建設業の廃業・許可失効のときの届出と、経審の結果通知書・入札参加資格の扱い
廃業届は30日以内、更新しなかった失効は届出の対象外、入札参加資格は別に変更届が必要です。建設業法と国土交通省の手引きから、届出先ごとに整理します。
建設業法・国土交通省建設業をやめるとき、あるいは許可の更新をしないままにしたときは、「許可の行政庁への届出」「入札参加資格を持つ発注機関への届出」「経営事項審査(経審)の結果通知書の扱い」の3つが別々の話になります。この記事は、建設業法(e-Gov法令検索)と、国土交通省・近畿地方整備局の手引きに書かれた範囲だけを整理します。書かれていない点は推測せず、確認先を示します。個別の手続きは、許可行政庁と各発注機関の案内が優先します。
廃業と失効は、届出の要否が違う
| 場面 | 建設業法の定め |
|---|---|
| 許可を受けた建設業を廃止した、法人が解散した、など | 第12条の各号に該当し、30日以内に国土交通大臣または都道府県知事へ届け出る |
| 5年ごとの更新をしなかった | 第3条第3項により、期間の経過によって許可の効力が失われる。第12条の各号に、更新切れは含まれていない |
| 許可後1年以内に営業を始めない、または1年以上営業を休止した | 第29条第1項第4号により、許可の取消しの対象になる |
更新の手続きと失効後の扱いは『建設業許可の更新は5年ごと』で確認できます。この記事は、やめる側の届出と、経審・入札参加資格への波及に絞ります。
許可の行政庁への廃業届(建設業法第12条)
建設業法第12条は、許可を受けた建設業者が次のいずれかに該当したとき、右欄の者が30日以内に届け出るよう定めています。
| 該当する場面 | 届け出る人 |
|---|---|
| 建設業者(個人)が死亡し、相続人が承継の認可を申請しなかった | 相続人 |
| 法人が合併で消滅し、存続法人などへの承継の認可がされなかった | 消滅した法人の役員であった者 |
| 法人が破産手続開始の決定により解散した | 破産管財人 |
| 法人が合併・破産以外の理由で解散した | 清算人 |
| 許可を受けた建設業を廃止した | 建設業者であった個人、または建設業者であった法人の役員 |
届出の様式は、建設業法施行規則第10条の3が「別記様式第二十二号の四による廃業届」と定めています。添付書類や提出部数、窓口は行政庁ごとの案内に従ってください。この記事では、行政庁ごとの添付書類を一般化して書きません。
第12条の各号に該当したのに届け出ない場合は、第29条第1項第5号により、許可の取消しの対象に挙げられています。廃業した実態があるのに届出をしないままにしないことが要点です。
更新しなかった失効と、休業による取消し
許可は5年ごとに更新を受けなければ、期間の経過によって効力を失います(第3条第3項)。更新の申請をして、有効期間の満了までに処分がされない場合は、処分がされるまで従前の許可が効力を持ちます(同条第4項)。
この「失効」は、廃業届を出して終わらせる手続きとは別の条文にあります。失効後に建設業を続ける場合は、許可を受けていない状態であり、請け負える工事は軽微な建設工事に限られます。許可が切れた期間があっても、後の許可申請や法人化の際に営業年数や承継の扱いが問題になることがあります。その扱いは『個人から法人へ引き継ぐときの経審』の手引きの整理で確認できます。
経審の結果通知書の扱い
近畿地方整備局の「経営規模等評価申請・総合評定値請求(経営事項審査)の手引き」は、経審の有効期間を次のように説明しています。
- 有効期間は、結果通知書を受け取ってからではなく、審査基準日から1年7か月です。
- 公共工事を直接請け負うには、契約締結日の1年7か月前以降の決算日を審査基準日とする経審を受け、結果通知書の交付を受けている必要があります。
手引きは、経審を「建設業の許可を受けた者」が公共工事への入札参加を希望する場合に受けるものとして整理しています。したがって、許可の効力が失われたあとに、過去の結果通知書で新しい公共工事を請け負えるかどうかは、結果通知書の有効期間とは別に、許可の有無で判断される話になります。
一方、廃業・失効後の結果通知書の取扱い(返却や失効の手続きの要否)について、この記事で確認した手引きには規定が見当たりませんでした。必要な場合は、経審を受けた許可行政庁に確認してください。結果通知書の読み方は『経営事項審査結果通知書の見方』、有効期間の数え方は『経審の有効期間の逆算』で確認できます。
入札参加資格の変更届
国土交通省の「申請書作成の手引き」(建設工事、令和9・10年度)は、資格の申請内容を修正できる期限(令和9年1月15日17:00)のあとに、次のいずれかに該当した場合、速やかに書面の「一般競争(指名競争)参加資格審査申請書変更届(建設工事)」で届け出るよう求めています。
- 死亡したとき
- 法人が合併により消滅したとき
- 法人が破産により解散したとき
- 法人が合併または破産以外の事由により解散したとき
- 廃業したとき(一部廃業も含む)
- 契約を締結する能力を有しない者、および破産者で復権を得ない者になったとき
- 建設業法第3条の規定による許可の全部または一部を受けていない者になったとき
最後の項目から、更新を忘れて許可が失効した場合も、国土交通省の手引きでは届出の事由に入ります。許可行政庁への廃業届とは別の窓口・別の様式なので、両方を確認します。
| 項目 | 手引きの記載 |
|---|---|
| 受付方法 | 変更届は、インターネットによる一元的な受付をしていない |
| 届出が必要になる事由・方法 | 各機関で異なるので、各機関に必ず確認する |
| 添付書類 | 申請機関により、変更届が必要な変更事項・添付書類は異なる場合がある |
国土交通省以外の自治体の変更届の事由や期限は、この記事では書きません。資格を持つ機関それぞれの案内で確認してください。変更届一般の流れは『入札参加資格の変更届』にあります。
なお、同じ手引きは、資格を自分から取り下げた場合、同じ有効期間内(令和9・10年度の資格は令和11年3月31日まで)は、その資格について再度の申請ができないと注意しています。廃業して変更届を出す場合と、資格を取り下げる場合は別の扱いなので、事業を再開する可能性があるときは、機関に事前に確認します。
廃業・失効のときの確認順
- 廃業か、更新切れの失効か、休業かを区別する(第12条・第3条第3項・第29条)。
- 廃業なら、第12条の届出者が30日以内に、許可行政庁へ廃業届(様式第二十二号の四)を出す。
- 入札参加資格を持つ機関ごとに、変更届の事由・様式・添付書類・期限を確認する。
- 経審を受けた許可行政庁に、結果通知書の取扱いに決まりがあるかを確認する。
- 事業を再開する見込みがあるなら、資格の取り下げの制限や、許可を取り直す場合の営業年数の扱いも先に確認する。
確認した一次資料
- 建設業法(e-Gov法令検索)第3条(許可・更新と失効)、第12条(廃業等の届出)、第29条(許可の取消し)
- 建設業法施行規則(e-Gov法令検索)第10条の3(廃業届は別記様式第二十二号の四)
- 国土交通省「建設工事 競争参加資格審査申請書作成の手引き」(令和9・10年度)「変更等の届出が必要な場合」の事由、一元受付をしないこと、資格の取り下げ
- 近畿地方整備局「経営規模等評価申請・総合評定値請求(経営事項審査)の手引き」(令和8年7月版)経審の有効期間(審査基準日から1年7か月)、建設業の許可を受けた者との関係
まとめ
- 建設業を廃止したときは、第12条の届出者が30日以内に廃業届を行政庁へ出す。届出をしないと取消しの対象に挙げられている。
- 更新しなかった失効は第3条第3項の話で、第12条の廃業届とは別の整理である。
- 入札参加資格は、許可行政庁への届出とは別に、機関ごとの変更届が要る。国土交通省の手引きは、廃業と許可を受けていない状態になったことを事由に挙げている。
- 経審の結果通知書は審査基準日から1年7か月が有効期間。廃業・失効後の取扱いは手引きで確認できなかったため、許可行政庁に確認する。
評点表・算式の転記元は一次資料・出典一覧で確認できます。
よくある質問
- 建設業を廃業したら、いつまでに何を届け出ますか?
- 許可を受けた建設業を廃止したときは、建設業者であった個人または法人の役員が、30日以内に国土交通大臣または都道府県知事へ届け出ます(建設業法第12条)。様式は施行規則第10条の3で別記様式第二十二号の四の廃業届です。
- 許可の更新を忘れて失効した場合も廃業届は必要ですか?
- 更新しなかったときは第3条第3項により期間の経過で許可の効力が失われ、第12条の各号には更新切れが含まれていません。届出の要否と手続きは許可行政庁に確認してください。
- 廃業したら入札参加資格の届出も必要ですか?
- 国土交通省の手引きは、廃業(一部廃業を含む)したとき、建設業法第3条の許可の全部または一部を受けていない者になったときを変更届の事由に挙げています。変更届は書面で、一元的な受付はありません。他の機関は各機関に確認が必要です。
- 経審の結果通知書は、廃業すると使えなくなりますか?
- 経審の有効期間は審査基準日から1年7か月です。廃業・失効後の結果通知書の取扱いは、確認した手引きに規定が見当たりませんでした。経審を受けた許可行政庁に確認してください。
公開日: 2026-10-08
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