受審後の実務

茨木市の等級別格付と経審(市外A上1,400点・市内SA1,000点、主観点数)

茨木市の建設工事の等級別格付について、経審の数値に主観点数を足して決まる仕組み、市外業者と市内業者の等級表、主観点数の加点項目、資格の有効期間と更新、新規登録業者の指名の扱いを、市の要領から整理します。

茨木市「建設工事等請負業者資格審査及び等級別格付要領」「建設工事等請負業者選考要領」
編集:建設経営ラボ編集部(合同会社フューチャープロンプト) / 運営方針・出典

茨木市は、入札に参加する建設工事業者を、経営事項審査(経審)の数値などで求めた「客観点数」に、市独自の「主観点数」を足した点数で等級に分けています。市内に本店のある業者は、市外業者とは別の等級表で格付けされます。

この記事は、市が公開している「建設工事等請負業者資格審査及び等級別格付要領」と「建設工事等請負業者選考要領」を原文で確認して整理します。府の制度は大阪府の入札参加資格と経審、近くの市は高槻市の工事の級別格付と経審で説明しています。

客観点数と主観点数で決まる格付

要領は、等級別格付の点数を次の2つの合計と定めています。

  • 客観点数:建設業法第27条の23の規定による経営規模・経営状況(経営事項審査の数値)などから算定した数値
  • 主観点数:市が別表で定める加点・減点の項目の点数
茨木市の格付は、経審の結果だけで決まりません。検査成績、防災協定、ISO、障害者の雇用などの主観点数が足され、その合計で等級が決まります。

経審の数値のうち、どの項目をどう換算して客観点数にするかは、この要領には書かれていません。換算の方法は、市の申請案内で確かめてください。P点の計算そのものは経審のP点の計算の仕組みで説明しています。

市長は、請負契約を履行しないとき、経営状況が特に悪化したとき、申請書に虚偽を記載したとき、経審の数値に変更が生じたときは、格付を変更できます。

市外業者の等級表

市外業者の等級表は、土木・建築・電気・管・舗装・塗装・造園の7業種で、同じ点数の区切りです。

等級別格付点数表(別表第2・市外業者)
等級格付点数(7業種共通)
A上1,400点以上
A下1,250点から1,399点
B上1,100点から1,249点
B下950点から1,099点
C上800点から949点
C下799点以下

市内業者の等級表

市内に本社または本店を置く業者には、別に市内等級別格付点数表(別表第3)があります。等級の数も多く、SAランクがあります。

市内等級別格付点数表(別表第3)の土木と建築
市内等級土木建築
SA1,000点以上1,000点以上
A800点から999点770点から999点
B700点から799点670点から769点
C600点から699点600点から669点
D599点以下599点以下
  • SAランクへの格付は、1,000点を超える点数を2年以上続けた場合に限られます。
  • 電気・管・舗装・塗装・造園・管更生・水道管布設の市内等級の区切りは、別表第3に業種ごとに書かれています。この記事では、表の読み取りに自信が持てた土木と建築だけを載せています。残りの業種は、市の要領の原文で確かめてください。
市外業者の表と市内業者の表は、点数の水準が違います。市外のA上が1,400点以上なのに対し、市内のSAは1,000点以上です。等級の名前が似ていても、別の表で判定されるので、他社の等級とそのまま比べないでください。

主観点数の加点・減点項目

主観点数の項目は次のとおりです。

主観点数表(別表第1・建設工事)
項目点数
市の工事検査成績(4月1日を基準に最近2か年・5件以上の平均)が95点以上+20
同・90点以上+10
同・60点以上0
同・59点以下-10
市と防災協定を結んでいる+10
ISO 9001(品質マネジメント)を取得+10
ISO 14001(環境マネジメント)を取得+10
エコアクション21、KESステップ2、エコステージ(レベル4・5)を取得+7
エコステージ(レベル3)を取得+6
KESステップ1、エコステージ(レベル2)を取得+5
エコステージ(レベル1)を取得+4
障害者を雇用している(障害者雇用率を乗じた人数以上)+10
協力雇用主である+5
建設業労働災害防止協会に入会している+5
過去3年度間に建災防の茨木分会表彰を受賞+2
同・大阪府支部表彰を受賞+3
同・本部表彰を受賞+10
  • 検査成績の加減点は、最低5件以上の平均点が対象です。5件未満のときは適用されません。
  • 環境マネジメントを2つ以上取得していても、点数が高い1つだけが加点されます。
  • 建災防の表彰は、3年度間に複数受賞しても10点が限度です。
  • 防災協定・ISO・環境マネジメント・障害者雇用・協力雇用主・建災防の加点は、茨木市を本店所在地として登録している業者に限られます。

加点につながる資格の考え方はW点(社会性等)の評価項目でも整理しています。ただし、市の主観点数とW点は別の制度です。

申請の周期・有効期間・更新

  1. 資格審査の申請は、原則として3年に1回、市長が定める期間に受け付ける。
  2. 認定の有効期間は、申請のあった年度の翌年度から3年間。
  3. 未申請の業者は、特に必要があると認められたときに限り、資格審査実施年以外の年の3月末日までに申請できる。この場合の有効期間は、3年の期間の残りになる。
  4. 茨木市内に事務所等を持つ業者は、毎年度、市長が定める期間に更新手続をする。更新した認定の有効期間は、その手続のあった年度の翌年度の1年間。
  5. 更新手続をしなかったときや、資格要件を欠いたときは、認定が取り消されることがある。

令和9年度の入札参加資格の審査申請(業者登録)と更新登録について、市は「予定」として案内ページを置いています。受付方法の案内は、令和8年11月4日(水)8時45分に公表するとされ、それ以降に同じページを確かめるよう書かれています(ページの更新日は2026年8月25日)。受付期間や提出書類は、公表前のため、この記事では書けません。

申請に添える経審の通知書の有効期限が切れていないか、早めに確かめておくと安心です。逆算の考え方は経審の有効期間と逆算で説明しています。

指名の順位と新規登録業者の扱い

指名競争入札と随意契約の業者を選ぶ要領では、次の順で指名します。

  1. 第1希望業種が工事の種類と同じ市内業者
  2. 第2希望業種が工事の種類と同じ市内業者
  3. 業種が工事の種類と同じ市外業者
  • 市内業者を育成する考えから、土木は4億円未満、建築は6億円未満、電気・管・舗装・塗装・造園・水道管布設は1億3,000万円未満、管更生は4億円未満の工事で、優先して指名できます。
  • 指名される市内業者には、別表第1の発注基準にかかわらず、別表第3の市内発注基準表が使われます。
  • 新規登録の業者は、初年度は原則として指名されません。2年度目は、設計金額の小さい工事から数回程度指名され、施工実績や工事成績が優れている業者から順に指名されます。
  • 指名のときは、地理的条件、施工能力、技術者の状況、手持ち工事の状況、市での施工実績なども考慮されます。

工事別の等級別発注基準表と、指名業者数の基準表も要領に載っています。ただし表の読み取りに自信が持てないため、この記事では金額の区切りを書いていません。

確認した一次資料

この記事は、茨木市の要領の内容を整理したものです。要領には改正の履歴があり、等級の区切りや主観点数は変わることがあります。申請の受付期間や提出書類は、市が公表する案内を確かめてください。申請の可否や格付の判断は、市の審査結果が優先されます。

まとめ

  1. 格付は、経審の数値などの客観点数に、市独自の主観点数を足した点数で決まる。
  2. 市外業者は7業種共通で、1,400点以上がA上、799点以下がC下。市内業者は別の表で、土木・建築は1,000点以上がSA。
  3. 主観点数は、検査成績で最大+20点・-10点、ISOや防災協定などが各+5〜10点。多くは本店が市内の業者に限られる。
  4. 資格審査は原則3年に1回で、有効期間は翌年度から3年間。市内に事務所等を持つ業者は毎年度更新する。
  5. 新規登録の業者は、初年度は原則として指名されない。令和9年度の受付方法の案内は、令和8年11月4日に公表される予定。

よくある質問

茨木市の等級別格付は、何の点数で決まりますか?
経営事項審査の数値などから算定した客観点数に、市の主観点数を足した点数で決まります。主観点数は、工事検査成績、防災協定、ISO、障害者の雇用などの項目です。
茨木市の市外業者のA上は、何点以上ですか?
土木・建築・電気・管・舗装・塗装・造園の7業種とも、格付点数が1,400点以上でA上です。1,250点から1,399点がA下、799点以下がC下です。
茨木市の市内業者の土木は、何点でSAランクになりますか?
1,000点以上で、かつ1,000点を超える点数を2年以上続けた場合に、SAランクに格付けされます。1,000点未満の土木は、800点から999点がAランクです。
茨木市の資格の有効期間は、どのくらいですか?
原則として3年に1回の申請で、有効期間は申請した年度の翌年度から3年間です。市内に事務所等を持つ業者は、毎年度の更新手続が必要で、更新した認定は翌年度の1年間です。
茨木市に新しく登録した業者は、指名されますか?
初年度は原則として指名されません。2年度目は、設計金額の小さい工事から数回程度指名され、施工実績や工事成績が優れている業者から順に指名されます。

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