札幌市の工事の入札参加資格と経審の結果の使い方|市内業者の7%加算・等級格付・定時登録の日程(令和9・10年度)
札幌市の工事の等級は、経審の評点を客観点にして、市内業者への加算や工事成績などの主観点を足した総合点で決まります。市の公開資料から、その仕組みと日程を整理します。
札幌市 競争入札参加資格審査等取扱要領の別紙札幌市は、工事の等級を「客観点(経審の評点)+主観点」の総合点で格付けします。建設業許可の主たる営業所が札幌市内にある会社は、客観点の7%が主観点として加算されます。
この記事は、札幌市が公開した令和7・8年度の定時登録の認定予定内容の案内(審査基準を含む)と、令和9・10年度の受付日程などの案内を原文で確認し、工事に関わる部分を整理します。令和9・10年度の基準の詳細は市が追って知らせるとしているため、数値は令和7・8年度のものとして読んでください。国の機関への申請はインターネット一元受付とはで説明しています。
令和9・10年度の受付日程
札幌市の入札参加資格の申請は、「物品・役務」「工事・建設関連サービス・道路維持除雪」「経常共同企業体(工事)」に分かれています。工事は2番目の区分です。一般競争入札では、案件ごとに定める区分の名簿に、中分類の登録があることが参加資格の要件の1つです。指名競争入札では、中分類・小分類、取扱品目に登録がある人の中から選ばれます。
| 申請区分 | 受付期間 |
|---|---|
| 工事・建設関連サービス・道路維持除雪 | 令和8年12月1日から12月28日(土日を除く20日間) |
| 経常共同企業体 | 令和9年3月4日から3月10日(土日を除く5日間) |
市は、詳細は追ってお知らせするとしています。令和8年度の追加登録申請は9月30日で終わっています。
総合点と等級の仕組み
市の案内によると、等級の格付は「経営規模等審査基準(工事)」に基づき、土木・下水道・舗装・造園・建築・電気・管の7工種で行われます。道路維持除雪は点数化されません。総合点は、客観点に主観点を加えた点数で、等級を決める点数です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 客観点 | 経営規模等審査基準の第1項に基づく評点。工種ごとの年間平均完成工事高(X1)、自己資本額・利益額(X2)、経営状況(Y)、元請完成工事高と技術職員数(Z)、社会性等(W)から出す |
| 主観点 | ①市内業者への加算、②障がい者雇用、③参加停止による減点、④工事成績などによる加減点、⑤昇格が難しい場合の調整など |
| 総合点 | 客観点+主観点の合計 |
客観点の式は、0.25×X1+0.15×X2+0.2×Y+0.25×Z+0.15×W(小数点以下四捨五入)です。これは経審のP点と同じ重みで、案内は経営事項審査の評点を使うと説明しています。ただし、市が計算するのは工種別の値です。P点の仕組みはP点と入札ランクの関係で説明しています。
案内の表示例では、土木の行に、客観点792、主観点の計107、総合点899、等級B、前回(令和5・6年度)の等級Bが並びます。この例の社名は伏せ字で、実在の会社の値ではありません。
等級区分表では、土木はA1が1100点以上、A2が900点から1099点、Bが750点から899点、Cが749点以下です。表示例の899点がBになるのは、この区分と合っています。ほかの工種の境目は、案内のPDFの表で確かめてください。
市内業者の7%加算とは
主観的評定点の(1)は、札幌市内に建設業許可における主たる営業所を持つ人の客観点に、100分の7を掛けた点数を加えると定めています。
| 項目 | 計算 |
|---|---|
| 市内業者の加算 | 792 × 7% = 55.44 → 四捨五入で55点 |
表示例の主観点①は55で、この計算と一致します。許可の主たる営業所が市外にある会社は、この加算がありません。市内と市外の区分が等級に効くのは、この項目と、入札ごとの公告で所在地を条件にする場合です。
市の案内には、合併した会社への加算(客観点の15%、条件あり)の取扱いも別紙にあります。合併した当事者のすべてが市内業者であることなどが条件です。
主観点で増減する項目
案内で確認できた、点数が動く主な項目です。
- 工事成績:申請する名簿年度の定時受付の属する年度の前年度から数えて過去5年度の間に完成した、申請工種の設計金額500万円以上の工事の工事成績評点の平均から65を引いた値に応じて、客観点に一定の割合を掛けた点数を加減します。15以上で4.5%の加点、マイナス15以下で4.5%の減点です。
- 参加停止:資格審査の審査基準日の属する月の前月から過去2年間に、札幌市の参加停止措置を実際に受けた月数に、1か月につき10点を掛けて減点します。指名停止と経審の関係も参照してください。
- 札幌SDGs企業登録:令和9・10年度の定時申請では、承認を受けていれば、工事と経常共同企業体の等級格付けの主観的評定点に5点が加算されます。対象は札幌市内に本社や支店などの事業所を持つ法人・個人事業主です。この登録の申請は第6期(令和8年6月15日から8月21日)で終わっています。
- 昇格の調整:新しくA1・A2・Aに格付けられる人のうち、過去5年間の元請工事1件あたりの最高金額が、一般競争入札参加資格のガイドラインで定める下限金額に達しない人は、1つ下の等級になるよう減点されます。
経審の結果通知書のどこを見るか
札幌市が客観点に使うのは、通知書の評点の内訳です。申請の前に、次の4か所を確認します。
- 工種ごとの完成工事高と評点(X1):札幌市は工種別の年間平均完成工事高を、対応する許可の業種を合算して評価します。対応する業種の一覧は案内の別表3にあります。
- 自己資本額・利益額(X2)と経営状況(Y):決算の内容が出る部分です。
- 元請完成工事高と技術職員数(Z):工種ごとの値のうち、最も高い評点が使われます。
- その他の審査項目(W):社会性等の評点です。
通知書の読み方は経審の結果通知書の見方で説明しています。通知書の日付の見方は審査基準日の決め方で説明しています。
この記事で確認できなかった点
- 令和9・10年度の審査基準の詳細。市は詳細を追ってお知らせするとしており、この記事の加点・減点の割合と等級の境目は令和7・8年度の案内に基づきます。
- 申請に使う経営事項審査の審査基準日の下限と、通知書を市に提出する方法。
- 等級ごとの発注標準金額。案内に一覧表がありますが、表の形が崩れて読み取れず、書いていません。
確認した一次資料
- 札幌市「令和7・8年度 定時登録申請(工事・建設関連サービス・道路維持除雪)認定予定内容について(表示内容のご案内)」総合点の内訳、市内業者の加算、工事成績・参加停止の加減点、等級区分表(2026-10-09確認)
- 札幌市「令和9・10年度定時登録申請受付の日程について」工事の受付期間(2026-10-09確認)
- 札幌市「札幌SDGs企業登録の承認による加点について」5点の加算、申請期間(2026-10-09確認)
- 札幌市「入札参加資格情報」申請区分、一般競争入札・指名競争入札での名簿の使われ方(2026-10-09確認)
この記事は、札幌市の公開資料を整理したものです。申請の可否や個別の判断は、市の最新の案内と審査結果が優先されます。
まとめ
- 札幌市の工事の等級は、経審の評点を使った客観点に主観点を足した総合点で決まる。
- 建設業許可の主たる営業所が札幌市内にある会社は、客観点の7%が加算される。
- 工事成績、参加停止、札幌SDGs企業登録(5点)などで、主観点が増減する。
- 令和9・10年度の工事の受付は令和8年12月1日から12月28日の予定。基準の詳細は市の案内を待つ。
よくある質問
- 札幌市の工事の等級は、何で決まりますか?
- 客観点(経審の評点)に主観点を加えた総合点で決まります。市の案内では、土木・下水道・舗装・造園・建築・電気・管の7工種で格付けしています。土木の等級区分表は、A1が1100点以上、A2が900点から1099点、Bが750点から899点、Cが749点以下です(令和7・8年度)。
- 札幌市内に本社がないと、等級で不利になりますか?
- 建設業許可の主たる営業所が札幌市内にある人には、客観点の100分の7が主観点として加算されます。主たる営業所が市外の会社には、この加算がありません。
- 札幌市の令和9・10年度の定時登録は、いつ受け付けますか?
- 市の案内では、工事・建設関連サービス・道路維持除雪が令和8年12月1日から12月28日(土日を除く20日間)、経常共同企業体が令和9年3月4日から3月10日の予定です。詳細は追ってお知らせするとされています。
- 札幌SDGs企業登録で、等級は上がりますか?
- 令和9・10年度の定時申請では、登録の承認を受けていると、工事と経常共同企業体の等級格付けの主観的評定点に5点が加算されます。対象は札幌市内に本社や支店などの事業所を持つ法人・個人事業主です。登録の申請は第6期(令和8年8月21日まで)で終わっています。
- 参加停止を受けると、札幌市の等級に影響しますか?
- 影響します。審査基準日の属する月の前月から過去2年間に、札幌市の参加停止措置を実際に受けた月数に10点を掛けた点数が、減点されます。
公開日: 2026-10-09
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