受審後の実務

熊本市の工事の入札参加資格と経審の結果の使い方|総合数値・ランクの点数と発注標準額(令和8年度)

熊本市の工事の入札参加資格で、経審の点数が総合数値とランクにどう使われるか、土木一式・建築一式などのランクの点数と技術者・完工高の条件、令和8年度の発注標準額、施工実績の証明を、市の基準と公告の案内から整理します。

熊本市 令和8年度 工事等競争入札参加者資格の格付
編集:建設経営ラボ編集部(合同会社フューチャープロンプト) / 運営方針・出典

熊本市の総合数値は、経審の点数による客観的数値に、工事成績などの主観的数値を足した合計です。ランクは総合数値だけでなく、1級技術者の人数、年平均完成工事高、自己資本額の条件も満たして初めて上がります。

この記事は、熊本市の「資格審査の基本的方針及び基準(令和8年度)」と「資格審査基準一覧(令和8年度)」を原文で確認し、経審に関わる部分を整理します。市内・準市内の定義と申請期間は、確認できた資料に出ていません。最後の節にまとめています。

総合数値の組み立て

市の基準は、総合数値を「客観的数値と主観的数値を合計した数値」と定めています。

  • 客観的数値:平成20年国土交通省告示第85号の経営事項審査の点数で配点
  • 主観的数値:工事成績などを、基準の別表1で配点

確認できた主観的数値の項目は、次のとおりです。

  • 工事成績(過去3年の平均):+50点から△30点
  • 指名停止:1件につき△5点
  • 優良工事表彰:+20点
  • 専門工事への加点:完工高に応じて2〜20点
  • 社会的貢献:各5点

格付の対象は、土木一式、建築一式、電気、管、舗装、造園、水道施設の7業種です。完成工事高が0円の業種は登録の対象になりません。新規の業者は最下位のランクから始まり、2ランク以上上がる場合も、1ランクの上昇にとどまります。

P点と入札ランクの一般的な関係はP点と入札ランクの関係で説明しています。入札ランク目安ツールは目安であり、熊本市のランクを決めるものではありません。

ランクの点数と追加条件

令和8年度の基準一覧は、業種ごとにランクの総合数値と追加条件を定めています。土木一式と建築一式は次のとおりです。

ランクの条件(資格審査基準一覧 令和8年度から)
業種ランク許可総合数値1級技術者完工高自己資本
土木一式S特定981点以上4名以上2億円以上4,000万円以上
A-779点以上1名以上7,000万円以上-
B-600点以上-2,500万円以上-
建築一式A特定830点以上3名以上2億4,000万円以上4,000万円以上
B-640点以上1名以上8,000万円以上-

建築一式のAには、鉄筋コンクリート造の実績も条件に付いています。土木一式のCは、600点未満のランクです。

ほかの業種のAの総合数値は、電気が730点以上、管が690点以上、舗装が897点以上(Bは680点以上)、造園が720点以上、水道施設が690点以上です。

点数が足りても、技術者・完工高・自己資本の下限を満たさなければ、下位のランクにとどまります。経審の結果通知書で、1級技術者の人数と完成工事高を先に確かめます。

令和8年度の発注標準額

発注標準額(資格審査基準一覧 令和8年度から)
業種ランク別の発注標準額
土木一式S:7,000万円以上/A:2,500万円以上7,000万円未満/B:1,000万円以上2,500万円未満/C:1,000万円未満
建築一式A:8,000万円以上/B:1,000万円以上8,000万円未満/C:1,000万円未満
舗装A:2,500万円以上/B:1,000万円以上2,500万円未満/C:1,000万円未満
電気・管・造園A:1,000万円以上/B:1,000万円未満
水道施設A:2,500万円以上/B:2,500万円未満

市内・市外の扱い

公式ページとPDFを検索しましたが、「準市内」の語は出てきませんでした。市内・市外の定義を載せた規則の本文は、確認できていません。確認できたのは、次の運用の違いです。

  • 変更届の様式が、市内用と市外用に分かれています。市内用は「熊本市内に本店を有する事業者」向けです。
  • 令和8年度の改正で、総合評価の「地場企業」は、1次下請がすべて「熊本市内に主たる営業所を有する建設業者」であることと定義されました。

市内業者の定義を、他の都市の「主たる営業所」の定義と同じだと決めつけず、熊本市の規則で確かめます。

入札の参加条件と施工実績の証明

熊本市の入札は、予定価格400万円を超える建設工事で、条件付一般競争入札が基本です。公告で施工実績、経営事項評価点数、技術者の資格などの参加条件を示し、条件を満たした参加希望者全員で入札します。入札は全案件が電子入札です。

実績の証明が必要なときは、工事契約課に「履行証明願」または「内容証明願」を出します。1案件につき1部で、手数料は熊本市証紙300円、発行に1週間程度かかります。5年以上前の案件は、一部証明できないことがあります。技術者を配置する場合は、直近の審査基準日の経審で提出した技術職員名簿の写しなどを添えます。通知書の読み方は経審の結果通知書の見方で説明しています。

この記事で確認できなかった点

  • 市内・準市内・市外の定義(規則の本文は未取得)。
  • 現行の通常申請の受付期間と、名簿の有効期間。
  • 現行の経審の基準日と、通知書の有効性条件。
  • ほかの業種の技術者・完工高・自己資本の条件。

申請の窓口は工事契約課です。申請要領とチェックリストは、市の入札・契約のページで確かめます。

確認した一次資料

この記事は、熊本市の基準と案内を整理したものです。申請の可否や個別の判断は、市の最新の案内と審査結果が優先されます。

まとめ

  1. 総合数値は、経審の点数による客観的数値に、工事成績などの主観的数値を足した合計。
  2. 土木一式のSは981点以上、Aは779点以上、Bは600点以上。技術者・完工高・自己資本の条件も必要。
  3. 令和8年度の土木一式の発注標準額は、Sが7,000万円以上、Aが2,500万円以上。
  4. 市内・準市内の定義と申請期間は、確認できた資料にない。市の規則と申請要領で確かめる。

よくある質問

熊本市の総合数値は、どう計算しますか?
経審の点数による客観的数値と、工事成績などの主観的数値を合計した数値です。主観的数値の項目は、基準の別表1が定めています。
熊本市の土木一式のS・A・Bは、何点からですか?
令和8年度の基準では、Sが981点以上、Aが779点以上、Bが600点以上です。技術者・完工高・自己資本の条件も満たす必要があります。
熊本市の土木一式のSは、点数のほかに何が要りますか?
特定建設業の許可、1級技術者4名以上、年平均完成工事高2億円以上、自己資本4,000万円以上が条件です。
熊本市の令和8年度の発注標準額は、いくらですか?
土木一式はSが7,000万円以上、Aが2,500万円以上7,000万円未満、Bが1,000万円以上2,500万円未満です。建築一式のAは8,000万円以上です。
熊本市の入札で、施工実績はどう証明しますか?
工事契約課に履行証明願または内容証明願を出します。1案件1部で、手数料は熊本市証紙300円、発行に1週間程度かかります。

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