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建設業許可の事業承継・相続の認可|申請期限(承継予定日の90日前・死亡後30日以内)

事業譲渡・合併・分割・相続で建設業許可を引き継ぐときの事前認可制度について、申請の受付期限、標準処理期間、一部の業種だけの承継ができない点、承継後の決算報告を、国土交通省と関東地方整備局の資料から整理します。

国土交通省・関東地方整備局の資料
編集:建設経営ラボ編集部(合同会社フューチャープロンプト) / 運営方針・出典

令和2年(2020年)10月1日から、建設業許可の事業承継と相続には事前認可の制度があります。関東地方整備局の資料によると、それ以前は事業譲渡・合併・分割のたびに従前の許可を廃業して新規許可を取り直す必要があり、廃業日から新しい許可日までは軽微な工事以外を請け負えない空白期間が生じていました。

本記事は国土交通大臣許可の業者を対象にした、関東地方整備局の事前認可の案内と国土交通省の認可基準通知の整理です。関東地方整備局に申請できるのは、承継後の承継者の主たる営業所が1都8県(茨城・栃木・群馬・埼玉・千葉・東京・神奈川・山梨・長野)にあり、これ以外の都道府県に従たる営業所が1つ以上ある場合に限ると案内されています。経審(経営事項審査)での完成工事高・平均利益額の引き継ぎは経審の合併・事業承継とP点で扱い、ここでは許可そのものの引き継ぎに絞ります。

事前認可制度の対象(事業譲渡・合併・分割・相続)

建設業法第17条の2が事業譲渡・合併・分割の認可、第17条の3が相続の認可を定めています。関東地方整備局の資料は、対象と申請者を次のように整理しています。

  1. 事業譲渡建設業許可業者を含む複数の事業者間で、建設業に関する事業の全部を譲渡する場合。個人から法人への法人成り、法人の廃業から個人事業主の開業も含まれます。申請者は譲受人(承継者)と譲渡人(被承継者)で、様式は譲渡認可申請書(様式第22号の5)です。
  2. 合併既存の許可業者の消滅を伴う新設合併または吸収合併。申請者は合併存続法人(承継者)と合併消滅法人(被承継者)で、様式は合併認可申請書(様式第22号の7)です。
  3. 分割分割認可申請書(様式第22号の8)を使います。
  4. 相続被相続人(個人の許可業者)の死亡による相続で、様式は相続認可申請書(様式第22号の10)です。

承継人または被承継人が知事許可の場合は、地方整備局への申請とは別に、知事への届出書(事業承継用は様式第22号の9、相続用は様式第22号の12)の提出が必要と案内されています。知事許可の手続の細目は都道府県ごとの案内を確認してください。

申請の受付期限と標準処理期間

区分申請の受付手数料
事業承継(譲渡・合併・分割)承継予定日の90日前まで(事前相談は随時)発生しない
相続被相続人の死亡後30日以内発生しない
「承継予定日の90日前まで」は申請の受付期限、「90日程度」は処理期間の目安で、別の数字です。国土交通省の認可基準通知は、許可申請の標準処理期間を「おおむね90日程度を目安とする」と定め、譲渡・合併・分割・相続の認可の標準処理期間も原則として許可の申請の場合と同様としています。承継予定日から逆算して、受付の時期を申請先に確認します。

標準処理期間は、処分までに通常要する標準的な期間で、通知の注記では補正に要する期間などは含まれないとされています。関東地方整備局の資料は、認可基準に適合しない場合や、後日提出が必要な資料が出されない場合、承継が不可能になった場合には、拒否処分や取消処分を行うことがあると案内しています。

一部の業種だけの承継はできない

国土交通省の認可基準通知は、許可を受けている建設業の一部の許可だけを事業承継することはできず、被承継人が許可を受けている建設業の全部を承継人が承継する必要があると定めています(第12)。相続も同じで、被相続人が許可を受けている建設業の全部を相続人が相続する必要があります(第14)。

一部の業種だけを引き継ぎたい場合について、通知は「被承継人は当該許可を廃業した上で、承継人は再度当該建設業の新規の許可を受ける必要がある」と注記しています(相続も同様)。事前認可の対象にならない場合の取扱いです。

認可の基準は、一般建設業の許可の承継は法第7条・第8条、特定建設業の許可の承継は法第8条・第15条によると通知に書かれています。つまり、承継人は新規に許可を受ける場合と同様の許可基準を満たす必要があります。

一般・特定の区分と営業所技術者の条件

関東地方整備局の資料は、同じ業種で一般・特定の区分が同じであれば承継は可能とする一方、ある業種について一般建設業の許可を受けている者が、同じ業種で特定建設業の許可を持つ者の地位を承継することはできず、逆も同様と案内しています。同じ資料の例では、承継日より前に承継者か被承継者のどちらかが一部の業種を廃業する必要がある場合が図示されています。

承継される許可業種の営業所技術者等については、承継予定日に、原則として業種ごとに同一の営業所技術者等が引き続き常勤している必要があると案内されています。申請時点で認可予定日に確認できない要件は、認可条件が付されて後日提出する扱いです。

承継後は被承継者の決算報告も提出する

関東地方整備局の資料は、承継者は被承継者の建設業許可業者としての地位を承継するため、被承継者の決算報告(事業年度終了届)を提出する義務を負うと案内しています。承継日の時点で被承継者に未提出の決算報告がある場合は、承継者が作成して提出します。

経審の申請と決算変更届出の関係は決算変更届の提出期限、許可の更新・変更届出は建設業許可の更新と許可換え・変更届出で扱っています。

経審との関係で確認したこと・確認できていないこと

承継後の経審では、完成工事高と平均利益額の引き継ぎ算式が国土交通省の経審事務取扱要領に定められています。これは経審の合併・事業承継とP点で整理しています。

許可の承継認可を受けた場合に、経審の営業年数(営業年数の数え方)などの項目がどう扱われるかは、本記事で確認した資料には記載がなく、判断できません。実際の取扱いは申請先の許可行政庁へ確認してください。

確認した一次資料

まとめ

  • 令和2年10月1日から、事業譲渡・合併・分割・相続は事前認可で許可を引き継げる。
  • 申請の受付は、事業承継が承継予定日の90日前まで、相続が死亡後30日以内。手数料はかからない。
  • 標準処理期間「おおむね90日程度」(許可申請と同様)は受付期限とは別の数字。
  • 一部の業種だけの承継・相続は認可できず、全部の承継が必要。
  • 承継者は被承継者の未提出の決算報告も提出する。

本記事は制度の一般的な整理であり、個別の承継・相続の可否や進め方の助言、申請書類の作成・提出代行を行うものではありません。国土交通大臣許可以外の許可の扱い、正式な認可の可否は、申請先の許可行政庁の案内と審査結果が優先します。

出典の一覧は一次資料・出典一覧で確認できます。

よくある質問

建設業許可の事業承継の認可は、いつまでに申請しますか?
関東地方整備局の案内では、事業承継(譲渡・合併・分割)は承継予定日の90日前まで、相続は被相続人の死亡後30日以内が申請の受付期間です。事前相談は随時受け付けています。
認可の標準処理期間は何日ですか?
国土交通省の認可基準通知は、許可申請の標準処理期間を「おおむね90日程度を目安とする」とし、承継の認可も原則として許可申請と同様としています。申請の受付期限(承継予定日の90日前まで)とは別の数字です。
一部の業種の許可だけを承継できますか?
できません。国土交通省の通知は、許可を受けている建設業の全部を承継人が承継する必要があると定めています。一部の承継を行う場合は、被承継人が当該許可を廃業し、承継人が新規の許可を受ける必要があると注記されています。
承継の認可に手数料はかかりますか?
関東地方整備局の案内では、認可手続において手数料は発生しません。
承継した後、被承継者の決算報告は誰が出しますか?
承継者が提出する義務を負います。関東地方整備局の案内では、承継日時点で被承継者に未提出の決算報告がある場合は、承継者が作成して提出するとされています。
個人事業から法人にした場合(法人成り)も事前認可の対象ですか?
関東地方整備局の案内は、事業譲渡の類型に個人から法人への法人成り、法人の廃業から個人事業主の開業を含むと明記しています。個別の可否は申請先の許可行政庁で確認してください。

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