受審後の実務

石川県金沢市の工事の入札参加資格と経審|市内業者だけに付く主観点・総合審査数値による格付・毎月受付の随時登録

石川県金沢市の建設工事の入札参加資格で、経審の結果がどう使われるかを、市内業者と市外業者の審査事項の違い、主観点の項目と点数、定期申請と随時登録の受付、経審の通知書の毎年の提出、格付けの変更の手続きの順に、市の告示と審査基準から整理します。

金沢市 建設工事の入札参加資格・総合審査数値
編集:建設経営ラボ編集部(合同会社フューチャープロンプト) / 運営方針・出典

金沢市は、経審の総合評定値(客観的事項)に、市内に主たる営業所がある業者だけが受けられる主観点を足した「総合審査数値」で、等級を決めます。名簿は2会計年度ごとに作り、年度の途中でも、随時登録で毎月申請できます。

この記事は、金沢市の「建設工事に係る一般競争入札又は指名競争入札に参加する者に必要な資格等について」(令和6年告示第320号)、主観的事項審査基準、監理課の案内ページを原文で確認し、経審に関わる部分を整理します。資料の確認日は2026年10月11日です。石川県の制度は石川県の入札参加資格と経審で説明しています。

市内業者と市外業者で審査事項が違う

申請ができる者は、建設業法の許可を受け、経営事項審査も受けている者です。そのほか、申請書の提出日までに納期限が来た市税と、提出日の1か月前までに納期限が来た国税を完納していること、雇用保険、健康保険、厚生年金保険の適用事業所の事業主は、被保険者の届出をしていることなどが要件です。

審査の事項は、主たる営業所の場所で分かれます。

主たる営業所の場所ごとの審査事項(告示第3から)
区分審査事項
金沢市内に主たる営業所がある者客観的事項と主観的事項
金沢市外に主たる営業所がある者客観的事項のみ

客観的事項は、建設業法の経営に関する事項の審査項目と審査基準によります。つまり、経審の結果です。主観的事項は、市が別に定める審査基準で決まります。主観点の付与は、市外に主たる営業所を置く業者にはありません。

金沢市の主観点が付くのは、市内に主たる営業所がある業者だけです。

名簿は、市内業者、市外業者、県外業者に分けて公表されています。P点の仕組みは経審のP点の計算の仕組みで説明しています。

主観点の項目と点数

告示は、主観的事項の審査項目として、工事成績評点、指名停止状況、優良建設工事の表彰実績、ISOとエコアクション21の取得、防災協定の締結、除排雪委託契約、次世代育成支援や女性活躍の行動計画の届出、障害者の雇用、消防団協力事業所の認定、協力雇用主の登録、建設キャリアアップシステムの登録などを挙げています。令和7・8年度の審査基準の点数の一部は次のとおりです。

主観点の項目と付与数値の例(主観的事項審査基準から)
項目付与数値
工事成績評点の平均(業種ごと)80点以上は+50点、75点以上80点未満は+30点、73点以上75点未満は+15点、70点以上73点未満は+5点、65点以上70点未満は0点、62点以上65点未満は-20点、60点以上62点未満は-30点、60点未満は-50点
優良建設工事施工業者表彰(業種ごと)受賞ありは+20点
ISO9001の認証取得+10点
ISO14001の認証取得/エコアクション21の登録+10点/+5点(上限+10点)
障害者の雇用(法定雇用率2.5%を超えて常時雇用)+10点
金沢市との防災協定の締結+10点
金沢市との除排雪委託契約の締結+15点

工事成績評点は、金沢市、企業局、市立病院の発注工事で、令和3年4月1日から令和6年12月31日までに竣工検査を受けたものが対象です。工事成績評点と優良建設工事の表彰は業種ごとに加減し、そのほかの項目は申請する全業種に共通です。一覧のほかに、指名停止、次世代育成支援、女性活躍、協力雇用主などの項目があります。全体の点数は、市の審査基準のPDFで確認してください。

定期申請と随時登録の受付

令和7年4月1日からの名簿は、令和7年1月4日から2月28日の定期申請で作られました。入札参加資格の有効期間は2会計年度です。審査基準日は、客観的事項が令和6年10月1日の直前の営業年度の終了の日、主観的事項が令和6年12月31日です。

年度の途中の随時登録は、毎月20日までに到着した申請書を審査し、資格が認められた場合は翌月1日に登録されます。申請は電子申請サービスで、書類原本の郵送は不要です。申請書には、総合評定値通知書、許可通知書または許可証明書、国税の納税証明書、役員の兼務及び資本関係調書、暴力団排除に関する誓約書兼照会承諾書を添付します。市内の業者は、主観的事項に関する調査票も添付します。

随時登録で決定された資格の有効期間は、告示で市長が別に定める期間とされています。告示は、定期申請の期間に出せなかった者でも、市長がやむを得ないと認める場合は、随時申請書を出せると定めています。

経審の通知書の毎年の提出と格付けの変更

市は、公共工事を自治体から直接請け負おうとする建設事業者は、毎年経営事項審査を受けて、総合評定値通知書(写し)を提出することになっていると案内しています。令和8年の案内では、まだ出していない人は、令和8年2月27日までに監理課へ、郵送またはメールで出すこととされ、対象は審査基準日が令和6年10月1日から令和7年9月30日までの分でした。

通知書を出しても、格付け(等級)は自動では変わりません。原則として2年間変わりません。

総合審査数値は、客観的事項の総合評定値Pと、主観的事項の付与数値の合計です。この数値が変わって別の等級になる人が、格付けの変更を希望する場合は、電子申請の内容変更から申請します。令和8年の期限は3月2日でした。提出書類は、内容変更届出書、総合評定値通知書の写し、主観的事項調査票と証明書類(令和7年12月31日現在のもの)、入札参加資格決定通知書の写しです。通知書が切れる時期から逆算して受審日を決める考え方は、経審の有効期間と逆算で説明しています。

入札で等級と総合審査数値が使われる場面

制約付き一般競争入札の実施要綱は、参加の条件として、建設工事の入札参加資格者名簿に登載されていること、指名停止期間中でないことのほか、監理課長が工事ごとに定める基準への適合を挙げています。工事ごとの基準には、入札参加資格の業種、工事契約事務取扱要領に規定する等級または総合審査数値、建設業の許可に係る営業所の所在地、同種工事の元請け施工実績、監理技術者の状況などがあります。

つまり、等級や総合審査数値の基準は、案件ごとの公告で決まります。入札に参加したい工事の公告で、条件を確認してください。等級の見方は経審のP点と入札の等級で説明しています。

この記事で確認できなかった点

  • 等級ごとの総合審査数値の区分。工事契約事務取扱要領に規定されていますが、確認した資料に表がありませんでした。
  • 令和9・10年度の定期申請の期間。確認した資料にありませんでした。
  • 主観的事項審査基準の全項目の点数。この記事では一部を紹介しています。
  • 随時登録で決まった資格の有効期間の具体的な日付。

確認した一次資料

この記事は、金沢市の公式資料を整理したものです。申請の可否や個別の判断は、市の最新の案内と審査結果が優先されます。

まとめ

  1. 市内に主たる営業所がある業者は、客観的事項(経審)と主観的事項で審査され、市外の業者は客観的事項だけで、主観点は付かない。
  2. 主観点には、工事成績評点(+50点から-50点)、優良建設工事の表彰(+20点)、ISO9001(+10点)、除排雪委託契約(+15点)などがある。
  3. 随時登録は、毎月20日までに電子申請すると、翌月1日に登録される。
  4. 経審の通知書は毎年提出するが、等級は自動では変わらず、原則2年間そのまま。変更は申請が必要。

よくある質問

金沢市の入札参加資格で、市外の業者にも主観点は付きますか?
付きません。市内に主たる営業所がある者は客観的事項(経審)と主観的事項、市外に主たる営業所がある者は客観的事項のみが審査されます。
金沢市の主観点は、どんな項目で付きますか?
工事成績評点の平均(80点以上で+50点、60点未満で-50点)、優良建設工事の表彰(+20点)、ISO9001(+10点)、障害者の雇用(+10点)、防災協定(+10点)、除排雪委託契約(+15点)などです。
金沢市の随時登録は、いつ申請できますか?
毎月20日までに到着した申請書を審査し、資格が認められた場合は翌月1日に登録されます。申請は電子申請サービスで、書類原本の郵送は不要です。
金沢市に経審の通知書を出すと、等級は変わりますか?
自動では変わりません。格付け(等級)は原則として2年間変わらず、総合審査数値の変動で別の等級になる人が希望する場合は、電子申請の内容変更から申請します。
金沢市の入札参加資格の有効期間は、どれくらいですか?
2会計年度です。随時登録などで決まった資格の期間は、市長が別に定めます。

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