受審後の実務

熊本県の建設工事の入札参加資格と経審の結果の使い方|申請時期・格付業種・通知書の範囲(令和9・10年度)

熊本県の令和9・10年度の工事入札参加者資格審査について、申請の対象になる経営事項審査の審査基準日、受付期間、提出する通知書の範囲、格付けの対象工種と請負金額の区分、資格の有効期間を、県の公式資料から整理します。

熊本県 工事入札参加者資格審査(県内建設業者・令和9・10年度)
編集:建設経営ラボ編集部(合同会社フューチャープロンプト) / 運営方針・出典

熊本県の令和9・10年度の工事入札参加者資格審査は、令和8年6月1日から12月18日まで、電子申請または郵送で受け付けています。県内に主たる営業所がある会社が対象で、知事許可は令和7年10月1日から令和8年9月30日までに、大臣許可は令和7年7月1日から令和8年6月30日までに審査基準日が属する経営事項審査を、見込みを含めて完了していることが条件です。資格の有効期間は令和9年4月1日から令和11年3月31日までです。

この記事は、県土木部監理課の申請要領のページと、令和8年度の格付要綱・格付基準を原文で確認し、経審の結果の使い方に関わる部分を整理します。経審のP点そのものの見方はP点と入札ランクの関係で説明しています。

申請の対象と受付期間

令和9・10年度の申請(県内建設業者)
項目内容
対象者県内に主たる営業所を有し、令和9・10年度に県発注の建設工事の競争入札に参加しようとする建設業者
知事許可の場合令和7年10月1日から令和8年9月30日までに審査基準日が属する経営事項審査を完了(見込みを含む)
大臣許可の場合令和7年7月1日から令和8年6月30日までに審査基準日が属する経営事項審査を完了(見込みを含む)
受付期間令和8年6月1日(月)から12月18日(金)まで
申請方法電子申請または郵送申請
  • 許可の種類によって、使える経審の審査基準日の期間が3か月ずれている
  • 「完了(見込みを含む)」とあるため、申請の時点で結果通知書が届いていなくても申請できる場合がある
  • 郵送は普通郵便・書留のどちらでもよく、提出は1部
知事許可と大臣許可で、申請に使える経審の審査基準日の期間が違います。決算日が期間の外にあると、今回の申請には使えないため、自社の決算日から先に確認します。

提出する通知書と受け付けられない場合

申請要領の提出書類では、経審の結果は「経営規模等評価結果通知書兼総合評定値通知書」の写しで出します。申請時までに通知書が届いていない場合は、経営事項審査の申請書類一式(添付書類は不要)の写しで代えます。経審の有効期間の数え方は経審の有効期間と逆算で説明しています。

  • 通知書は、上の表の期間に審査基準日が属する経営事項審査に係るものを出す
  • 直前3年の各事業年度における工事施工金額(様式第三号)の写しも出す
  • 国税(法人税と消費税及び地方消費税)と県税に未納税額がないことの証明書は、証明日が申請書の提出日から3か月以内のもの

要領は、次の場合に申請を受け付けないとしています。

  • 提出書類に不足がある場合
  • 経営事項審査で総合評定値の請求をしていない業種、および完成工事高に実績がない業種(その業種について)
  • 経営事項審査で、雇用保険・健康保険・厚生年金保険のいずれかの加入状況が「無」の場合。ただし、申請日までに加入して保険料の未納がない場合、または適用除外となった場合は除く
  • 国税や県税に未納がある場合。ただし、法令に基づく猶予制度の適用を受けている場合は除く

つまり、県の資格を取りたい工種は、経審で総合評定値を請求し、その業種に完成工事高の実績があることが前提です。経審の受審時に、希望する工種の総合評定値の請求を落とさないようにします。

格付業種と請負金額の区分

格付要綱では、土木一式工事・建築一式工事・舗装工事・電気工事・管工事を「格付業種」とし、県内に主たる営業所がある会社が格付業種を申請すると、資格の認定と同時に等級へ格付けされます。等級ごとの請負対象金額は、要綱の別表のとおりです。

工事種類規模別等級表(格付要綱 別表)
工事の種類等級工事の請負対象金額
土木一式工事A17,000万円以上
A21,500万円以上7,000万円未満
B500万円以上1,500万円未満
C500万円未満
建築一式工事A11億3,200万円以上
A25,500万円以上1億3,200万円未満
B2,750万円以上5,500万円未満
C1,100万円以上2,750万円未満
D1,100万円未満
舗装・電気・管工事A1,100万円以上
B330万円以上1,100万円未満
C330万円未満
  • 格付業種以外の工事を県内の会社が申請した場合と、県外に主たる営業所がある会社が申請した場合は、等級ではなく経審の結果による順位付けになる
  • 要綱の附則には、令和4年7月1日から令和6年3月31日までの間、県南広域本部・芦北地域振興局・球磨地域振興局の管内の一部の工事で、別表の「1,500万円」を「3,000万円」と読み替える定めがある。現行の期間は過ぎている

この表は等級と請負対象金額の対応であり、自社が何点でどの等級になるかを示すものではありません。入札ランク目安ツールは目安であり、熊本県の格付けを決めるものではありません。

格付けでの経審の結果と県独自の項目

令和8年度の格付基準では、格付けの総合点数は「経営事項審査の総合評定値」に「技術事項等評価点数」を加えて出します。令和9・10年度の基準は、令和8年12月頃に別の申請要領とあわせて公表される予定で、次の項目は令和8年度の基準で確認した内容です。

令和8年度の技術事項等評価項目(抜粋)
項目内容
県発注工事の工事成績対象期間に竣工検査が済んだ県発注工事の種類別の平均点から65点を引き、倍率をかけて点数にする
優良工事工事成績85点以上で20点、80点以上85点未満で10点(1年につき1件)
粗雑工事工事成績65点未満は、1件につきマイナス20点
指名停止1か月につきマイナス20点
公共工事の完成工事高2年間の平均で、10百万円未満の10点から500百万円以上の80点まで
県関係の研修会熊本県建設技術センター主催の研修会に出席した人数で、1人につき1点(10点まで)
  • 経審の総合評定値は、県の格付けでも土台になる点数
  • 令和7・8年度の資格を持つ会社の令和8年度の格付けでは、令和7年度の経審の結果がない会社の経営事項評価点数は0点とされ、結果が出たら入れ替えて見直される
  • 県発注工事の工事成績、指名停止、研修会の出席は、経審とは別に県が見る項目

令和9・10年度の申請要領は、格付けに係る技術事項等評価項目の申請を別の申請要領で行う、と書いています。この別の要領の公表を待って、申請が必要な項目があるかを確認します。

有効期間と結果の通知、修正

  • 審査の結果は、令和9年3月末までに文書で通知する予定
  • 資格の有効期間は、令和9年4月1日から令和11年3月31日まで
  • 格付要綱では、資格審査は2年に1回の定期審査で、有効期間は次の定期審査の結果の適用日の前日まで
  • 認定のあとに経審の結果などに修正があった場合や、営業の形態に著しい変更があった場合は、結果の修正や取消しがありうる

要綱は、認定のあとに経審の結果に修正があった場合を修正の対象にしています。有効期間中に経審を受け直す会社は、県の案内で結果の使われ方を確認します。

この記事で確認できなかった点

  • 令和9・10年度の格付基準(等級を分ける総合点数の区切りと、技術事項等の配点)。令和8年12月頃の公表予定のため、令和8年度の基準は上の項目のみ記載しました。
  • 令和8年度の等級別の総合点数の区切りは、格付基準の表を機械で読み取ると列が崩れたため、本記事では記載していません。県の格付基準のPDFで確認してください。
  • 電子申請の画面の入力項目と、県外業者向けの申請要領の内容。

確認した一次資料

この記事は、熊本県の公開資料を整理したものです。申請の可否や個別の判断は、県の最新の案内と審査結果が優先されます。

まとめ

  1. 令和9・10年度の申請は令和8年6月1日から12月18日で、知事許可と大臣許可で使える経審の審査基準日の期間が違う。
  2. 経営規模等評価結果通知書兼総合評定値通知書の写しを出し、総合評定値を請求していない業種や完成工事高のない業種は受け付けられない。
  3. 格付業種は土木一式・建築一式・舗装・電気・管で、等級は請負対象金額で区分される。
  4. 格付けの総合点数は、経審の総合評定値に県独自の技術事項等評価点数を加えたもの。令和9・10年度の基準は令和8年12月頃に公表予定。

よくある質問

熊本県の令和9・10年度の申請は、いつまで受け付けていますか?
令和8年6月1日から12月18日までで、電子申請または郵送で受け付けます。資格の有効期間は令和9年4月1日から令和11年3月31日までです。
熊本県の申請に使える経審は、いつの審査基準日のものですか?
知事許可は令和7年10月1日から令和8年9月30日まで、大臣許可は令和7年7月1日から令和8年6月30日までに審査基準日が属するものです(見込みを含む)。
熊本県で申請を受け付けてもらえない場合は、どんなときですか?
提出書類の不足、総合評定値を請求していない業種や完成工事高に実績がない業種、社会保険の加入状況が「無」の場合、国税・県税の未納があります。それぞれ例外が定められています。
熊本県の格付けの対象工種は何ですか?
土木一式、建築一式、舗装、電気、管の5つです。県内に主たる営業所がある会社は、請負対象金額で区分された等級に格付けされます。

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