受審後の実務

函館市の等級格付と経審|土木Aの総合数値940点以上・希望工種の上限3工種

北海道函館市の建設工事の入札参加資格で、経審の評定値が等級にどう使われるか、工事成績と地域貢献の加減点、等級ごとの点数の境目、希望工種の上限、令和7・8年度の申請の日程を、市の手引きと格付基準から整理します。

函館市 令和7・8年度 建設工事の競争入札参加資格
編集:建設経営ラボ編集部(合同会社フューチャープロンプト) / 運営方針・出典

函館市の建設工事の等級は、経審の工種ごとの評定値に、市での工事成績と地域貢献の加減点を足した「総合数値」で決まります。市は発注で、市内に本店を持つ業者を優先しています。

この記事は、函館市財務部調度課の「令和7・8年度競争入札参加資格審査申請の手引」と、同課が公表する建設工事の格付基準・等級別総合数値区分を原文で確認し、経審に関わる部分を整理します。

経審の通知書に求められる条件

手引きは、建設工事の必要要件として次の2点を挙げています。

建設工事の必要要件(手引きから)
項目内容
審査基準日(申請の基準日)令和7年1月1日
建設業の許可令和7年1月1日時点で、許可を取得後、引き続き1年以上その事業を営んでいること
経審の通知書「経営規模等評価結果通知書・総合評定値通知書」を持ち、通知書に書かれた審査基準日(決算日)が令和5年9月2日以降であること
完成工事高希望する工種に完成工事高があること

雇用保険・健康保険・厚生年金保険にも加入している必要があります。ただし、これらに加入する義務がない業者は除かれます。申請書の社会保険の欄には、通知書に書かれた加入の有無を転記します。

通知書の読み方は経審の結果通知書の見方、決算日からの有効期間の数え方は経審の有効期間と逆算で説明しています。

格付の対象になる業者

手引きは、申請者を函館市内に本店、契約の権限を委任した営業所、連絡先のいずれかを持つかどうかで分けています。

申請者の区分(手引きから)
区分定義
市内業者・市内支店業者函館市内に本店、契約の権限を委任した営業所、または連絡先を有する者
市外業者函館市内に本店、契約の権限を委任した営業所、連絡先のいずれも有しない者

手引きの冒頭には「発注については函館市内に本店を有する方を優先します」とあります。地域貢献の加点の欄も、函館市内に本店を持つ業者だけが記載します。審査結果の通知は、函館市内に本店を持ち、建設工事または測量を申請した業者に郵送されます。それ以外の業者は、4月以降に市のホームページの有資格者名簿で登録を確認する形です。

地域貢献の加点と結果の郵送は、市内に本店を持つ業者が対象です。市外業者の等級の扱いは、手引きと格付基準からは読み取れませんでした。

総合数値の作り方(工事成績・地域貢献)

格付基準は、等級を「経営事項審査結果の工種ごとの評定値(客観点)と、工種ごとの工事施行成績により算出した加減点(主観点)を合計して得た総合数値を基本とし」て決めるとしています。等級ごとの業者数は、過去の実績の業者数と構成比を考慮して決めるとも書かれています。

主観点は、工事施行成績の加減点と、地域貢献の加点です。

工事施行成績の加減点(前3年度および前2年度の評定点の平均値、小数点第1位四捨五入)
平均値加減点
85点以上+50点
80点以上85点未満+30点
75点以上80点未満+20点
70点以上75点未満+10点
65点以上70点未満0点
60点以上65点未満-10点
60点未満-30点

地域貢献は、次の5項目に当てはまるごとに10点が加わり、最高50点です。手引きによると、この欄は函館市内に本店を持つ業者だけが記載します。

  • 防災協定の締結
  • 若年者の雇用
  • 障がい者の雇用
  • 保護観察対象者等の就労支援
  • 男女共同参画等への取組

経審の評定値が同じでも、工事成績が85点以上の会社と60点未満の会社では、総合数値に80点の差が付きます。経審の点数を伸ばす方法はP点の計算の仕組みで整理しています。

等級ごとの点数の境目

格付の対象は、土木一式・建築一式・電気・管・鋼構造物・舗装・造園の7工種です。令和7年4月1日付の「建設工事 等級別総合数値区分」では、次の点数が示されています。

等級別総合数値区分(令和7年4月1日)
工種A級B級C級D級
土木一式940点以上770点以上940点未満710点以上770点未満710点未満
建築一式820点以上680点以上820点未満620点以上680点未満620点未満
電気820点以上700点以上820点未満700点未満なし
管740点以上690点以上740点未満690点未満なし
鋼構造物700点以上640点以上700点未満640点未満なし
舗装880点以上730点以上880点未満730点未満なし
造園770点以上650点以上770点未満650点未満なし

この表の点数は、経審の評定値そのものではなく、加減点まで足した総合数値に対する境目です。たとえば土木一式で経審の評定値が900点でも、工事成績の加減点が+50点なら総合数値は950点で、点数の上ではA級に届きます。実際の格付には、次の節の条件も関わります。

入札ランク目安ツールは目安であり、函館市の格付を決めるものではありません。

Aクラスの追加条件と昇格・新規の扱い

格付基準は、点数のほかにAクラスへ次の条件を付けています(建築一式はBクラスにも同じ条件のうち(1)を適用)。

  • (1) 7工種のいずれも、特定建設業の許可が必要。
  • (2) 工種ごとに必要な技術者数を満たす。
Aクラスの技術者の必要数(格付基準から)
工種必要な人数
土木一式5人以上(うち1級土木施工管理技士2人以上。1級建設機械施工技士・技術士を含む)
建築一式5人以上(うち1級建築施工管理技士2人以上。1級建築士を含む)
電気2人以上(うち1級電気工事施工管理技士1人以上。技術士を含む)
管2人以上(うち1級管工事施工管理技士1人以上。技術士を含む)
鋼構造物2人以上(うち1級土木施工管理技士1人以上。1級建築施工管理技士・1級建築士・技術士を含む)
舗装5人以上(うち1級土木施工管理技士2人以上。1級建設機械施工技士・技術士を含む)
造園2人以上(うち1級造園施工管理技士1人以上。技術士を含む)

1級以外の人数は、2級の技術者でもよいと書かれています。土木一式と建築一式では、監理技術者資格者証の交付を受けている人が上記の資格者以外であれば、2級の技術者として数えます。

格付基準には、等級の動きについて2つの決まりもあります。

  • 前回の格付より2ランク以上上位に変わる業者は、前回の格付の1ランク上に格付する。
  • 新規業者は、本来格付される位置の1ランク下位に格付する。新規業者とは、初めて申請した業者と、資格が1年以上中断して申請した業者。新しい工種を申請した場合、その工種は新規業者として扱う。

点数が大きく伸びても、一度に2ランク以上は上がりません。許可を取って間もない会社は、まず1ランク下のスタートを見込む必要があります。

希望工種の上限(3工種以内)

建設工事の資格は、建設業法の別表に基づく29工種です。希望する工種には上限があります。

希望工種の数(手引きから)
項目内容
上限市内業者・市外業者とも、「しゅんせつ」「水道施設」を除き3工種以内
契約の権限を委任した営業所を置く場合その営業所が持つ許可工種のうちから3工種以内
希望できる工種の条件経審を受けていて、完成工事高がある工種
有効期間中の変更別の工種への変更はできない。上限を超えない追加は令和8年度(中間年)の申請で行う

申請書の「希望」欄に印を付けられるのは、「経審」の欄に印があり、完成工事高がある工種だけです。受けていない工種や、完成工事高のない工種は選べません。

令和7・8年度の日程と次回の確認

令和7・8年度の申請(手引きから)
項目内容
受付期間令和7年1月14日から2月14日まで(消印有効)
申請方法原則として郵送。提出先は函館市財務部調度課
資格の有効期間令和7年4月1日から令和9年3月31日まで

手引きは、事務処理の都合から、市内業者・市内支店業者は1月14日から24日まで、市外業者は1月27日から2月7日までの送付を勧めていました。手引きは令和8年度を「中間年」とし、上限を超えない希望工種の追加申請はその年度に行うとしています。資格の有効期間は令和9年3月31日に終わります。その後の期間の受付の日程は、市のページで最新の案内を確かめてください。

この記事で確認できなかった点

  • 令和9年度以降の申請の日程と要件。
  • 等級ごとの業者数(格付基準は、過去の実績の業者数と構成比を考慮して決めるとだけ書いています)。
  • 入札ごとの地域要件(案件ごとの公告で決まる)。

確認した一次資料

この記事は、函館市の手引きと格付基準を整理したものです。申請の可否や個別の判断は、市の最新の案内と審査結果が優先されます。

まとめ

  1. 等級は、経審の工種ごとの評定値に、工事成績(+50点から-30点)と地域貢献(最高+50点)を足した総合数値で決まる。
  2. 格付の対象は7工種。土木一式のA級は940点以上、建築一式のA級は820点以上。
  3. Aクラスは特定建設業の許可と工種ごとの技術者数が条件。2ランク以上の上昇は1ランクまでで、新規業者は1ランク下から始まる。
  4. 希望工種は3つまで。有効期間は令和7年4月1日から令和9年3月31日で、次回の日程は市のページで確認する。

よくある質問

函館市の等級は、何の点数で決まりますか?
経審の工種ごとの評定値(客観点)に、工事施行成績の加減点と地域貢献の加点(主観点)を足した総合数値で決まります。等級ごとの業者数は、過去の実績の業者数と構成比も考慮して決められます。
函館市の土木一式で、A級になる点数は何点ですか?
令和7年4月1日付の等級別総合数値区分で、土木一式のA級は940点以上、B級は770点以上940点未満です。A級には特定建設業の許可と技術者5人以上(うち1級土木施工管理技士2人以上)も求められます。
函館市の格付は、市外の業者にも関係しますか?
市外業者の等級の扱いは、手引きと格付基準からは読み取れませんでした。手引きは発注で市内に本店を持つ業者を優先するとしており、地域貢献の加点の欄と審査結果の郵送は市内に本店を持つ業者が対象です。市外業者は、市の有資格者名簿で登録を確認します。
函館市で登録できる希望工種は、いくつまでですか?
「しゅんせつ」「水道施設」を除き3工種以内です。経審を受けていて完成工事高がある工種から選び、有効期間中の別工種への変更はできません。
函館市の令和7・8年度の資格は、いつまで有効ですか?
令和7年4月1日から令和9年3月31日までです。受付は令和7年1月14日から2月14日まで(消印有効)で、原則として郵送でした。
函館市に初めて申請した業者は、何等級になりますか?
本来格付される位置の1ランク下位に格付されます。初めて申請した業者、資格が1年以上中断して申請した業者、新たな工種を申請した工種が新規業者の扱いです。

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