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経審のX2(自己資本額・平均利益額)とは|自己資本と利益、どちらがP点に効くか実測

自己資本額の点数と平均利益額の点数を平均したものがX2です。同じ+1,000万円でも効き方は同じではありません。

計算エンジンによる実測
編集:建設経営ラボ編集部(合同会社フューチャープロンプト) / 運営方針・出典

経審の総合評定値Pを構成する5指標のうち、X2(自己資本額・平均利益額)はP点への重みが0.15と最も小さい指標です。X1(完成工事高)・Z(技術力)と違い、自己資本額の点数と平均利益額の点数という2つの区分表の平均で決まる点が特徴です。令和8年改正でも変更されていません。

X2の構成:2つの点数の平均

X2は、自己資本額(純資産合計額、または基準決算と前期の2期平均)の点数と、平均利益額(利払前税引前償却前利益の2年平均)の点数を、それぞれ区分表から求めたうえで平均して求めます。

X2評点=(自己資本額の点数+平均利益額の点数)÷2(端数は切り捨て)

自己資本額・平均利益額とも0円未満は0円とみなされ、マイナスの決算内容であっても評点がマイナスになることはありません。

純資産がマイナス(債務超過)の会社でX2とY評点がどう動くかは、債務超過の会社の経審評点で試算しています。

自己資本額・平均利益額それぞれの区分表

自己資本額と平均利益額は、それぞれ独立した区分表(金額を1次式に当てはめる方式)で点数化されます。区分の境界・係数は指標ごとに異なるため、同じ金額を投じても点数の伸び方は指標によって違います。

本サイトのモデルケース(自己資本5,000万円・平均利益1,000万円、他の条件は経審P点の計算方法のモデルケースと同一)では、自己資本額の点数は669点、平均利益額の点数は625点で、X2はこの平均の647点になります。

実測:自己資本額別・平均利益額別のP点

自己資本額だけを動かした場合(平均利益額は1,000万円のまま据え置き)です。

自己資本額X2評点総合評定値P
0円493696点
1,000万円604713点
5,000万円(モデルケース)647719点
1億円670723点
5億円737733点
10億円773738点
50億円879754点

平均利益額だけを動かした場合(自己資本額は5,000万円のまま据え置き)です。

平均利益額X2評点総合評定値P
0円608713点
1,000万円(モデルケース)647719点
5,000万円681724点
1億円705728点
5億円793741点
10億円852750点
50億円1,072783点

令和8年新基準での試算です。X2は改正前基準と共通のため、旧基準でも同じ結果になります。

自己資本額・平均利益額とも、0円から50億円まで積み上げてもP点の差は58〜70点にとどまります。X2の重み(ウェイト)が0.15と小さく、金額が増えるほど点数の伸びが鈍くなる区分表になっているためです。X1(完成工事高)や技術者数と比べ、大きな金額を動かさないと効果が出にくい指標です。

X2単体の理論上の最高点は2,280点です。5指標すべてを最大・最小にしたP点全体の上限・下限は経審P点の最高点・最低点で確認できます。

同じ+1,000万円なら、どちらが効くか

モデルケースから自己資本額・平均利益額をそれぞれ同じ+1,000万円だけ増やした場合を比較します。

+1,000万円を投じる先総合評定値P差
自己資本額720点+1点
平均利益額721点+2点
同じ+1,000万円でも、平均利益額のほうが自己資本額よりP点への効きが大きくなりました(このモデルケースでは+2点対+1点)。ただし差は小さく、この金額帯でどちらが有利かは自社の現在値によって変わります。自己資本を厚くすること自体は財務の安定性という別の意味で重要であり、P点対策としての効率だけで判断すべきではありません。

自己資本や利益以外では、技術職員の資格取得や採用でP点がどう変わるかも比べられます。結果は経審の点数が上がる資格で試算しています。技術職員数値の点数配分の仕組み自体は『経審の技術職員数値とは』で解説しています。

個人事業主(個人)の場合の考え方

Y評点の8指標のうち3つ(総資本売上総利益率・売上高経常利益率・利益剰余金)には、個人事業主の場合に法人の科目を読み替える定めがあります。一方、X2の自己資本額・平均利益額にはこの読み替えの定めがありません。

X2の2区分の定義(法人・個人共通)
区分定義
自己資本額(X21)審査基準日の決算における純資産合計の額(またはその2期平均)
平均利益額(X22)営業利益の額+減価償却実施額の2期平均

国土交通省の経営事項審査の事務取扱いについては、自己資本額を「純資産合計の額」、平均利益額を「営業利益の額に減価償却実施額を加えた額」と定義しており、Y評点の3指標のような法人科目から個人科目への読み替え規定はありません。個人事業主も、貸借対照表の資本(純資産)の合計額と、損益計算書の営業利益に減価償却費を加えた額を、読み替えずにそのまま本サイトの計算機に入力してください。

まとめ

  1. X2評点=(自己資本額の点数+平均利益額の点数)÷2。令和8年改正でも変更なし。
  2. モデルケースでは自己資本額の点数669点・平均利益額の点数625点で、X2は647点。
  3. 自己資本額・平均利益額とも、0円〜50億円で動かしてもP点の差は58〜70点にとどまる(ウェイト0.15・対数的な区分表のため)。
  4. 同じ+1,000万円なら、モデルケースでは平均利益額のほうがP点への効きがやや大きい(+2点対+1点)。
  5. Y評点の3指標と異なり、X2(自己資本額・平均利益額)には個人事業主向けの読み替え規定がない。純資産合計・営業利益+減価償却実施額をそのまま使う。

P点全体の計算方法は経審P点の計算方法、完成工事高・技術者数を動かした場合との比較はP点の早見表を参照してください。自己資本額・平均利益額とあわせて経営状況を構成する8指標はY評点(経営状況)で解説しています。自社の数値でどう変わるかは経審P点シミュレーターで試算できます。

平均利益額に入れる金額(営業利益と減価償却実施額の範囲、申請書の利益額欄の記入例)は『経審X2の平均利益額は決算書のどの数字か』で確認できます。

よくある質問

X2評点はどうやって決まりますか?
自己資本額(純資産合計額)の点数と、平均利益額(利払前税引前償却前利益の2年平均)の点数を、それぞれ独立した区分表から求めたうえで平均します(端数は切り捨て)。令和8年改正でも変更されていません。
自己資本額と平均利益額、どちらを増やすとP点が上がりやすいですか?
本サイトのモデルケースで同じ+1,000万円を比較すると、平均利益額の方がP点への効きがやや大きくなりました(+2点対+1点)。ただし差はわずかで、区分表の位置によって結果は変わるため、自社の数値で試算することをおすすめします。
自己資本を増やせばP点は大きく上がりますか?
上がりますが効率は高くありません。モデルケースでは自己資本額を0円から50億円まで積み上げてもP点の差は58点にとどまりました。X2のウェイトが0.15と小さく、区分表も対数的なためです。

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