経審の評価対象期間の早見表|審査基準日・審査対象年・前審査対象年・直前2年3年
経審は項目ごとに見る期間が違います。国土交通省の通知どおりに、4つの型へ仕分けます。
国土交通省の事務取扱い通知経営事項審査(経審)の各項目は、申請書へ書く数字の期間が同じではありません。審査基準日の時点や基準決算の数字を見る項目、直前2年か3年の平均を見る項目、審査対象年と前審査対象年の平均を見る項目、審査基準日以前の1年や3年の実績を見る項目に分かれます。
この記事は、国土交通省の「経営事項審査の事務取扱いについて」の記載を、項目別に4つの型へ並べた早見表です。数値の点数や算式はここでは扱わず、どの期間の数字を使うかだけを確認します。各行は期間と時点を中心にした要約なので、加点の細かな条件や例外は通知の本文で確認してください。
5つの基準日・基準期間の意味
通知は、期間を表す言葉を次のように定めています。まずこの5つの意味を押さえると、項目別の表が読みやすくなります。
| 用語 | 意味 | 通知の項番 |
|---|---|---|
| 審査基準日 | 申請をする日の直前の事業年度の終了の日 | Ⅰ-1(2) |
| 基準決算 | 審査基準日の決算 | Ⅰ-1(2) |
| 当期事業年度開始日 | 申請をする日の属する事業年度の開始の日 | Ⅰ-1(1)イ |
| 審査対象年 | 当期事業年度開始日の直前1年 | Ⅰ-1(3)イ |
| 前審査対象年 | 審査対象年の開始日の直前1年 | Ⅰ-1(3)ニ |
「直前2年」「直前3年」は、当期事業年度開始日の直前の2年間・3年間です。審査基準日の決算を含む期間なので、審査対象年とは終点がそろいます。
3月決算の会社で日付に置き換える
決算期を変えていない3月決算の会社が、2026年9月に申請する場合を、上の定義へ当てはめると次のとおりです。事業年度が12か月で、特例に当たらない通常の場合の例です。
| 用語 | この例での期間・日付 |
|---|---|
| 審査基準日(基準決算の日) | 2026年3月31日 |
| 当期事業年度開始日 | 2026年4月1日 |
| 審査対象年 | 2025年4月1日〜2026年3月31日 |
| 前審査対象年 | 2024年4月1日〜2025年3月31日 |
| 直前2年 | 2024年4月1日〜2026年3月31日 |
| 直前3年 | 2023年4月1日〜2026年3月31日 |
| 基準決算の直前の審査基準日 | 2025年3月31日 |
型1:直前2年又は直前3年(X1・Z2)
完成工事高を評価するX1と元請完成工事高を評価するZ2は、当期事業年度開始日の直前2年又は直前3年の年間平均です。どちらを使うかは選べますが、業種ごとには選べず、審査対象とするすべての建設業で同じ方法にそろえます。
| 項目 | 見る期間 | 通知の項番 |
|---|---|---|
| X1 完成工事高 | 当期事業年度開始日の直前2年又は直前3年の年間平均 | Ⅰ-1(1)イ |
| Z2 元請完成工事高 | X1で選んだ期間と同じ(直前2年を選べば2年、直前3年を選べば3年) | Ⅰ-2(2)イ |
2年平均と3年平均の選び方は完成工事高は2年平均と3年平均どっちが有利か、X1の範囲はX1(完成工事高)とはで確認できます。
型2:審査対象年・前審査対象年
審査対象年を単位に見る項目は、審査対象年の事業年度、または審査対象年と前審査対象年の平均を使います。X2のうち平均利益額、W6の研究開発、Y点の営業キャッシュフローが、2年分の平均を使う項目です。
| 項目 | 見る期間 | 通知の項番 |
|---|---|---|
| X2 平均利益額 | 審査対象年と前審査対象年の利払前税引前償却前利益の平均(0円に満たなければ0円とみなす) | Ⅰ-1(3)ニ |
| W6 研究開発 | 審査対象年と前審査対象年の研究開発費の平均(会計監査人設置会社において、会計監査人が無限定適正意見又は限定付き適正意見を表明している場合に限る) | Ⅰ-3(6) |
| W4 法令遵守 | 審査対象年に建設業法第28条の指示又は営業停止の命令を受けたことがある場合に減点 | Ⅰ-3(4) |
| W1 新規若年技術職員 | 審査基準日において、若年技術職員のうち審査対象年に新規に技術職員となった人数を見る(新規かどうかは前回の審査基準日の技術職員名簿との比較で確認。前年に経審を受けていない場合などは別の扱い) | Ⅰ-3(1)ニ② |
| Y 営業キャッシュフロー | 審査対象年と前審査対象年の営業キャッシュフローの平均(引当金・売掛債権などの増減は、基準決算と基準決算の直前の審査基準日の差額。前審査対象年分は「基準決算の直前の審査基準日」へ読み替える) | Ⅰ-5(7) |
| Y 純支払利息比率・売上高経常利益率 | 審査対象事業年度(審査対象年の各事業年度)の売上高・純支払利息(支払利息から受取利息配当金を控除した額)・経常利益 | Ⅰ-5(1)(4) |
| Y 総資本売上総利益率 | 売上総利益は審査対象事業年度、総資本は基準決算と基準決算の直前の審査基準日の平均 | Ⅰ-5(3) |
平均利益額の元になる利払前税引前償却前利益は、営業利益に減価償却実施額を加えた額です。Y点の営業キャッシュフローの算式は経審Y点「営業キャッシュフロー」の算定式、法令遵守の対象年は経審W4法令遵守で扱っています。
型3:審査基準日・基準決算の時点
| 項目 | 見る時点 | 通知の項番 |
|---|---|---|
| X2 自己資本額 | 基準決算の純資産合計、又は基準決算と基準決算の直前の審査基準日における自己資本の額の平均(0円に満たなければ0円とみなす) | Ⅰ-1(2) |
| Z1 技術職員数値 | 審査基準日における技術職員数値(対象は、審査基準日以前に6か月を超える恒常的な雇用関係があり、雇用期間を特に限定することなく常時雇用されている者。審査基準日において継続雇用制度の適用を受けている65歳以下の者は、常時雇用とみなす扱いがある) | Ⅰ-2(1) |
| W1 技術者数(CPD単位の除数) | 審査基準日における技術者の数(審査基準日以前に6か月を超える恒常的な雇用関係があり、雇用期間を特に限定することなく常時雇用されている者) | Ⅰ-3(1)ホ① |
| W1 建設業退職金共済 | 審査基準日において特定業種退職金共済契約を締結している場合 | Ⅰ-3(1)イ |
| W1 若年技術職員の継続的な育成 | 審査基準日時点の技術職員名簿に占める若年技術職員の割合が0.15以上の場合 | Ⅰ-3(1)ニ① |
| W1 ワーク・ライフ・バランス | 審査基準日以前に認定を取得し、審査基準日において取消や辞退がない場合 | Ⅰ-3(1)ヘ |
| W1 自主宣言制度 | 審査基準日において宣言を行っている場合 | Ⅰ-3(1)チ |
| W2 営業年数 | 建設業の許可又は登録を受けた時から審査基準日までの期間(年未満は切り捨て)。営業休止の期間は控除する。再生・更生手続の終結決定を受けた場合や、組織変更の登記・建設業の承継・譲受けなどの沿革がある場合は、起算点が変わる扱いがある | Ⅰ-3(2)イ①②③ |
| W2 民事再生法・会社更生法 | 平成23年4月1日以降の申立てに係る再生手続又は更生手続の開始の決定を受け、かつ、審査基準日以前に終結の決定を受けていない場合に減点 | Ⅰ-3(2)ロ |
| W3 防災協定 | 審査基準日において防災協定を締結している場合 | Ⅰ-3(3) |
| W7 建設機械 | 審査基準日において自ら所有、又は審査基準日から1年7か月以上の使用期間が定められたリース契約を締結しており、通知が定める特定自主検査などが行われている場合 | Ⅰ-3(7)ロ |
| W8 ISO・エコアクション21 | 審査基準日において認証又は登録を受けている場合(認証範囲に建設業が含まれない場合と、一部の支店等に限られる場合は加点対象外) | Ⅰ-3(8) |
| Y 負債回転期間 | 基準決算の流動負債と固定負債の合計を、1月当たり売上高(審査対象事業年度の売上高を12で割った額)で割る | Ⅰ-5(2) |
| Y 自己資本対固定資産比率・自己資本比率・利益剰余金 | 基準決算の数字 | Ⅰ-5(5)(6)(8) |
営業年数の数え方は経審の営業年数とは、リース契約の条件を含む建設機械の扱いは経審の建設機械加点、技術職員数値は経審の技術職員数値とはで確認できます。
W1の建設業退職金共済以外の退職一時金・企業年金と法定外労災補償、W5の経理の状況は、通知の本文に期間の明記がないため、この表には載せていません。審査基準日の時点で確認する運用は、各地方整備局の手引きで確認してください。
型4:審査基準日以前の1年間・3年間
W1のうち、人材の育成と就業履歴の蓄積に関する項目は、審査基準日以前の一定期間の実績を見ます。期間は項目によって1年間と3年間に分かれます。
| 項目 | 見る期間 | 通知の項番 |
|---|---|---|
| W1 CPD単位取得数 | 技術者が審査基準日以前1年間に取得したCPD単位 | Ⅰ-3(1)ホ④ |
| W1 技能者数 | 審査基準日以前3年間に建設工事の施工に従事した者で、審査基準日以前に6か月を超える恒常的な雇用関係があり、雇用期間を特に限定することなく常時雇用されている者(施工の管理のみに従事した者の数を除く) | Ⅰ-3(1)ホ② |
| W1 技能レベル向上者数 | 審査基準日以前3年間に受けた評価の区分が、審査基準日の3年前の日以前に受けた最新の評価の区分より1以上上位の者 | Ⅰ-3(1)ホ⑥ |
| W1 控除対象者数 | 技能者のうち、審査基準日の3年前の日以前に能力評価基準で最上位の区分に該当するとされた者 | Ⅰ-3(1)ホ⑦ |
| W1 就業履歴の蓄積(CCUS) | 審査基準日以前1年のうちに発注者から直接請け負った審査対象工事(1件も直接請け負っていない場合は加点対象外) | Ⅰ-3(1)ト |
通知は、知識及び技術又は技能の向上に関する取組全体を「審査対象年又は審査基準日以前3年間における取組の状況」と表現しています。個々の算式は、上の表のとおり項目ごとに1年間又は3年間です。CPD単位と技能レベル向上者数の確認手順は経審のCPD単位と技能レベル向上者数にまとめています。
決算期の変更や合併があるとき
事業年度を変更して審査対象年や前審査対象年に含まれる月数が24か月に満たない場合、組織変更の登記を行った場合、建設業の承継や吸収合併があった場合は、通知に別の算定方法があります。完成工事高(X1)では、建設業の譲受けにも別の算定方法があります。平均利益額と研究開発費の平均も、年間平均完成工事高の要領で算定すると通知に定められています。
該当するときは、この表だけで判断せず、提出先の許可行政庁の案内で確認します。有効期間の数え方は経審の有効期間と逆算スケジュールを参照してください。正式な評点は、登録経営状況分析機関と審査行政庁の審査結果が優先されます。
確認した一次資料
- 国土交通省「経営事項審査の事務取扱いについて」令和8年改正反映版。審査基準日・審査対象年・項目別の期間の定め
まとめ
- 期間の型は4つ。直前2年又は3年(X1・Z2)、審査対象年・前審査対象年(平均利益額・研究開発・営業キャッシュフローなど)、審査基準日・基準決算の時点(自己資本・技術職員・営業年数など)、審査基準日以前の1年間・3年間(CPD・技能レベル向上者・就業履歴)。
- 審査基準日は申請日の直前の事業年度終了日。審査対象年は当期事業年度開始日の直前1年で、通常は基準決算の事業年度にあたる。
- 3月決算の会社が2026年9月に申請する通常の場合、審査対象年は2025年4月1日〜2026年3月31日、直前3年は2023年4月1日〜2026年3月31日。
- 決算期の変更・組織変更・合併などの特例は、通知の別の算定方法に従う。
- 点数がP点にどう効くかは経審P点の計算方法、自社の数字での試算は経審P点シミュレーターで確認できる。
評点表・算式の転記元は一次資料・出典一覧で確認できます。
よくある質問
- 経審の審査基準日とは何ですか?
- 申請をする日の直前の事業年度の終了の日です。決算期を変えていない3月決算の会社が2026年9月に申請する通常の場合は、2026年3月31日が審査基準日になります。
- 審査対象年と前審査対象年の違いは何ですか?
- 審査対象年は当期事業年度開始日の直前1年、前審査対象年は審査対象年の開始日の直前1年です。X2の平均利益額は、この2年分の利払前税引前償却前利益の平均で審査されます。
- 完成工事高は何年分を見ますか?
- 当期事業年度開始日の直前2年又は直前3年の年間平均から選びます。業種ごとに使い分けることはできず、審査対象とするすべての建設業で同じ方法にそろえます。元請完成工事高(Z2)も同じ期間を使います。
- 自己資本額はいつの時点の数字を使いますか?
- 基準決算(審査基準日の決算)の純資産合計、又は基準決算と基準決算の直前の審査基準日における自己資本の額の平均です。どちらの方法でも、額が0円に満たなければ0円とみなして審査されます。
- CPD単位や技能レベル向上者数は何年分を見ますか?
- CPD単位は技術者が審査基準日以前1年間に取得した単位、技能レベル向上者数は審査基準日以前3年間に評価の区分が上がった技能者の数で見ます。項目ごとに期間が違うため、早見表で確認してください。
- 決算期を変更した場合も同じ読み方ですか?
- 同じではありません。事業年度の変更で審査対象年や前審査対象年に含まれる月数が24か月に満たない場合などは、通知に別の算定方法があります。提出先の許可行政庁の案内で確認してください。
公開日: 2026-09-19
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本ツールは事業者ご自身が入力・利用する試算です(申請の代行・作成支援は行っていません)。個別のご相談は承っておりません。正式な評点は登録経営状況分析機関・審査行政庁の審査結果が優先します。数値は概算であり、実際の申請前に専門家へご確認ください。算定方法・出典・免責
