受領後の手続き

経審の結果に異議があるとき|再審査の申立て(30日以内)と対象になる誤り

結果通知書の内容が申請と違うとき、建設業法第27条の28で再審査を申し立てられます。期限は通知を受けた日から30日以内で、申請者側の記入誤りは対象になりません。

条文と地方整備局・大阪府の手引きで確認
編集:建設経営ラボ編集部(合同会社フューチャープロンプト) / 運営方針・出典

経営事項審査(経審)の結果通知書を受け取ってから、「申請した技術職員の数が反映されていない」「完成工事高の数字が申請書と違う」と気づくことがあります。この場合に使える制度が、建設業法第27条の28の「再審査の申立」です。

ただし、再審査はどんな不満でも申し立てられる制度ではありません。期限が短く、対象になる誤りも限られます。この記事は、条文と地方整備局・大阪府の手引きから、申立てができる場合とできない場合を整理します。

再審査の申立てとは

建設業法第27条の28は、「経営規模等評価の結果について異議のある建設業者は、当該経営規模等評価を行つた国土交通大臣又は都道府県知事に対して、再審査を申し立てることができる」と定めています。申立先は、結果通知書を出した許可行政庁です。

条文が対象とするのは経営規模等評価の結果です。近畿地方整備局の手引きは、登録経営状況分析機関が行った経営状況分析は行政庁によるものではないため、再審査の対象外としています。経営規模等評価は、完成工事高(X1)・技術職員数(Z)・社会性等(W)など、許可行政庁が審査する部分を指します。

注意:再審査は、評点を上げるために後から資料を足す手続きではありません。申請した内容と結果通知書の内容が食い違っているときに、その食い違いを正すための手続きです。

再審査は、許可行政庁の審査結果に異議があるときの申立てです。

申立ての期限

期限は建設業法施行規則第20条が定めています。原則は、審査結果の通知を受けた日から30日以内です。

再審査の申立期限(建設業法施行規則第20条)
場面期限申立ての範囲
通常(結果通知書の内容に異議がある)通知を受けた日から30日以内経営規模等評価の結果
評価方法が改正された(第2項)改正の日から120日以内改正に係る事項に限る

期限の数え方は、行政庁の文言に少し差があります。条文は「通知を受けた日」ですが、近畿地方整備局の手引きは「結果通知書を受領した日」から30日以内としています。通知書が簡易書留で届く場合は、届いた日を起点に数えられるのか、行政庁に確かめてください。

注意:結果通知書は届いたらすぐに開封し、申請書の控えと見比べてください。30日は短く、発注者への提出を先にしてしまうと、誤りに気づくのが遅れます。

対象になる誤り・ならない誤り

近畿地方整備局の手引きは、再審査の申立てができる場合を次の2つに限っています。ア)行政庁側の誤りで結果通知書の内容が申請内容と異なる場合、イ)評価方法が改正された場合です。大阪府の手引きも、結果通知書の内容が申請内容と異なる場合に、経営規模等評価の内容に限って申立てできるとしています。

再審査になるか・ならないかの整理
状況再審査根拠の読み方
申請書どおりに入力・計算されず、通知書が申請と違う申立てできる行政庁側の誤り(近畿地方整備局)
申請書への記入漏れ・記入誤りがあった申立てできない申請者の責任(大阪府)
添付資料が足りず、内容が認められなかった申立てできない申請者の責任(大阪府)
評価方法の改正があった改正の日から120日以内施行規則第20条第2項

近畿地方整備局の手引きは、行政庁側に責任がない案件、つまり申請者側の責任に帰する案件は不可としています。通知書の点数が思ったより低い理由が、資料の不足や記載の誤りにある場合は、再審査では直せません。

どちらに当たるか分からないときは、申請書の控えと確認資料の写しを手元に置き、結果通知書の該当欄と1項目ずつ照らしてください。通知書の読み方は経審結果通知書の見方にまとめています。

申立ての出し方と費用

施行規則第20条第3項は、別記様式第二十五号の十四の申立書を、経営規模等評価を行った大臣または知事に提出して申し立てると定めています。この様式番号は、経営規模等評価申請書・総合評定値請求書と同じです。1枚の用紙の中で、申請・再審査の申立て・総合評定値の請求のうち、該当する文言を使い分ける書式になっています。

近畿地方整備局の手引きは、再審査の申立てと、これに基づく結果通知書の交付に手数料は不要としています。関東地方整備局も、令和8年7月の改正に伴う再審査の手数料を無料としています。

  • 申立ての窓口は、結果通知書を出した許可行政庁(大臣許可なら地方整備局、知事許可なら都道府県)です。
  • 提出方法や予約の要否、添付する書類は、行政庁ごとに違います。必ず自社の許可行政庁の最新の手引きで確かめてください。
  • 申立書の提出方法や、委任状が必要かどうかも、行政庁の案内に従います。

本サイトは本人利用の概算ツールで、申立書の作成や提出は扱いません。申立てをするかどうかは、結果通知書と許可行政庁の案内を見て、ご自身で判断してください。

再審査の結果はどこに通知されるか

施行規則第21条は、再審査を行ったときは、申立てをした者に結果を通知すると定めています。再審査の結果が元の評価の結果と異なることになった場合に、すでに総合評定値の通知を受けた発注者がいるときは、その発注者にも再審査の結果を通知します。

つまり、再審査で評価が変わっても、元の結果通知書を提出済みの発注者には、行政庁から訂正が伝わる仕組みです。提出先の入札参加資格の点数が変わる可能性があるため、変更後の結果を受け取ったら、各発注者の手続きも確認してください。

「受け直し」との違い

申請者側の誤りで再審査ができないとき、行政庁によっては、経営事項審査の受け直しが認められることがあります。大阪府の手引きは、申請を誤った場合に、次の条件を全て満たすときに限り、1回を限度として受け直しを認めるとしています。

受け直しの条件(大阪府の手引きの例)
条件内容
条件1受け取った結果通知書を、入札・契約のために官公庁に提示・提出していない
条件2結果通知書の発行日から1か月以内で、かつ次の決算期が到来していない
手続きすでに行った申請は取下げとなり、取下げ願などを提出する

この取扱いは、大阪府の手引きで確認した内容です。他の行政庁にも同じ受け直しの扱いがあるとは限りません。また、取り下げた申請の手数料は返還されません。受け直しを考える場合は、取り下げる前に許可行政庁へ問い合わせてください。

再審査は30日以内の異議の申立て、受け直しは取り下げて申請し直す手続きで、仕組みが違います。どちらも、結果通知書を発注者に出す前に誤りに気づくほど選べる手段が多くなります。

令和8年7月の改正で使える再審査

評価方法が改正されたとき(施行規則第20条第2項)の再審査は、通常の30日とは別の期限です。令和8年7月1日の改正について、関東地方整備局は、令和8年6月15日付の案内で、申立期間を令和8年7月1日から10月28日(120日間)、手数料を無料としています。

この案内では、再審査の対象は、令和8年7月1日より前の直前の審査基準日の結果通知書を受け取り、申立ての時点で有効期間内の通知書に限られます。再審査の対象項目は、改正された「その他社会性(W)」のうち、次の3項目だけです。

  • 項番51 就業履歴を蓄積するために必要な措置の実施状況(加点配分の見直しのみで、内容の変更は不可)
  • 項番52 自主宣言制度の宣言の有無
  • 項番62 建設機械の所有及びリース台数(追加できるのは不整地運搬車とアスファルト・フィニッシャのみ)

これ以外の項目は修正できません。

注意:この期限は、関東地方整備局が大臣許可業者向けに案内した日付です。知事許可業者の期限や対象項目は、許可行政庁ごとに確かめてください。

改正に伴う再審査と、競争参加資格の再認定との順番は経審の再審査と競争参加資格の再認定の違いで解説しています。

確認した一次資料

まとめ

  1. 再審査は建設業法第27条の28に基づき、経営規模等評価の結果に異議があるとき、結果通知書を出した許可行政庁へ申し立てる制度である。
  2. 期限は通知を受けた日から30日以内で、評価方法の改正があったときだけ改正の日から120日以内になる。
  3. 行政庁側の誤りで通知書が申請と違う場合が対象で、申請書の記入漏れや添付資料の不足は対象にならない。
  4. 近畿地方整備局の手引きでは再審査に手数料は不要で、評価が変わると通知済みの発注者にも結果が通知される。
  5. 令和8年7月改正の再審査は、関東地方整備局の案内で2026年10月28日までである。自社の許可行政庁の案内を確かめる。

通知書の各欄の読み方は経審結果通知書の見方で確認できます。通知書をなくしたときの手続きは紛失時の証明書の取り方で説明しています。

決算の数字を修正したい場合は、決算変更届と経審の修正の範囲が参考になります。手元の数字からP点を試算するなら経審P点シミュレーターが使えます。評点は概算で、正式な評点は審査結果が優先されます。

よくある質問

経審の結果に異議があるとき、どこに申し立てますか?
建設業法第27条の28により、経営規模等評価を行った国土交通大臣または都道府県知事、つまり結果通知書を出した許可行政庁に再審査を申し立てます。
再審査の申立てはいつまでにすればよいですか?
建設業法施行規則第20条により、審査結果の通知を受けた日から30日以内です。評価方法が改正された場合だけ、改正の日から120日以内に改正に係る事項について申し立てられます。
申請書の記入を間違えていた場合も再審査できますか?
できません。大阪府の手引きは、申請者の記入漏れ・記入誤りや添付資料の不足は再審査の対象にならないとしており、近畿地方整備局も申請者側の責任に帰する案件は不可としています。
再審査に手数料はかかりますか?
近畿地方整備局の手引きは、再審査の申立てとこれに基づく結果通知書の交付に手数料は不要としています。ほかの行政庁の扱いは、自社の許可行政庁の最新の案内で確認してください。
再審査で評価が変わったら、提出済みの発注者にも伝わりますか?
建設業法施行規則第21条により、再審査の結果が元の評価と異なり、総合評定値の通知を受けた発注者がいる場合は、その発注者にも再審査の結果が通知されます。

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