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建退共の脱退(契約解除)と退職金の請求|事業をやめたとき・従業員が辞めたときの手続き

建退共(建設業退職金共済)をやめたいとき、従業員が辞めたとき、退職金を受け取りたいときで、手続きの窓口も書類もまったく違います。公式ページでは「脱退」ではなく「契約の解除」と呼ばれる事業主の手続きと、労働者本人が行う退職金の請求を、建退共の公式ページから整理します。

建退共 公式サイト
編集:建設経営ラボ編集部(合同会社フューチャープロンプト) / 運営方針・出典

建退共は、事業主が労働者の働いた日数に応じて掛金を納め、建退共が労働者へ直接退職金を支払う制度です。事業主が「やめる」手続きは契約の解除(様式第015号など)で、労働者が受け取る手続きは退職金の請求です。従業員が会社を辞めただけでは退職金は出ません。退職金が支給されるのは、建設業界で働かなくなったときです。加入や証紙の事務は『建退共の事業主の事務』で説明しています。

どの手続きが自分に当てはまるか

場面ごとの手続き(建退共の案内から)
場面手続きをする人手続き
従業員が会社を辞める事業主退職日までの掛金を納め、共済手帳を本人に渡す
事業主が建退共をやめる(廃業、他の退職金制度への切り替えなど)事業主共済契約の解除申請を、建退共の都道府県支部へ出す
建設業界で働かなくなった労働者本人(亡くなったときは遺族)退職金請求書と添付書類を、都道府県支部へ出す

従業員が辞めたとき:共済手帳を本人に渡す

公式ページ「従業員が退職したとき」は、従業員が事業所を辞めるときは、退職日までの労働日数に応じた掛金を納めたうえで、共済手帳を必ず本人に渡すよう求めています。共済手帳は従業員のものなので、いかなる理由があっても渡さないということはできない、とも書かれています。

辞めた従業員が建設業の別の事業所で働き続けるなら、新しい事業主が加入事業主であれば、その事業主から証紙を貼ってもらえます。建設業界で働かなくなる場合は、退職金の請求を案内します。手帳を渡したときは、共済手帳受払簿(様式第029号)に記入します。

従業員の行方がわからず手帳を渡せないときは、1か月程度保管してもなお不明なら、共済手帳の返納の手続きを行うと案内されています。

事業主が建退共をやめるとき:契約の解除

公式ページ「契約を解除したいとき」は、共済契約者が建設業を営むことをやめた場合や、他の退職金制度に切り替えるなどして建退共を利用しなくなった場合に、契約の解除手続きを行うよう案内しています。解除の事由は次の6つです。

  • 解散・倒産・廃業となったため
  • 被共済者の同意(他の退職金制度に切り替えたなど)が得られたため
  • 掛金納付の継続が困難となったため
  • 合併・事業譲渡のため
  • 共済契約者の登録が重複しているため
  • 中小(大手)企業でなくなったため

申請書は「共済契約解除申請書(兼)中小(大手)企業者でなくなった届(様式第015号)」で、被共済者の同意で解除するときは「共済契約解除同意書(様式第016号)」も使います。事由によって添付書類が変わります。

解除の事由と添付書類の例(建退共の案内から)
解除の事由添付書類
解散・倒産・廃業契約者本人以外が手続きをする場合のみ、共済契約者との関係を証明する書類(履歴事項全部証明書、戸籍謄本など)
被共済者の同意(他の退職金制度への切り替えなど)被共済者の4分の3以上の同意書(被共済者が0人なら不要)
掛金納付の継続が困難掛金の納付の継続が著しく困難であることの厚生労働大臣の認定書

提出先は建退共の都道府県支部です。郵送するときは、郵便局の窓口から簡易書留で送るよう案内されています。電子申請専用サイトからのオンライン申請もできますが、オンラインで手続きした場合も、共済契約者証と確認書類を支部へ送る必要があります。

共済契約者が手帳を保管している場合は、解除の前に就労日数分の掛金を漏れなく納め、必ず被共済者へ手帳を渡します。このとき、建退共を利用している別の事業所で働くなら、新しい事業所で掛金を納めてもらえること、建設業で働かなくなったら退職金を請求できることを説明するよう求められています。

使わなかった証紙は買い戻しの申し出ができる

就労日数に応じた掛金を納めたうえで、共済証紙が余っているときは、解除の手続きが終わったあとに証紙の買戻しを申し出られます。支部へ連絡して「証紙買戻し申請書」と「建設業退職金共済契約解除証明書」を受け取り、未使用の証紙を添えて、振込口座のある、証紙を販売している金融機関へ出します。支払いは、金融機関へ提出してから約1か月かかります。金融機関によっては対応できない場合があるため、事前に確認するよう案内されています。

退職金を請求するとき:条件・書類・流れ

退職金を請求するのは、労働者本人(亡くなった場合は遺族)です。事業主が代わりに請求する手続きではありません。

請求できる条件と退職金額の目安

請求できるのは、共済手帳に貼り終えた共済証紙と、電子申請で納付された掛金の日数の合計が12月分(21日を1か月と数えます)以上あるときです。退職日が平成28年3月31日以前の場合は条件が変わります。掛金納付月数が12月以上24月未満のときの退職金は、掛金納付額の3〜5割程度とされています。

用意する書類

  • 退職金請求書
  • 共済手帳(紛失したときは、共済手帳紛失又は棄損による再交付申請書(様式第017号))
  • マイナンバー入りの住民票の原本(発行から3か月以内、請求する人のみ記載の住民票抄本)
  • 身元確認書類のコピー1点(運転免許証、パスポート、在留カードなど)
  • 預貯金通帳またはキャッシュカードのコピー(本人名義の普通預金口座。漁業協同組合・ネットバンクは指定できません)
  • 「退職所得の受給に関する申告書」兼「退職所得申告書」

退職金請求の事由が一部のもの(公式ページでは1〜5)のときは、請求書の「退職事由の証明欄」に事業主の証明を受けます。最後の事業主が廃業していて証明を受けられないときは、都道府県支部へ問い合わせるよう案内されています。

提出と振込

請求書一式は、建退共の都道府県支部へ、郵便局の窓口から簡易書留で郵送します。オンライン申請もあります。振込は、支部で書類を受け付けてから1か月ほどかかり、記入もれや書類の不足があると遅れます。

退職所得の申告書を出さないと、退職金額の20.42%(復興特別所得税を含む)が源泉徴収されると公式ページに書かれています。税の取り扱いの個別の判断は、この記事では扱いません。税務署や税理士に確認してください。

経審との関係

経営事項審査(経審)の建退共の加点は、加入・履行証明書をもとにします。契約を解除すると、その事業者は建退共の加入事業者ではなくなります。解除を考えるときは、経審の加点や公共工事の入札で建退共の加入が求められていないかを、先に確かめてください。加点は『経審の建退共加点は15点』で説明しています。

次に知りたいこと

確認した一次資料

まとめ

  1. 事業主が建退共をやめる手続きは「契約の解除」。様式第015号などを都道府県支部へ出す。
  2. 従業員が辞めたら、掛金を納めたうえで共済手帳を必ず本人に渡す。
  3. 退職金は、建設業界で働かなくなったときに本人が請求する。掛金納付が12月分(21日を1か月)以上あることが条件。
  4. 余った証紙は、解除後に買戻しを申し出られる。

この記事は公式ページの整理です。様式や手続きは変更されることがあります。実際の事務は、建退共の最新の案内と都道府県支部の指示に従ってください。税や労務の個別の判断は、税務署や専門家に確認してください。評点表・算式の転記元は一次資料・出典にまとめています。

よくある質問

建退共をやめたいときは、どんな手続きをしますか?
公式ページでは「契約の解除」と呼ばれ、共済契約解除申請書(兼)中小(大手)企業者でなくなった届(様式第015号)を建退共の都道府県支部へ出します。廃業、他の退職金制度への切り替え、合併・事業譲渡などが解除の事由です。
従業員が会社を辞めたら、退職金は出ますか?
会社を辞めただけでは出ません。建退共の退職金が支給されるのは、従業員が建設業界で働かなくなったときです。建設業の別の事業所で働き続けるなら、新しい事業主が加入事業主であれば引き続き掛金を納めてもらえます。
従業員が辞めるとき、共済手帳はどうしますか?
退職日までの労働日数に応じた掛金を納めたうえで、共済手帳を必ず本人に渡します。手帳は従業員のものなので、渡さないということはできません。渡したときは共済手帳受払簿に記入します。
退職金を請求できるのは、掛金を何か月納めたときからですか?
共済手帳に貼り終えた証紙と、電子申請で納付された掛金の日数の合計が12月分(21日を1か月と数えます)以上あるときです。退職日が平成28年3月31日以前の場合は条件が変わります。
退職金の請求に必要な書類は何ですか?
退職金請求書、共済手帳、マイナンバー入りの住民票の原本、身元確認書類のコピー、預貯金通帳またはキャッシュカードのコピー、退職所得の申告書です。建退共の都道府県支部へ、郵送では簡易書留で出します。
使わなかった共済証紙は、契約を解除したあとどうなりますか?
就労日数に応じた掛金を納めたうえで証紙が余っているときは、解除の手続きが終わったあとに買戻しを申し出られます。支払いは、金融機関へ書類を出してから約1か月かかると案内されています。

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