「経審のP点を上げれば入札のランクも上がる」と思われがちですが、実際は違います。国が発注する工事では、P点(経営事項評価点数)に加えて、過去の工事実績(技術評価点数)を合算した「総合点数」で等級が決まります。この記事では、その仕組みと実際の等級区分表を一次資料にもとづいて解説します。
総合点数の仕組み:P点+技術評価点数
国土交通省地方整備局等の直轄工事における入札参加資格の等級は、「総合点数」の多寡で決まります。総合点数の算定式は次のとおりです。
経営事項評価点数は「0.25X1+0.15X2+0.20Y+0.25Z+0.15W」という、経審のP点と同じ算式で求めます。ただし地方整備局は22の工事種別区分、経審のP点は29の建設工事の種類区分と、区分の粒度が異なるため、両者の値に差が生じる場合があります。
技術評価点数は、審査基準日の前日までの4年間に、各地方整備局等発注工事で完成した工事の工事成績等にもとづいて算定されます。つまり、その地方整備局での受注実績がない新規参入企業は、技術評価点数が0点になる可能性があります。
6工種の等級区分表(関東地方整備局)
関東地方整備局の令和7・8年度の等級区分別総合点数は、工種ごとに以下のとおりです。等級区分が設けられているのはこの6工種のみで、それ以外の工種・業種には等級区分がありません。
| 工種 | A等級 | B等級 | C等級 | D等級 |
|---|---|---|---|---|
| 一般土木工事 | 3,040点以上 | 2,630〜3,040点未満 | 1,660〜2,630点未満 | 1,660点未満 |
| アスファルト舗装工事 | 2,450点以上 | 1,730〜2,450点未満 | 1,730点未満 | - |
| 造園工事 | 1,100点以上 | 1,100点未満 | - | - |
| 建築工事 | 2,950点以上 | 2,180〜2,950点未満 | 1,550〜2,180点未満 | 1,550点未満 |
| 電気設備工事 | 2,360点以上 | 1,560〜2,360点未満 | 1,560点未満 | - |
| 暖冷房衛生設備工事 | 2,210点以上 | 1,140〜2,210点未満 | 1,140点未満 | - |
出典: 関東地方整備局「令和7・8年度一般競争(指名競争)参加資格における等級区分別総合点数」。この表の点数は総合点数(経営事項評価点数+技術評価点数)であり、P点単独の基準ではない点に注意してください。
技術評価点数0点の場合の注意点
一般土木工事・アスファルト舗装工事・造園工事の3工種には、重要な例外規定があります。
つまり、P点(経営事項評価点数)だけが高くても、その地方整備局での工事実績がなければ、一般土木・舗装・造園の3工種では自動的に最下位等級からのスタートになります。新規に地方整備局の入札に参加する場合は、この点を踏まえたスケジュール(まず小規模工事で実績を積む等)を考える必要があります。
まとめ
- 入札参加資格の等級は、P点(経営事項評価点数)と技術評価点数(工事実績)を合算した総合点数で決まる。
- 等級区分があるのは一般土木・アスファルト舗装・造園・建築・電気設備・暖冷房衛生設備の6工種のみ。
- 一般土木・舗装・造園の3工種は、技術評価点数0点なら区分表に関係なく最下位等級になる。
- 本サイトの入札参加資格ランクの目安計算では、P点から「技術評価点数を考慮しない下限の等級」を確認できる。
P点の計算方法は経審P点の計算方法、点数を上げる考え方は経審の点数を上げる方法を参照してください。