ガイド

許可換え(建設業法第9条)と変更届は別の条文|許可番号が変わったときに必要な手続き

第9条は許可換えの条文で、変更届の根拠条文ではありません。許可換えで許可番号が変わったときに必要な手続きを整理します。

建設業法第9条・第11条
編集:建設経営ラボ編集部(合同会社フューチャープロンプト) / 運営方針・出典

「建設業法第9条 変更届」で検索すると、実は第9条は変更届の条文ではありません。第9条は許可換え(従前の許可の失効)を定めた条文で、変更届は第11条が根拠です。この2つを条文名つきで区別したうえで、許可換えで許可番号が変わったときに必要な手続きを整理します。

第9条:許可換えの場合における従前の許可の効力

建設業法第9条(見出し「許可換えの場合における従前の許可の効力」)は、許可を受けた業者が次のいずれかに該当して、引き続き許可を受けた建設業を営もうとする場合、新たに第3条第1項の許可を受けたときは、従前の許可はその効力を失うと定めています。

第9条第1項が定める3つのケース
ケース
国土交通大臣の許可を受けた者が、一の都道府県の区域内にのみ営業所を有することとなったとき
都道府県知事の許可を受けた者が、当該都道府県内の営業所を廃止して、他の一の都道府県内に営業所を設置することとなったとき
都道府県知事の許可を受けた者が、二以上の都道府県の区域内に営業所を有することとなったとき

第9条は許可の主体変更に伴う許可の切り替えの条文で、変更届の条文ではありません。許可換えが生じると、新たな許可(新しい許可番号)を受けることになり、従前の許可は効力を失います。

第11条:変更届(第1項)と決算変更届(第2項)

変更届の根拠条文は第11条(見出し「変更等の届出」)です。第1項と第2項では対象事項と期限が異なります。

第11条第1項・第2項の対象と期限
対象事項期限
第1項第5条第1号〜第5号の事項(商号又は名称、営業所の名称・所在地、資本金額・役員等の氏名、個人の氏名、営業所技術者の氏名)の変更30日以内
第2項毎事業年度終了時の財務諸表等(決算変更届)毎事業年度経過後4か月以内

第1項の変更届の対象事項・期限は建設業許可の変更届(商号・営業所・役員等)ガイド、第2項の決算変更届は決算変更届とは(事業年度終了届)で詳しく解説しています。

許可換えは「変更届の対象事項」ではない

第11条第1項が変更届の対象とする第5条第1号〜第5号は、商号・営業所・資本金額及び役員等の氏名・個人の氏名・営業所技術者の氏名です。許可の主体(大臣許可か知事許可か、どの都道府県の知事か)が変わること自体は、この第5条第1号〜第5号のいずれにも該当しません。

許可換えは「変更届を出す」ことで対応する事象ではなく、新たな許可を受けることで従前の許可が効力を失うという、建設業法上は別の手続きです。したがって、許可換えが生じたときにまず必要なのは、新しい許可行政庁への許可申請(第3条第1項)であり、旧許可行政庁への変更届ではありません。

許可換え後、入札参加資格側で必要な手続き

建設業法上の手続きとは別に、公共工事の入札参加資格審査の実務では、許可換えによって許可番号が変わったときの届出が案内されています。国交省地方整備局等の「建設工事 競争参加資格審査申請書作成の手引き-令和7・8年度版-」は、次のように注意を促しています。

「許可換えなどにより、建設業許可番号が変更された場合は、速やかに変更届を提出してください。変更届が提出されない場合は、工事成績等が正しく反映されませんのでご注意ください」

ここでいう「変更届」は建設業法第11条ではなく、競争参加資格審査申請書に対する変更届です。総合評定値通知書の許可番号と現在の許可番号が食い違ったままだと、発注者側で工事成績等の実績が正しく紐付かなくなるおそれがあります。

許可換えを行った場合は、(1)新しい許可行政庁への許可申請、(2)建設業法第11条第1項の対象事項に変更があればその変更届、(3)競争参加資格を持つ発注機関への許可番号変更の届出、の3つを別々に確認してください。どれか1つを済ませれば残りが自動的に処理されるわけではありません。

確認した一次資料

まとめ

  • 建設業法第9条は許可換え(従前の許可の効力)の条文で、変更届の根拠条文ではない。
  • 変更届の根拠条文は第11条。第1項(商号・営業所・役員等、30日以内)と第2項(決算変更届、4か月以内)がある。
  • 許可の主体変更(許可換え)自体は第11条第1項の対象事項に含まれない。
  • 許可換えで許可番号が変わったら、入札参加資格を持つ発注機関へも別途、許可番号変更の届出(競争参加資格審査申請書変更届)が必要。

決算変更届を出さない場合の影響は決算変更届を出さないとどうなる?で解説しています。

条文・一次資料の転記元は一次資料・出典一覧で確認できます。

よくある質問

建設業法第9条は変更届の条文ですか?
いいえ。第9条(見出し「許可換えの場合における従前の許可の効力」)は、許可の主体(大臣・知事)が変わる場合に、新たな許可を受けたときは従前の許可が効力を失うことを定めた条文です。変更届の根拠条文は第11条です。
許可換えは変更届(第11条第1項)の対象事項に含まれますか?
含まれません。第11条第1項の対象は第5条第1号〜第5号(商号又は名称、営業所の名称・所在地、資本金額・役員等の氏名、個人の氏名、営業所技術者の氏名)で、許可の主体変更自体はこれらに該当しません。
許可換えで許可番号が変わったら何もしなくてよいですか?
いいえ。国交省地方整備局等の競争参加資格審査の手引きは、許可換えで建設業許可番号が変更された場合は速やかに変更届(競争参加資格審査申請書に対する変更届)を提出するよう案内しています。提出されないと工事成績等が正しく反映されないおそれがあります。
この「変更届」は建設業法第11条の変更届と同じですか?
別の手続きです。建設業法第11条の変更届は許可行政庁への届出、入札参加資格審査側の変更届は競争参加資格を持つ発注機関への届出で、提出先・様式とも異なります。

決算月から提出期限を自動計算(無料・登録不要):決算変更届の期限計算を使う

本ツールは事業者ご自身が入力・利用する試算です(申請の代行・作成支援は行っていません)。個別のご相談は承っておりません。正式な評点は登録経営状況分析機関・審査行政庁の審査結果が優先します。数値は概算であり、実際の申請前に専門家へご確認ください。算定方法・出典・免責