受審後の実務

名古屋市の工事の入札参加資格と経審の結果の使い方|等級区分・申請書類・有効期間(令和9・10年度)

名古屋市の公示から、経審の総合評定値がどの場面で使われるか、等級区分の金額、受付期間と資格の有効期間を整理します。

名古屋市「競争入札参加者の資格に関する公示」
編集:建設経営ラボ編集部(合同会社フューチャープロンプト) / 運営方針・出典

名古屋市の工事の入札に参加するには、経審(経営事項審査)を受けたうえで、名古屋市の電子調達システムから資格審査を申請します。経審の総合評定値(P点)は、市が工種ごとに定める等級区分の認定に使われます。

この記事は、名古屋市が令和8年9月2日に公示した令和9・10年度の「競争入札参加者の資格に関する公示」を原文で確認し、工事の請負に関わる部分だけを整理します。国の機関の一元受付についてはインターネット一元受付とは、名簿の見方は有資格業者名簿の見方で説明しています。

工事の請負で求められる許可と経審

公示は、工事の請負に参加する者に、契約を行おうとする営業所での建設業許可と、総合評定値の通知を受けた経営事項審査を求めています。申請できる業種は、一般土木工事、下水道工事、建築工事、電気工事、管工事、舗装工事など、公示に40業種が並んでいます。

市の業種と建設業の許可業種は1対1ではありません。公示の別表第1が、業種ごとに許可と経審を受けるべき建設業を定めています。

別表第1の対応(一部)
名古屋市の業種許可及び経審を受けるべき建設業
一般土木工事・軌道工事土木工事業
下水道工事・水道工事・配水管布設工事土木工事業、水道施設工事業
建築工事建築工事業
屋外照明工事電気工事業
特殊電気工事電気工事業、電気通信工事業
機械設備工事機械器具設置工事業、水道施設工事業

右欄に複数の建設業が並ぶ業種は、いずれか1種類の許可と経審があれば足ります。配水管布設工事は、さらに名古屋市上下水道局の配水管施工士の登録を受けた人を置く必要があります。

建設業許可と経審がない会社は、軽微な建設工事だけを請け負う場合に限って申請できます。この場合は、建設業法施行令の金額の範囲内で資格が認定され、経審の総合評定値は0点とみなされます。

等級区分は発注予定金額で決まる

公示の別表第2は、10の区分(電気工事と管工事は1区分)で、経審の総合評定値により等級を認定し、その等級を発注予定金額に対応させています。等級ごとの金額は次のとおりです。

別表第2の等級区分と発注予定金額(一部の業種)
業種ABCD
一般土木工事3億6,000万円以上9,000万円以上3億6,000万円未満2,500万円以上9,000万円未満2,500万円未満
下水道工事・水道工事3億円以上9,000万円以上3億円未満4,000万円以上9,000万円未満4,000万円未満
建築工事6億円以上1億円以上6億円未満2,000万円以上1億円未満2,000万円未満
電気工事・管工事1億円以上1,500万円以上1億円未満1,500万円未満設定なし
舗装工事6,000万円以上3,000万円以上6,000万円未満3,000万円未満設定なし

配水管布設工事、屋外照明工事、塗装工事、造園工事も別表第2に等級があります。別表第2に載らない業種は、業種ごとに区分して認定されます。

公示には、総合評定値が何点以上ならA、という点数の境目は書かれていません。この記事も、点数の境目は載せません。自社の等級は、申請後に電子調達システム上で通知される結果で確かめます。

発注予定金額と等級の対応は、災害など緊急のとき、契約の性質上これによりがたいときに、市が外れて参加させることがあると公示に書かれています。

経審の結果通知書は申請時に添付し、総合評定値を使う

提出書類のうち、工事の請負では「経営事項審査結果の通知書」が必要です。経審を受けていない人は対象外です。そのほか、履歴事項全部証明書、納税証明書、印鑑証明書、使用印鑑届、建設業許可申請における営業所の一覧表が並びます。

名古屋市の令和7・8年度の申請の手引は、工事請負区分の認定点数を、申請時に添付した経審結果通知書の総合評定値(P)と説明しています。通知書は申請時点で最新のものを添付します。

同じ手引は、業種に対応する建設業の許可が2種類ある場合の扱いも例で示しています。たとえば下水道工事は、土木または水道のどちらかの許可と経審があればよく、両方ある場合は総合評定値が高いほうが使われます。

経審の総合評定値の見方は経審の結果通知書の見方、入札ランクとの関係はP点と入札ランクの関係で説明しています。入札ランクの目安は入札ランク目安ツールで確かめられますが、名古屋市の等級を決めるものではありません。

受付期間と資格の有効期間

令和9・10年度の申請は、集中受付と随時受付に分かれます。受付時間はどちらも午前8時から午後8時までです。

令和9・10年度の受付期間(名古屋市の休日を除く)
受付区分受付期間
集中受付令和8年11月16日から12月28日まで
随時受付令和9年1月4日から令和11年2月15日まで

資格の有効期間は、申請受付日(入力と送信がすべて完了した日)で変わります。終わりはどれも令和11年3月31日です。

申請受付日と有効期間の始まり
申請受付日有効期間の始まり
令和8年11月16日から12月28日令和9年4月1日
令和9年1月4日から3月15日令和9年4月5日
令和9年3月16日以降で、毎月1日から15日申請受付日の翌月1日
令和9年3月16日以降で、16日から月末申請受付日の翌々月1日

審査の結果は、書面ではなく申請に使った電子調達システムのウェブサイト上で通知されます。一度認定を受けた業種は、会社更生・民事再生の開始決定や合併・会社分割などの例外を除いて、再度の審査は受けられません。

更新を希望する場合は、令和10年9月頃に公示が予定されている令和11・12年度の資格審査に申請します。

経常建設共同企業体は名古屋市内に本店が必要

公示で「名古屋市内」が条件として出てくるのは、経常建設共同企業体の構成員です。各構成員が名古屋市内に本店を有していること、構成員が中小企業者であること、構成員数が2または3者(条件つきで5者まで)であること、構成員の等級が同じか直近2等級までであることが定められています。単体で申請する会社に、市内・市外で等級や申請方法を分ける定めは、この公示にはありません。

この記事で確認できなかった点

  • 総合評定値の何点が各等級の境目になるか(公示には金額の区分だけがあります)。
  • 個々の入札での、参加できる等級の幅。入札ごとの公告で確かめます。

確認した一次資料

この記事は、名古屋市の公示と手引を整理したものです。手引は令和7・8年度版を確認しており、令和9・10年度版は未確認です。申請の可否や個別の判断は、市の最新の案内と審査結果が優先されます。

まとめ

  1. 工事の請負は、建設業許可と経審の総合評定値の通知が必要。軽微な工事だけなら、許可と経審なしでも申請できる(総合評定値は0点扱い)。
  2. 等級は10区分で、発注予定金額に対応する。一般土木工事のAは3億6,000万円以上。
  3. 申請時に最新の経審結果通知書を添付し、その総合評定値(P)で認定される。
  4. 令和9・10年度の集中受付は令和8年11月16日から12月28日。有効期間は令和11年3月31日まで。
  5. 市内本店が条件になるのは、経常建設共同企業体の構成員。

よくある質問

名古屋市の工事の入札参加資格に、経審は必要ですか?
必要です。公示は、工事の請負に、契約を行う営業所での建設業許可と、総合評定値の通知を受けた経営事項審査を求めています。ただし、軽微な建設工事だけを請け負う場合は、許可と経審なしで申請できます。この場合、経審の総合評定値は0点とみなされます。
名古屋市の等級区分は、何で決まりますか?
経審の総合評定値により、業種ごとに、発注予定金額に対応する等級(A〜D)へ区分して認定されます。たとえば一般土木工事のAは発注予定金額3億6,000万円以上です。公示には、総合評定値の点数の境目は書かれていません。
名古屋市に提出する経審の結果通知書は、どれを使いますか?
申請時点で最新の経審結果通知書を添付します。名古屋市の手引は、認定点数に通知書の総合評定値(P)を使うと説明しています。業種に対応する許可が2種類あり両方の経審を受けている場合は、点数の高いほうが適用されます。
名古屋市の令和9・10年度の資格の有効期間はいつまでですか?
どの申請受付日でも、終わりは令和11年3月31日です。集中受付(令和8年11月16日から12月28日)の申請は令和9年4月1日から、令和9年1月4日から3月15日の申請は4月5日から始まります。
名古屋市内に本店がないと、名古屋市の工事の入札参加資格は取れませんか?
公示では、市内本店が条件になるのは経常建設共同企業体の構成員です。単体で申請する会社に、市内と市外で等級や申請方法を分ける定めは、この公示にはありません。

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