受審後の実務

宇部市の格付等級と経審(土木一式のA等級は総合点数770点以上など、年間平均完成工事高も条件)

宇部市の建設工事の入札参加資格について、経審の客観点数に発注者点数を足した総合点数、土木一式・建築一式の等級の基準(総合点数と年間平均完成工事高)、工事成績や技術職員の評点、市外に主たる営業所がある業者の扱い、定期審査と追加審査の受付期間、有効期間を、市の公表資料から整理します。

宇部市「建設工事等請負業者選定要綱」・「等級別格付基準」
編集:建設経営ラボ編集部(合同会社フューチャープロンプト) / 運営方針・出典

宇部市(水道局を含む)が発注する建設工事の入札に参加するには、市の入札参加資格審査を受けます。市内に主たる営業所を持つ業者は、経営事項審査(経審)の客観点数に発注者点数を足した「総合点数」で順位を付けられ、土木一式と建築一式はA〜Dの等級に格付されます。

この記事は、市の契約担当課が公表している選定要綱・別表・等級別格付基準・申請ページを原文で確認して整理します。県の制度は山口県の入札参加資格と経審、県内の別の市は山口市の格付等級と経審・周南市の等級区分と経審・下関市の等級格付と経審で説明しています。

入札参加の条件と経審の位置づけ

選定要綱は、建設業者が資格審査を受けるには、建設業法第27条の23第1項の経営事項審査(経審)を受けていることを求めています。納付すべき税の滞納がある者や、申請書に重要な虚偽の記載をした者などは、参加できない者に挙げられています。

市外に主たる営業所がある業者は、客観点数がそのまま総合点数になり、等級の格付は市内業者が対象です。要綱は、等級への格付を市内に主たる事業所または事務所を持つ業者について行うと定め、市内業者以外は客観点数をもって総合点数とすると書いています。
  • 順位は工事種別ごとに、総合点数の高い順(同点なら年間平均完成工事高の順)に付けます。
  • 新しい工事種別を申請したときは、等級の最下位に格付します。
  • 直前2年または3年の営業年度に元請の完成工事高がない業者は、従前の等級より上位には格付されません。
  • 昇級・降級は1等級が限度です(官公需適格組合を除く)。

土木一式・建築一式の等級と基準

要綱は、請負設計金額に応じた等級区分を、土木一式と建築一式について次のように定めています。

等級ごとの請負設計金額(要綱第8条)
等級土木一式工事建築一式工事
A級4,500万円以上9,000万円以上
B級2,000万円以上4,500万円未満3,500万円以上9,000万円未満
C級500万円以上2,000万円未満700万円以上3,500万円未満
D級500万円未満700万円未満

業者をどの等級に格付するかは、別に定める「等級別格付基準」によります。総合点数に加え、経審の年間平均完成工事高が条件に入っている点が特徴です。

土木一式工事の格付基準
等級基準の内容
A(1) 総合点数770点以上で、年間平均完成工事高1億6,000万円以上、かつ (2) 土木一式で特定建設業の許可を受けている(両方が条件)
B(1) 総合点数690点以上769点以下で、年間平均完成工事高8,000万円以上/(2) 総合点数770点以上で、年間平均完成工事高4,000万円以上
C(1) 総合点数560点以上689点以下で、年間平均完成工事高2,000万円以上/(2) 総合点数690点以上で、年間平均完成工事高1,000万円以上/(3) 土木一式で元請の実績がある
DCの基準を満たさない者、および土木一式の審査を新たに申請した者
建築一式工事の格付基準
等級基準の内容
A(1) 総合点数750点以上で、年間平均完成工事高2億円以上、かつ (2) 建築一式で特定建設業の許可を受けている(両方が条件)
B(1) 総合点数640点以上749点以下で、年間平均完成工事高8,000万円以上/(2) 総合点数750点以上で、年間平均完成工事高4,000万円以上
C(1) 総合点数590点以上639点以下で、年間平均完成工事高4,000万円以上/(2) 総合点数640点以上で、年間平均完成工事高2,000万円以上/(3) 建築一式で元請の実績がある
DCの基準を満たさない者、および建築一式の審査を新たに申請した者
  • ここでいう「経審」は、総合評定値通知書です。
  • 基準の注には、A等級は(1)及び(2)、B等級は(1)又は(2)、C等級は(1)及び(3)又は(2)及び(3)を満たすことが条件と書かれています。つまりA等級は(1)と(2)の両方、B等級はどちらか一方で足ります。
  • 電気・管など、土木一式・建築一式以外の工種は、この基準に等級の定めが載っていません。要綱には、認定した業者の数や発注予定件数が少ない工事種別は等級区分を定めないとあります。

経審の点数と入札ランクの考え方はP点と入札ランクの関係で整理しています。

総合点数の中身(客観点数と発注者点数)

総合点数の構成(要綱第9条・別表)
区分内容
客観点数経審で算定された客観点数(総合評定値)
発注者点数客観点数に工事成績評点・指名停止状況評点に応じた割合を掛けた点数に、その他の項目の評点を足す。小数点以下第1位を四捨五入

総合点数は「客観点数+発注者点数」です。式の並びは原文のPDFで崩れて読み取りにくいため、割合の分母はこの記事では書きません。式の細部は要綱の第9条で確かめてください。次の表は、別表から読み取れた評点です。

工事成績評点(申請日の属する年度の直前4年度の市発注工事の平均成績評定点)
平均成績評定点556065707580
工事成績評点01015213250

評定点は小数点以下第1位を四捨五入した値で、54点以下は55点、81点以上は80点とみなします。表は55点から80点まで1点刻みで定められ、ここには抜き出して載せています。対象は請負金額が一定額以上の工事で、令和7年4月1日以降に契約した工事は1,000万円以上です。それ未満の工事のみを施工した場合は65点、実績がない場合は55点として扱います。

指名停止状況評点(申請日の属する年度の直前2年度、1件ごと)
指名停止の期間2月未満2月以上4月未満4月以上6月未満6月以上
評点−2−3−4−5
そのほかの項目の評点(別表の3)
項目評点
技術職員の数(経審の審査基準日に数える技術職員)1人あたり2点(上限90点)
建設業従事職員数(申請日)1人で1点から段階的に加点(46人以上で70点)
舗装施工管理技術者の資格者1級は1人あたり10点、2級は1人あたり5点を人数に応じて加点
ISO9001の認証を取得している+20(認証に係る業種に一律)
環境マネジメントシステムの認証を取得している+20(認証の種類や件数に関係なく一律)
障害者の法定雇用義務を達成していない(直前の6月1日現在)−10(申請業種すべてに一律)

市は、申請の2年目に、発注者点数のうち別表の3(3)で加点される項目を再審査して見直します。市外に主たる営業所を持つ業者は対象外です。経審そのものの点数の仕組みは経審のP点の計算の仕組みで説明しています。

受付期間と有効期間

  1. 資格審査は2年に1回、定期に行います。市長が必要と認めるときは随時行えます。
  2. 定期の審査の申請期間は、申請する年の1月15日から2月14日までです。
  3. 追加の審査は、定期審査の年の8月15日から9月14日まで、翌年の1月15日から2月14日まで、翌年の8月15日から9月14日までの3回の受付です。
  4. 令和7・8年度の申請は、原則として宇部市のウェブサイトの登録フォームで受け付けます。提出期限日までに送信されたものが有効で、期限を過ぎた申請は受け付けません。
  5. 入札参加資格の有効期間は、認定日から、次の定期審査に基づく認定日の前日までです。

令和7・8年度の追加の受付は、令和8年8月15日から9月14日までが最後です。次の定期審査(令和9・10年度)の日程は、この記事を書いた時点では確認できていません。市の公表を待って確かめてください。経審の結果通知書の有効期間と受付の時期を合わせる考え方は、経審の有効期間と逆算で説明しています。

確認した一次資料

この記事は、宇部市が公表している選定要綱と等級別格付基準の内容を整理したものです。点数や受付期間は改定されることがあります。算式の細部、工事成績の評点の全表、次の定期審査の日程は、市の原文と公表で確かめてください。等級の判断は、市の審査結果が優先されます。

まとめ

  1. 入札参加には経審を受けていることが要件。市外に主たる営業所がある業者は、客観点数がそのまま総合点数で、等級の格付は市内業者が対象。
  2. 総合点数は、経審の客観点数に、工事成績・指名停止・技術職員・ISOなどの評点を加えた発注者点数を足したもの。
  3. 土木一式のA等級は、総合点数770点以上で年間平均完成工事高1億6,000万円以上で、かつ土木一式の特定建設業の許可を受けていること。点数だけでなく完成工事高と許可も条件。
  4. 等級を定めているのは土木一式と建築一式。請負設計金額は、土木一式のA級が4,500万円以上、建築一式のA級が9,000万円以上。
  5. 資格審査は2年に1回で、定期の申請は1月15日から2月14日まで。次の定期審査の日程は、市の公表で確かめる。

よくある質問

宇部市の総合点数は、何の点数で決まりますか?
経営事項審査の客観点数に、工事成績、指名停止の状況、技術職員の数、ISOの認証などから付ける発注者点数を足した点数です。
宇部市の土木一式のA等級は、総合点数が何点以上ですか?
総合点数770点以上で、経審の土木一式の年間平均完成工事高が1億6,000万円以上の業者です。土木一式で特定建設業の許可を受けている業者もA等級の基準に挙がっています。
宇部市で市外に主たる営業所がある業者の総合点数はどうなりますか?
発注者点数は足さず、客観点数がそのまま総合点数になります。等級への格付は市内に主たる事業所または事務所を持つ業者が対象です。
宇部市の建設工事の定期審査の申請期間はいつですか?
2年に1回の定期審査で、申請する年の1月15日から2月14日までです。追加の審査は、8月15日から9月14日と、翌年の1月15日から2月14日などが定められています。
宇部市の入札参加資格の有効期間は、いつまでですか?
認定日から、次の定期審査に基づく認定日の前日までです。

P点から国交省・関東地方整備局の等級目安を確認(無料・登録不要):入札参加資格ランクの目安計算を使う

他の都道府県・政令指定都市のガイドを探す(地域別ガイド一覧)

事業者ご自身が入力する概算の試算です。申請の代行・作成支援や個別相談は行っていません。正式な評点は登録経営状況分析機関・審査行政庁の審査結果が優先します。算定方法・出典・免責