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建設業許可の営業所を増やす・移すときの手続き|変更届か許可換えかの判断表

営業所を新設・移転・廃止するときに、変更届(30日以内)で済むのか、許可換え(新たな許可)が必要なのかを、今の許可が大臣か知事か、営業所が何県にまたがるかで分けて判断表にしました。経審と入札参加資格への影響も、公式資料で確認できた範囲だけ載せています。

建設業法第3条・第9条・第11条
編集:建設経営ラボ編集部(合同会社フューチャープロンプト) / 運営方針・出典

支店や出張所を出すとき、まず分かれ目になるのは、営業所が「今の許可を出した行政庁の管轄の中」に収まるかどうかです。収まれば変更届、収まらなければ許可換えです。この記事は、その判断を先にできるようにして、変更届の書類は既存の記事、許可換えの考え方も既存の記事へつなぎます。

判断表:営業所の動きと必要な手続き

今の許可の種類と、営業所の動きの組合せで手続きが決まります。根拠は建設業法第3条第1項・第9条第1項・第11条第1項です。

今の許可営業所の動き必要な手続き期限・根拠
知事許可同じ都道府県内に営業所を新設・廃止・移転する変更届(変更届出書、様式第22号の2)30日以内(第11条第1項)
知事許可他の都道府県に営業所を新設し、営業所が二以上の都道府県になる国土交通大臣許可への許可換え(新たな許可の申請)第9条第1項第3号。許可を受けると従前の知事許可は効力を失う
知事許可今の都道府県の営業所を廃止して、他の一つの都道府県に営業所を置く他の都道府県知事への許可換え(新たな許可の申請)第9条第1項第2号
大臣許可営業所を新設・廃止・移転するが、二以上の都道府県に営業所が残る変更届30日以内(第11条第1項)
大臣許可営業所の廃止などで、一つの都道府県にしか営業所がなくなる都道府県知事許可への許可換え(新たな許可の申請)第9条第1項第1号
どちらも許可を受けていない業種を営業所で扱い始める変更届ではなく業種追加の許可申請第3条第2項(許可は業種ごと)

表の「許可換え」は、変更届では足りず、新しい許可行政庁へ許可を受け直す手続きです。許可換えと変更届が別の条文である点は『許可換え(建設業法第9条)と変更届は別の条文』で整理しています。

そもそも営業所とは何か

建設業法第3条第1項は、営業所を「本店又は支店若しくは政令で定めるこれに準ずるもの」と定め、建設業法施行令第1条は、支店に準ずる営業所を「常時建設工事の請負契約を締結する事務所」としています。

国土交通省の建設業許可事務ガイドライン(【第3条関係】2)は、これを、請負契約の見積り、入札、狭義の契約締結など請負契約の締結に係る実体的な行為を行う事務所と説明しています。契約書の名義人がその事務所を代表する者かどうかは問いません。契約の締結に関わる実体的な行為をしない事務所が営業所に当たるかは、許可行政庁に確かめてください。

同じガイドラインは、許可を受けた業種について軽微な建設工事のみを請け負う場合でも、届出をしている営業所以外ではその業種を営業できないとしています。契約を結ぶ拠点を増やすなら、その拠点を営業所として届ける必要があるかを先に考えます。

変更届で済む場合の期限と書類

建設業法第11条第1項は、第5条第1号から第5号に掲げる事項に変更があったときは30日以内に変更届出書を提出するよう求めています。第5条第2号が営業所の名称と所在地、第5条第5号が営業所ごとに置く営業所技術者です。営業所を新設すれば、その営業所の名称・所在地と、そこに置く営業所技術者が変わります。

国土交通省の「許可を受けた後の届出等の一覧」では、営業所の新設は事実の発生から30日以内の届出に分類され、次の書類が示されています。

  • 変更届出書(様式第22号の2)
  • 新設する営業所の代表者に関する書類(誓約書〔様式第6号〕、登記されていないことの証明書、市町村の長の証明書)
  • 令第3条の使用人の一覧表(様式第11号)と調書(様式第13号)

変更届出書の記載要領は、営業所の新設の場合、「変更後」の欄にその営業所に専任で置く営業所技術者の氏名を書き、「備考」の欄に営業所の名称を書くとしています。営業所技術者になる人の資格を示す書類(専任技術者証明書、様式第8号を含む)は、その営業所に配置する人を決めてから準備します。営業所の名称だけを変えるときは、新しい名称の営業所を新設し、古い名称の営業所を廃止する形で届けると記載要領にあります。

書類の細かい組合せは、許可行政庁の手引きで確かめてください。役員・営業所・専任技術者の書類は『変更届の書類:役員・営業所・専任技術者の変更』、期限の数え方は『変更届の期限』で扱っています。

許可換えになる場合

許可換えは、変更届のように今の許可に書き足す手続きではありません。新しい許可行政庁に新たに許可を申請します。建設業法第9条第1項は、新たに許可を受けたとき従前の許可は効力を失うと定めています。申請書の行政庁側記入欄では、この申請を「許可換え新規」と呼び、許可換えの区分は大臣許可から知事許可、知事許可から大臣許可、知事許可から他の知事許可の3つです。

ガイドラインは、許可換え新規を申請する人は、工事経歴書、直前3年の各事業年度における工事施工金額を記載した書面、使用人数を記載した書面の提出を省略できるとしています。ほかの書類の扱いは行政庁ごとの手引きで確かめます。

許可番号が変わると、入札参加資格にも影響が出ます。国土交通省の競争参加資格の手引きは、許可番号の変更を速やかに変更届で届けるよう求めています。詳しくは『社名変更・本店移転・代表者変更の届出の順番』も参照してください。

営業所で扱う業種を増やす場合は別の手続き

建設業の許可は業種ごとに与えられます(建設業法第3条第2項)。すでに許可を受けている業種を新しい営業所でも営むときは、営業所の新設の変更届に、その営業所で営業する建設業を記載します。変更届出書の記載要領は、営業する建設業の種類や従たる営業所の所在地の変更を、新設・廃止とは別の区分で扱っています。

これに対し、今の許可に無い業種を営むには、その業種の許可を申請します。ガイドラインは、一般建設業の許可を受けている人が他の建設業について一般建設業の許可を申請する場合を「業種追加」と区分しています。営業所を増やす計画と業種を増やす計画が同時にあるときは、変更届と業種追加の申請の両方が必要になります。業種を追加した後に経審を受けるときの扱いは『経審の業種追加申請とは』にあります。

経審と入札参加資格への影響

入札参加資格(国土交通省の手引き)

国土交通省の競争参加資格審査の手引き(令和7・8年度版)は、有資格業者が営業所の新設・閉鎖などを変更したときに変更届を出すことを求めています。添付書類は変更事項で違い、営業所の新設は、営業所の建設業許可工事種別を証明するもの(建設業許可関係の変更届出書の写し等)で、経営事項審査を受けた建設業許可を有することが条件です。営業所の閉鎖は添付書類なしです。

建設業許可の変更届を出すと、その写しが入札参加資格の変更届の添付書類になります。変更届を先に出して控えを残す順番になります。日数の定めは、この手引きでは確認できていません。許可の変更届の後すぐに出す前提で組みます。手引きは令和7・8年度版で、令和9・10年度の受付では取扱いが変わる可能性があります。

経営事項審査(経審)

変更届だけで済む営業所の新設は、許可行政庁が変わらないため、受審先も変わらない整理になります。一方、許可換えで許可行政庁が変わると、経審は新しい行政庁で受けます。行政庁によっては、前回に他の行政庁で受けたときの書類の提出を求めます。たとえば近畿地方整備局の手引きは、許可換えで初めて受審する場合に、前回他行政庁で受審したときの「技術職員名簿」の写しを参考資料として提出するよう求めています。大阪府の手引きのQ&Aは、他府県から許可換えした場合に、前審査年度の許可通知書・結果通知書・工事経歴書などを申請書一式と提出するとしています。許可番号が変わったときの受け直しの可否は、事前に担当へ問い合わせるよう案内されています。

これらは近畿地方整備局と大阪府の例です。ほかの行政庁の提出書類は、受審先の手引きで確かめてください。入札参加資格側の変更届の詳しい内容は『入札参加資格の変更届』にあります。

確認した一次資料

経審の例に使った近畿地方整備局と大阪府の手引きは、各機関が公表する経営事項審査の手引き(令和8年度版)で確認しました。確認日:2026年10月15日(法令はe-Gov法令検索の取得日時点)。

まとめ

  • 営業所が今の許可行政庁の管轄に収まる新設・廃止・移転は、30日以内の変更届(建設業法第11条第1項)。
  • 知事許可で他の都道府県にも営業所を置く、または他の一県へ移すと、許可換え(新たな許可)。大臣許可で営業所が一県だけになるときも許可換え(第9条第1項)。
  • 許可換えは従前の許可が失効する新規の申請で、許可番号が変わる。変更届とは別の手続き。
  • 今の許可に無い業種を営業所で扱うなら、変更届ではなく業種追加の許可申請。
  • 入札参加資格は営業所の新設で変更届、添付に許可の変更届の写し。許可換えをすると、経審は新しい行政庁で受け、前回の書類を求められることがある。

この記事は公開情報の整理で、許可申請や届出の代行・個別の相談は行いません。具体的な取扱いは、許可行政庁や各発注機関の案内で確認してください。正式な評点は審査結果が優先します。評点表・算式の転記元は一次資料・出典一覧で確認できます。

よくある質問

営業所を新設したら変更届と許可換えのどちらですか?
今の許可行政庁の管轄に収まるなら変更届です。知事許可の人が他の都道府県に営業所を置いて二以上の都道府県になるときは、建設業法第9条第1項第3号により国土交通大臣許可への許可換えになります。
営業所の新設の変更届はいつまでに出しますか?
建設業法第11条第1項により、営業所の名称・所在地などの変更は30日以内に変更届出書を提出します。国土交通省の届出等の一覧は、営業所の新設を事実の発生から30日以内の届出に分類しています。
営業所の新設の変更届にはどんな書類がいりますか?
国土交通省の一覧では、変更届出書(様式第22号の2)、新設する営業所の代表者に関する書類(誓約書、登記されていないことの証明書、市町村の長の証明書)、令第3条の使用人の一覧表と調書が示されています。営業所技術者の氏名も届出書に記載します。
大臣許可で営業所を減らすと何が必要ですか?
二以上の都道府県に営業所があった大臣許可の人が、一つの都道府県にしか営業所を有しなくなると、建設業法第9条第1項第1号により、都道府県知事への許可換えが必要です。
営業所の新設は入札参加資格にも届けますか?
国土交通省の競争参加資格の手引き(令和7・8年度版)は、営業所の新設に変更届を求め、添付書類は営業所の建設業許可工事種別を証明するもの(建設業許可の変更届出書の写し等)です。日数の定めは手引きでは確認できていません。

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