受審後の実務

和歌山市の工事の入札参加資格と経審|総合点数に足す主観点15項目・市内準市内の区分・追加審査の時期

和歌山市の工事の入札参加資格で、経審の総合評定値に市の主観点数がどう足されるか、市内・準市内・県内の区分、定期審査と追加審査の時期を、市の申請要領から整理します。

和歌山市 令和7・8年度 競争入札参加資格審査 申請要領(建設工事・県内建設業者用)令和8年6月
編集:建設経営ラボ編集部(合同会社フューチャープロンプト) / 運営方針・出典

和歌山市の工事の入札参加資格では、経営事項審査(経審)の結果通知書を出します。市は、和歌山県内に主たる営業所がある会社に、経審の総合評定値へ市独自の主観点数を足した総合点数をつけます。主観点は15項目で、地元に主たる営業所があれば30点、和歌山市との災害協定があれば最大40点などです。登録の有効期間は最長2年です。

この記事は、市が公開した令和7・8年度の第3回追加審査の申請要領(県内建設業者用、令和8年6月)を原文で確認してまとめます。次の令和9・10年度の定期審査は、市が令和9年1月頃の予定としており、条件は変わることがあります。経審の点数そのものは経審のP点の計算の仕組みで確認できます。

経審に関わる資格要件

要領は、申請できない人の条件の1つとして、建設業法第3条の許可を受けていない人と、同法第27条の23の経営事項審査を受けていない人を挙げています。許可と経審の両方が前提です。

ほかにも、市税・消費税・所得税または法人税を完納していない人、健康保険・厚生年金保険・雇用保険に加入していない人(法令で適用除外の場合を除く)、暴力団排除条例に当たる人は申請できません。経審の通知書の社会保険の欄が「無」で、審査基準日に実際は加入している場合は、加入を確認できる書類を別に出します。

市内・準市内・県内の区分

県内に主たる営業所がある建設業者は、次の3つに分かれます。

和歌山市の県内建設業者の区分
区分決まり方
市内業者主たる営業所が和歌山市内にある
準市内業者主たる営業所は市外だが、市内にその他の営業所があり、準市内の要件を満たす
県内業者上のどちらでもない(県内に主たる営業所がある)

準市内の要件は、次の3つをすべて満たすことです。

  1. 和歌山市内に、契約権限等を委任した適正な営業所を置いている。
  2. 和歌山市に「法人設立・事務所等設置申告書」を届け出て、法人市民税を納めている(個人事業者は市民税を納めている)。
  3. 登録する業種の複数の常勤技術職員等を、その営業所に配置している。

県外に主たる営業所がある会社は、別の「県外建設業者用」の要領を使います。この記事の主観点数の表は、県内に主たる営業所を置く建設業者を対象にした制度として書かれています。

総合点数=総合評定値+主観点数

要領は、技術力の向上や社会貢献に積極的な地元の建設業者を評価するため、県内に主たる営業所を置く建設業者を対象に、工事成績や災害協定の締結などを評価する主観的事項審査を導入していると説明しています。総合点数は、経営事項審査による総合評定値(客観点数)に主観点数を足したものです。

主観点数の15項目と点数を、要領の表から抜き出します。

和歌山市の主観点数(令和7・8年度の第3回追加審査の要領)
番号項目点数と条件
1労働安全衛生確保への取組労働安全衛生法関係の免許取得者・技能講習修了者を雇用。1人につき2点(上限10点)
2暴力団等排除への取組審査基準日の前日までの3か年に、不当要求防止責任者講習を受講。10点
3災害時の応急対策業務への取組和歌山市と災害時応急対策業務協定を締結した事業者・団体は30点。大規模災害時の協定を結んだ団体の会員は30点。和歌山県との協定を結んだ団体の会員(市内の業務を含むものに限る)は15点。加算はいずれか一つ
4災害時の応急対応への貢献前日までの2か年に、市との協定に基づき応急対策業務を行った人は40点。国や地方公共団体の依頼で市内の応急対策業務を行った人は1件15点(上限30点)。加算はいずれか一つ
5災害予防活動への取組前日までの2か年に、防災活動への協力または主催。15点
6環境配慮への取組ISO9000シリーズ10点、ISO14001は10点、エコアクション21は5点(ISO14001を取得していれば加点なし)
7障害者雇用への取組法定義務建設業者(常用労働者37.5人以上)で法定数を超えて雇用していれば10点。非法定義務建設業者は1名以上の雇用で10点。法定義務建設業者で法定数の雇用なら5点
8地元雇用への取組和歌山市民の雇用が10人以上なら30点。10人未満は雇用比率50%以上80%未満で10点、80%以上で30点(上限30点)
9地元業者の優先和歌山市に主たる営業所(本社・本店)がある。30点
10優良工事表彰の受賞歴前5か年に市の優良建設工事表彰を受賞したら1件15点、表彰の候補に選ばれたが受賞しなかったら1件5点(上限40点)
11工事成績前5か年の市の工事の業種別平均評定点が65点超なら(平均−65)×3点、65点未満なら(平均−65)×2点。上限100点、下限−50点。工事実績がなければ65点として計算
12技術者数資格者等総括表に載せた技術者に、別表のとおり加点。1人が複数資格でも、高い方のみ(上限70点)
13指名停止前日までの2か年に指名停止を受けたら、3か月未満−10点、3か月以上6か月未満−20点、6か月以上−30点。複数回は重ねて減点
14若年技術者の確保最新の経審で「若年技術職員の継続的な育成及び確保」の加点が認められていれば10点。「新規若年技術職員の育成及び確保」の加点が認められていれば10点
15女性技術者の確保建設業法第7条第2号または第15条第2号に該当する女性技術者を雇用。10点

経審の取り組みと重なるのは、14の若年技術者です。経審の通知書で加点が認められていることが条件のため、経審の若年技術職員の加点の準備が、市の点数にも響きます。

主観点は、経審の点数と別に積み上がります。地元に本店があるか(30点)、市と災害協定を結んでいるか(最大40点)、市の工事成績(−50〜100点)が、点差を分ける大きな項目です。

提出する経審の通知書の条件

要領では、経営規模等評価結果通知書・総合評定値通知書の写しを、次の条件で出します。

  • 審査基準日が令和6年12月1日以降のもので、かつ最新のものを出します(この回の要領の日付です)。
  • ファイルに綴る書類のNo.6と、クリップ留めにする書類のNo.30は別々に1部ずつ出します。技術職員名簿の写し(No.24とNo.31)も同じです。
  • 経審を受審中で通知書が届いていないときは、所管官庁の受付印のある経営規模等評価申請書の写しを出し、通知書は届き次第すぐに出します。
  • 建設業許可は、競争入札の参加を希望する業種に限らず、許可を受けているすべての業種が載ったものを出します。

14の若年技術者は、No.6の通知書の「該当」の表示を見て、申請書の主観点の欄に印を付けます。

定期審査・追加審査・変更審査の時期

和歌山市の資格は、定期審査(2年に1度)で登録します。登録の有効期間は最長2年で、空白なく登録するには2年に1度の申請が必要です。

和歌山市の審査の種類
種類対象と時期
定期審査2年に1度。次の令和9・10年度分は、令和9年1月頃の予定(申請要領は令和8年12月頃に掲載する予定)
追加審査定期審査と次の定期審査の間に、新たに名簿への登録を希望する人。半年に一度
変更審査(総合点数の変更)総合点数の変更を希望する既登録者。半年に一度

随時の申請受付(随時審査)は行っていません。令和7・8年度の第3回追加審査は、令和8年7月1日から7月16日までの受付で、登録の有効期間は令和8年10月1日から令和9年3月31日まででした。追加で入るほど、登録期間は短くなります。

提出は、郵送(書留などで配送状況が分かる方法を求めています)または持参で、電子申請は行っていません。令和8年の回の持参は7月15日と16日だけでした。登録後に内容が変わったときは、登録内容変更届を速やかに出します。登録期間中は、登録業種の追加・変更はできません。

最新の日程と条件は、市の入札参加資格のページで確認してください。

確認した一次資料

まとめ

  1. 和歌山市の工事の資格には、建設業の許可と経審の受審が前提。通知書の写しを出す。
  2. 県内の会社は、市内・準市内・県内に分かれる。準市内は、市内の営業所・法人市民税・常勤技術職員の3つが要件。
  3. 総合点数は、経審の総合評定値に、市の主観点数15項目を足したもの。
  4. 地元本店30点、市との災害協定は最大40点、工事成績は−50〜100点など、経審とは別の点差がある。
  5. 定期審査は2年に1度で、次は令和9年1月頃の予定。追加審査と変更審査は半年に一度で、随時の受付はない。

受付期間や条件は変わることがあるため、最新の申請要領で確認してください。次に知りたいことは、次の2本で確認できます。

手元の数字からP点を試算するなら経審P点シミュレーターが使えます。評点は概算で、正式な評点は審査結果が優先されます。

よくある質問

和歌山市の工事の入札参加資格に、経審は必要ですか?
必要です。申請要領は、建設業法第3条の許可と、第27条の23の経営事項審査を受けていない人は申請できないとしています。経営規模等評価結果通知書・総合評定値通知書の写しを提出します。
和歌山市の総合点数は、どう決まりますか?
経営事項審査による総合評定値(客観点数)に、市の主観点数を足して決まります。主観点数は、労働安全衛生、災害協定、地元雇用、工事成績、技術者数など15項目です。
和歌山市の市内業者と準市内業者は、何が違いますか?
主たる営業所が和歌山市内にあれば市内業者です。主たる営業所が市外でも、市内に契約権限等を委任した営業所を置き、法人市民税を納め、常勤の技術職員等を配置していれば準市内業者になります。
和歌山市の入札参加資格は、いつ申請できますか?
定期審査は2年に1度です。次の令和9・10年度分は、市が令和9年1月頃の予定としています。定期審査の間は、追加審査と変更審査が半年に一度あり、随時の受付はありません。
和歌山市の資格の登録期間は、どのくらいですか?
最長2年です。令和7・8年度の第3回追加審査で登録した分の有効期間は、令和8年10月1日から令和9年3月31日まででした。追加で入るほど、期間は短くなります。

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