受審後の実務

堺市の工事の入札参加資格と経審の結果の使い方|市内・準市の区分と総合評点・等級の点数

堺市の工事の入札参加資格で、経審の総合評定値が総合評点と等級にどう使われるか、市内業者・準市業者の区分、土木・建築などの等級の点数と予定価格の目安、通知書が必要になる時期を、市の要綱と案内ページから整理します。

堺市 建設工事の入札参加資格(令和6・7・8年度)
編集:建設経営ラボ編集部(合同会社フューチャープロンプト) / 運営方針・出典

堺市の等級は、経審の総合評定値(客観点)に、工事成績・防災協定・地元要素の主観点を足した「総合評点」で決まります。地元要素の加点は市内業者だけが対象で、準市業者には付きません。

この記事は、堺市の「堺市建設工事競争入札参加者格付要綱」「堺市建設工事等入札参加資格登録事務取扱要綱」と、市の入札参加資格の案内ページ、令和8年度の等級格付・発注標準表を原文で確認し、経審に関わる部分を整理します。確認できなかった点は、最後の節にまとめています。

市内・準市・市外の区分

区分は、登録事務取扱要綱の第1条の2が定めています。建設工事の「本店」は、建設業法第3条第1項の許可を受けた主たる営業所です。

所在地区分(堺市建設工事等入札参加資格登録事務取扱要綱 第1条の2から)
区分定義
市内業者堺市内に本店(建設業法の許可を受けた主たる営業所)を有する者
準市業者堺市内に支店を有する者
市外業者上の2つ以外の者
堺市では「準市内」ではなく「準市業者」という呼び方です。地元要素の100点以上の加点は市内業者だけで、準市業者は対象外です。

市長は、市内業者と準市業者の本店・支店の実態を調査できます(要綱第14条)。登録は、市内・準市・市外に分けて行われます(第8条)。

経審の結果の扱いと通知書の条件

入札参加資格の要件には、建設業の許可と、経営事項審査を受けて総合評定値の通知を受けていることが含まれます(資格要件ページ)。通知書は、次の2つの場面で使われます。

経審の通知書が使われる場面
場面内容
資格の申請希望業種の建設業許可と、経営事項審査・総合評定値の通知を受けていること
毎年度の等級格付2月上旬に市が取得した、有効な最新の経営規模等評価結果通知書・総合評定値通知書を基に、翌年度の格付を行う

2月上旬に市で確認できる有効な通知書が無いと、翌年度の格付は保留になり、格付が完了するまで入札に参加できません。自社の通知書の有効期間が2月上旬にかかっていないか、先に確かめてください。通知書の読み方は経審の結果通知書の見方、有効期間の数え方は経審の有効期間と逆算で説明しています。

総合評点の組み立て

等級を決める総合評点は、次の式です(格付要綱 第3条から第5条)。

  • 総合評点=客観点(業種ごとの経審の総合評定値)+主観点
  • 主観点=工事成績の点数+防災協定の点数+地元要素の点数
地元要素の点数(格付要綱 第5条第3号から。市内業者に限る)
項目点数
市内業者であること(基本)100点
特定建設業で、資格者証を持つ監理技術者の雇用人数1〜2人:10点、3〜4人:20点、5〜6人:30点、7〜8人:40点、9人以上:50点
ISO9000シリーズまたはISO14001の取得どちらか一方:50点、両方:70点
法定雇用障害者数以上の障害者の雇用10点
建設業労働災害防止協会への加入10点

防災協定は、市と協定を結んでいるか、所属団体が結んでいる場合に20点です。令和8年度の案内ページでは、防災協定には消防協力事業所としての登録も挙げられています。P点と入札ランクの一般的な関係はP点と入札ランクの関係で説明しています。入札ランク目安ツールは目安であり、堺市の等級を決めるものではありません。

等級の点数と予定価格

格付の対象は、土木・建築・電気・管・舗装・造園・水道施設の7業種です。格付がないと、これらの業種の入札には参加できません(特定調達契約の対象案件を除く)。令和8年度の等級格付・発注標準表の、土木と建築を載せます。

等級の総合評点と予定価格(令和8年度 等級格付・発注標準表から。土木・建築)
等級土木工事の総合評点土木の予定価格建築工事の総合評点建築の予定価格
A11200以上6億円以上1200以上9億円以上
A21010〜11992億円以上6億円未満(注1の場合は9千万円以上)1010〜11993億円以上9億円未満(注1の場合は9千万円以上)
B770〜10092千万円以上9千万円未満(注2)770〜10093千万円以上9千万円未満(注2)
C670〜7692千万円以上9千万円未満690〜7693千万円以上9千万円未満
D669以下2千万円未満689以下3千万円未満

注1は、特定建設業の許可を持ち、資格者証を持つ監理技術者を雇用している者に適用されます。注2は、監理技術者を雇用していない特定建設業者、または一般建設業の許可の者に適用されます。表のとおり、同じA2でも予定価格の下限が変わるため、特定建設業の許可と監理技術者の有無は、等級の点数とは別に確かめる必要があります。

電気工事・管工事はAが1100点以上、Bが750〜1099点、Cが749点以下です。舗装工事はAが750点以上、造園工事はAが670点以上、水道施設工事はAが700点以上です。業種ごとの予定価格は、発注標準表の原文で確認してください。緊急工事、特別な技術や機械器具を必要とする工事、単価契約の工事は、表に当てはまらない場合があります。

工事成績と施工実績の扱い

堺市は、施工実績を示す書類で資格を分けるのではなく、堺市から請け負った工事の成績を点数にして、等級に反映します。対象は、格付を決める年度の初日の属する年の前年以前5年間に完成検査を受けた工事で、業種ごとの工事成績評定点の平均点です。

工事成績の点数(格付要綱 第5条第1号から)
平均点点数
90点以上120点
85点以上90点未満100点
80点以上85点未満80点
75点以上80点未満60点
70点以上75点未満40点
65点以上70点未満20点
60点以上65点未満0点
60点未満マイナス40点

堺市での完成検査を受けた工事が無い業者の扱いは、確認できた範囲の要綱には書かれていません。入札ごとの同種工事の施工実績の条件は、案件の公告で確認してください。

有効期間と格付の時期

令和6・7・8年度の入札参加資格の有効期間は、2024年4月1日から2027年3月31日までです。追加申請で資格を得た場合も、同じ期限です。

令和8年度の格付の流れ(案内ページから)
時期内容
2025年12月24日現在主観点(工事成績を除く)を、電子登録システムの登録情報で判定。変更申請の受付は終了
2026年2月上旬市が取得した、有効な最新の通知書で客観点を判定
3月下旬格付をメールで通知(書面の通知や再通知はなし)

格付は毎年度更新され、有効期間は決定の日からその年度の末日までです(格付要綱 第6条)。毎年12月1日現在で、納期が到来している市税の納税状況が調査され、未納が分かると資格が取り消されます。

この記事で確認できなかった点

  • 2027年度以降の格付の基準日と、次の定期申請の日程。
  • 電気・管・舗装・造園・水道施設の予定価格の詳細(発注標準表の原文で確認してください)。
  • 入札ごとの公告に書かれる、同種工事の施工実績の条件。
  • 格付要綱は2026年10月1日付で更新されています。この記事は更新後の原文と令和8年度の発注標準表で、等級の点数が一致することを確認しています。

確認した一次資料

この記事は、堺市の要綱と案内ページを整理したものです。申請の可否や個別の判断は、市の最新の案内と審査結果が優先されます。

まとめ

  1. 総合評点は、業種ごとの経審の総合評定値に、工事成績・防災協定・地元要素の主観点を足した点数。
  2. 市内は本店が市内、準市は支店が市内にある者。地元要素の加点は市内業者だけ。
  3. 土木のA1は1200点以上、A2は1010点以上、Bは770点以上、Cは670点以上。
  4. 2月上旬に市で確認できる有効な通知書が無いと、翌年度の格付が保留になる。

よくある質問

堺市の準市業者は、どういう業者ですか?
堺市内に支店を有する者です。市内業者は、堺市内に建設業法の許可を受けた主たる営業所(本店)を有する者で、どちらでもない者は市外業者です。
堺市の地元要素の加点は、準市業者にも付きますか?
付きません。地元要素の100点以上の加点は、市内業者に限られます。
堺市の土木のA1は、何点からですか?
令和8年度の発注標準表では、土木のA1は総合評点1200点以上で、予定価格6億円以上です。A2は1010点以上1199点以下です。
堺市の格付に使う経審の通知書は、いつのものですか?
2月上旬に市が取得した、有効な最新の経営規模等評価結果通知書・総合評定値通知書です。確認できないと、翌年度の格付は保留になり、入札に参加できません。
堺市の令和6・7・8年度の資格は、いつまで有効ですか?
2027年3月31日までです。追加申請で資格を得た場合も同じ期限です。格付は毎年度更新され、格付通知は3月下旬にメールで届きます。

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