受審後の実務

東村山市の工事入札|等級の決まり方と、入札方式ごとの参加条件

東京都東村山市の工事の入札参加資格は、経営事項審査の総合評定値(P点)と、過去の最高完成工事の金額から等級が決まります。申請の条件、有効期間、等級の決め方、希望制指名競争入札と条件付一般競争入札の参加条件を、市の告示と要領から整理します。

東村山市 建設工事等競争入札参加者の資格に関する告示
編集:建設経営ラボ編集部(合同会社フューチャープロンプト) / 運営方針・出典

東村山市の工事の入札に参加するには、東京電子自治体共同運営の電子調達サービスで資格を登録します。工事の等級は、経審のP点から出す「客観等級」と、過去7年間の最高完成工事の金額から出す「主観等級」のうち、低い方になります。そのため、P点が高くても、市の発注に近い規模の工事の経歴が少ないと、等級は上がりません。

2026年10月23日に確認した内容です。資格の告示は令和7年4月1日付(東村山市告示第65号)、希望制指名競争入札の実施要領は令和6年4月1日の改正までを反映したものです。最新の案内は東村山市「入札参加資格審査の申請」でご確認ください。

申請の方法・条件・有効期間

市のページと告示によると、申請は電子調達サービスで行い、随時受け付けています。登録内容の変更も同じです。

東村山市の工事の入札参加資格の申請
項目内容
申請の窓口東京電子自治体共同運営電子調達サービス(随時申請)
事前の準備ICカード電子証明書の取得(申込みから取得まで2〜3週間程度)
経営事項審査設計・測量・地質調査を除く工事は、経審の総合評定値(P点)を取得していること
CORINSの登録工事実績が2,500万円以上のものを申請する場合は、CORINSに登録されていること(登録には2〜3週間)
納税法人は、審査対象事業年度の法人税・法人事業税・消費税及び地方消費税を完納していること
社会保険経審が必要な業種は、健康保険・厚生年金保険・雇用保険に加入していることが前提
資格の有効期限申請月の直前の決算月の翌月から、1年8か月の末日まで

申請後に送る書類として、告示は次のものを挙げています。

  • 登記簿謄本(履歴事項全部証明書)
  • 財務諸表(審査対象事業年度と前年度)
  • 身分証明書、登記事項証明書
  • 法人事業税の納税証明書、納税証明書その1

登記簿謄本・身分証明書・登記事項証明書は、発行日が申請日から3か月以内のものです。

有効期限が切れる前に継続申請をして承認されないと、資格は失効します。市は、失効する事例が起きているとして注意を促しています。電子調達サービスは、期限のおよそ2か月前に登録のメールアドレスへ継続申請の案内を送ります。

経審の通知書と入札参加資格の関係は経審と入札参加資格の違い、CORINSの登録が必要かの判断はコリンズ登録の要否で説明しています。

等級の決まり方(客観等級と主観等級)

告示は、業種ごとに次の等級区分を定めています。

業種と等級区分
業種等級区分
道路舗装・橋りょう・河川・水道施設・下水道施設・一般土木・建築A〜Eの5等級(同一等級内で順位を付ける)
電気・給排水衛生・空調A〜Dの4等級(同一等級内で順位を付ける)
上記以外の業種等級は定めず、順位のみ

等級は次の順で決まります。

  1. 客観等級:経審が必要な業種は、申請に必要な種類の総合評定値(P点)を客観点数とし、告示の別表1にあてはめて決めます。審査基準日の結果が複数あるときは直近のものを使います。
  2. 主観等級:申請した最高完成工事の金額を主観点数とし、別表1にあてはめて決めます。
  3. 客観等級と主観等級が違うときは、低い方が等級になります。
  4. 同じ等級の中の順位は、客観点数の高い順です。同点のときは、その業種の完成工事高、自己資本額、受付番号の若い順に決めます。

主観的審査事項で最高完成工事の経歴がない業種は、無格付となり、等級も順位も付きません。

主観点数には、条件に当てはまると加算があります。

主観点数の加算率(一部)
条件加算率
中小企業基本法の中小企業で、本店が東京都内にある(道路舗装から空調までの業種のみ)20%
ISO9001の認証を取得し、更新はしていない3%
ISO9001の認証を取得して3年以上登録を継続し、1回以上更新している5%

複数の条件に当てはまるときは、加算率を合計します。自社のP点がどの等級にあたるかの目安は入札参加資格の等級の目安で試算できます(東村山市の正式な格付は、市の審査結果が優先されます)。

主観等級に使う最高完成工事の条件

主観点数の元になる最高完成工事は、告示が定める次の条件をすべて満たすものを、発注者の区分ごとに申請します。

最高完成工事の条件
項目内容
工事の内容申請する業種に当たる施工内容であること
完成の時期審査基準日の属する月の末日以前7年間(橋りょう・河川・しゅんせつ埋立て・地下鉄は9年間)に完成したもの
施工の場所東京都・神奈川県・千葉県・埼玉県・茨城県・栃木県・群馬県の中で施工したもの(山梨県・静岡県に本店がある場合は両県も含む。設計・測量などの一部の業種は除外)
CORINS官公庁との契約で請負金額が2,500万円以上の工事は、業種ごとに定めたCORINSの工種に登録されていること(受注時またはしゅん工時のどちらかで可)
共同企業体の工事請負金額に出資割合を掛けた金額で申請する

最高金額のうち、発注者が民間のものは請負金額の2分の1が主観点数になります。1件の工事を複数の業種の経歴にすることはできません。複数の業種を含む工事は、申請する業種の施工部分の金額で申請します。その業種の施工金額が全体の50%(建築工事は70%)を超えるときは、全額で申請できます。単価契約は、1回あたりの施工の最高金額で申請します。

希望制指名競争入札の参加条件

市の希望制指名競争入札は、契約予定金額が1件3,000万円以上7,000万円未満の工事が対象です。入札に参加したい者の申込みを受けて、市が資格を審査し、指名します。

共通の参加資格要件には、次のものがあります。

  • 対象工事の建設業の許可と、経営事項審査を受けていること。
  • 市の入札参加資格があり、対象工事の業種に登録があること。
  • 市の指名停止中でないこと。

そのうえで、実施要領の別表が、工事の種類ごとに実績と格付の条件を定めています。

希望制指名競争入札の実績・格付の条件(3,000万円以上7,000万円未満)
工事の種類申込みの地域条件官公庁の実績格付
土木工事・建築工事都内と埼玉県所沢市に本店・支店・営業所がある者過去7年度以内に、同種工事で3,000万円以上C
市内に本店・支店・営業所がある者過去10年度以内に、同種工事で1,000万円以上A・B・C・D・E
設備工事(電気・給排水衛生・空調など)都内と埼玉県所沢市に本店・支店・営業所がある者過去7年度以内に、同種工事で3,000万円以上A
市内に本店・支店・営業所がある者過去10年度以内に、同種工事で1,000万円以上A・B・C

該当者が指名業者選定基準の数に満たないときや、工事に特殊性があるときは、指名業者選定委員会の議を経て、この条件を緩和できると備考に定められています。また、平成22年3月1日から令和7年3月31日までに公告した工事のうち、競争性が確保できないと認められるものは、地域条件を「北多摩地区内に本店を有する者」と読み替えます。

条件付一般競争入札の参加条件(令和7年の公告の例)

条件付一般競争入札の条件は、工事ごとの入札公告で決まります。参考として、令和7年5月13日に公告された「市立南台小学校トイレ改修工事(建築)」(総合評価方式、予定価格は事後公表)の条件を見ます。

入札公告に書かれた参加資格の例
項目内容
資格の登録電子調達サービスの市の有資格者で、建築工事の業種に登録があること
地域北多摩地区内に本店があるか、市内に支店・営業所があること
格付と実績共同格付Bで、過去7年度内に官公庁発注の工事で1件7,000万円以上の実績があること
市内に契約権限のある事業所がある者共同格付A・B・Cで、過去10年度内に官公庁発注の工事で1件3,000万円以上の実績があること
技術者許可業種に対応する監理技術者または主任技術者を配置できること

申請は電子入札システムで行い、契約実績の件名・請負金額・発注者名・契約日・工期が分かる書類(契約書の写しなど)を添付します。この工事では、申請書の提出期間は令和7年5月13日午後1時から5月20日午後5時まででした。条件は工事ごとに違うため、自社の等級で参加できるかは、その都度の公告で確かめます。

この記事で確認していない点

  • 告示の別表1にある、P点・最高完成工事の金額と等級の対応表。
  • 主観点数の加算のうち、ISO14001・エコアクション21などの環境の認証の条件。
  • 条件付一般競争入札の令和7年度以外の公告の条件、物品・設計・測量などの業務の条件。

確認した一次資料

申請の可否や個別の判断は、市の最新の案内と審査結果が優先されます。

まとめ

  1. 申請は電子調達サービスで随時行い、資格の有効期限は申請月の直前の決算月の翌月から1年8か月の末日まで。期限前に継続申請が承認されないと失効する。
  2. 等級は、P点による客観等級と、過去7年間の最高完成工事の金額による主観等級の低い方。最高完成工事の経歴がない業種は無格付。
  3. 希望制指名競争入札(3,000万円以上7,000万円未満)と条件付一般競争入札は、工事ごとに共同格付と官公庁の実績が条件になるため、公告で確かめる。

隣の自治体は小平市の入札参加資格と国分寺市の入札参加資格で説明しています。東京都の発注は東京都の入札参加資格をご覧ください。自治体を並べて探すときは自治体別の入札参加資格と経審の一覧をご覧ください。

よくある質問

東村山市の入札参加資格の有効期間はどのくらいですか?
告示では、申請を行った月の直前の決算月の翌月から1年8か月の末日までです。期限前に継続申請を行い承認されないと、資格は失効します。
東村山市の工事の等級は、経審のP点だけで決まりますか?
P点だけでは決まりません。P点による客観等級と、過去7年間の最高完成工事の金額による主観等級のうち、低い方が等級になります。最高完成工事の経歴がない業種は無格付になります。
東村山市の工事の等級は、どの業種がA〜Eの5等級ですか?
道路舗装・橋りょう・河川・水道施設・下水道施設・一般土木・建築がA〜Eの5等級です。電気・給排水衛生・空調はA〜Dの4等級で、それ以外の業種は等級を定めず順位のみです。
東村山市の希望制指名競争入札は、いくらの工事が対象ですか?
実施要領では、契約予定金額が1件3,000万円以上7,000万円未満の建設工事が対象です。工事の種類ごとに、官公庁の実績と共同格付の条件が別表に定められています。
東村山市の入札参加資格の申請で、CORINSの登録は必要ですか?
工事の実績のうち、2,500万円以上のものを申請する場合は、CORINSへの登録が必要です。市は、登録に2〜3週間かかるとして、余裕を持った準備を求めています。

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