受審後の実務

さいたま市の工事の入札参加資格と経審の結果の使い方|資格審査数値・地域加算・等級(令和9・10年度)

さいたま市の工事の入札参加資格で、経審の総合評定値が資格審査数値と等級にどう使われるか、市内の主たる営業所に付く地域加算、申請の日程を、市の告示から整理します。

さいたま市 令和9・10年度 建設工事の競争入札参加資格
編集:建設経営ラボ編集部(合同会社フューチャープロンプト) / 運営方針・出典

さいたま市の資格審査数値は、経審の総合評定値に、市が決めた発注者別評価点を足した数値です。市内に建設業法の主たる営業所がある会社には、地域加算の20点が付きます。

この記事は、令和9・10年度の資格審査の告示と、現在の資格の等級に関する告示(令和7・8年度)を原文で確認し、経審に関わる部分を整理します。確認できなかった点は、最後の節にまとめています。

市内・準市内の区分は資格の告示にあるか

令和9・10年度の資格審査の告示には、「準市内」という区分は出てきません。市の告示が地域で分けているのは、市内に建設業法の主たる営業所を有する者かどうかです。

地域に関する告示の定め(令和9・10年度の告示から)
項目告示の定め
地域加算さいたま市内に建設業法に基づく主たる営業所を有する者に20点
市内の主たる営業所だけに付く点災害協定等に基づく活動実績、女性技術者または若手技術者の雇用、CPDS・CPDの取組み状況、障害者雇用、子育て支援、女性の活躍推進、消防団協力事業所、協力雇用主
営業所の数え方建設工事の「主たる営業所」は、建設業許可に係る主たる営業所
地域加算は、本店の所在地ではなく、建設業許可に係る主たる営業所が市内にあるかで決まります。市内に支店だけがある会社への加算は、告示の表には見当たりません。

発注の入札公告では、さいたま市内に本店を有することや、建設事務所の所管区域内に本店があることを条件にする案件があります。こうした案件ごとの地域要件は、資格審査の告示とは別に、公告ごとに確かめます。

経審の結果通知書の扱い

告示は、経営事項審査を受けていないときは、その業種の競争入札に参加できないと定めています。建設業許可を受けていないときも同じです。

通知書に関する告示の定め
項目告示の定め
資格審査基準日申請時に有効な経営事項審査の審査基準日。複数あるときは、審査基準日が直近のもの
資格審査数値に使う総合評定値資格審査基準日の経営事項審査の総合評定値
業種を追加して申請するとき追加業種は、その申請日に有効な総合評定値と発注者別評価点で計算。すでに名簿にある業種の数値は変えない
経常JV経常建設共同企業体として資格審査を受けることはできない

基準日が「申請時に有効なもの」なので、申請の直前に新しい通知書を取ったかどうかで、使われる総合評定値が変わります。通知書の読み方は経審の結果通知書の見方、有効期間の数え方は経審の有効期間と逆算で説明しています。

資格審査数値の組み立て

建設工事の資格審査数値は、次の式です。

  • 資格審査数値=経営事項審査の総合評定値+発注者別評価点
  • 発注者別評価点の合計が0点を下回るときは、0点として扱います。
発注者別評価点の主な項目(令和9・10年度の告示から)
項目点数対象
地域加算20点市内に主たる営業所を有する者
工事成績(令和7年1月1日〜令和8年12月31日の市発注工事の平均点)82点以上30点、79点以上82点未満20点、76点以上79点未満10点、65点以上76点未満0点、65点未満-20点実績がある者。実績がなければ0点
工事成績が65点未満の案件1案件につき-5点該当する者
優秀建設工事業者表彰(令和7・8年度)1案件につき20点受賞者
入札参加停止(令和7年1月1日〜令和8年12月31日)1月につき-5点該当する者
災害協定等に基づく活動実績10点市内に主たる営業所を有する者
ISO9001の認証10点取得している者
女性技術者または若手技術者(申請日に35歳未満)の常勤10点市内に主たる営業所を有する者

表は主な項目です。災害時の復旧協力協定を結ぶ団体への加盟、CPDS・CPDの単位数、障害者雇用などにも点数があります。全項目は、告示の別表2で確かめてください。

地域加算の20点は、総合評定値が同じ会社の間では、市内の主たる営業所の有無で差がつくことを意味します。市発注工事の成績が良ければ最大30点、悪ければ-20点なので、市の工事の経験がある会社ほど、この項目で差が出ます。P点と入札ランクの一般的な関係はP点と入札ランクの関係、全国の資格の違いは経審と入札参加資格の違いで説明しています。入札ランク目安ツールは目安であり、さいたま市の等級を決めるものではありません。

等級の区分

等級を区分する業種は、土木工事業、建築工事業、とび・土工工事業、電気工事業、管工事業、舗装工事業、造園工事業の7つで、他の業種は等級を区分しません。土木工事業と建築工事業はS・A・B・Cの4級、他の5業種はA・B・Cの3級です。

令和9・10年度の等級の点数の境目は、まだ公開されていません。告示は、各等級の数値区分と技術者数を、資格審査が終わってから、名簿に載る者のバランスなどを見て決めると定めています。

参考として、現在の資格(令和7・8年度)の基準を示します。令和9・10年度に同じ数値になるとは限りません。

令和7・8年度の等級基準(建設工事の等級に関する告示から)
業種等級資格審査数値1級相当技術者数
土木工事業S1,000点以上10人以上
A800点以上5人以上
B700点以上2人以上
建築工事業S1,000点以上10人以上
A800点以上3人以上
B700点以上1人以上
とび・土工、電気、舗装A / B820点以上 / 710点以上Aは3人以上、Bは要件なし
管工事業A / B820点以上 / 710点以上Aは3人以上、Bは1人以上
造園工事業A / B750点以上 / 600点以上Aは1人以上、Bは要件なし

どの業種も、上の基準に当たらないときが最下位の等級(C)です。1級相当技術者数は、資格審査基準日の経営事項審査の総合評定値通知書で、技術職員数の一級欄に記載された人数です。点数だけでなく、通知書の技術職員数も等級に影響します。

申請の日程と資格の期間

令和9・10年度の建設工事の申請(告示と市の案内ページから)
区分受付期間(各日8時30分〜23時)
新規申請(埼玉県電子入札共同システムに登録がない者)2026年8月17日〜9月4日
更新申請(建設工事のみ)2026年9月7日〜11月13日
更新申請(設計・調査・測量や土木施設維持管理を同時に申請)2026年9月7日〜11月6日

申請は、共同受付窓口である埼玉県への電子申請です。資格の有効期間は、2027年4月1日から2029年3月31日までです。現在の令和7・8年度の資格は、2027年3月31日まで有効と、名簿のページに書かれています。

申請できる業種は、主たる営業所と代理人を置く営業所を合わせて5つまでです。有効期間内は、一度審査を受けた業種を別の業種へ変えること、同じ業種を再度申請することもできません。

この記事で確認できなかった点

  • 令和9・10年度の等級ごとの点数の境目と技術者数(資格審査後に決まるため未公開)。
  • 発注者別評価点のうち、災害時の復旧協力協定の締結に付く点数など、この記事の表に載せていない項目。
  • 案件ごとの入札公告にある地域要件の全体像。
  • 令和10年度に行う、資格の更新手続きの日程。

確認した一次資料

この記事は、さいたま市の告示を整理したものです。申請の可否や個別の判断は、市の最新の案内と審査結果が優先されます。

まとめ

  1. 資格審査数値は、申請時に有効な経審の総合評定値に、発注者別評価点を足した数値。
  2. 市内に建設業許可の主たる営業所がある会社には、地域加算20点など市内限定の加点がある。告示に「準市内」の区分はない。
  3. 令和9・10年度の等級の点数は、資格審査の後に決まる。参考値は令和7・8年度の告示で確かめる。
  4. 建設工事の更新申請は2026年11月13日まで。資格は2027年4月1日から2年間。

よくある質問

さいたま市の入札参加資格に、市内業者と準市内業者の区分はありますか?
令和9・10年度の資格審査の告示に、準市内という区分は出てきません。地域で分けているのは、市内に建設業法の主たる営業所を有する者かどうかで、該当する者には地域加算20点などが付きます。
さいたま市の資格審査数値は、どう計算しますか?
資格審査基準日の経営事項審査の総合評定値に、告示の別表2が定める発注者別評価点を足した数値です。発注者別評価点の合計が0点を下回るときは0点として扱います。
さいたま市の資格審査で、経審の審査基準日はいつになりますか?
申請時に有効な経営事項審査の審査基準日です。複数あるときは、審査基準日が直近のものを使います。
さいたま市の令和9・10年度の等級は、何点からですか?
告示は、各等級の数値区分と技術者数を資格審査の終了後に決めると定めており、点数の境目はまだ公開されていません。現在の令和7・8年度の基準は、建設工事の等級に関する告示で確かめられます。
さいたま市の令和9・10年度の建設工事の更新申請は、いつまでですか?
建設工事のみを申請する更新申請は、2026年9月7日から11月13日までです。資格の有効期間は、2027年4月1日から2029年3月31日までです。

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