受審後の実務

防府市の格付等級と経審(土木一式のA等級は総合点数950点以上で特定建設業の許可が条件)

防府市の建設工事の入札参加資格について、経審の客観点数に市評価点数を足した総合点数、土木一式・建築一式・電気・管・造園の等級の基準(総合点数と年間平均完成工事高)、工事成績や技術職員の評点、市外に主たる営業所がある業者の扱い、申請の受付時期と有効期間を、市の公表資料から整理します。

防府市「建設工事競争入札参加資格者等級区分の基準」
編集:建設経営ラボ編集部(合同会社フューチャープロンプト) / 運営方針・出典

防府市(上下水道局を含む)が発注する建設工事の入札に参加するには、市の入札参加資格審査を受けます。市内に主たる営業所を持つ業者は、経営事項審査(経審)の客観点数に市評価点数を足した「総合点数」で、土木一式・建築一式・電気・管・造園の5つの工種がA等級から順に格付されます。

この記事は、市の契約課が公表している等級区分の基準、申請要領、受付期間のお知らせ、資格者名簿のページを原文で確認して整理します。県の制度は山口県の入札参加資格と経審、県内の別の市は宇部市の格付等級と経審・周南市の等級区分と経審・山口市の格付等級と経審で説明しています。

申請の条件と業者区分

令和8年度の追加申請の要領では、資格は建設業法第2条第3項に規定する建設業者で、基準日は最新の経営事項審査による審査基準日とされています。提出書類には総合評定値通知書の写しがあり、要領は令和6年7月1日以降の審査基準日で最新のものを求めています。

市外に主たる営業所がある業者は、等級の格付をしません。基準は、市外に主たる営業所を持つ建設業者と事業協同組合は等級格付けを行わないと定めています。名簿のページも、市の評価点数を用いた格付を行わない工種は、経審の客観点数をそのまま総合点数としていると説明しています。
業者区分(申請要領)
区分内容
市内業者市内に主たる営業所を有する業者
準市内業者市内に営業所等を有し、かつ防府市で法人市民税が課税されている業者
市外業者市内業者と準市内業者のどちらにも当たらない業者
  • 区分によって、提出書類が一部異なります。たとえば技術者経歴書は準市内業者と市外業者は提出不要、市内の営業所の写真は市内業者と市外業者は提出不要です。
  • 総合評定値通知書では、雇用保険・健康保険・厚生年金保険の加入状況がいずれも「有」または「除外」になっていることが申請の条件です。「無」の場合も、その後に加入した事実を示す書類(保険料の領収書など)を別に出せば申請できると書かれています。
  • 原則として、電子入札の登録がない業者は入札に参加できません。

5工種の等級と基準

等級を定めているのは、土木一式・建築一式・電気・管・造園の5工種です。それ以外の工種は客観点数にとどめ、格付は行いません。名簿のページでは、水道施設工事は上下水道局が格付をしているため、上下水道局の入札契約情報のページを見るよう案内しています。

土木一式工事の格付基準
等級総合点数条件
A950点以上土木一式の特定建設業の許可と経審を受けていて、経審の土木一式の年間平均完成工事高が6,000万円以上
B740点以上土木一式の建設業の許可と経審を受けていて、経審の土木一式の年間平均完成工事高が2,000万円以上
C640点以上土木一式の建設業の許可と経審を受けている
DA〜C以外土木一式の建設業の許可と経審を受けている、または中間年の新規業者・新規業種
建築一式工事の格付基準
等級総合点数条件
A800点以上建築一式の特定建設業の許可と経審を受けていて、経審の建築一式の年間平均完成工事高が9,000万円以上
B680点以上建築一式の建設業の許可と経審を受けていて、経審の建築一式の年間平均完成工事高が2,000万円以上
CA・B以外建築一式の建設業の許可と経審を受けている、または中間年の新規業者・新規業種
電気・管・造園工事の格付基準
工種A等級B等級C等級
電気工事770点以上(年間平均完成工事高2,000万円以上)A以外なし
管工事770点以上(年間平均完成工事高2,000万円以上)660点以上A・B以外
造園工事730点以上(年間平均完成工事高2,000万円以上)A以外なし

いずれもその工事の建設業の許可と経営事項審査を受けていることが前提です。年間平均完成工事高は、基準日時点の総合評定値通知書の、その工種の値で見ます。管工事のB等級の条件の細部は、PDFの表の崩れで読み取りにくいため、原文で確かめてください。

  • 昇級・降級の幅:昇級は2等級の範囲内、降級は1等級の範囲内です。
  • 完成工事高がない工種:基準日の総合評定値通知書で、その工種の年間平均完成工事高がない業者は、1等級下位に格付します。
  • 新規業者・新規業種:最上位の等級には格付しません。土木一式と建築一式は最高でCまでです。
  • 中間年の新規:一律に最下位の等級です。格付の見直しは基準年のみで、中間年には行いません。

経審の点数と入札ランクの考え方はP点と入札ランクの関係で整理しています。

総合点数の中身(客観点数と市評価点数)

総合点数の構成(等級区分の基準 2)
区分内容
客観点数経営事項審査で算定された客観的審査事項の点数
市評価点数工事成績評点、指名停止状況評点、その他の項目の評点から付ける点数。小数点以下第1位を四捨五入

総合点数は「客観点数+市評価点数」です。市評価点数の式は、客観点数に工事成績評点を掛けた項と、指名停止状況評点の項、その他の項目の合計でできています。式の割合の部分はPDFの並びが崩れて読み取りにくいため、この記事では書きません。式の細部は基準の原文で確かめてください。

工事成績評点(申請日の属する年度とその前年度の2年間に甲検査で完成検査をした工事の平均成績評定点)
平均成績評定点55以下6065707580以上
工事成績評点01015213250

別表は56点から79点まで1点刻みで定められ、ここには抜き出して載せています。平均点は小数点以下第1位を四捨五入した値です。当初設計金額が200万円未満の工事だけを受注した場合は平均成績評定点を65点、市の工事の実績がない業者は55点として扱います。

指名停止状況評点(申請日の属する年度とその前年度の2年間、1件ごと)
指名停止の期間2月未満2月以上4月未満4月以上6月未満6月以上
評点−1−2−3−4
そのほかの項目の評点(別表の3)
項目評点
技術職員(経審の審査基準日の技術職員)1人あたり2点(上限90点)
建設業従事職員(申請日に常時雇用の人数)1人で1点から段階的に加点(46人以上で70点)
企業合併(申請日の属する年度の直前2年度の間に、建設業の許可を持つ者同士が合併)+客観点数の10%(申請業種すべてに一律)
一般事業主行動計画の届出(次世代育成支援対策推進法)+10

建設業従事職員の評点は、10人で10点、20人で30点、30人で45点、40人で55点といった刻みです。経審そのものの点数の仕組みは経審のP点の計算の仕組みで説明しています。

受付時期と有効期間

市の「受付期間のお知らせ」のページが、建設工事等(測量・建設コンサルタント等を含む)の受付を予定として載せています。詳しい日程は、受付月の前月中旬ごろに市のウェブサイトなどで知らせるとあります。

  1. 定期の受付は令和7年2月3日から2月28日まで(終了)。
  2. 追加の受付は令和8年2月2日から2月27日まで(終了)。
  3. 令和8年度の追加申請は、市のウェブサイトの登録フォームから申請します。提出期限の翌日以降の申請は受け付けません。
  4. 資格の有効期間は、認定日から次回改定日までです。名簿のページでは、令和7年6月1日から次回改定日まで(追加申請は令和8年4月1日から次回改定日まで)と書かれています。

この記事を書いた時点で、令和8年2月の追加受付のあとの建設工事等の日程は、市のページに載っていませんでした。次回の受付時期は、市の「受付期間のお知らせ」で確かめてください。審査後に許可番号や代表者などが変わったときは、登録フォームから変更を届け出ます。経審の結果通知書の有効期間と受付の時期を合わせる考え方は、経審の有効期間と逆算で説明しています。

確認した一次資料

この記事は、防府市が公表している等級区分の基準と申請要領の内容を整理したものです。点数や受付期間は改定されることがあります。算式の細部、工事成績の評点の全表、次回の受付日程は、市の原文と公表で確かめてください。等級の判断は、市の審査結果が優先されます。

まとめ

  1. 等級を定めているのは土木一式・建築一式・電気・管・造園の5工種。市外に主たる営業所がある業者は等級格付の対象外。
  2. 総合点数は、経審の客観点数に、工事成績・指名停止・技術職員などから付ける市評価点数を足したもの。
  3. 土木一式のA等級は、総合点数950点以上で、特定建設業の許可と、年間平均完成工事高6,000万円以上が条件。
  4. 昇級は2等級、降級は1等級の範囲内。新規業者・新規業種は最上位に格付されず、中間年の新規は最下位。
  5. 受付は市のウェブサイトの登録フォームで行う。次回の日程は市の「受付期間のお知らせ」で確かめる。

よくある質問

防府市の総合点数は、何の点数で決まりますか?
経営事項審査の客観点数に、工事成績、指名停止の状況、技術職員の数などから付ける市評価点数を足した点数です。
防府市の土木一式のA等級は、総合点数が何点以上ですか?
950点以上で、土木一式の特定建設業の許可を受け、経審の土木一式の年間平均完成工事高が6,000万円以上の業者です。
防府市で市外に主たる営業所がある業者は、等級に格付されますか?
されません。市外に主たる営業所を持つ建設業者と事業協同組合は、等級格付けを行わないと基準に書かれています。
防府市で等級を定めている工種は何ですか?
土木一式、建築一式、電気、管、造園の5工種です。それ以外の工種は客観点数にとどめ、格付は行いません。
防府市の入札参加資格の有効期間は、いつまでですか?
認定日から次回改定日までです。令和7・8年度の資格は令和7年6月1日から、追加申請の分は令和8年4月1日からです。

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