3日以降は、提出済みの通知書を差し替えられない
登録後に新しい経審を取ったとき現在登録中の業種は、令和9・10年度の間、経審点を変更できない
グループ経審許可の代表会社であることが必要。数値等認定書の写しも出す
業種「軽微」「軽微」を選ぶと、工事の他の業種は選べない

登録後に経審点を変えられないため、申請の時点で、有効期間内でいちばん点数の高い通知書を出すかどうかが決まります。通知書の読み方は経審の結果通知書の見方、有効期間の数え方は経審の有効期間と逆算で説明しています。

市は、原則として建設業退職金共済制度への加入を、一般競争入札の参加資格にしています。指名競争入札でも、指名の基準で考慮します。加入していなくても登録はできますが、入札に参加できない場合があります。

総合点と格付の点数

市の名簿では、格付の点数は「経審点+発注者別評価点=合計点」です。名簿の点数も、この総合点を指します。

令和7・8年度の業種別の格付(業種別・格付一覧から)
業種ABCD
土木940点以上795点以上705点以上705点未満
下水管きょ940点以上660点以上550点以上550点未満
舗装860点以上750点以上750点未満なし
建築980点以上800点以上640点以上640点未満
電気910点以上780点以上780点未満なし
空調・衛生900点以上790点以上790点未満なし
水道施設840点以上620点以上620点未満なし

この7業種以外は、格付の設定がありません。この表は令和7・8年度のものです。令和9・10年度の格付の点数は、確認できた資料に出ていません。

発注者別評価点は、市内業者と準市内業者だけが対象なので、市外業者の総合点には加わりません。評価項目の例は、障害者の雇用状況、災害協定、防災協力事業所の届出です。項目の一覧と点数は、市の「主観評価項目の登録申請について」の資料で確かめます。この記事では、その資料の本文を確認できていません。

P点と入札ランクの一般的な関係はP点と入札ランクの関係で説明しています。入札ランク目安ツールは目安であり、川崎市の格付を決めるものではありません。

令和9年度から変わる発注標準金額

市は、令和8年5月1日に等級区分と発注標準金額の見直しを公表しました。令和9年度に契約する案件から適用します。令和8年度の契約案件は、現行のままです。

発注標準金額の見直し(令和8年5月1日の公表資料から)
業種等級現在見直し後
土木工事A7,000万円以上1億円以上
B2,500万円以上7,000万円未満3,500万円以上1億円未満
C1,200万円以上2,500万円未満1,700万円以上3,500万円未満
D1,200万円未満1,700万円未満
建築工事A3億5,000万円以上4億2,000万円以上
B8,000万円以上3億5,000万円未満1億円以上4億2,000万円未満
C1,500万円以上8,000万円未満2,000万円以上1億円未満
D1,500万円未満2,000万円未満
電気工事A6,000万円以上8,000万円以上
B1,800万円以上6,000万円未満2,500万円以上8,000万円未満
C1,800万円未満2,500万円未満

下水管きょ、舗装、空調衛生の工事も、同じ資料で引き上げられています。水道施設工事は、3等級(A・B・C)から4等級(A・B・C・D)に変わります。金額は、格付の点数ではなく、等級ごとに発注する工事の目安です。点数の境目が変わるかどうかは、この資料に書かれていません。

申請の日程と資格の期間

令和9・10年度の申請(申請書等作成要領から)
区分期間
継続申請(令和7・8年度に登録がある者、または新規)2026年9月1日〜10月2日(申請・書類提出とも。終了済み)
随時申請(月ごとの新規申請)2027年4月〜2028年8月の毎月15日が締切。翌月1日付で登録

継続申請の有効期間は、2027年4月1日から2029年3月31日までです。市は、随時申請が2027年4月1日から始まり、登録は5月1日からになるため、継続申請をしないと令和9年度の4月当初の契約の入札に参加できないと注意しています。ただし、WTO案件は除かれます。

登録できる業種は、工事・委託・物品のそれぞれ6業種までです。有効期間中に一度削除した業種は、期間中に復活できません。資格審査で名簿に載っても、指名があるとは限りません。

この記事で確認できなかった点

  • 令和9・10年度の格付の点数の境目(確認できた資料にない)。
  • 主観評価項目の一覧と点数(「主観評価項目の登録申請について」の資料)。
  • 水道施設工事の見直し後の金額。公表資料の表の読み取りが確実でないため、載せていません。
  • 令和9年度の入札で、一般競争入札に付く案件ごとの地域要件。

確認した一次資料

この記事は、川崎市の公開資料を整理したものです。申請の可否や個別の判断は、市の最新の案内と審査結果が優先されます。

まとめ

  1. 格付の点数は、経審点に発注者別評価点を足した総合点。評価点は市内・準市内業者だけが対象。
  2. 準市内業者は、支店が市内にある事業者。市内業者は、本店が市内にある事業者。
  3. 経審の通知書は、継続申請の期間後は差し替えられず、登録後の経審点の変更もできない。
  4. 等級ごとの発注標準金額は、令和9年度の契約案件から引き上げ。土木工事のAは1億円以上。

よくある質問

川崎市の入札参加資格で、市内業者と準市内業者はどう違いますか?
市内業者は本店が川崎市内にある事業者、準市内業者は支店が川崎市内にある事業者です。どちらも市内の事務所の実態調査に関する誓約書と同意書を出す必要があります。
川崎市の格付に、経審のどの点数を使いますか?
格付の点数は、経審点に発注者別評価点を足した総合点です。発注者別評価点は、市内業者と準市内業者として登録した会社だけが対象です。
川崎市に出した経営規模等評価結果通知書は差し替えられますか?
令和9・10年度の継続申請では、申請期間が終わった2026年10月3日以降、提出済みの通知書の差し替えは受け付けられません。登録後に新しい経審を取っても、登録中の業種の経審点は変更できません。
川崎市の令和7・8年度の土木の格付は、何点からですか?
業種別・格付一覧では、土木のAが940点以上、Bが795点以上、Cが705点以上です。点数は経審点に発注者別評価点を足した合計点です。
川崎市の令和9・10年度の資格は、いつから使えますか?
継続申請で登録された資格の有効期間は、2027年4月1日から2029年3月31日までです。継続申請は2026年10月2日に終わっており、その後は毎月15日締切の随時申請になります。

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