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民事再生・会社更生の手続を受けた建設業者の入札参加資格(再認定・申請希望通知書・受付方法)

国土交通省の手引きから、再生・更生の開始決定を受けた会社が入札参加資格をどう取り直すかを整理します。経審のY点・営業年数・W2との役割分担も1枚の表で確認できます。

国土交通省の手引き
編集:建設経営ラボ編集部(合同会社フューチャープロンプト) / 運営方針・出典

民事再生法・会社更生法の手続(以下「再生・更生」)を受けた建設業者には、2つの別々の手続が関わります。ひとつは経営事項審査(経審)で、もうひとつは発注機関に入札参加資格を認めてもらう手続です。経審側の減点と審査基準日の特例は別の記事で扱っているので、この記事は、国土交通省の手引きに書かれた入札参加資格側の扱いと、経審との役割分担に絞ります。手引きに書かれていない点は推測せず、問い合わせ先を示します。個別の手続きは、審査行政庁と各発注機関の案内が優先します。

経審と入札参加資格で、手続の影響が出る場所

再生・更生の手続が影響する場所(経審の事務取扱いと国土交通省の手引き)
場所手続の影響詳しい記事
経営状況分析(Y点)決算書の数値から算出する8つの指標で決まり、手続の有無を入れる項目はない経営状況分析(Y点)の8指標
W2の営業年数平成23年4月1日以降の申立てで、開始決定と終結決定の両方を受けた場合は、終結決定を受けた時から起算する営業年数の数え方
W2の「民事再生法又は会社更生法の適用の有無」開始決定を受け、審査基準日以前に終結決定を受けていなければ−60点W2の−60点と審査基準日の特例
国土交通省の入札参加資格開始決定を受け、競争参加資格の再認定を受けていない場合は、インターネット方式で申請できないこの記事

営業年数のリセットと−60点は、どちらも経審の中の話です。入札参加資格の再認定は、そのあとに続く発注機関側の手続なので、経審の点数を直しても資格側の手続は片付きません。

国土交通省の入札参加資格での扱い(再認定)

国土交通省の「建設工事 競争参加資格審査申請書作成の手引き[インターネット編](令和9・10年度版)」は、インターネット方式では申請できない場合の1つに、次を挙げています。

会社更生法・民事再生法に基づく更生・再生手続開始決定を受けた者で、競争参加資格の再認定を受けていない場合。

この「再認定」は、手続の開始決定にともなって資格を認定し直すことを指します。手引きは同じ箇所で、合併等による新設会社、経常建設共同企業体、グループ経審の申請なども、インターネット方式の対象外に並べています。8つの類型は『一元受付を使えない申請の8類型』にまとめています。

つまり、令和9・10年度の定期受付で、再生・更生の開始決定を受けたのに再認定をまだ受けていない会社は、他の会社と同じ画面から申請できません。申請の方法は、次の章のとおり別に確認が必要です。

申請希望通知書と随時受付

令和7・8年度版の手引き(国土交通省地方整備局等)は、更生・再生の開始決定を受け、かつ再認定を受けていない人が申請を希望する場合の手順を、次のように書いています。

  1. 事前に、本店所在地を受付担当部局とする地方整備局へ「再度の一般競争(指名競争)資格審査の申請希望通知書」を提出する。
  2. 詳しい手続きは、本店所在地を受付担当部局とする地方整備局に問い合わせる。

同じ手引きの随時受付の章では、合併・営業譲渡・会社分割・民事再生・会社更生にともなう再申請等も随時受付で受け付けているので、地方整備局の窓口に確認するよう案内しています。提出先は、道路・河川・官庁営繕・公園関係なら総務部契約課、港湾空港関係なら総務部経理調達課で、両方の登録を希望するときは両方へ出します。

確認できなかった点もあります。令和9・10年度版のインターネット編には「申請希望通知書」の語が見当たりませんでした。令和9・10年度の再申請に同じ書式が使われるかどうかは、この記事では断定せず、本店所在地の地方整備局に確認する扱いにします。随時受付の仕組みは『入札参加資格の随時受付』で確認できます。

すでに認定を受けている資格の扱い

令和9・10年度版の手引きは、資格審査を有効期間内に一度認定を受けると、次のような事由に当たらない限り有効だと説明しています。

  • 欠格要件に当たる
  • 合併・譲渡
  • 会社更生手続開始決定・民事再生手続開始決定等にともなう資格の再認定

令和9・10年度の資格の有効期間は令和11年3月31日までです。再生・更生の開始決定は、認定済みの資格を再認定に切り替える事由として、合併や譲渡と並んで挙げられています。開始決定のあとに資格が自動的に続くのか、再認定の申請が必要なのかという個別の扱いは、手引きの文面からは読み取れないため、機関に確認します。

資格を自分から取り下げた場合は、同じ有効期間内はその資格について再度の申請ができません。手続のなかで資格を取り下げるかどうかは、再申請の可否に直結するので、先に機関へ確認してから決めます。

提出書類で詰まりやすい納税証明書

入札参加資格の申請には、未納の税額がないことの証明書(国税通則法施行規則の別紙第9号書式その3の2・その3の3・その3のいずれか)が必要です。手続の最中は、この証明書が取れない場合があります。

令和9・10年度版の手引きは、納付すべき租税が更生債権または再生債権になり、更生計画または再生計画が認可されていないため納付ができず、証明書の写しを出せない場合は、租税の納付ができないことを示す書類を出すよう定めています。納税額が係争中の場合も、係争部分以外の租税については証明書の写しを出すことが前提です。どの書類が「納付ができないことを示す書類」に当たるかは、手引きの文面には例示がないため、提出先に確認が必要です。

同じ入札に出られない関係での例外

入札では、親子関係などの資本関係や、役員の兼任(人的関係)がある2社は、同じ入札に参加できません。手引きは、役員の兼任による制限について、一方が再生手続の存続中の会社等、または更生会社である場合を除くとしています。

ただし、資本関係は同じ扱いではありません。業態調書には、再生手続中の会社等や更生会社でも、有効な支配従属関係が存在しないと認められるもの以外は、入力の対象になります。2つの制限の違いは『同一入札に参加できない資本関係・人的関係』で表にしています。

確認順

  1. 手続の状況を、開始決定の日、認可の日、終結決定の日の3つで整理する(経審のW2の判定と、資格の再認定の両方に使う)。
  2. 経審側は、営業年数の起算と−60点、審査基準日の特例(処理の区分14)を確認する。
  3. 入札参加資格を持つ機関ごとに、再認定の要否と、申請の方法(インターネット方式か、別の方法か)を確認する。
  4. 国土交通省の資格なら、本店所在地を受付担当部局とする地方整備局に、通知書の提出と随時受付の要否を問い合わせる。
  5. 納税証明書が取れないときは、納付ができないことを示す書類の内容を、提出先に確認する。
  6. 資格を取り下げる前に、同じ有効期間内は再申請できないことを踏まえる。

確認した一次資料

まとめ

  1. Y点は決算書の指標で決まり、手続の有無は入らない。再生・更生の影響が出る経審の項目は、営業年数の起算とW2の−60点。
  2. 国土交通省の令和9・10年度の定期受付では、開始決定を受けて再認定をまだ受けていない会社は、インターネット方式で申請できない。
  3. 令和7・8年度版の手引きは、事前に本店所在地の地方整備局へ「申請希望通知書」を出すよう定めている。令和9・10年度に同じ書式かは確認が要る。
  4. 認定済みの資格は、開始決定にともなう再認定に当たらない限り有効と書かれている。個別の扱いと、納税証明書が取れないときの書類は、機関に確認する。

評点表・算式の転記元は一次資料・出典一覧で確認できます。

よくある質問

民事再生や会社更生の開始決定を受けると、国土交通省の入札参加資格はどうなりますか?
令和9・10年度の手引き(インターネット編)は、更生・再生手続開始決定を受けて競争参加資格の再認定を受けていない場合を、インターネット方式で申請できない場合に挙げています。認定済みの資格も、開始決定にともなう再認定に当たらない限り有効と書かれています。
再生・更生の会社が申請するとき、事前に必要な手続はありますか?
令和7・8年度の手引きは、本店所在地を受付担当部局とする地方整備局へ「再度の一般競争(指名競争)資格審査の申請希望通知書」を事前に出すよう求めています。令和9・10年度に同じ書式が使われるかは確認できないため、地方整備局に確認が必要です。
納税証明書が取れないときはどうしますか?
納付すべき租税が更生債権または再生債権になり、計画が認可されていないため納付ができない場合は、租税の納付ができないことを示す書類を出すと手引きに書かれています。具体的な書類は提出先に確認します。
経審のY点は再生・更生の手続で変わりますか?
Y点は決算書の数値から算出する8つの指標で決まり、手続の有無を入れる項目はありません。経審で手続の影響が出るのは、営業年数の起算し直しとW2の−60点です。

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